Trademark Appeal Case
称呼の識別力と類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900253(T2009−900253/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5216919号商標(以下「本件商標」という。)は、「1st別れさせ屋工作ネットワーク」の文字を標準文字で表してなり、平成20年5月9日に登録出願、第45類「探偵による調査,個人の身元又は行動に関する調査,身の上相談,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介」を指定役務として、同21年3月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人が引用する登録第5176903号商標(以下「引用商標」という。)は、上段に「別れさせ屋工作 アクア」の文字を横書きし、下段に「別れさせ工作」の文字を大きく横書してなり、平成19年4月23日に登録出願、第45類「探偵による調査,その他の個人の身元又は行動に関する調査,施設の警備,身辺の警備」を指定役務として、同20年10月31日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
本件商標と引用商標とは、称呼上類似するものであり、また、その指定役務中の「探偵による調査,個人の身元又は行動に関する調査」も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「1st別れさせ屋工作ネットワーク」の文字を標準文字で表した構成からなるものであるが、その構成中の「1st」の文字部分は「(序数の)第1の、1番目の」などの意味を有する英語であり、「別れさせ屋工作」の文字部分は「他人の依頼を受けて一定の関係にある者を別れさせる業務をする者が別れさせのために行う働きかけのこと」を意味し、また「ネットワーク」の文字部分は「網状に連絡した組織」をそれぞれ意味するものであり、登録異議の申立てに係る指定役務「探偵による調査,個人の身元又は行動に関する調査」の役務を取り扱う業界においては、これらの語は、単独では役務の質、役務の質の誇称、役務の内容などを表示するものであるか又は需要者が何人の業務に係る役務であるか認識できないものであって、識別力を有しないか又は極めて識別力が弱いものであるから、「1st」、「別れさせ屋工作」及び「ネットワーク」の各語のいずれかが独立して称呼され観念されるということはなく、同書同大等間隔で一連に書された本件商標の構成全体をもって、その構成文字に相応した「ファーストワカレサセヤコウサクネットワーク」の称呼のみを生じ、「第1の別れさせ屋工作ネットワーク」程度の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、上段に「別れさせ屋工作 アクア」の文字を横書きし、下段に「別れさせ工作」の文字を大きく横書した構成からなるものであるところ、その構成中の「別れさせ屋工作」の文字部分は、本件商標において述べたと同じく「他人の依頼を受けて一定の関係にある者を別れさせる業務をする者が別れさせのために行う働きかけのこと」を意味し、また「別れさせ工作」の文字部分は「一定の関係にある者を別れさせるために行う働きかけのこと」を意味するものでいずれの文字部分も役務の内容を表示するものであって、自他役務の識別力を有しないか又は極めて識別力が弱いものであるから、その構成中自他役務の識別力を有する部分は、我が国において「水」の意味を有する外来語又は接頭語として親しまれた「アクア」の文字部分にあると認められ、これから「アクア」の称呼、「水」の観念を生じ、さらに上段に表された「別れさせ屋工作 アクア」の文字部分から「ワカレサセヤコウサクアクア」の称呼を生ずるものである。
そして、本件商標から生ずる称呼「ファーストワカレサセヤコウサクネットワーク」と、引用商標から生ずる称呼「アクア」とは音構成が全く異なっており、また「ワカレサセヤコウサクアクア」とは、「ワカレサセヤコウサク」の音を共通にするが、該構成音は識別力を有しないものであり、本件商標における「ファースト」「ネットワーク」の構成音は引用商標の構成音になく、引用商標における「アクア」の構成音は、本件商標の構成音にない差異を有するものであるから、両者は、称呼上において、明確に聴別することができ、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
また、本件商標から生ずる観念「第1の別れさせ屋工作ネットワーク」と引用商標から生ずる観念「水」とは全く異なるものであるから、両者は、観念上において、明確に区別することができ、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
しかして、本件商標の外観と引用商標の外観とは、構成文字において、ともに「別れさせ屋工作」の構成文字を有する点において共通しているが、その他の構成文字が相違しているので、両者は、外観上において、明確に区別することができ、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点から見ても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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