結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300325(T2009−300325/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1775620号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和55年5月23日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年5月30日に設定登録され、その後、平成8年5月30日及び同17年5月17日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同17年11月9日に第9類「電気通信機械器具(ラジオ受信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。),電子応用機械器具及びその部品」とする指定商品の書換登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べた。
請求人として、本件商標の使用の有無を調べたところ、過去3年間において本件商標の指定商品「電気通信機械器具(ラジオ受信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具を除く。),電子応用機械器具及びその部品」について使用された形跡はない。請求人としては、第9類の指定商品について、商標「ATLAS」を使用したく、商標法第50条第1項による不使用取消審判を請求する。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第16号証を提出した。
(ア)乙第1号証の本件商標の商標原簿に記載されているとおり、本件商標には、「電気通信機械器具(但し、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、音声周波機械器具、映像周波機械器具を除く。),電子応用機械器具」について富士通を通常使用権者とする通常使用権が昭和61年11月10日付けで設定されており、現に有効である。また、当該通常使用権の設定後であって、ユピテル工業株式会社(以下「ユピテル」という。2007年10月に「株式会社ユピテル」に社名変更。)と富士通とは、乙第3号証のとおり、平成17年10月24日付けで「コンピュータを使用した自動翻訳システムおよび関連機器」について本件商標の通常使用権許諾契約を締結している。
(イ)次に、英文字「ATLAS」を付した「英日・日英翻訳ソフト」(以下「本件商品」という。)は、通常使用権者である富士通によって、同社の英日・日英翻訳ソフトATLAS V14総合カタログに掲載されているとおり使用されている(乙第4号証)。本件商品は、28分野557万語の翻訳用専門用語辞書をそなえた英日・日英の翻訳用ソフトウェアである。本件商標の指定商品の「電子応用機械器具及びその部品」には「電子計算機用翻訳プログラムを記録させた記録媒体」が含まれているので、本件商品は「電子応用機械器具及びその部品」に含まれるものである。
上記総合カタログは、2007年11月付けとなっており、販売元として通常使用権者の富士通の販売を担当する関連会社の富士通ミドルウェア株式会社が記載されており、その下に通常使用権者である富士通の名称、住所、ホームページが記載されている。上記総合カタログの表紙には、「ATLAS」「V14」と大きく記載されている。なお、「V14」は、ソフトウェア関連では「バージョン14」を意味するものであることは、顕著な事実である。また、裏面には、「ATLAS V14」の製品一覧が掲載されており、ATLAS翻訳スーパーパックV14、ATLAS翻訳スタンダードV14、ATLAS専門辞書(技術・ビジネス・医学)V14のほか、これらのグレードアップキットとして、ATLAS翻訳スーパーパックグレードアップキットV14、ATLAS翻訳スタンダードグレードアップキットV14、ATLAS専門辞書(技術・ビジネス・医学)グレードアップキットV14がある。
(ウ)他の使用態様については、乙第5号証の写真に示すとおり、本件商品の個装箱の表面には、「ATLAS」と「V14」が二段書きに、個装箱の横面には、「ATLAS V14」が付されている。
2008年1月付け商品カタログにおいても大きく上段に「ATLAS V14」と記載されており、「ATLASシリーズ最高の医学向け翻訳ソフト」と記載されている(乙第6号証)。さらに、2007年7月付け商品カタログにおいても、大きく上段に「ATLAS」と記載されており、「プロ仕様ATLAS翻訳エンジン」と記載されている(乙第7号証)。
雑誌に取り上げられた記事として一例を挙げれば、本件商品が雑誌「翻訳事典」の第117ページに翻訳支援ツールガイドの欄に「ATLAS翻訳スーパーパックV14」として紹介され、中央に大きく「ATLAS」と「V14」が付された個装箱の写真が掲載されている(乙第8号証)。なお、当該雑誌に掲載されたデータは、原則として2007年12月現在のものある。
2008年5月1日発行の雑誌「リーガルコム」2008年5月号vol.9の第80ページに「ATLAS 14 翻訳スーパーパック」の使用例が紹介され、また、別のページでは「ATLAS」「翻訳スーパーパック V14」と二段書きで書され、中央に大きく「ATLAS」と「V14」が付された個装箱の写真が掲載された広告記事がある(乙第9号証)。
2008年11月1日発行の雑誌「リーガルコム」2008年11月号vol.12の第98ページに翻訳サポートツールとして「ATLAS翻訳スーパーパックV14」として紹介され、中央に大きく「ATLAS」と「V14」が付された個装箱の写真が掲載されている(乙第10号証)。
