sokuhyo

Trademark Appeal Case

形状記憶デジタルパーマの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−4369(T2007−4369/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「形状記憶デジタルパーマ」の文字を標準文字で表してなり、第11類「美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。)」を指定商品として、平成16年4月28日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同17年1月5日付け手続補正書により、第11類「パーマを行うための美容院用又は理髪店用の機械器具」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『形状記憶デジタルパーマ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中の『デジタルパーマ』の文字が『マイナスイオンと遠赤効果のある特殊なロッドを使用することで最適に加熱し、高温になり過ぎないようデジタルコントロールをしてダメージから髪を守りながら、カールを作っていくパーマ』の意味合いを指称するものとして使用されているものであり、全体として『マイナスイオンと遠赤効果のある特殊なロッドを使用することで最適に加熱し、高温になり過ぎないようデジタルコントロールをしてダメージから髪を守りながら、カールを作っていくことを内容とする形状記憶されたパーマ』の意味合いを看取させるにとどまるものであり、これを本願指定商品に使用しても『前記形状記憶デジタルパーマを行うための美容院用又は理髪店用の機械器具』を認識させるにとどまり、単に商品の品質・内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審においてした審尋

当審において、平成21年8月28日付審尋をもって通知した内容は、次のとおりである。

本願商標について、当審において、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第1項による証拠調べを行ったところ、辞典・新聞記事情報及びインターネット検索情報等において、以下(1)ないし(15)の事実を発見したので、同条第5項に基づき通知する。

そして、以下に示す証拠によれば、本願商標の構成中の「デジタルパーマ」は、「ロッドを巻いた後、デジタルで適温に温度管理をすることにより、カールの形状をより保持しやすくしたパーマのこと。」であり、別名「形状記憶パーマ」と称されている事実が認められる。

してみれば、本願商標「形状記憶デジタルパーマ」は、構成全体として「形状記憶されたデジタルパーマ」を認識させるものである。

そして、「デジタルパーマ」は、「美容室で行われるパーマネントウェーブ技術の1つ」であり、その施術を行う際に、「デジタルパーマ専用の(加温)ロッド」等の「デジタルパーマ用機械器具」を使用していることからすれば、本願商標をその指定商品「パーマを行うための美容院用又は理髪店用の機械器具」に使用しても、需要者・取引者に、「(形状記憶)デジタルパーマ用の美容院用又は理髪店用の機械器具」であることを認識させるにとどまり、単に商品の品質・用途等を表示するにすぎないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(1)「現代用語の基礎知識」(1224頁、2009年1月1日発行、自由国民社)

「美容」のタイトルの「デジタルパーマ」の項目に、「ロッドを巻いた後、デジタルで適温に温度管理をすることにより、カールの形状をより保持しやすくしたパーマのこと。一般的なパーマよりも割高だが、『パーマのもちがいい』『乾かすだけでホットカーラーで巻いたような巻き髪がよみがえる』『髪が傷みにくい』などのメリットがある。形状記憶パーマともいわれる。」の記載がある。

(2)「知恵蔵2007」(1008頁、2007年1月1日 朝日新聞社発行)

「生活」のタイトルの「デジタルパーマ digital permanent」の項目に「美容室で行われるパーマネントウェーブ技術の1つ。ホット系パーマとも呼ばれ,加温ロッド(発熱するロッド)を使用して加温することを特徴とする。通常のパーマとは施術方法が異なっている。パーマの第1剤で毛髪を還元軟化、水洗後、加温ロッドに巻き加温、ロッドオフして第2剤を塗布し酸化という工程でウェーブを得る。このシステムで施術されたウェーブは持ちが良く、美容室でのスタイルを自宅でも簡単に再現でき、大変扱いやすいと評価されている。」の記載がある。

(3)「毎日新聞」(2008年3月13日付け、17頁)

