結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300590(T2009−300590/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3060192号商標(以下「本件商標」という。)は、「つきこし」の平仮名と「月 越」の漢字とを上下二段に横書きした構成からなり、平成4年12月25日に登録出願、第30類「うどんめん,スパゲッティーのめん,そうめんのめん,即席うどんのめん,即席そばのめん,そばのめん,中華そばのめん,その他の穀物の加工品,サンドイッチ,菓子及びパン,即席菓子のもと」を指定商品として、同7年7月31日に設定登録され、その後、同17年8月16日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成21年6月5日になされたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、「本件商標の指定商品中、『うどんのめん,スパゲッティのめん,そうめんのめん,即席うどんのめん,即席そばのめん,そばのめん,中華そばのめん,その他の穀物の加工品』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び弁駁を要旨次のように述べている。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専使用権者又は通常使用権者のいずれもが、請求に係る指定商品のうち、「うどんのめん,スパゲッティのめん,そうめんのめん,即席うどんのめん,即席そばのめん,そばのめん,中華そばのめん,その他の穀物の加工品」について使用していないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(1)被請求人が示した証拠で使用されている商標は、乙第1号証では「月越(みそか)ラーメン」、乙第3号証では「月越みそかラーメン」であって、本件商標「月越」そのものを使用したものではない。
(2)また、乙第2号証では「月末はラーメンの日」と「月末には月越ラーメンをたべよう!」と二段に記して、スローガンないし標語的に使用しており、乙第4号証及び乙第5号証は、年賀葉書の最下段に「年末には年越そば、月末には月越そばを食べよう!共に幸運をよぶ」と、その上にある「佐野生ラーメン・・・」、「鶴里しこしこ生うどん・・・」及び「信州タケヤ味噌・・・」等と比してかなり小さな文字で表示され、しかも、その態様は、同じくスローガンないし標語的に使用するものである。
さらに、乙第6号証の名刺に至っては、本来の名刺内容を表す枠線の外側に小さな字で、「年末は『年越そば』・月末は『月越そば』共に幸運をよぶ」と記されるだけであり、これもその態様から、スローガンないし標語的に使用されたものであって、いずれも、商標を使用したという態様のものではない。
しかも、そこに表示されたものは、本件商標の「月越」そのものでもない。
(3)乙第7号証は、「月越みそかラーメン」を印刷してパンフレットを納入したとしており、本件商標としての「月越」そのものを表示したとはいっていない。同じく、乙第8号証は、乙第2号証に示された段ボール箱を納入したことを証しているにすぎない。
(4)そうすると、「月越」という本件商標は、称呼で4文字数であり、対して、乙各号証に示されたものは、それ以上に長い称呼であって、両者の称呼は実質的に同一ではない。また、外観においても実質的に同一ではない。しかも、そのうちのいくつかは、商標としての使用ではなく、スローガンないし標語として使用されているだけであるので、商標を使用しているという証拠にはなり得ない。
したがって、被請求人は、本件商標を、その指定商品につき、本件審判の請求前3年以内において使用していたとはいえない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
このパンフレット中には、本件商標「月越」(みそか)ラーメンを宣伝している。
(1)乙第2号証は、段ボールケースを写した写真であり、側面に「関東三大みやげ品」及び「月末はラーメンの日」と「月末には月越ラーメンをたべよう!」(「月越」の漢字の上部には「つきこし」の振り仮名が記載されている。以下、これを省略して表す。)との二段書きされた文句が表示され、また、他の側面には、「佐野」と「ラーメン」の各語が同じ書体で上下二段に横書きされている。
(2)乙第8号証の永徳社が被請求人にあてた平成21年7月16日付け印刷内容証明書には、「弊社製造による、株式会社佐野ラーメン本舗上岡商店様(栃木県佐野市高砂町2863)に納品しておりますダンボールに関しまして、『佐野ラーメン』『月越ラーメンを食べよう』と印刷したダンボール箱を、納入しております。上記証明致します。」と記載されている。
(3)乙第4号証及び乙第5号証は、転居先不明等により戻された商標権者(被請求人)差出しの2007(平成19)年及び2008(平成20)年の年賀状であり、これらの裏面下段欄外に「年末には年越そば、月末には月越そばを食べよう!共に幸運をよぶ」(「年越そば」及び「月越そば」の文字部分は朱書きされ、また、「年越」及び「月越」の各漢字の上部には、「としこし」及び「つきこし」の振り仮名がそれぞれ記載されている。以下、これらを省略して表す。)の文句が記載がされていることがそれぞれ認められ、また、同裏面には、「佐野生ラーメン(青竹打ち)製造元」、「鶴里しこしこ生うどん、そば製造元」等のほか、「栃木県佐野市高砂町2、863番地」、「株式会社佐野ラーメン本舗上岡商店」と記載されている。
