Trademark Appeal Case
中古部品と地名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−22102(T2008−22102/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「USED PARTS JAPAN」の欧文字を標準文字で表してなり、第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年2月27日に登録出願されたものであるが、その指定商品については、当審における同20年10月3日受付の手続補正書により、第12類「中古自動車並びにその部品及び附属品,中古二輪自動車・中古自転車並びにそれらの部品及び附属品」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『日本製の中古パーツ』程の意味合いを看取させる『USED PARTS JAPAN』の欧文字を普通に書してなるものであるから、これを本願指定商品中、例えば『日本製の中古自動車及び自動車並びにその部品及び附属品,中古二輪自動車・中古自転車及び二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品』等に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知(要旨)
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成21年5月29日付けで、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
記
1 「USED」の文字について
辞典における記載について
(1)「used」の項に、「2 使用〔利用〕された(このとのある);使い古した;お古の、中古品の:a〜stamp 使用済み切手/a〜car中古車/〜clothing 古着」との記載がある(「小学館ランダムハウス英和大辞典」第2版1999年1月10日発行 株式会社小学館)。
(2)「used」の項に、「使い古した,汚れた:〜books 古本/〜stamps 使用済み切手/〜cars中古車/a〜handkerchief〔glass〕汚れたハンカチ〔コップ〕」との記載がある(「研究社 新英和大辞典」第6版2002年3月発行 株式会社研究社)。
2 「PARTS」の文字について
辞典における記載について
(1)「part」の項に、「4(1)(機械・器具の)部品,パーツ:auto〜s 自動車部品」との記載がある(前掲「小学館ランダムハウス英和大辞典」)。
(2)「part」の項に、「4(機械・器具の)一部分,部分品;予備部分品(spare part):automobile〜s 自動車部品」との記載がある(前掲「研究社 新英和大辞典」)。
3 「USED PARTS」の文字について
インターネットのホームページにおける記載について(平成21年5月19日検索)
(1)「カーランド」のWebページにおいて、「USED PARTS」の見出しのもと、「中古パーツ在庫リスト」の項に、「このコーナーでは、当店の“中古パーツ”の在庫の一部をご覧いただくことができます。全商品中古品となりますので、それぞれの状態が異なり、写真・文章だけでお伝えすることが非常に困難となります。商品につきましては、できる限りご来店のうえ、お客様の目でご確認いただくことをおすすめいたします。」との記載がある。
(http://www.carland86.com/u_parts/)
(2)「SPIRAL AUTO」のWebページにおいて、「トップ > 商品一覧 >中古品/USED PARTS」の見出しものと、「■ナカミチ■MD−95Z■6連奏CD&MDレシーバー■価格 \80,000(税込)中古品」との記載がある。
(http://shop.yumetenpo.jp/goods/goodsList.jsp?st=spiral-auto.com&category=6&action=category)
(3)「PROSHOP SCREEN」のWebページにおいて、「USED PARTS 中古パーツ」の見出しのもと、商品の写真とともに「・APEX AX75F82 タービン ¥100,000」との記載がある。
(http://www.screen-powers.net/used/usedparts_index.html)
(4)「HANSHIN MY CAR LAND」のWebサイトにおいて、「USED PARTS」の見出しのもと、「各種中古パーツ・W124パーツも大放出!! 取り揃え豊富!! パーツヤードで厳重管理・迅速対応!!」の項に、「自社にてベテラン整備士が解体・部品取りを行い、パーツヤードにて管理しています。程度の良いものを厳選し、皆様方に安くご提供させて頂いております。ただいま、人気のW124関連の中古パーツを豊富に取り扱っております。」との記載がある。
(http://www.h-mycar.co.jp/parts9.html)
(5)「KTM」のWebサイトにおいて、「USED PARTS」の見出しのもと、商品の写真とともに「WHEEL SET 【 2.15×18 / 1.6×21】 EXCEL WHEELS」の項に、「.SOLD OUT ありがとうございました。中古品の為、傷 汚れがあります。リアスプロケット-Z48 / リアブレーキディスクが付いているホイールセットです。スペアーホイールに如何でしょうか? 適用車種: 03〜09 SX・EXC/EXC-R /EXC-F」との記載がある。
(http://www.ktm-saitama.com/used_bike/used_parts.htm)
(6)「SAS MOTORSPORT」のWebサイトにおいて、「USED PARTS」の見出しのもと、商品の写真とともに「FERRARI USED PARTS TUBI STYLE ステンレスマフラー(中古品)DIABLO用 ¥150,000」との記載がある。
