Trademark Appeal Case
D文字の識別力と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−32986(T2008−32986/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「キッズアドベンチャー」の文字を書してなり、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,商品の販売に関する情報の提供」を指定役務として、平成19年6月30日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、拒絶の理由に引用した登録第5080464号商標(以下「引用商標」という。)は、「Dキッズ・アドベンチャー」の文字を標準文字で書してなり、平成19年2月20日に登録出願され、第9類、第16類、第25類、第28類、第30類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年9月28日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「子供」の意味を有する英語の「Kids」に通ずる「キッズ」の片仮名文字と「冒険(心)」の意味を有する英語の「Adventure」に通ずる「アドベンチャー」(いずれも株式会社大修館書店発行 ジーニアス英和大辞典)の片仮名文字とを結合させたものと容易に理解される「キッズアドベンチャー」の文字を書してなるところ、該構成文字に相応して「キッズアドベンチャー」の称呼を生ずること明らかであり、また、観念については「子供の冒険(心)」程の観念を認識させるものである。
他方、引用商標は「Dキッズ・アドベンチャー」の文字を書してなるところ、その全体をもって特定の意味合いを有する語ともいい得ず、本願商標は、他にこれを常に一体不可分のものとして把握しなければならないとする特段の事情も見出せない。
ところで、引用商標の構成中「D」の文字部分は、欧文字の1字が商品の型式・規格又は種別等を表示するための記号・符号として、取引上普通に採択・使用されている実情にあることから、引用商標の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を果たさないか、その機能は極めて弱いものと認識されるとみるのが相当である。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標に接する取引者・需要者は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ると認められる「キッズ・アドベンチャー」の文字部分より生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものというべきである。
そうとすれば、たとえ、「キッズ」と「アドベンチャー」との間に中黒「・」を有しているとしても、構成各文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体に表現されており、また、これから生ずる「キッズアドベンチャー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであるから、引用商標は、「キッズアドベンチャー」の称呼をも生ずるものと認められ、また、観念については「子供の冒険(心)」程の観念を認識させるものである。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観における差異を考慮してもなお、「キッズアドベンチャー」の称呼及び「子供の冒険(心)」の観念を共通にする類似の商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品と同一又は類似の役務を含むものである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「『Dキッズ・アドベンチャー』は、引用商標権者の提供するアニメ番組のタイトル及び該アニメのキャラクターグッズを指す語として需要者に認識されていることから、『D』の文字部分は単なる記号として分離認識されず、一体不可分のものとして認識される」旨主張し、その立証証拠を提出しているが、提出された資料を徴するも、引用商標が使用されていることは認められるものの、引用商標権者の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されている事実を裏付ける具体的な証拠を提出しているとは認められないから、請求人の主張を採用することはできない。
よって結論のとおり審決する。
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