Trademark Appeal Case
スマートハンガーの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−27819(T2006−27819/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「スマートハンガー」の文字を標準文字で表してなり、第20類「海泡石,こはく,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,美容院用いす,理髪店用いす,プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),輸送用コンテナ(金属製のものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,マットレス,麦わらさなだ,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,ストロー,盆(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお,うちわ,せんす,植物の茎支持具,ホースリール,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),買物かご,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),ハンガーボード,工具箱(金属製のものを除く。),タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具,揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ,額縁,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご」を指定商品として、平成17年7月13日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同21年3月30日付け手続補正書により、第20類「衣類収納ラック」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『スマートハンガー』の標準文字からなるが、これは、スマート(からだつきや物の形が細くすらりとして格好がよいさま)なハンガー(洋服かけ、つるす物)との意味を認識させる文字であり、これを指定商品中の『帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。)』、『ハンガーボード』、『ハンガーを備えた家具』に使用した場合、これら商品の品質、用途、機能を表示する文字として取引者、需要者に理解されるものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、『ハンガーを備えた家具』以外の家具に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知の要旨
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により請求人に通知した。
記
本願商標を構成する「スマートハンガー」及びその構成中の「スマート」及び「ハンガー」の各語に関して、以下の事実が認められる。
1.辞書における記載
(1)「スマート」の語に関し、「1.からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま。2.身なりや動作が洗練されて粋なさま。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑」第六版)、「1.からだつきがほっそりしていて格好がよいさま。2.手際がよくしゃれているさま。」(株式会社三省堂発行「大辞林第二版新装版」)、「1.(服装・態度・趣味などが)洗練されているさま、あか抜けているさま。2.体つきが、ほっそりとして、かっこうのよいさま。」(株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第3版」)、「気のきいた、流行の。英語では『頭がいい、抜け目のない』の意。」(株式会社自由国民社発行「現代用語の基礎知識」2008年版)との記載がある。
(2)「ハンガー」の語に関し、「洋服かけ。」(前掲「広辞苑」)、「洋服かけ。えもんかけ。」(前掲「大辞林」)との記載がある。
2.書籍における記載
(1)「saitaインテリア」(発行所 株式会社芝パーク出版)平成17年3月22日発行には、「玄関のスマート収納」に「ハンガーラック」との記載。
(2)「聞蔵IIビジュアル 朝日新聞朝刊」(発行人 朝日新聞)2006年7月22日発行には、「(これは使える!)ヘッドレスハンガー 上着をすっきりつるす」の記事には、「ハンガーを引っ掛けるのが簡便だが、それでは・・・・・あんまりスマートではない。」との記載。
3.インターネットにおける記載
(1)「楽天市場」のサイトには、「スマートハンガー」との記載。
(http://www.rakuten.co.jp/aak/515688/515690/)
(2)「イン・ディマンド」のサイトには、「スマートでスタイリッシュ!ステンレス製タオルハンガー」との記載。
(http://mom.netyokocho.jp/in-demand/goods/02099/)
(3)「スーパーデリバリー」のサイトでは、「スマートなハンガーフック」との記載。
(http://www.superdelivery.com/j/r/pd_p/1263823/)
(4)「ショップチャンネル」のサイトには、「【軽量!便利! 折りたためる スマートハンガーラック】の商品説明」との記載。
(http://www.shopch.jp/ComDetailShow.do/q/requestNo/e/344858/a/beforeScreenFlg/e/791)
(5)「家具の通販・インテリア【半額家具屋】」のサイトには、「スマートフレームハンガー」との記載。
(http://www.sparklingsite.co.jp/hankagu/item/205106402.htm)