「装うナビ:『デジタルパーマ』や『酸性パーマ』。普通のパーマとの違いは。」の見出しの下、「◆『デジタルパーマ』や『酸性パーマ』。普通のパーマとの違いは。・・・そもそもパーマとは、髪の中の組織を一度切断し、ウエーブをつけた形で再び組織を結合させるもの。・・・現在、主流の一般的なパーマは「コールドパーマ」と呼ばれ、ウエーブをつけるためのロッドを巻く→1剤→キャップをして常温で放置→2剤の手順で施術される。・・・一方、『デジタルパーマ』は熱の力を使うのが最大の特徴。「ホット系パーマ」などとも呼ばれている。髪を巻くロッドが専用の器械とつながっていて、発熱するようになっており、『イメージで言えば、昔懐かしい電髪と同じ』・・・発熱式ロッドやパーマ剤を開発している資生堂プロフェッショナル(同港区)によると、・・」の記載がある。

(4)「FujiSankei Business i.」(2007年7月8日付け、9頁)

「【ファッションラボ】デジタルパーマが人気」の見出しの下、「この春夏は、昨年から引き続きロマンティック路線が健在です。このトレンドの影響で、ナチュラルで女性らしさを強調できて動きのあるやわらかなウェーブのロングヘアが流行していて、ソフトな巻き髪が簡単にでき上がるデジタルパーマが人気を呼んでいます。これまでは巻き髪というと、ホットカーラーやヘアアイロンでつくり上げるテクニックが必要なスタイルでした。この巻き髪のニュアンスをパーマで実現したのがデジタルパーマです。雑誌の特集記事や有名サロンが導入したということで、トレンドに敏感な若い女性を中心に話題になっているヘアスタイルです。デジタルパーマ(ホットパーマ)は、通常のパーマ(コールドパーマ)と違って髪を巻いたロッドを加温してパーマをかけます。このパーマの特徴は、通常のパーマとは逆に、髪が濡れているときにはストレートっぽくなり、乾くとウェーブが現れることです。その他の特徴としては、通常のパーマよりも格段に持ちが良いことが挙げられます。」の記載がある。

(5)「FujiSankei Business i.」(2006年10月11日付け、32頁)

「【とれんどeye】『ふわゆる』でエビちゃん気分」の見出しの下、「バブル期のくるくるした強い巻き髪やソバージュとは違い、ちょっと甘い女の子らしさを前面に出したふわふわカール。そんなかわいいエビちゃんに近づきたい!と願う学生やOLが今、次々とチャレンジしているのが『デジタルパーマ』、いわゆる『デジパー』なんです。毎回、美容院に行くとうまく希望のスタイルが伝えられずに落ち込む私も、ラジオで紹介するために、大人気の『デジタルパーマ』に、チャレンジしてきました!東京・青山の美容院では週末になると、このデジタルパーマの機械2台がフル稼働で予約がいっぱいなそうです。これまでのパーマは、ロッドを巻いてパーマ液をつけて時間を置いたり、外から熱を加えたりしていましたが、これはロッド自体が機械とコードでつながり、熱を発するというもの。そのホットロッドの温度管理をデジタルで正確に制御するところから、この「デジタルパーマ」という名前がついたそうです。 形状記憶パーマとも呼ばれるこのスタイルは、これまでのパーマでは出せなかった巻き髪風のカールが出せるところが魅力です。」の記載がある。

(6)「FujiSankei Business i.」(2006年8月16日付け、18頁)

「巻髪ブーム 関連ビジネスも好調」の見出しの下、「そこで、ヘアサロンが、巻き髪に最適なパーマとして提案しているのがデジタルパーマ。『形状記憶パーマ』とも呼ばれており、シャンプーした後に乾かすだけでアイロンやホットカーラーで巻いたような弾力のあるカールを簡単に再現できる。これまでのパーマよりもしっかりとウエーブがかかるという。これまでパーマがすぐに落ちてしまう人や、髪の傷みできれいにパーマがかからない人でも理想どおりのヘアスタイルを作れるとあって、多くのヘアサロンが形状記憶パーマ用の加温器具の導入を急いでいる。・・・ヘアサロン向けの業務用品を製造・販売する資生堂プロフェッショナルでは、デジタルパーマのシステムを『システムキュール』として販売している。・・・7月末までに、デジタルパーマ用の加温器具『ザイニングステーションDS−300Q』を導入しているヘアサロンは約6000件。出荷台数は7000台に達した。」の記載がある。

