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Trademark Appeal Case

形容詞と一般名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−27820(T2006−27820/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「スリムハンガー」の文字を標準文字で表してなり、第20類「海泡石,こはく,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,美容院用いす,理髪店用いす,プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),輸送用コンテナ(金属製のものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,マットレス,麦わらさなだ,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,ストロー,盆(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお,うちわ,せんす,植物の茎支持具,ホースリール,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),買物かご,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),ハンガーボード,工具箱(金属製のものを除く。),タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具,揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ,額縁,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご」を指定商品として、平成17年7月13日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同21年3月30日付け手続補正書により、第20類「衣類収納ラック」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『スリムハンガー』の標準文字からなるが、これは、スリム(ほっそりしたさま)なハンガー(洋服かけ、つるす物)との意味を認識させる文字であり、これを指定商品中の『帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。)』、『ハンガーボード』、『ハンガーを備えた家具』に使用した場合、これら商品の品質、用途、機能を表示する文字として取引者、需要者に理解されるものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、『ハンガーを備えた家具』以外の家具に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知の要旨

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により請求人に通知した。

本願商標を構成する「スリムハンガー」及びその構成中の「スリム」及び「ハンガー」の各語に関して、以下の事実が認められる。

1.辞書における記載

(1)「スリム」の語に関し、「細いさま。ほっそりしたさま。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑」第六版)、「ほっそりしたさま。細いさま」(株式会社三省堂発行「大辞林第二版新装版」)、「(体型などが)ほっそりとしているさま。きゃしゃなさま。」(株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第3版」)との記載がある。

(2)「スリム」を冠する語に関し、1.スリムアップ「運動や食事療法などでほっそりとして姿にやせること」、2.スリム・アンド・フル・ライン「上半身がほっそりと、下半身が〜」、3.スリム・スカート「ほっそりとすそのすぼまったスカート」、4.スリム・スタイル「体をほっそりと見せる服装の総称」、5.スリムライン「体型をほっそりと見せる服の形」、6.スリム・リムド・パンツ「脚にぴったりとつく、細いズボン。略してスリムとも。」(前掲「コンサイスカタカナ語辞典第3版」)との記載がある。

(3)「ハンガー」の語に関し、「洋服かけ。」(前掲「広辞苑」)、「洋服かけ。えもんかけ。」(前掲「大辞林」)との記載がある。

2.書籍における記載

(1)「BIG tomorrow」(発行所 株式会社青春出版社)1998年1月1日発行には、「使わないときはたたんでスリムに!スキ間に収納できる/折りたたみ式ハンガースタンド」との記載。

(2)「Grazia[グラツィア]」(発行所 株式会社講談社)平成14年2月1日発行には、「玄関にもリビングにもデザイナーズコートハンガー」の記事に「イタリア、アチェルビス社製のスリム&カラフルな一品は先が丸くてコートを傷める心配もナシ。」との記載。

(3)「[リノン]Linom.」(発行所 株式会社ベネッセコーポレーション)2005年12月30日発行には、「キッズファニチャー」の記事には「スリムなのにたっぷり収納できる。実力派ハンガーラック」との記載。

(4)「女性セブン」(発行所 小学館)1991年9月19日発行には、「すき間にスキあり! スリム家具で収納力アップ お部屋広々!」との記載。

3.インターネットにおける記載

(1)「通販.ne.jp」のサイトには、下記サイトへのリンクの記載(http://tuhan.ne.jp/kw/%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC/)。

a.「スリム2段ハンガーラック」(http://www.cecile.co.jp/page/CmdtyInfo/GenreSearch/Detail.aspx?a=503&b=9515584&c=0)。

b.「押し入れスリムハンガーラック」(http://www.bellemaison.jp/ep/srvlt/EPFB00/EPFB0005/dProdDtlShow?BELN_SHOP_KBN=100&KAT_BTGO=683993_150_2008_D&SHNCRTTKKRO_KBN=&ML_CHS_KYU_KBN=)。

(2)「仕入れのネッシー」のサイトには、「スリムで省スペースなスタンドコートハンガー。」の記載(http://www.netsea.jp/shop/26903/1J-022)。

(3)「ベルメゾンネット」のサイトでは、「キャスター付きスリムハンガー」の記載(http://www.bellemaison.jp/ep/srvlt/EPFB00/EPFB0005/dProdDtlShow?BELN_SHOP_KBN=100&KAT_BTGO=680541_180_2008_C&SHNCRTTKKRO_KBN=&ML_CHS_KYU_KBN=)。

(4)「買う市cau1.com」のサイトでは、「スリムハンガーラック」の記載

(http://mall.cau1.com/t/lib1203/item4680429.html)。

(5)「サティスファイビリーフ」のサイトでは、「衣類の収納!2段スリムハンガー伸縮タイプ」の記載(http://shop.satisfy-belief.com/shopdetail/030000002086/036/004/order/)。

(6)「通販 - ディノス」のサイトには、「スリムステンレスタオルハンガー 2連」との記載(http://www.dinos.co.jp/p/1290300535/)。

