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Trademark Appeal Case

JORDONとJORDANの類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900121(T2009−900121/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5195155号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5195155号商標(以下「本件商標」という。)は、「JORDON」の欧文字を横書きしてなり、平成20年5月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月11日に登録査定、同21年1月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人ナイキ インターナショナル リミテッド(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、下記のとおりの商標(以下、これらをまとめていうときは「引用各商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

ア 登録第2026188号商標(以下「引用商標1」という。)は、「AIR JORDAN」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年10月21日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年2月22日に設定登録されたものであり、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、平成20年7月23日に指定商品を第9類、第25類、第27類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

イ 登録第2572802号商標(以下「引用商標2」という。)は、「MICHAEL JORDAN」の欧文字を横書きしてなり、1991年6月11日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成3年6月21日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年9月30日に設定登録されたものであり、その後、同15年8月5日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同16年9月29日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

ウ 登録第2574880号商標(以下「引用商標3」という。)は、「MICHAEL JORDAN」の欧文字を横書きしてなり、1991年6月11日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成3年6月21日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年9月30日に設定登録されたものであり、その後、同15年8月5日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同年11月12日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

エ 登録第2574881号商標(以下「引用商標4」という。)は、「MICHAEL JORDAN」の欧文字を横書きしてなり、1991年6月11日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成3年6月21日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年9月30日に設定登録されたものであり、その後、同15年8月5日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同年11月12日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

オ 登録第2582731号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、1990年3月22日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成2年9月21日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年9月30日に設定登録されたものであり、その後、同15年8月5日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同年11月12日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

カ 登録第2711589号商標(以下「引用商標6」という。)は、「MICHAEL JORDAN」の欧文字を横書きしてなり、1991年6月11日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成3年6月21日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年12月26日に設定登録されたものであり、その後、同17年7月19日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同18年2月1日に指定商品を第18類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

キ 登録第2723205号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、1990年3月22日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成2年9月21日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年10月9日に設定登録されたものであり、その後、同19年10月16日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同20年4月9日に指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

ク 登録第4040863号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、1990年3月22日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成2年9月21日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年8月8日に設定登録されたものであり、その後、同19年8月21日に商標権の存続期間の更新登録がされ、同20年1月30日に指定商品を第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

ケ 登録第5218121号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成19年6月26日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年3月27日に設定登録されたものである。

コ 登録第5255737号商標(以下「引用商標10」という。)は、「JORDAN」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年6月26日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年8月7日に設定登録されたものである。

サ 登録第5235890号商標(以下「引用商標11」という。)は、「AIR JORDAN」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年6月26日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年6月5日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「ジョードン」の称呼を生ずるものであり、一方、引用商標のうち「JORDAN」の文字部分を要部とする商標は、「ジョーダン」と称呼される。

本件商標から生ずる「ジョードン」の称呼と引用商標から生ずる「ジョーダン」の称呼とは、3音目の「ド」と「ダ」の相違のみである。「ド」と「ダ」の音は母音も近似する音質的に似た濁音であり、しかも、中間に位置しており、「ジョー」の長音の後に位置するので聴取しにくいものである。

よって、両商標を各々一連に称呼した場合には、語調・語感を共通にする称呼上類似の商標ということができる。

また、本件商標と引用各商標構成中の「JORDAN」の外観をみると、構成文字6文字のうち、相違するのは5文字目の「O」と「A」のみで、両商標は一見して外観上紛らわしい商標であり、両商標の指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用各商標は、いずれも著名なバスケットボール選手マイケル・ジョーダンに由来するものである。マイケル・ジョーダンは、新人の頃から申立人と契約を結び、彼自身の名前をブランド化したバスケットボールシューズの製造販売がなされていた(甲第4号証ないし甲第6号証)。マイケル・ジョーダンについては、ピューリッツア賞受賞作家による本も執筆されており(甲第9号証)、インターネットの検索サイトで「ジョーダン」のキーワードで検索しても「マイケル・ジョーダン」、「ジョーダンブランド」が上位にヒットする(甲第10号証)。

「JORDAN」に係る商品の全世界での売上高は、1989年以来の合計が70億米ドル(7000億円)以上となっており(甲第12号証)、我が国においては、「ジョーダンブランド」として、申立人の日本法人ナイキジャパンの全国のストア及び専門店で販売されており(甲第7号証及び甲第8号証)、2009年の売上げも既に6億8千万円に上っている(甲第11号証)。

また、申立人の商品は、シューズのみではなくスポーツアパレルにも高い技術力を誇っており(甲第16号証)、「JORDAN」や「ジョーダンブランド」については、ショッピッグサイト最大手「楽天市場」(甲第17号証)やナイキの専門雑誌「ナイキ完全読本(1996年春号、秋号)」(甲第18号証)、「nikebiz.com」のウェブサイト上のプレスリリース(甲第19号証)、ナイキジャパンのサイト上のプレスリリース(甲第20号証)、インターネット上のサイト「Jordan Brand Classic(ジョーダンブランドクラシック)」(甲第21号証)及びインターネット上のサイト「CNN Money(シーエヌエヌマネー)」(甲第22号証)においても取り上げられている。