(http://www.sasmotor.com/index.php?pg=parts_list&cate_big_id=14)
(7)「J−AUTO」のWebサイトにおいて、「ユーズドパーツ//USED PARTS」の見出しのもと、商品の写真とともに「W124に!W203純正5本スポークアルミ・タイヤ一台分セット [2009年5月8日]」の項に、「W203純正5本スポークのアルミホイールとPIRELLI P6000の4本セット、中古美品一台分です。安心の純正クオリティで貴方の愛車に『ちょいインチアップ』はいかがですか?ホイールサイズは前後7.0J-...」との記載がある。
(http://www.jauto.co.jp/defaultService.asp?cIdx=4955&cTitle=USED+PARTS)
(8)「WARASHINA cars」のWebサイトにおいて、「◆ホットニュース◆」の見出しのもと、「★★USEDパーツ 販売中★★」の項に、「MINIの小物から大物まで中古パーツが満載!随時更新中! 」との記載がある。
(http://www.warashinacars.co.jp/news/news.html)
(9)「株式会社タイヨー自動車」のWebサイトにおいて、「中古部品」の見出しのもと、「USED PARTS」及び「中古部品を販売するまでの検査・管理をご紹介しています。数々の検査をクリアした中古部品を販売しております。 」との記載がある。(http://www.taiyo-parts.com/)
(10)「TECHICAL MATE」のWebサイトにおいて、「ユーズドパーツ USED PARTS」の見出しのもと、商品の写真とともに「【2185】レカロSR&964レール助手席用セット。」の項に、「レカロSR&964レール助手席用セット 993にも装着可能 ¥43,000」との記載がある。
(http://www.technicalmate.co.jp/usedparts.html)
(11)「清水ホンダ販売株式会社」のWebサイトにおいて、「USED PARTS」の見出しのもと、商品の写真とともに「NO.1 ホンダ純正 15インチアルミ(FIT Sパッケージ標準モデル)15×6JJ PCD100 4穴 OF+53 4本 適応車種 フィット・シビック・モビリオ モビリオスパイク・エアウエーブetc 3万円)との記載がある。
(http://www2.wbs.ne.jp/~souleyes/usedparts.html)
4 「JAPAN」の文字について
(1)辞典における記載について
ア 「Japan」の項に、「日本(国).−adj.(形容詞)=Japanese」の記載があり、「Japanese」の項に、「日本(人,語)の」との記載がある(前掲「小学館ランダムハウス英和大辞典」)。
イ 「Japan」の項に、「日本,−adj.(形容詞)日本の;日本産の;日本製の;〜china日本製陶器」との記載がある(前掲「研究社 新英和大辞典」)。
(2)インターネットのホームページにおける記載について(平成21年5月22日検索)
ア 「ブリキのおもちゃ 昔の日本製のおもちゃ・人形」のWebサイトにおいて、「日本製おもちゃ・人形のページ1」の見出しのもと、「JT06」の項に、「・1930−50’s ・セルロイドのカップル 花嫁・花婿 8cm ・花嫁は布のドレスを着ています。花婿のタキシードはペイントです。 背中にJAPANの刻印があります。おおむね良い状態です。」また、「JT07」の項に、「1950−60’s ネズミ 状態:EX 箱無し ゼンマイ式 ブリキ製のおもちゃ タイヤとしっぽはゴム 耳はビニール製 しっぽを除く長さ8.5cm ねじを巻くと前に走ります。 "JAPAN"とマークされています。お尻にマイナーなサビのあとがある他は良い状態です。」との記載がある。(http://www2u.biglobe.ne.jp/~nuts/jpntoy.htm)
イ 「らしさ Antique」のWebサイトにおいて、「時代有り! 泣いている女の子の赤ちゃん ソフビ人形 JAPAN 手塗り 昭和レトロ【TO0918】」の見出しのもと、「【商品番号】TO0918」の項に、「【詳細】時代有り! 泣いている女の子の赤ちゃんのソフビ人形です。JAPAN 手塗り 昭和レトロ」との記載があり、さらに、商品の写真には「JAPAN」の文字が写っている。
(http://antique-rasisa.com/SHOP/TO0918.html)
ウ 「Czas koty」のWebサイトにおいて、「【レトロ・アンティーク雑貨】ブリキのおもちゃの双眼鏡 AS-0010」の見出しのもと、「ブリキのおもちゃの双眼鏡です。おもちゃながらもツマミを回すと多少ピントを合わせることができます。接眼レンズ(覗く方の部分)の方の目に当てる部分と、ピント調節のツマミが付いている支柱になる部分などは、プラスティック製です。ともにJAPANの刻印があります。ブルーグリーンの柄部分は紙製で擦り切れなどの傷みがあります。」との記載があり、さらに、商品の写真には「JAPAN」の文字が写っている。
(http://czaskoty.jp/SHOP/AS-0010.html)
第4 証拠調べ通知に対する意見(要旨)
請求人は、前記第3の「証拠調べ通知」に対して、平成21年7月7日受付の意見書において、以下のように意見を述べた。
1 インターネットの各種検索サイトにおいて出願人(請求人)を紹介し、また、出願人(請求人)のホームページサイトへリンクを張るものは、すべて「USED PARTS JAPAN」の文字一連であって、出願人(請求人)を表す識別標識として使用されていること、そして、2つ以上の単語が一体不可分に結合することによって一つの新しい造語として固有の観念や称呼を生ずる場合があることを考慮すれば、本願商標も「USED PARTS JAPAN」全体である種の団体の名称として一つの商標を構成するものと評価されるべきである。
