結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2009−14503(T2009−14503/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類「カフェオレ風乳飲料」及び第30類「カフェオレ」を指定商品として、平成20年5月22日に登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は、その構成中に『カフェオレ』及び『Cafe Au Lait』の文字を有してなるから、これを本願指定商品中『カフェオレ』以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、その構成中に「カフェオレ」及び「Cafe Au Lait」の文字を有するところ、該文字は「牛乳入りのコーヒー。大ぶりのカップに濃いコーヒーと、温めた牛乳とをほぼ等量入れて飲む。」(広辞苑第六版 株式会社岩波書店発行)の意味を有する語である。
なお、平成20年11月28日付けの手続補足書(参考資料1)の「特許庁電子図書館、商品・役務名リスト」によれば、第29類では「カフェオレ風乳飲料」(31D01)の採択例がある。
一方、第30類では「カフェオレ」(29B01)が採択されていることが認められる。
(2)本願指定商品の原材料「牛乳」、「ミルク」及び「コーヒー」等について検討する。
(ア)「商品及び役務区分解説[国際分類第9版対応]特許庁商標課編」によれば、次のように記載されている。
第29類の【注釈】には、「この類には、特に、次の商品を含む。乳飲料(ミルクを主成分とするもの)」と記載されている。同【解釈】の「乳製品」の項には、「この概念には、牛乳等の動物の乳及びこれらを加工したものが含まれる。例えば、『ミルクコーヒー』のように、単にミルクを調味的に加えたものはこの概念には含まれない。」と記載されている。
また、第30類の【注釈】には、「この類には、特に、次の商品を含む。コーヒー飲料、・・・」と記載されている。同【解釈】の「コーヒー及びココア」の項には、「この概念には、“焙煎したコーヒー豆”及びそれを更に加工して粉状、顆粒状又は液状にしたものが含まれる。なお、“焙煎前のコーヒー豆”はこの概念に属さず、本類に属する。『ミルクコーヒー』は、コーヒーを主体とし、それにミルクを調味的に加えたものであるからこの概念に含まれる。しかし、ミルクを主体としてコーヒーを加えた、いわゆる“コーヒー牛乳”はこの概念には属さず、第29類『乳製品』に属する。」と記載されている。
(イ)「類似商品・役務審査基準〔国際分類第9版対応〕特許庁商標課編」によれば、「牛乳」は、第29類「乳製品」(類似群コード:31D01)の範疇に属すること明らかである。
「コーヒー」は、第30類「コーヒー及びココア」(類似群コード:29B01)の範疇で取り扱われている。
(ウ)上記(ア)及び(イ)のとおり、第29類の「乳製品」には、「ミルクを主体としてコーヒーを加えたもの」が含まれ、第30類の「コーヒー及びココア」には、「コーヒーを主体とし、それにミルクを調味的に加えたもの」が含まれるから、「カフェオレ」は、第30類「コーヒー及びココア」(29B01)に属すること明らかである。
(3)実際の商取引においては、「カフェオレ」の語は、「乳飲料」(甲第5号証ないし甲第14号証)(枝番号を含む。)及び「コーヒー飲料」(別掲2ないし別掲6)で使用されている実情にあることが認められる。
そこで、「乳飲料」及び「コーヒー飲料」について検討する。
(ア)「乳飲料」の表示については、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」及び「同施行規則」(甲第15号証)に基づいて、業界が自主規制しているところ、第2条(定義)では、「この規約で『牛乳』とは、食品衛生法(昭和22年法律第233号)の規定に基づく乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号。以下『乳等省令』という。)第2条第3項に規定する牛乳であつて、重量百分率で無脂乳固形分8.0%以上及び乳脂肪分3.0%以上の成分を含有するものをいう。」と記載されている。同第7項では、「この規約で『乳飲料』とは、乳等省令第2条第40項に規定する乳飲料であつて、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものをいう。」と記載されている。
また、第3条(必要な表示事項)では、「事業者は、飲用乳の容器又は包装に、次に掲げる事項を、それぞれ飲用乳の表示に関する公正競争規約施行規則(以下『施行規則』という。)に定めるところにより、見やすい場所に邦文で明りょうに表示しなければならない。(1) 種類別名称 (2)・・・」とし、同施行規則の第3条(種類別名称の表示)において、「・・・、第7項に定める乳飲料にあっては『乳飲料』とする。」と記載されている。
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(甲第15号証)では、第2条第40項で、「この省令において『乳飲料』とは、生乳、牛乳若しくは特別牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料であつて、第二項から第十一項まで及び第十三項から前項までに掲げるもの以外のものをいう。」と記載されている。
以上のとおり、「乳飲料」で取り扱われる「カフェオレ」は、コーヒーの含有量、比率等については規定されていないが、「乳等省令第2条第40項に規定する乳飲料であつて、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するもの」と規定されている。
したがって、「乳飲料」で取り扱われる「カフェオレ」は、取引者によって、その品質について維持、管理されているものと判断するのが相当である。