(7)「北国・富山新聞」(2006年7月13日付け、朝刊)

「私の髪技 佐々木徳子さん(47)、美容室『ら・みゅー』=高岡市野村 『デジタル』で巻き髪簡単」の見出しの下、「デジタルパーマは別名形状記憶パーマとも呼ばれ、適度に加温する特殊なロッドを使う。」の記載がある。

(8)「北海道新聞」(2005年12月1日付け、9頁)

「<フォトピック>電脳パーマ?」の見出しの下、「パーマをかける場合、普通はロッドという小さな筒状のものに髪を巻き、熱をあてる装置をかぶるが、デジタルパーマではロッド自体が発熱するようになっている。これで巻くと効率よく髪に熱が伝わり、再現力と持続力が増すという。」の記載がある。

(9)「高知新聞」(2005年8月29日付け、夕刊、6頁)

「“韓流”パーマ上陸 最新機械を直輸入 『髪傷めず形きれいに』 高知市の美容室」の見出しの下、「○...次は“韓流”パーマが熱い!?−−。高知市帯屋町二丁目の美容室『la vie BEAUTE(ラ・ビー・ボーテ)』にこのほど、韓国から直輸入したパーマ機械が登場。女性客を中心に話題になっている。○...韓国の美容機器メーカー『Sea Jin』が開発した『A・I』。日本ではパーマ液を使う『コールドパーマ』が主流だが、韓国の主流、電気加熱型ロッドで形状を作る『デジタルパーマ』の最新機械だ。」の記載がある。

(10)「クォーターウェット縮毛矯正・縮毛矯正/レングス」のウェブサイトにおける「DigitalPerm」のタイトルの下、「デジタルパーマETC」の項目の「システムキュール ・資生堂」の欄に「メジャーメーカーである資生堂が温熱ロッド式パーマ(デジタルパーマ)市場に参入してきた事は美容室側にとっても大変歓迎出来る出来事でした。」及び「資生堂システムキュールは他社製のデジタルパーマ機器と大きく変わっている訳ではありません。」の記載がある。

(http://www.xmac.ddnn.jp/digitalperm/etc.html)

(11)「ヘアスタイルアーツ美容室(美容院)」のウェブサイトにおける「ヘアスタイルアーツ美容室(美容院)のこだわりデジタルパーマ機器の紹介」のタイトルの下、「☆こだわりデジタルパーマ機器の紹介」の項目に「☆資生堂 DS−300Q デザインニングステーション」の記載及び「資生堂のデジタルパーマ機器『デザインニングステーション』です。デジタルパーマ専用ロッド(キューラー)に電気を通しじんわり温めます。熱の温度設定が高、中、低と3段階設定できる様になっております。髪質により温度設定がデジタル管理できる優れものです。」の記載がある。

(http://www.digitalperm-hairstyle-arts.com/degitalperm_machines.html)

(12)「JETRO日本貿易振興機構(ジェトロ)」のウェブサイトにおける「引き合い案件データベース(TTPP)」の項目に、「デジタルパーマ機器(日本限定)<< 内容 >>今話題の髪に形状記憶させ、洗髪後に軽く乾かすだけで弾力のあるカールが仕上がる、デジタルパーマ機器を販売いたします。 画像、価格及び仕様などご連絡いたします。」の記載がある。

(http://www3.jetro.go.jp/ttppoas/anken/0001078000/1078236_j.html)

(13)「株式会社サロンスクワッド」のウェブサイトにおける「デジタルパーマ」の項目の「商品一覧」の欄に、「【中古】AIR WAVE『エアウェーブ』 メーカー:タカラベルモント」、「【中古】SYSTEM QURL『システムキュール』 メーカー:資生堂」、「【中古】パイモアデジタルフリーワゴンタイプ メーカー:パイモア」、「【中古】ODIS2『オーディス2』(卓上タイプ) メーカー:大広製作所」の記載がある。(http://www.salonsquad.jp/SHOP/251778/251971/list.html)