そして、申立人の商品は、本件商標権者の本国である台湾でも販売されており(甲第13号証)、台湾においても、「Jordan Brand(ジョーダンブランド)」のサイトがある(甲第14号証)。本件商標権者は、台湾のスポーツアパレルのメーカーとみられ(甲第15号証)、当然、引用各商標に係るブランド及び商品については認識していると考えられる。

したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合には、引用各商標に係る商品と商品分野を共通することにより、出所混同を生ずるおそれがあるので、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標と引用各商標の構成及び称呼について

本件商標は、「JORDON」の欧文字を横書きしてなるものであるから、該構成文字に相応して「ジョードン」の称呼を生ずるものと認められる。

一方、引用商標1及び引用商標11は、「AIR JORDAN」の欧文字を横書きしてなり、引用商標2ないし引用商標4及び引用商標6は、「MICHAEL JORDAN」の欧文字を横書きしてなるところ、これらの各文字は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表現されており、これらから生ずる「エアジョーダン」又は「マイケルジョーダン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであるから、それぞれの構成文字に相応して、引用商標1及び引用商標11からは「エアジョーダン」の称呼を、引用商標2ないし引用商標4及び引用商標6からは「マイケルジョーダン」の称呼を生ずるものと認められる。

次に、引用商標5及び引用商標7ないし引用商標9は、別掲に示したとおり、「JORDAN」の文字と該「O」と「R」の各文字の間に「A」の文字を小さく表し、また、該「D」と「A」の各文字の間に「R」の文字を小さく表し、さらに、両足を大きく広げ、円状のものを手にした腕を上方に伸ばし、他方の腕を左下に伸ばした人のシルエット図形を、該「R」と「D」の文字の間に配した構成からなるところ、その構成中の「JORDAN」の文字部分が顕著に表示されていることから、該構成文字に相応して「ジョーダン」の称呼を生ずるものと認められる。

また、引用商標10は、「JORDAN」の欧文字を標準文字で表してなるものであるから、該構成文字に相応して「ジョーダン」の称呼を生ずるものと認められる。

イ 本件商標と引用商標1ないし引用商標4、引用商標6及び引用商標11(以下、これらを「引用A商標」という。)との類否について

本件商標から生ずる「ジョードン」の称呼と引用商標1及び引用商標11から生ずる「エアジョーダン」の称呼並びに引用商標2ないし引用商標4及び引用商標6から生ずる「マイケルジョーダン」の称呼とを比較するに、本件商標から生ずる称呼と引用A商標から生ずる称呼とは、いずれもその構成音数及び音構成を全く異にするものであるから、互いに聞き誤るおそれのない非類似の商標といわなければならない。

また、本件商標と引用A商標とは、その全体の外観において顕著な差異を有するばかりでなく、本件商標と引用A商標構成中の「JORDAN」の欧文字の外観を比較してみても、いずれも比較的短い文字構成において、中間部分とはいえ、明らかに字形の異なる「O」と「A」の文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。

さらに、少なくとも、本件商標は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、両者の観念については比較することができない。

ウ 本件商標と引用商標5、引用商標7ないし引用商標9及び引用商標10(以下、これらを「引用B商標」という。)との類否について

本件商標から生ずる「ジョードン」の称呼と引用B商標から生じる「ジョーダン」の称呼とを比較するに、両称呼は、第3音目において「ド」と「ダ」の音の差異を有するものであるところ、この両音は、いずれも有声の破裂音であって、それ自体響きの強い音であること、さらに、前音が長音であることも相まって、この差異が5音という比較的短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、彼此相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。

また、本件商標と引用B商標との外観については、上記イにおいて述べたところと同様の理由により、互いに紛れるおそれはなく、観念については、上記イのとおり、比較することができない。

なお、申立人は、審決例を挙げているが、それらの審決例で争われている商標は、本件とは商標の構成を異にするものであって、事案を異にするものというべきであるから、上記認定に影響を及ぼすものとは認められない。

エ 以上のとおり、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用各商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る証拠によれば、バスケットボール選手である「MICHAEL JORDAN(マイケルジョーダン)」を「AIR JORDAN(エアジョーダン)」あるいは、単に「JORDAN(ジョーダン)」と称している事実が認められ、また、甲号証の一部には、「ジョーダンブランド」の記載のもとに商品を紹介しているサイトが見受けられるにしても、バスケットボールシューズ等の商品に具体的に表示されている商標は、「MICHAEL JORDAN」や「AIR JORDAN」の文字がほとんどであり、申立人の提出に係る証拠をもってしては、「JORDAN」あるいは「ジョーダン」の各文字が本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係るバスケットボールシューズ等の商品に使用する商標として、我が国の取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認めるに十分なものとはいえない。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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