(6)「【楽天市場】ベントウッドコートハンガー:インテリアショップe−goods」のサイトには、「曲線にうっとり、スマートモダンなコートハンガー!」及び「すぅっと伸びる3本の「線」を組み合わせたスマートデザイン。」との記載。
(http://www.rakuten.co.jp/e-goods/133002/323004/)
(7)「Kintaro WebSite」のサイトには、「どこまでもシンプルなフォルム。スマートハンガーでお気に入りの空間をお好きなように演出して下さい。」との記載。
(http://kintaro-bed.co.jp/interior/k-han04.html)
第4 職権証拠調べに対する請求人の意見の要旨
前記第3の証拠調べ通知に対して、請求人は、前記第1のとおり、指定商品を補正し、意見を要旨以下のように述べ、証拠として甲第1号証を提出している。
1.補正後の指定商品、第20類「衣類収納ラック」は、補正前の指定商品「家具」に含まれる商品であるから、要旨を変更する補正ではない。
2.辞書及び書籍においては、「スマート」及び「ハンガー」の語とその意味合いが記載されているものの、本願商標を表す「スマートハンガー」の語は記載されていない。
そして、当該辞書及び書籍から、「スマート」及び「ハンガー」の語をそれぞれ観察した場合に、本願商標は、「細くすらりとして格好がよい」等の意を表す「スマート」と「洋服かけ」等の意を表す「ハンガー」とを一連で表したものと一応は理解できる。
しかしながら、これら辞書及び書籍には、「スマートハンガー」の語は記載されておらず、まして「スマートハンガー」の語が「細くすらりとして格好がよい洋服かけ」等を意味するものであることを示す記載はない。
次にインターネットにおいては、「スマートハンガー」の語が記載されているものの、請求人が「ヤフー(YAHOO)」で検索したところ、洋服等を掛けるハンガーそれ自体に使用されている場合(甲第1号証)と、当該ハンガーを吊り下げるハンガー掛けに使用されている場合と、洋服等を直接掛ける洋服掛けに使用されている場合等があり、特定の商品にのみ使用されている語ではない。
したがって、上記通知書に記載された事実からしても、「スマートハンガー」の語は、本願商標に係る指定商品の品質等を暗示ないしは間接的に表示しているといえても、直接的に表示したものではない。
また、「ハンガー」の語をその構成中に含む商標が、「家具」を指定商品として、数多く登録されていることから、これらの登録商標と同様に、本願商標の「ハンガー」の語の部分についても、「洋服かけ」等の意を表す「ハンガー」として認識されるものではなく、「スマートハンガー」の構成全体をもって、一種の造語として認識されるものである。
3.まとめ
したがって、本願商標は、その指定商品に使用しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものである。
第5 当審の判断
本願商標は「スマートハンガー」の文字を標準文字で表してしてなるところ、前記第3の証拠調べで通知した事実によれば、本願を構成する「スマート」の語は、「細くすらりとして格好がよい」等の意で知られ、また、「ハンガー」の語は、「洋服かけ、えもんかけ」の意で、それぞれ一般に知られているものであるから、本願商標は、たとえ、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で表されているとしても、「スマート」と「ハンガー」の2語からなるものと容易に認識されるとみるのが相当である。
そして、前記第3の証拠調べ通知の後に補正された指定商品「衣類収納ラック」は、「衣類を収納するための棚付きの商品」(「ラック」の意味については「棚。物をのせたり掛けたりする台。」(前掲「広辞苑」))であると理解できるものであり、該商品の用途・機能・形状等が一意に定義されていないとしても、出願時の指定商品「家具」の範ちゅうに含まれる商品と認められるものである。
しかして、前記第3の証拠調べで通知した証左によれば、商品の用途・機能・形状等は各種あるとしても、衣服をかける機能・用途をもつ商品を「○○ハンガー」等と称している事実が多数あることから、商品「家具」に「ハンガー」の文字を使用する場合、取引者・需要者は、「洋服をかけるという機能をもつ商品」を認識するというのが相当である。
このことは、「Yahoo!ショッピング」のサイト(別掲)に、「ハンガー&引き出し付き・衣類収納ラックB(約5〜10着収納)ムトウ」及び「ハンガーと引出しで衣類収納に便利なラック」と記載された商品が見受けられることからも十分裏付けられるものである。
してみれば、本願商標は、たとえ、同一の書体で、同一の大きさで、等間隔一連に書されているとしても、これをその補正後の指定商品「衣類収納ラック」に使用する場合、これに接する需要者、取引者は、その構成中の「ハンガー」の文字部分から「洋服かけ、えもんかけ」の意味を容易に看取し、「ハンガーの付いた衣類収納ラック」又は「洋服かけの付いた衣類収納ラック」であると認識、把握し、取引に当たるというのが相当である。
したがって、本願商標は、これを「ハンガーの付いた衣類収納ラック」又は「洋服かけの付いた衣類収納ラック」以外の商品について使用するときには、あたかも、「洋服かけの付いた衣類収納ラック」であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。
また、請求人は、「ハンガー」の語をその構成中に含む商標が、「家具」を指定商品として、数多く登録されていることから、これらの登録商標と同様に、本願商標も登録されるべきである旨、及び、本願商標の「ハンガー」の語の部分についても、「洋服かけ」等の意を表す「ハンガー」として認識されるものではなく、構成全体をもって、一種の造語として認識される旨、主張している。
しかしながら、商標登録出願に係る商標が、商標法の規定に該当するか否かは、当該出願にかかる商標についての査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に前記認定が左右されるものではない。
そして、上記認定のとおり、商品の用途・機能・形状等は各種あるとしても、衣服をかける機能・用途をもつ商品を「○○ハンガー」等と称している事実もある。
したがって、請求人の主張については、いずれも採用することができない。
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。