(イ)「コーヒー飲料」の表示については、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」(甲第3号証)に基づいて、業者が自主規制しているところ、第2条(定義)では「この規約で『コーヒー飲料等』とは、コーヒー豆を原料とした飲料及びこれに糖類、乳製品、乳化された食用油脂その他の可食物を加え容器に密封した飲料であって、次のいずれかに該当するものをいう。ただし、粉末飲料、飲用乳の表示に関する公正競争規約の適用を受けるもの、豆乳類の表示に関する公正競争規約の適用を受けるもの及び酒税法(昭和28年法律第6号)に規定する酒類を除く。(1)・・・(2)この規約で『コーヒー飲料』とは、内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で2.5 グラム以上5グラム未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものをいう。(3)・・・」記載されている。
また、同第3条(必要な表示事項)では、「事業者は、コーヒー飲料等の容器又は包装に、次に掲げる事項をそれぞれコーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約施行規則(以下『施行規則』という。)に定めるところにより、次の第1号から第8号の順に、見やすい場所に一括して、邦文で明りょうに表示しなければならない。(1) 種類別名称 (2)・・・」とし、同施行規則の第2条(必要な表示事項の基準)において、「規約第3条第1項に規定する必要な表示事項は、次の基準により表示する。・・・(1) 種類別名称 ア・・・ イ コーヒー飲料にあっては『コーヒー飲料』」と記載されている。同第5条(特定用語の表示基準)では、「事業者は、コーヒー飲料等の取引に関し、次の各号に掲げる用語を表示する場合は、施行規則に定めるところにより表示しなければならない。(1)・・・(2) 『ミルク入り』、『カフェ・オレ』、『カフェ・ラッテ』又はこれらに類する用語」と記載さている。同施行規則第4条(特定用語の表示基準)では、「規約第5条各号に規定する特定用語の表示は、次の基準により表示する。(1) ・・・(2)『ミルク入り』、『カフェ・オレ』、『カフェ・ラッテ』又はこれらに類するミルク入りを示す用語は、乳脂肪3%以上及び無脂乳固形分8%以上の成分を有する乳の製品がコーヒー飲料等の内容重量に対し5%以上使用されている場合に限り表示することができる。」と記載されている。
したがって、「コーヒー飲料」で取り扱われる「カフェオレ」の語は、取引者によって、その品質について維持、管理されているものと判断するのが相当である。
(ウ)上記(ア)及び(イ)のとおり、「乳飲料」、「コーヒー飲料」を取り扱う事業者は、「カフェオレ」の表示について、「乳飲料」とするか、または「コーヒー飲料」とするかは、「飲用乳の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」または「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」等に基づき表示しているものであり、その商品の品質について維持管理されていることからすれば、結果として、「カフェオレ」の語が「乳飲料」に使用されたとしても、取引者間において、品質について誤認を生ずるおそれがあるものと認められない。
(エ)需要者における商品の品質の誤認のおそれについて
需要者においては、「カフェオレ」の語が、「乳飲料」または「コーヒー飲料」と表示された商品に付された場合、「ミルク入りコーヒー」または、「コーヒー入りの乳飲料」程度の意味を理解するか、もしくは、「飲用乳の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」または「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」等に定められた規約等に基づき表示されているものと認識するものであり、需要者が、自主的かつ合理的な選択により商品を購入することができるといった商取引の実情にある。
したがって、需要者間においても、「乳飲料」で扱われる「カフェオレ」に接した場合、商品の品質について誤認を生ずるおそれはないというべきである。
(5)まとめ
そうとすれば、本願商標をその指定商品中、第29類「カフェオレ風乳飲料」に使用しても、恰も「カフェオレ」であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標ということはできないものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲1(本願商標)
別掲2「SUNTORY BOSS Cafe au Lait」:サントリーホールディングス株式会社
(http://store.shopping.yahoo.co.jp/11goods/d-42.html/)
別掲3「SUNTORY 特製ホット コクダブル カフェオレ」:サントリーホールディングス株式会社
(http://a248.e.akamai.net/f/248/37952/1h/image.shopping.yahoo.co.jp/i/l/softdrink_4901777199996/)
別掲4「GEORGIA ふんわりミルクのカフェオーレ」:日本コカ・コーラ株式会社(http://www.georgia.jp/product/funwari.html/)
別掲5「GEORGIA まろやかミルクのホットなカフェオレ」:日本コカ・コーラ株式会社(http://www.georgia.jp/product/maroyaka_hot.html/)
別掲6「KIRIN FIRE Cafe au Lait」:キリンビバレッジ株式会社
(http://www.beverage.co.jp/product/coffee/n_cafeaul.html/)
(色彩については原本参照)
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