Trademark Appeal Case
称呼類似性:語尾の相違
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900216(T2009−900216/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5212458号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピュアージェ」の片仮名文字と「PURJE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成20年7月14日に登録出願され、第3類「石けん,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同21年1月27日に登録査定され、同年3月13日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要点)
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、次の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第4947292号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ピュアーチェ」の文字を標準文字で表してなり、平成17年6月27日に登録出願され、第3類「化粧品,せっけん類,香料類」を指定商品として、同18年4月21日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5050951号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Purece(語尾の「e」の上部にアクサンテギュが付されている。)」の欧文字と「ピュアーチェ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成16年11月8日に登録出願され、第3類「化粧品,せっけん類,香料類」を指定商品として、同19年6月1日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
2 具体的理由
(1)外観について
本件商標は、上記第1のとおりの構成からなり、一方、引用商標1及び引用商標2(以下、これらをまとめて「両引用商標」という。)は、上記第2のとおりの構成からなるものであり、両者の外観を比較検討すると、両者はその構成や綴りを異にするものである。
(2)観念について
本件商標及び両引用商標は、それらの構成から、いずれも特定の観念を生じさせることのない造語からなるものとして看取されるものである。
(3)称呼について
本件商標は、その構成から「ピュアージェ」の称呼が生じ、一方、両引用商標はその構成から「ピュアーチェ」の称呼が生ずるものである。
そこで、本件商標の称呼「ピュアージェ」と、両引用商標の称呼「ピュアーチェ」を対比すると、両者は、長音を含め4音の同音数から構成され、語頭からの3音「ピュ」「ア」「ー」を共通にし、語尾音で「ジェ」と「チェ」の相違を有するものである。
しかしながら、差異音である「ジェ」と「チェ」は、いずれも上歯の後方に舌をつけて調音される破擦音(子音)から母音「e」につづくことを共通としており、近似した音として聴取されるものである。また、当該差異音は、比較的印象の薄い語尾に位置し、長音を伴う前の音「ア」にアクセントが生じるため、全体の称呼においては相対的に弱く発音・聴取されるものである。
そうすると、本件商標と両引用商標は、これらを一連に称呼した場合には、前記相違は僅かなものといわざるを得ず、全体としての語韻・語調を同一としていることから、音感が近似するものである。
(4)まとめ
本件商標と両引用商標は、いずれも文字からなる商標であり、称呼されることが前提とされているものである。それ故、簡易迅速を尊ぶ一般商取引においては、対面取引や電話等による口頭取引、特に現代においては携帯電話による口頭取引が多用されており、本件商標と両引用商標は、前述のとおり、語韻・語調を同一とし、音感が近似することから、称呼の印象を同一のものとするものである。
したがって、本件商標と両引用商標は、互いに聴き違え、取り違えるおそれが充分にあるといわざるを得ないものである。
加えて、本件商標と両引用商標が、いずれも特定の観念を伴うものではないことから、観念上の違いによって、上記称呼の相違を明確に認識して区別をすることができるものでもない。
(5)むすび
以上のごとく、本件商標と両引用商標とは、互いに称呼上類似する商標であり、指定商品においても、同一又は類似することも明らかであるため、本件商標はその指定商品中「石けん,化粧品」について商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、その登録は商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
第3 当審の判断
(1)本件商標は、上記第1のとおり、「ピュアージェ」の片仮名文字と「PURJE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、その構成文字に相応して「ピュアージェ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)両引用商標は、上記第2 1のとおり、引用商標1は「ピュアーチェ」の文字を標準文字で表してなり、引用商標2は「Purece(語尾の「e」の上部にアクサンテギュが付されている。)」の欧文字と「ピュアーチェ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなるものであり、いずれもその構成文字に相応して「ピュアーチェ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)そこで、まず、本件商標から生じる称呼「ピュアージェ」と両引用商標から生じる称呼「ピュアーチェ」とを比較すると、両称呼は、共に長音を含むわずか4音という短い音構成からなるものであって、語尾において「ジェ」と「チェ」の音の差異を有するものである。
そして、その差異音「ジェ」と「チェ」は、有声と無声との違いを有し、共に明瞭に発音・聴取される破擦音であって、それぞれの音の前に長音を有していることから、それらは語尾において止めるように強く発音されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標と両引用商標は、両者をそれぞれ一連に称呼しても、上記の差異が両者の称呼全体に与える影響は少なくなく、明瞭に聴別し得るものと判断するのが相当である。
さらに、本件商標と両引用商標とは、外観において両者の構成から明確に区別し得るものであること及び観念においても共に特定の観念を生じないものであることを総合してみると、両者は互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(4)したがって、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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