(1)登録商標の使用について
段ボールケース(乙第2号証)に表示された「月末はラーメンの日」と「月末には月越ラーメンをたべよう!」ないし年賀状(乙第4号証及び乙第5号証)に記載された「年越そば」及び「月越そば」の文字部分を朱書した「年末には年越そば、月末には月越そばを食べよう!共に幸運をよぶ」との文句全体からは、標語(スローガン)やキャッチフレーズ(以下、「標語等」という。)の如きものと看取されるものということができる。
ところで、標語等が直ちに自他商品の識別標識として機能しないものとする格別の理由はなく、その構成中にあって、自他商品の識別標識として機能すべき要部を有している場合には、たとえ、需要者において、標語等を表すものと認識し得るとしても、そのことをもって、商標の使用が認められないものでもなく、かかる要部が、同時に、自他商品を識別させるための商標でもあると解するべきである。
してみると、前記「月末には月越ラーメンをたべよう!」及び「年末には年越そば、月末には月越そばを食べよう!共に幸運をよぶ」との文句において、「月越ラーメン」又は「月越そば」の文字部分が、そばのめん、中華そばのめん等の穀物の加工品に係る分野において、商品の品質を表示するものとして取引上普通に使用されているような事実は見いだせず、また、当該文字部分において後半の「ラーメン」及び「そば」の語は、いずれも「中華そばのめん」、「そばのめん」について、一般に使用される略称を表したものということができるものである。
そうすると、当該文句中にあって、「月越」又はこれに振り仮名「つきこし」がされた表示(以下、これらを合わせて「使用商標」という。)は、「そばのめん」又は「中華そばのめん」の包装ないし宣伝・広告に標語等として使用されるものであるとしても、使用商標が独立して自他商品の識別標識として機能するものというのが相当である。
そして、本件商標は、前記第1のとおり、「月越」及び「つきこし」の各文字からなり、これより「ツキコシ」の称呼を生ずるところ、使用商標も「月越」及び「つきこし」の各つづり字を同じくし、「ツキコシ」の称呼を同じくするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標というべきである。
(2)使用時期について
段ボールケース(乙第2号証)からは、商品(中華そばのめん)の包装に使用された時期を特定できず、また、これを製造した永徳社に係る印刷内容証明書(乙第8号証)にも納入時期は明示されていない。
しかし、当該証明書の証明日は、本件審判の請求の登録前3年以内(平成18年6月5日ないし平成21年6月4日)の終期のわずか1ヶ月余りの平成21年7月16日であることに加えて、2007(平成19)年及び2008(平成20)年の年賀状(乙第4号証及び乙第5号証)は、転居先不明等により戻されたものであるとしても、これらと同一の文面からなる年賀状が他の顧客にも差し出されていたものと優に推認することができるものである。
以上を総合勘案すれば、使用商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていたということができる。
(3)使用者について
印刷内容証明書(乙第8号証)に記載された「弊社製造による、株式会社佐野ラーメン本舗上岡商店様(栃木県佐野市高砂町2863)に納品しておりますダンボールに関しまして、『佐野ラーメン』『月越ラーメンを食べよう』と印刷したダンボール箱を、納入しております。上記証明致します。」との記載及び年賀状(乙第4号証及び乙第5号証)に記載された「栃木県佐野市高砂町2、863番地」並びに「株式会社佐野ラーメン本舗上岡商店」との記載によれば、使用商標は、商標権者によって使用されているものと認められ、これについて当事者間に争いはない。
(4)使用商品について
段ボールケース(乙第2号証)に記載された「ラーメン」の語並びに年賀状(乙第4号証及び乙第5号証)に記載された「佐野生ラーメン(青竹打ち)製造元」及び「鶴里しこしこ生うどん、そば製造元」の記載によれば、商標権者は、日本国内において「そばのめん、中華そばのめん」を製造・販売していることが認められ、これらについて当事者間に争いがない。
そして、前記(1)のとおり、該段ボールケースに「月越ラーメン」及び該年賀状に「月越そば」の文字が記載されていることからすれば、使用商標は、「そばのめん、中華そばのめん」について使用されているものということができる。
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定商品中「そばのめん、中華そばのめん」についての本件商標と社会通念上同一の商標の使用を証明し得たものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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