(14)「bidders オークション&ショッピングのビッダーズ」のウェブサイトにおける「デジタルパーマ用 アペティートLinkアイロン 美容室にどうぞ」のタイトルの下、「アペティート社でのデジタルパーマに使用するLinkjアイロンです。練習で使用したのみです。(多分10回ほど使用) 電動で正回転、逆回転できます。アイロンは全部で 12,14,16,20ミリ があります」の記載がある。

(http://www.bidders.co.jp/item/125427817)

(15)「デジタルパーマの美容院ナビ!」のウェブサイトにおける「福井県のデジタルパーマ美容院(おすすめ)」のタイトルの下、「美容院レオナ」の項目に、「福井県小浜駅前の【美容室レオナ】レイラスサロンです。あなたの髪の悩みを解決します。今、話題のデジタルパーマの機器デジタルパーム・マシーンも導入しました。好評です一度ためしてください。」の記載がある。

(http://dejitarupama.1boru.net/hukui.html)

第4 審尋に対する請求人の意見の要点

上記第3の審尋に対し、請求人は、以下のように述べている。

1 本願商標が登録されるべき理由

本願商標と同一の構成よりなる請求人所有の商標「形状記憶デジタルパーマ」は、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成16年1月16日付けで登録されている(登録第4740678号)。

そして、請求人は、本願商標を、本願出願日以前の平成15年(2003年)8月頃から今日に至るまでカタログの拡布及び広く業界誌への宣伝広告を通じて継続して使用した結果、本願商標は、請求人の業務に係る特定の商品を表示するものとして、取引者、需要者間に広く認識されている。

2 審尋において示された証拠について

審尋において提示された証拠資料は、本願商標の使用開始後に掲載されたものであることは明らかである。

そして、その記載内容も、請求人の作成によるカタログ等に記載された内容と実質的に同一である。

そうとすれば、請求人が、カタログを頒布し、業界誌に広告宣伝を掲載した結果、本願商標を請求人の顧客がWEBページに掲載等により使用したもの、あるいは、請求人とは関係を有さない他人が模倣して使用しているものである。

3 結び

本願商標は、本願出願日前から、カタログ及び業界誌への宣伝広告により今日まで継続的に使用された結果、請求人の業務に係る特定の商品を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識されている商標であって、単に商品の品質、用途を表したものではなく、また他のパーマとの間で商品の品質について誤認を生じるおそれはない。

よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。

第5 当審の判断

1.本願商標から生じる意味合いについて

本願商標は、上記第1のとおり、「形状記憶デジタルパーマ」の文字を書してなるものである。

以下、本願商標について検討する。

(1)「形状記憶」の文字について

本願商標の構成中「形状記憶」の文字は、「形状記憶合金」(高温で成型したのち、常温で変形させても、加熱すると元の形に戻る合金。)、「形状記憶樹脂」(成形物を変形させても加熱すると元の形に戻る樹脂。)(いずれも広辞苑第五版)や「形状記憶シャツ」(アイロン掛けのいらないワイシャツ)等の用例の如く、「元の形に戻る」あるいは「形が変わりにくい」ことを意味する語として一般に使用されていると認められる。

(別掲「1999年4月15日付け朝日新聞 大阪朝刊 25頁」参照)

(2)「デジタルパーマ」の文字について

「デジタルパーマ」の文字部分について見ると、本願指定商品の業界において、「デジタルパーマ」の文字は、「美容室で行われるパーマネントウエーブ技術の1つ。ホット系パーマとも呼ばれ、加湿ロッド(発熱するロッド)を使用して加温することを特徴とする。」(「知恵蔵2007」《2007年1月1日 朝日新聞社発行》1008頁)、「形状記憶パーマ。髪を乾かすとカールが戻る。」(現代用語の基礎知識2007《2007年1月1日 自由国民社発行》1449頁)を意味する語として普通に使用されている。

