Trademark Appeal Case
複合商標の要部抽出と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900109(T2009−900109/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5189441号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年6月29日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務をを指定役務として、平成20年10月23日に登録査定,同年12月19日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)及び申立人の親会社が所有する以下の(ア)ないし(キ)の登録商標(以下これらを「引用商標」という。)と類似し、また、その指定役務も引用商標の指定商品と類似するものである。
(ア)登録第2272314号商標は、「NEXT」の欧文字を書してなり、昭和60年2月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録、その後、指定商品については、同14年2月13日に第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(イ)登録第2272315号商標は、「ネクスト」の片仮名文字を書してなり、昭和60年2月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録、その後、指定商品については、同14年4月17日に第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(ウ)登録第4014689号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成8年1月12日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年6月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(エ)登録第4210819号商標は、「NEXT」の欧文字を書してなり、平成8年4月22日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同10年11月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(オ)登録第4238772号商標は、「ネキスト」の片仮名文字と「NEXT」の欧文字を二段に書してなり、平成9年3月21日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年2月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(カ)登録第4772640号商標は、「NEXT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年10月17日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同16年5月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(キ)登録第4845247号商標は、「NEXT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年3月26日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同17年3月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
「NEXT」、「ネクスト」の商標(以下「NEXT商標」という。)は、申立人及び申立人の親会社であるネクスト・グループ・ピーエルシーのハウスマークであって、商品「被服、靴、身の回り品」等に継続して使用されており、遅くとも本件商標の出願日である平成19年6月29日当時においては、NEXT商標は需要者間において申立人の製造、販売に係る商品を表象するものとして周知・著名性を獲得しているものである。このような状況下、本件商標がその指定役務に使用されれば、需要者・取引者をして、NEXT商標との間で出所の混同を生じさせるおそれが存するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)NEXT商標の著名性について
申立人の提出した証拠によれば、申立人が英国においてチェーン店を営む事業者であり、申立人に係る商品(被服、靴類等)について「NEXT」の文字からなるNEXT商標が使用されていることを窺い知ることはできるけれども、全証拠をもってしても、本件商標の登録出願時において、申立人の使用商標が我が国の需要者の間に広く認識されるに至っていたとまで認めるには充分なものとはいえないものである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、「NEXT」の欧文字と「DOOR」の欧文字を上下に書し、その中段に「THE WORLD IS WIDE OPEN」の文字を上下の文字の3文字分の幅に小さく書してなるものであるところ、「NEXT」と「DOOR」は、「EX」の文字部分をややデザインしてなるものの同じ書体、同じ大きさで、かつ、等間隔に表され、かつ、中段に文字があるとはいえ、上段と下段の文字が極めて近接して配されていることから、外観上、まとまりよく一体的に表されているものであり、これより生ずる「ネクストドア」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
また、観念についてみると、構成中の「NEXT」は、「つぎ。次位。」の意味を有する語であり、「DOOR」は、「戸。とびら。」を意味する語として、いずれも知られているものであって、全体として「次のとびら」の意味合いを認識させるものである。
そうとすると、本件商標の構成中の「NEXT」及び「DOOR」の部分は、その構成全体をもって一体不可分の造語と認識されるというのが相当である。
そして、中段の「THE WORLD IS WIDE OPEN」は、極めて小さく付記的に書してなるものであるから、自他役務の識別力を有しないというべきである。
してみれば、本件商標は、「ネクストドア」の一連の称呼のみを生じ、「次のとびら」の観念を生ずるというのが相当である。
これに対し、引用商標は、いずれも「NEXT」の欧文字若しくは「ネクスト」、「ネキスト」の片仮名文字よりなるものであるから、これよりは「ネクスト」又は「ネキスト」の称呼を生じ、「つぎ。次位。」の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標の類否について検討するに、両商標は、外観において相紛れるおそれはないというべきであり、本件商標より生ずる「ネクストドア」の称呼と引用商標から生ずる「ネクスト」又は「ネキスト」の称呼とは、その構成音及び構成音数に明らかな差異を有し、十分に聴別し得るものであり、また、観念については、本件商標より生ずる「次のとびら」の観念と引用商標より生ずる「次(つぎ)」の観念とは相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当について
本件商標が引用商標に類似するものと認められないことは、前記(2)のとおりであり、また、前記(1)のとおり、NEXT商標は、本件商標の登録出願時において、需要者の間に広く認識されるに至っていたとまで認めることはできず、他に本件商標がNEXT商標とその出所について混同を生ずるおそれがあるとする格別の事情も見いだせない。
してみれば、本件商標は、これをその指定役務に使用したとしても、これに接する需要者がNEXT商標を想起又は連想して、当該役務を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないと判断すべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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