さらに、雑誌に掲載の広告記事として一例を挙げれば、「ATLAS」「翻訳パーソナル2007」とが二段書きで大きく掲載され、表面および横面に大きく「ATLAS」「翻訳パーソナル2007」と二段書きで付された個装箱の写真が掲載された広告記事が、2007年2月1日発行の雑誌「日経ベストPCプラスデジタル」新年合併号(乙第11号証)、平成19年1月2日発行の雑誌「週刊アスキー2007 1/2」(乙第12号証)、2007年2月1日発行の雑誌「PCfan 2007 2/1」(乙第13号証)にそれぞれ掲載されている。これらには、開発元として通常使用権者である「富士通株式会社」が記載されている。また、乙第13号証には、お年玉プレゼントのページに本件商品が挙げられている。
本件商品の販売に関連する取引書類の一例として、請求書(乙第14号証)によれば、「ATLAS翻訳スーパーパックアップグレード」としてお支払期日を2009年1月30日にて顧客宛に請求している。請求書控(乙第15号証)によれば、「ATLAS/ステッドマン+ナンザンドウ 14」として検収日を2009年3月31日にて顧客宛に請求している。納品書(乙第16号証)によれば、「ATLAS/スーパーパック GU 14.0」として検収(引渡)日を平成20年11月14日にて顧客宛に納品している。
(1)乙第1号証及び乙第3号証について
乙第1号証は、本件商標の商標登録原簿であり、乙第3号証は、ユピテルと富士通との本件商標等に関する平成17年10月24日付け契約書である。これらによれば、富士通は本件商標の通常使用権者である。
(2)乙第4号証ないし乙第7号証について
乙第4号証は、富士通の「英日・日英翻訳ソフト ATLAS V14 総合カタログ」である。このカタログの商品は、「英日・日英」に係る翻訳ソフトであって、表紙をはじめ随所に「ATLAS」の文字が記載されており、裏表紙の左下には、「販売元/富士通ミドルウェア株式会社」、その下に「富士通株式会社」、右下隅には、「2007年11月」の記載がある。乙第5号証は、本件商品の個装箱の写真であり、そこには「ATLAS」の文字が記載されている。乙第6号証は、富士通の「英日・日英翻訳ソフト ATLAS V14」に係る「医学翻訳 ステッドマン+南山堂パック」のカタログである。このカタログの商品は、「英日・日英」に係る医学向け翻訳ソフトであって、その1枚目に「ATLAS」の文字が記載されており、2枚目の左下には、「販売元/富士通ミドルウェア株式会社」、その下に「富士通株式会社」、右下隅には、「2008年1月」の記載がある。乙第7号証は、富士通の「英日・日英翻訳ソフト ATLAS翻訳パーソナル2007」のカタログである。このカタログの商品は、「英日・日英」に係る翻訳ソフトであって、表紙をはじめ随所に「ATLAS」の文字が記載されており、裏表紙の左下には、「販売元/富士通ミドルウェア株式会社」、その下に「開発元/発売元 /富士通株式会社」、右下隅には、「2007年7月」の記載がある。
(3)乙第8号証ないし乙第13号証について
乙第8号証は、アルク社による2009年度版の「翻訳事典」である。その第117ページの翻訳支援ツールガイドに翻訳ソフトとして、「ATLAS翻訳スーパーパックV14」が紹介され、個装箱中央に「ATLAS」の文字が記載された商品写真が掲載されている。乙第9号証は、株式会社バベルが2008年5月1日に発行された雑誌「The LEGAL.COMM」の2008年5月号vol.9である。その80ページに「ATLAS 14 翻訳スーパーパック」の使用例が紹介され、また、87ページに、「ATLAS/翻訳スーパーパック V14」の商品紹介がされ、個装箱中央に「ATLAS」の文字が記載された商品写真が掲載されている。乙第10号証は、同じく2008年11月1日に発行された雑誌「The LEGAL.COMM」の2008年11月号vol.12である。その98ページに、翻訳サポートツールとして「ATLAS 翻訳スーパーパック V14」の商品紹介がされ、個装箱中央に「ATLAS」の文字が記載された商品写真が掲載されている。乙第11号証は、日経BP社が2007年2月1日に発行した雑誌「日経ベストPC+デジタル」新年合併号、乙第12号証は、平成19年1月2日に発行した雑誌「週刊アスキー2007 1/2」であり、また、乙第13号証は、2007年2月1日に発行した雑誌「PCfan 2007FE 2/1」である。そして、これらの雑誌には、「ATLAS/翻訳パーソナル2007」の商品紹介がされ、個装箱中央に「ATLAS」の文字が記載された商品写真が掲載されている。
(4)乙第14号証ないし乙第16号証について
乙第14号証は、財団法人日本特許情報機構宛の富士通の「請求書」である。これには、支払期日の欄に「2009年1月30日」、請求内訳の欄に「ATLAS翻訳スーパーパックアップグレード」の記載がある。乙第15号証は、宛先名等がマスキングされている富士通の「請求書控」である。これには、検収日の欄に「2009年3月31日ご注文NO R08092」、請求明細の欄に「ATLAS/ステッドマン+ナンザンドウ 14」の記載がある。乙第16号証は、宛先名等がマスキングされている富士通の「納品書」である。これには、検収日の欄に「平成20年11月14日」、品名の欄に「ATLAS/スーパーパック GU 14.0」の記載がある。
そして、上記以外に本件商標を使用したとする証拠は、提出されていない。
そして、本件商標の図形部分のみをもって、これより「アトラス」の称呼及び観念を生ずるものとは認められないことから、当該「ATLAS」の文字のみの使用によっては、本件商標と社会通念上同一の商標の使用とはいい得ないところである。
してみれば、被請求人提出の証拠によっては、本件商標についての使用があったと認めることはできない。
また、被請求人は、使用をしていないことについて正当な理由があると述べるものでもないから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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