Trademark Appeal Case
類似商標の周知性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900182(T2009−900182/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5205777号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年7月2日に登録出願、第3類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の商品・役務を指定商品・指定役務として、平成21年1月20日に登録査定、同年2月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「LE VAINQUEUR」の文字からなり、申立人によって、「香水」について使用されているものである。
(2)理由の要点
本件商標は、以下のアないしウにより、その登録を取り消されるべきものである。
ア 商標法第4条第1項第10号違反
本件商標と引用商標(申立人ブランド)は、称呼、観念、外観が同一または類似している類似の商標であり、指定商品及び指定役務は申立人が使用する「香水」と同一または類似するものである。
したがって、本件商標は、これをその指定商品又は指定役務に使用した場合には、申立人の香水を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と類似し、香水若しくはその香水に類似する商品又は役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号違反
申立人の商標は「香水」の商標として著名性を獲得しているため、本件商標に接した取引者・需要者は、商標および商品等が類似していることと相俟って、申立人ブランドのシリーズ化された業務展開として、商標権者が総合化粧品メーカーの申立人と何らかの関係があると誤認し、本件商標をその指定商品などについて使用した場合、これに接する取引者・需要者は、その商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者若しくは許諾を受けた者の業務に係る商品などのように、その商品などの出所について混同を生ずるおそれが極めて高い。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
ウ 商標法第4条第1項第19号及び同第7号違反
本件商標権者は、老舗総合化粧品メーカーである申立人の歴史あるブランドに化体した信用にフリーライドするなどの不正目的を持っていたことは明らかである。
本件商標を商標登録しようとする行為は、申立人ブランドの人気および信用を不当にフリーライドしようとするものであり、かかる本件商標を登録するのは、国際信義、ひいては公序良俗に反するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同第7号に該当するものである。
3 当審の判断
(1)第4条第1項第10号該当について
本件商標は、別掲のとおり、「Le」と「ainqueur」の黒い文字の間に、「V」をやや図案化したとみて自然な黄色の文字を配してなるものであり、全体としては、「Le Vainqueur」と看取されるというのが相当である。そして、当該文字は仏語で「征服者」を意味するものであるから、本件商標は、「ルバンクール」の称呼、「征服者」の観念が生ずるというべきである。
一方、引用商標は、「LE VAINQUEUR」の文字からなるものと認められるから、「ルバンクール」の称呼、「征服者」の観念が生ずるものである。
してみると、本件商標は、外観において相違する点があるけれども、称呼及び観念上、引用商標に類似する商標というべきものである。
ところで、申立人提出の証拠によれば、引用商標が香水のラベルに表示され、取引上使用されていることを窺い知ることができる。しかし、当該香水の取引、広告宣伝の程度によっては、本件商標の出願時において、引用商標が香水の商標として需要者の間で広く認識されるに至っていたとまで認めることはできない。
したがって、引用商標が需要者の間で広く認識されるに至っていたものといえない以上、本件商標が引用商標に類似する商標であるとしても、商品と役務の類否について論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものと言うことはできない。
(2)第4条第1項第15号該当について
引用商標は、前記のとおり、既成語であり、需要者の間で広く認識されるに至っていたと認めることはできないものであるから、本件商標が引用商標と構成欧文字において共通するものであるとしても、本件商標をその指定商品・指定役務に使用した場合に、これに接する需要者が、直ちに引用商標を想起し連想して、申立人の業務、あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品や役務の如く誤認するとは認め難く、その出所について混同を生じさせるおそれがあったと判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)第4条第1項第19号該当について
申立人提出の全証拠によっても、本件商標の出願時において、引用商標が香水の商標として我が国及び外国の需要者の間で広く認識されるに至っていたと認めることはできない。また、本件商標が不正の目的をもって使用をされるものであると断定する明確な理由も見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとはいえない。
(4)第4条第1項第7号該当について
本件商標は、その構成において、きょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与える標章からなるものでないことは明らかであり、構成上公序良俗を害するおそれがあるとはいえない。そして、申立人提出の全証拠を総合しても、引用商標との関係において、本件商標の出願の経緯等に著しく社会的妥当性を欠くものがあったとは認められず、また、これを登録することが直ちに国際信義に反するということもできない。
したがって、本件商標は、公序良俗を害するおそれがある商標とは認められないから、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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