Trademark Appeal Case
欧文字称呼の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−685017(T2008−685017/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第920630号商標(以下「本件商標」という。)は、「TICO」の欧文字よりなり、2007(平成19)年2月12日を国際登録の日とし、第6類、第7類、第11類及び第42類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年4月25日に設定登録がされたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)である。
(1)登録第5000352号商標は、「TYCO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年3月22日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同18年11月2日に設定登録されたものでり、現在有効に存続している。
(2)登録第5050770号商標は、「TYCO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年3月22日に登録出願、第6類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同19年6月1日に設定登録されたものであり、現在有効に存続している。
(3)商願2006−1004号商標は、「TYCO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年3月22日に、第1類、第3類、第9類、第10類、第11類、第17類、第20類、第37類、第39類、第40類及び第42類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものであり、現在出願中である。
以下、上記(1)ないし(3)を一括していうときは、「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、第15号、第19号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものであって、その登録は取消されるべきものであると次のように述べて、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「TICO」の欧文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「タイコ」の称呼を生ずる。
一方、引用商標1及び2は、「TYCO」の欧文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「タイコ」の称呼を生ずる。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「タイコ」の称呼を共通にする類似する商標である。
そして、本件商標に係る指定商品中には、引用商標1及び2に係る指定商品と同一又は類似の商品が含まれている。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第8条第1項について
本件商標は、「TICO」の欧文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「タイコ」の称呼を生ずる。
一方、引用商標3は、「TYCO」の欧文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「タイコ」の称呼を生ずる。
してみれば、本件商標と引用商標3とは、「タイコ」の称呼を共通にする類似する商標である。
そして、本件商標に係る指定商品中には、引用商標3に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務が含まれている。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号及び第19号について
本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について
本件商標は「TICO」の欧文字からなるところ、「TICO」の語は、「チコ」と称呼され、「コスタリカ人」の意味を有する英語であるから、本件商標からは「チコ」の称呼を生ずる。
申立人は本件商標からは「タイコ」の称呼を生ずる旨主張するが、本件商標の語頭部分の「TI」についてみると、例えば、「ticket」が「チケット」と読まれ、また、「ticktack(時計・心臓などの音)」が「チックタック」と読まれることからすれば、「TI」は、「チ」と称呼されるというのが自然である。
してみれば、「コスタリカ人」の意味を有する英語「TICO」の語が、称呼も含めて我が国において必ずしも親しまれているとはいえないという点を考慮したとしても、本件商標からは、上記認定のとおり「チコ」の称呼を生ずるものであって、「タイコ」の称呼は生じないというのが相当である。
一方、引用商標は、「TYCO」の欧文字からなるところ、「TYCO」の語は、既成の親しまれた観念を有する成語を表したものではないことから、直ちに一定の称呼を生ずるものとはいえない。
このような場合、取引者・需要者は、ローマ字読みないしは外国語として最も親しまれている英語風の読み方をするか、あるいは、これらを適宜交えて称呼するのが一般的である。
そして、語頭部分の「TY」についてみると、例えば、「type」が「タイプ」と読まれ、また、「typhoon」が「タイフーン」と読まれていることからすれば、「TY」は、「タイ」と称呼されるというのが自然である。
そして、引用商標から生ずる自然な称呼は、「タイコ」であるというべきである。
そこで、本件商標から生ずる「チコ」の称呼と引用商標から生ずる「タイコ」の称呼とを比較するに、この両称呼は、音構成及び構成音数が明らかに相違するから、それぞれを一連に称呼しても十分に聴別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、外観においても顕著な差異を有するものである。
さらに、引用商標は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、観念においては比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、本件商標が他人の業務に係る商標と混同を生ずるおそれがある商標であるとする詳細な理由を何ら述べておらず、必要な証拠も提出していない。
また、職権によっても、本件商標が他人の業務に係る商標と混同を生ずるおそれがある商標であるとする理由を発見することができなかった。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用商標とが非類似の商標であることは、上記(1)で認定したとおりである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、第15号、第19号及び同法第8条第1項に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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