Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900223(T2009−900223/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5214211号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゴキコナー」の片仮名文字を横書きしてなり、平成20年7月30日に登録出願、第3類「ウェットティッシュタイプの洗浄剤,せっけん類,化粧品,消臭芳香剤(身体用のものを除く。),香料類,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品として、同21年3月13日に設定登録されたものである。
2 本件登録異議申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第36号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)引用商標
申立人が引用する登録第3339793号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ムシコナーズ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成7年2月27日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同9年8月15日に設定登録、その後、同19年6月12日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
同じく、登録第5053861号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ムシコナーズ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成18年10月31日に登録出願、第3類「香料類」を指定商品として、同19年6月15日に設定登録されたものである。
同じく、登録第5053862号商標(以下「引用商標3」という。)は、「虫コナーズ」の文字を横書きしてなり、平成18年10月31日に登録出願、第3類「香料類」及び第5類「薬剤」を指定商品として、同19年6月15日に設定登録されたものである。
同じく、登録第5053863号商標(以下「引用商標4」という。)は、「コナーズ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成18年10月31日に登録出願、第3類「香料類」及び第5類「薬剤」を指定商品として、同19年6月15日に設定登録されたものである。
同じく、登録第5119858号商標(以下「引用商標5」という。)は、「虫コナーズ」の文字と「吊るだけ」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成19年9月5日に登録出願、第5類「薬剤,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品として、同20年3月21日に設定登録されたものである。
同じく、登録第5119859号商標(以下「引用商標6」という。)は、「虫コナーズ」の文字と「置くだけ」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成19年9月5日に登録出願、第3類「香料類」及び第5類「薬剤,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品として、同20年3月21日に設定登録されたものである。
以下、これらを一括して「引用商標」という。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、需要者の間で広く認識されている申立人の引用商標「虫コナーズ」及び「コナーズ」シリーズと称呼において相紛れるおそれのある類似する商標、若しくは、極めて近似する商標であって、その指定商品についても、販売経路や需要者の範囲が同一であり、関連性の高い商品であるから、本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第16号について
本件商標の構成中、「ゴキ」の文字は、ゴキブリの略称であって、本件商標をその指定商品中「ゴキブリ忌避剤」等以外の「薬剤」や、「はえ取り紙」、「ゴキブリ用防虫紙」以外の「防虫紙」等の「ゴキブリ用」以外の商品に使用するときは、商品の品質・用途について誤認を生じるものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号の規定に違反して登録された商標である。
3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、「ゴキコナー」の片仮名文字を同書、同大、等間隔に書してなるところ、これを「ゴキ」の文字と「コナー」の文字とに分離して観察しなければならない格段の理由は、認められない。
しかして、申立人は、インターネットにおける「ゴキ」の検索結果(甲第32号証及び甲第33号証)を示して、「ゴキ」がゴキブリの略称として使用されている旨述べているが、これらの使用例は、単に「ゴキ」であるか、又は「ゴキ用」、「ゴキちゃん」、「ゴキつぶし」、「ゴキ比べ」、「ゴキについて」(以上、甲第32号証)、「ゴキとバイバイ」、「ゴキコナイ」(以上、甲第33号証)等々、「ゴキ」と他の文字との結合により、記述的な構成によりなるものであるのに対し、本件商標は、その構成上記のとおり単に「ゴキ」でなく、また、その構成が何ら記述的なところもない造語といえるものであり、これらと同列に論じられないものである。
したがって、本件商標は、「ゴキコナー」の称呼のみを生じ、特に観念を生じないものというべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人が「虫忌避効果を有する芳香・消臭剤」、「虫忌避剤」及び「殺虫効果を有する虫忌避剤」に使用しているとする商標は、請求人の商品カタログ「ALL SEASON/GUIDE/2007」(オールシーズン製品カタログ2007)ないし「ALL SEASON/GUIDE/2009」(オールシーズン製品カタログ2009)によれば、「虫コナーズ」、「ムシコナーズ」又は「コバエコナーズ」よりなるものであり(甲第15号証ないし甲第17号証)、新聞、雑誌においては、「虫コナーズ」の文字が記載された記事や広告が認められる(甲第18号証ないし甲第26号証)。
また、「日本テレビ放送網株式会社 テレビタイム放送確認書」(甲第27号証)、「株式会社フジテレビジョン タイム放送確認書」(甲第28号証)、「株式会社テレビ朝日 テレビタイム放送確認書」(甲第29号証)、「株式会社テレビ東京 テレビタイム放送確認書」(甲第30号証)、「TBS テレビタイム放送確認書」(甲第31号証)によれば、「虫コナーズ『おとなりさん篇』」、「虫コナーズ『かえってコナーズ篇』」と称して広告宣伝されてきたところである。
しかして、申立人の使用に係る商標「虫コナーズ」、「ムシコナーズ」及び「コバエコナーズ」(以下、まとめて「使用商標」という。)からは、「ムシコナーズ」、「コバエコナーズ」及び「コナーズ」の称呼を生じるが、特に観念は生じ得ないものというべきである。
そして、本件商標「ゴキコナー」と使用商標とは、外観が明らかに相違し、称呼において紛れるところはなく、観念上も比較すべきところもない、全く別異の商標というべきである。
そうとすれば、上記使用商標が申立人の使用によって、一定程度の周知性があるとしても、本件商標をその指定商品について使用した場合、申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第16号について
「ゴキ」の文字がゴキブリの略称として使用される場合があるとしても、本件商標は、前記(1)で認定したとおり、その構成中の「ゴキ」の文字部分が商品の品質を表しているものといい得ないから、その指定商品中のいかなる商品に使用しても、該「ゴキ」の文字をもって、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとは、いい得ないところである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第16号にも該当しない。
(4)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第16号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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