結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2009−4717(T2009−4717/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「たっしゃか村」の文字を横書きにしてなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年6月28日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同20年9月12日付け手続補正書により、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,有機肥料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。
原査定は、「本願商標は、『たっしゃか村』の文字を普通に書してなるところ、本願商標の構成中『たっしゃか』の文字は、平成5年に、茨城県鹿島郡大洋村の営農構成員6人により、農産物に使用する標章として採用されたことから始まり、その後、平成9年にたっしゃか組合が設立されてからは、同組合員が使用することになったものである。そうとすると、本願商標を出願人が、自己の商標として採択・使用することは、他の組合員の利益を著しく害し、商取引の秩序を乱すおそれがあるものと認められ、穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
商標法第4条第1項第7号(以下「本号」という。)において、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」は、商標登録を受けることができない旨規定している。
そして、高等裁平成17年(行ケ)第10349号(判決日 平成18年9月20日)(以下「高等裁判決」という。)において、「商標法4条1項7号は、『公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標』は、商標登録を受けることができないと規定する。ここでいう『公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標』には、(1)その構成が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、(2)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会の公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、(3)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(4)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、(5)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである。」旨判示されている。
そこで、以上の観点から本件について検討する。
(1)本願商標の構成が公序良俗に反するものであるかについて
本願商標は、前記1のとおり「たっしゃか村」の文字を書してなるところ、高等裁判決にいう「その構成が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形」に該当するものではなく、その構成自体は、何ら公の秩序又は善良の風俗に反するものとは認められないものである。
(2)本願商標の構成態様と「たっしゃか組合」の組合員が使用する標章(別掲)(以下「たっしゃか標章」という。)について
たっしゃか標章は、別掲に示すとおり、各文字を構成する線の筆致に、特徴を有するものであるところ、本願商標は、「たっしゃか村」の文字を同じ大きさ、等間隔で一連一体に書してなるものである。
そして、本願商標の構成文字から生ずる「タッシャカムラ」の称呼も、よどみなく一気一連で称呼し得るものであり、また、全体として村の名称を表示するものとして理解されるものである。
そうとすれば、本願商標は、上記したとおり、一連一体の商標と認められるものであるから、その構成中の「たっしゃか」の文字部分のみを捉えて、取引に資されるものであるとすべき特段の事情は見いだせない。
よって、本願商標は、その構成の一部にたっしゃか標章を含むものと認識すべき理由は見当たらない。
(3)当該商標の登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当するかについて
請求人(出願人)(以下「請求人」という。)は、平成20年9月17日付け手続補足書により、本願商標の使用に関する証拠資料を提出している。
しかして、証拠資料中の第1号証をみるに、請求人は、本願商標と社会通念上同一であると認められる「たっしゃか村」の文字をその取り扱いに係る役務に実際に使用している事実が見受けられるものである。
そして、請求人が、本願商標をその指定役務に使用したことによって、需要者や取引者が混乱を生じ、または、利害関係人に対して、著しくその利益を損ねさせる等、商取引においてその秩序を欠くものと認めるに足りる証拠やその事実も見当たらないものである。
そうとすると、本願商標は、「登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合」には該当しないものである。
してみれば、本願商標を登録することが、他人の利益を著しく害し、商取引の秩序を乱すおそれがあるものとはいえないと判断するのが相当である。
(4)その他、本願商標が、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」である否かについて
当審において、職権により調査するも、本願商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とする証拠は、発見することができない。
(5)小括
以上からすると、本願商標は、その構成が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形ではなく、その指定商品について使用することが社会の公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものとも認められず、当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠き、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合にも該当しない。
また、本願商標は、他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されているものではなく、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は国際信義に反するものでもない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。