第4 職権証拠調べに対する請求人の意見の要旨

前記第3の証拠調べ通知に対して、請求人は指定商品を補正し、意見を要旨以下のように述べ、証拠として甲第1号証を提出している。

1.補正後の指定商品、第20類「衣類収納ラック」は、補正前の指定商品「家具」に含まれる商品であるから、要旨を変更する補正ではない。

2.辞書及び書籍においては、「スリム」及び「ハンガー」の語とその意味合いが記載されているものの、本願商標を表す「スリムハンガー」の語は記載されていない。

そして、当該辞書及び書籍から、「スリム」及び「ハンガー」の語をそれぞれ観察した場合に、本願商標は、「細い、ほっそりした」等の意を表す「スリム」と「洋服かけ」等の意を表す「ハンガー」とを一連で表したものと一応は理解できる。

しかしながら、これら辞書及び書籍には、「スリムハンガー」の語は記載されておらず、まして「スリムハンガー」の語が「細い、ほっそりした洋服かけ」等を意味するものであることを示す記載はない。

次にインターネットにおいては、「スリムハンガー」の語が記載されているものの、請求人が「ヤフー(YAHOO)」で検索したところ、洋服等を掛けるハンガーそれ自体に使用されている場合(甲第1号証)と、当該ハンガーを吊り下げるハンガー掛けに使用されている場合と、洋服等を直接掛ける洋服掛けに使用されている場合等があり、特定の商品にのみ使用されている語ではない。

したがって、上記通知書に記載された事実からしても、「スリムハンガー」の語は、本願商標に係る指定商品の品質等を暗示ないしは間接的に表示していると言えても、直接的に表示したものではない。

また、「ハンガー」の語をその構成中に含む商標が、「家具」を指定商品として、数多く登録されていることから、これらの登録商標と同様に、本願商標の「ハンガー」の語の部分についても、「洋服かけ」等の意を表す「ハンガー」として認識されるものではなく、「スリムハンガー」の構成全体をもって、一種の造語として認識されるものである。

3.まとめ

したがって、本願商標は、その指定商品に使用しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものである。

第5 当審の判断

本願商標は「スリムハンガー」の文字を標準文字で表してなるところ、前記第3の証拠調べで通知した事実によれば、本願を構成する「スリム」の語は、「細い、ほっそりした」等の意で知られ、また、「ハンガー」の語は、「洋服かけ、えもんかけ」の意で、それぞれ一般に知られているものであるから、本願商標は、たとえ、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で表されているとしても、「スリム」と「ハンガー」の2語からなるものと容易に認識されるとみるのが相当である。

そして、前記第3の証拠調べ通知の後に補正された指定商品「衣類収納ラック」は、「衣類を収納するための棚付きの商品」(「ラック」の意味については「棚。物をのせたり掛けたりする台。」(前掲「広辞苑」))であると理解できるものであり、該商品の用途・機能・形状等が一意に定義されていないとしても、出願時の指定商品「家具」の範ちゅうに含まれる商品と認められるものである。

しかして、前記第3の証拠調べで通知した証左によれば、商品の用途・機能・形状等は各種あるとしても、衣服をかける機能・用途をもつ商品を「○○ハンガー」等と称している事実が多数あることから、商品「家具」に「ハンガー」の文字を使用する場合、取引者・需要者は、「洋服をかけるという機能をもつ商品」を認識するというのが相当である。

このことは、「Yahoo!ショッピング」のサイト(別掲)に、「ハンガー&引き出し付き・衣類収納ラックB(約5〜10着収納)ムトウ」及び「ハンガーと引出しで衣類収納に便利なラック」と記載された商品が見受けられることからも十分裏付けられるものである。

してみれば、本願商標は、たとえ、同一の書体で、同一の大きさで、等間隔一連に書されているとしても、これをその補正後の指定商品「衣類収納ラック」に使用する場合、これに接する需要者、取引者は、その構成中の「ハンガー」の文字部分から「洋服かけ、えもんかけ」の意味を容易に看取し、「ハンガーの付いた衣類収納ラック」又は「洋服かけの付いた衣類収納ラック」であると認識、把握し、取引に当たるというのが相当である。

したがって、本願商標は、これを「ハンガーの付いた衣類収納ラック」又は「洋服かけの付いた衣類収納ラック」以外の商品について使用するときには、あたかも、「洋服かけの付いた衣類収納ラック」であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。

また、請求人は、「ハンガー」の語をその構成中に含む商標が、「家具」を指定商品として、数多く登録されていることから、これらの登録商標と同様に、本願商標も登録されるべきである旨、及び、本願商標の「ハンガー」の語の部分についても、「洋服かけ」等の意を表す「ハンガー」として認識されるものではなく、構成全体をもって、一種の造語として認識される旨、主張している。

しかしながら、商標登録出願に係る商標が、商標法の規定に該当するか否かは、当該出願にかかる商標についての査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に前記認定が左右されるものではない。

そして、上記認定のとおり、商品の用途・機能・形状等は各種あるとしても、衣服をかける機能・用途をもつ商品を「○○ハンガー」等と称している事実もある。

したがって、請求人の主張については、いずれも採用することができない。

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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