2 証拠調べで示された各証拠は、何らかの商品に「USED」の文字が表記されているときは、それが中古品であることを意味し、その中古品が部品である場合には「USED PARTS」の文字が使用されることがあること、また、商品に単独で「JAPAN」の文字が刻印等されているときはそれが日本製であることを表する場合がある、といった各単語が別々に使用された場合の意味を示しているにすぎないのであって、「USED PARTS JAPAN」という一連の文字列が「日本製の中古部品」を指称する文字列として使用されている証拠は何ら示されてはいないものであるから、本願商標が直ちに商品の品質を表示することにはならない。また、商品の品質を表示するものでない以上、品質の誤認も生じない。
3 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記第1のとおり、「USED PARTS JAPAN」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これは、英単語の「USED」、「PARTS」及び「JAPAN」の各文字間に1文字分の空白を設けて一連に表記したものと認められるものである。そして、その構成中、「USED」は、「使い古した、中古の」等の意味を有する形容詞であること、また、「PARTS」は、「部品、パーツ」等の意味を有する名詞であること、さらに、「JAPAN」は、「日本、日本国」等の意味を有する名詞であって、それ自体単独(例えば、「MADE IN (JAPAN)」などが付かない。)でも商品の産地、販売地を表す英単語として普通に使用されているものであることは、それぞれ、一般に知られているといえるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、「使い古した、中古の」等の意味を有する「USED」の形容詞が修飾する後続の英単語は、専ら、「部品、パーツ」等の意味を有する「PARTS」の名詞のみであると理解するのが通常であり、また、前記第3の3のとおり、「USED PARTS」の文字部分は、「中古部品」ないし「中古パーツ」の意味合いで使用されている実情がある。
そうすると、本願商標を構成する「USED」、「PARTS」及び「JAPAN」の各文字のうち、「USED PARTS」の部分は、「中古部品」程の意味合いでひとまとまりの語として認識され、残る「JAPAN」の部分は、その「中古部品」が「日本製」であることを並記したものであると理解するのもごく自然な解釈といえるから、本願商標は、全体として「日本製の中古部品」程の意味合いを容易に理解、認識させるものというべきである。
してみれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品中「中古自動車の部品,中古二輪自動車の部品,中古自転車の部品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、それらの商品が「日本製の中古部品」であることを表すものとして、単に商品の品質、産地を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当であり、また、本願商標を日本製の中古部品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、インターネットの各種検索サイトにおいて出願人(請求人)を紹介し、また、出願人(請求人)のホームページサイトへリンクを張るものは、すべて「USED PARTS JAPAN」の文字一連であって、出願人(請求人)を表す識別標識として使用されていること、そして、2つ以上の単語が一体不可分に結合することによって一つの新しい造語として固有の観念や称呼を生ずる場合があることを考慮すれば、本願商標も「USED PARTS JAPAN」全体である種の団体の名称として一つの商標を構成するものと評価されるべきである旨主張する。
しかし、請求人の主張のとおり、仮に、本願商標が全体で特定の団体の名称として認識されることがあるとしても、常にそのようにしか認識されないとまではいい得ないし、また、そのことを認めるに足りる証拠の提出もない。本願商標は、前記1のとおり、商標全体から「日本製の中古部品」程の意味合いを容易に理解、認識させるものであるから、自他商品の識別標識とは認識されないものといわざるを得ない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(2)請求人は、証拠調べで示された各証拠は、「USED PARTS JAPAN」という一連の文字列が「日本製の中古部品」を指称する文字列として使用されている証拠は何ら示されてはいないものであるから、本願商標が直ちに商品の品質を表示することにはならず、また、商品の品質を表示するものでない以上、品質の誤認も生じない旨主張する。
しかし、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日 判決言渡)から、たとえ、「USED PARTS JAPAN」の文字が、仮に、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして実際に使用されている事実が存在しなくとも、本願商標が商品の品質等を表示するものであると認定判断することの妨げにはならない。
したがって、請求人の上記主張も、採用することができない。
(3)請求人は、過去の登録例及び審決例(甲第5号証ないし甲第11号証)を挙げて本願商標も登録されるべきである旨も主張するが、それら過去の
登録例及び審決例は、指定商品(指定役務)の内容及び商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の上記主張も、採用することができない。
3 むすび
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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