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Trademark Appeal Case

商標的使用の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300517(T2009−300517/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4886057号商標(以下「本件商標」という。)は、「SKIN ENERGY」の欧文字と「スキンエナジー」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成15年1月6日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、平成17年8月5日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

ア 被請求人は、株式會社アモーレパシフィック(以下「アモーレパシフィック」という。)が、商標権者との間の商標使用許諾契約に基づき、「スプレーミストタイプの化粧水」(以下「使用商品」という。)に、商標使用許諾契約書(乙第3号証)添付の別紙2(以下、単に「別紙2」という。)の使用態様で、本件商標を使用していると主張するが、以下のとおり、被請求人の主張する「使用」は、商標法第50条第1項にいう「登録商標の使用」にはあたらない。

(ア)乙第5号証ないし乙第11号証によれば、使用商品の容器に、別紙2と同様の使用態様で、文字が表示されている。

すなわち、容器の中央部分に、アモーレパシフィックの商号である「AMOREPACIFIC」の文字を、縦に、横書きで大きく太く表示し、その下(商品の下部)に、「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の文字を3段に分けて表示している。

このような表示の態様からすれば、「AMOREPACIFIC」が、代表的出所標識であって、「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の文字は、記述的表示にすぎない。

単に、「AMOREPACIFIC」の文字と、「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の文字とを上下に分けて表示するだけではなく、表示の向きも異なることからすれば、なおさらである。

(イ)商品下部の3段に分けて表示された「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の文字は、この表示に接した取引者・需要者に対して、「AMOREPACIFIC」という商標の使用商品が「MOISTURE BOUND Skin Energy Hydration Delivery System」という品質なり効能なりをもつという意味合いの表示であると認識させるものである。

すなわち、「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の文字は、それぞれ個々の表示ではなく、全体として、品質や効能等を説明する記述的表示にすぎない。あくまでも、「MOISTURE BOUND Skin Energy Hydration Delivery System」というシステム名の説明にすぎないのである。

そうすると、このように、記述的表示の一部に本件商標が使用されていたとしても、出所識別機能を果たし得る態様で使用されているとはいえず、商標として使用されているものではない。

イ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。

(1)使用の事実

ア 商標権者は、2006年(平成18年)9月18日に、大韓民国ソウル特別市に所在のアモーレパシフィックとの間で、本件商標の使用許諾契約を締結し、同契約は、現在に至るまで継続している(乙第3号証)。

アモーレパシフィックより黙示の再使用許諾を受けた、同社の100%子会社である日本法人の株式会社アモーレパシフィックジャパン(乙第4号証、以下「アモーレパシフィックジャパン」という。)は、日本国内において、本件商標を本件審判の請求の登録(平成21年5月20日)前3年以内である平成18年5月21日より平成21年5月20日までの間、請求に係る指定商品中の「スプレーミストタイプの化粧水」(使用商品)について使用していた。

イ 商標「Skin Energy」を使用したアモーレパシフィックジャパンの商品は、2007年から2008年にかけて各種雑誌でも広告された(乙第5号証ないし乙第11号証)。

(2)むすび

以上のように、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が「化粧品」の商標として、商標法第2条第3項第8号の使用がされていることは明らかであるから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきでない。

4 当審の判断

(1)別紙2に表示された商標(以下「使用商標」という。)の使用者が本件商標の通常使用権者と認められるアモーレパシフィック及びその子会社である日本法人のアモーレパシフィックジャパンであること、通常使用権者による使用商標の使用が本件審判の請求の登録(平成21年5月20日)前3年以内に日本国内でされたこと並びに使用商品が本件請求に係る指定商品に含まれることについては、これを認めることができ、請求人においても争うことを明らかにしていない。

そこで、使用商標が登録商標の使用にあたるか否かについて検討する。

(2)別紙2及び乙第5号証ないし乙第11号証によれば、使用商標は、別掲のとおり、上段に、「AMOREPACIFIC」の文字を縦に大きく、かつ、太字で表し、下段に、「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の各文字を細字で三段に横書きにした構成をもって、使用商品の包装容器に表示されているものである。

そして、使用商標中、上段に縦に表記された「AMOREPACIFIC」の文字部分は、通常使用権者であるアモーレパシフィックの商号の略称を英語表記したものと認められ、独立して自他商品の識別機能を発揮する部分であるといえる。

一方、下段に表示された文字中、「MOISTURE BOUND」の文字部分は、「MOISTURE」が「潤い」等を意味し、化粧品等の品質を表示するための語として普通に使用されているものであるとしても、これに続く「BOUND」が「境界線、限界」、「はね飛ぶ、飛び上がる」、「出発しようとしている、〜行きの」、「縛られた、束縛を受けた」等様々な意味を有する英単語であるから、これらが結合した結果、特定の意味合いを表したものと理解することはできない。

また、「Hydration Delivery System」の文字部分は、直訳すれば、「水和(作用)を送り出す方式」なる意味合いが看取されるが、使用商品との関係からみると、いかなる意味合いをもって使用されているか判然としないばかりか、その上に書された「Skin Energy」の文字部分との関連性も見出せない。

そうすると、下段に表示された「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の各文字は、全体として特定の意味合いを表すというほど、密接な関連性があるものではなく、まして、これらの文字全体が使用商品の品質を表示するための文言を表したとまで認識され得るものでもない。

してみると、使用商標の構成中、下段の「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の文字部分は、上記認定のとおり、構成全体をもって特定の商品の品質を表示するため文言を表したものとは認識されないものであり、また、商品に使用される商標は、常に一つだけとは限らず、代表的出所標識のほかに、個別的出所標識も使用される場合が多いことなどを考慮すると、「MOISTURE BOUND」、「Skin Energy」、「Hydration Delivery System」の各文字部分は、それぞれ関連性のない文字を単に並列的に表記したものと認識されるとみるのが相当である。

しかして、そのうちの「Skin Energy」の文字部分は、使用商品の品質を表示する語とも認められないから、使用商品の出所識別標識として機能しているものといわざるを得ない。

そして、使用商標中の「Skin Energy」の文字部分は、商標法第50条第1項かっこ書きよりすれば、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということができる。

以上によれば、使用商標中の「Skin Energy」の使用をもって、商標法第50条にいう「登録商標の使用」と認めることができる。

(3)むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品中の「スプレーミストタイプの化粧水」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認めることができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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