(3)まとめ

そうとすると、本願商標「形状記憶デジタルパーマ」の文字は、「形状記憶」の文字と、「デジタルパーマ」の文字を結合したものと認められ、本願指定商品との関係において、「美容室で行われるパーマネントウエーブ技術の1つで、髪を乾かすとカールが戻るパーマ」程の意味合いを容易に認識されるとみるのが相当である。

2.「形状記憶デジタルパーマ」の使用事実について

前記第3の審尋で提示した証拠から、「形状記憶デジタルパーマ」は、「美容室で行われるパーマネントウェーブ技術の1つ」であり、その施術を行う際に、「(形状記憶)デジタルパーマ専用の(加温)ロッド」等の「デジタルパーマ用機械器具」が実際に使用されている実情が認められるものである。

3.本願商標の商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号の該当性について

前記1.及び2.より判断すると、「形状記憶デジタルパーマ」の文字よりなる本願商標を、その指定商品「パーマを行うための美容院用又は理髪店用の機械器具」に使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、「(形状記憶)デジタルパーマ用の美容院用又は理髪店用の機械器具」であることを理解するにすぎず、単に商品の用途・品質等を表示するものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとしては理解されないとみるのが相当である。

また、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質等について誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するものである。

4.請求人の主張(要旨)

請求人は、「本願商標は、本願出願日以前の平成15年(2003年)8月頃から今日に至るまで、カタログの拡布及び広く業界誌への宣伝広告を通じて請求人の業務に係る特定の商品を表示するものとして、取引者、需要者間に広く認識されている。」旨主張している。

しかしながら、請求人が提出したカタログ等には、「形状記憶デジタルパーマ」の文字のみではなく、「パイモア形状記憶デジタルパーマ」の記載等、請求人の社名やその略称も共に使用されている。

また、請求人所有の登録第4740678号商標に係る指定商品と、本願の指定商品は、全く異なるものであり、前記の登録商標の所有をもって、本願の指定商品について、請求人が、独占的に使用することはできない。

そして、請求人の提出した証拠資料によっては、「形状記憶デジタルパーマ」の語のみが、本願の指定商品との関係において、請求人の業務に係る商品として、取引者、需要者の間に広く認識されているとは、直ちに、認識することはできない。

さらに、「形状記憶デジタルパーマ」の語が、本願の指定商品の業界において、「(形状記憶)デジタルパーマ用の美容院用又は理髪店用の機械器具」に普通一般に使用されていることは、前記1.ないし3.の認定のとおりである。

よって、請求人のこの点に関する主張は、採用できない。

また、請求人は、「審尋において提示された証拠資料は、本願商標の使用開始後に掲載されたものであることは明らかである。そして、その記載内容も、請求人の作成によるカタログ等に記載された内容と実質的に同一である。そうとすれば、請求人が、カタログを頒布し、業界誌に広告宣伝を掲載した結果、本願商標を請求人の顧客がWEBページに掲載等により使用したもの、あるいは、請求人とは関係を有さない他人が模倣して使用しているものである。」旨主張している。

しかしながら、前述のとおり、本願商標が、請求人の業務に係る商品として、取引者、需要者の間に広く認識されているとは、直ちに認めることはできない。

また、請求人は、「形状記憶デジタルパーマ」の使用事実が、請求人の顧客や他人の模倣によるものと述べているが、例えば、証拠資料(1)及び(2)は、「現代用語の基礎知識」や「イミダス」に掲載されている等、一般的な用語として使用されているとみるのが相当であって、請求人の業務に係る商標を模倣して掲載しているものとは認められない。 さらに、証拠資料(10)ないし(13)は、請求人の同業他社による「(形状記憶)デジタルパーマ用の美容院用又は理髪店用の機械器具」の使用事実であって、これらの事実が、本願商標を他人が模倣して使用しているものとは、直ちに、認めることはできない。

よって、請求人のこの主張も、採用することはできない。

その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

5.結論

以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。

よって結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。