Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900096(T2009−900096/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5186249号商標(以下「本件商標」という。)は、「Felicio」の欧文字と、その下段にやや小さく表した「フェリシオ」の片仮名文字とを二段に併記した構成からなり、平成20年4月23日に登録出願され、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,即席菓子のもと」を指定商品として、同年10月6日に登録査定され、同年12月5日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用した登録商標は、以下の9件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2339461号商標(以下「引用商標1」という。)は、「フェリシモ」の片仮名文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願され、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年9月30日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成14年2月20日に指定商品を、第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする書換登録がなされているものである。
(2)登録第2355654号商標(以下「引用商標2」という。)は、「フェリシモ」の片仮名文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願され、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年11月29日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成15年1月22日に指定商品を、第1類「人工甘味料」、第5類「乳糖,乳児用粉乳」、第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする書換登録がなされているものである。
(3)登録第2396090号商標(以下「引用商標3」という。)は、「フェリシモ」の片仮名文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願され、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年3月31日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成15年6月18日に指定商品を、第29類及び「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと」を含む第30類ないし第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。
(4)登録第2403801号商標(以下「引用商標4」という。)は、「フェリシモ」の片仮名文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願され、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成14年9月25日に指定商品を第30類「菓子,パン」とする書換登録がなされているものである。
(5)登録第2363386号商標(以下「引用商標5」という。)は、「FELISSIMO」の欧文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願され、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年12月25日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成14年5月22日に指定商品を、第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする書換登録がなされているものである。
(6)登録第2381950号商標(以下「引用商標6」という。)は、「FELISSIMO」の欧文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願され、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年2月28日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成15年7月9日に指定商品を、第1類「人工甘味料」、第5類「乳糖,乳児用粉乳」、第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする書換登録がなされているものである。
(7)登録第2445343号商標(以下「引用商標7」という。)は、「FELISSIMO」の欧文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願され、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年8月31日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、成15年2月26日に指定商品を第30類「菓子,パン」とする書換登録がなされているものである。
(8)登録第2453618号商標(以下「引用商標8」という。)は、「FELISSIMO」の欧文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願され、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年9月30日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成15年3月19日に指定商品を、第29類及び「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと」を含む第30類ないし第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされているものである。
(9)登録第5153814号商標(以下「引用商標9」という。)は、「FELISSIMO」の欧文字を標準文字により書してなり、平成19年4月1日に登録出願され、第1類ないし第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とするものである。
(以下、一括していうときは「引用各商標」という。)
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし第60号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標1ないし4との対比
a.称呼について
本件商標は、下段に「フェリシオ」の文字を、上段に「Felicio」の文字を横書きしてなるところ、下段の「フェリシオ」の文字が、上段の欧文字の読みとして無理なく認識できるから「フェリシオ」の称呼が生じ、また、上段の欧文字については、英語等の辞書に掲載された言葉ではないから、容易に理解、認識されるものではない。
一方、引用商標1ないし4は、「フェリシモ」の文字を横書きしてなるから、「フェリシモ」の称呼が生ずる。
そこで、本件商標と引用商標1ないし4の称呼を対比すると、「フェリシオ」と「フェリシモ」で、ともに同数音であり、「フェリシ」までは全く同じで、語尾の「オ」と「モ」が異なるのみである。かかる相違点が、両商標の称呼全体に与える影響を考慮すると、当該相違点は、称呼上最も影響が少ないと考えられる語尾に位置するため、全体の中に埋没しやすく、聴別が難しい。また、「オ」と「モ」は、ともに母音「o」を共通とする音であるが、日本人は詳述するまでもなく、母音をしっかりと発音する民族であるため、我が国では母音が共通することは音の共通性を高めるものであるといえる。
したがって、「フェリシオ」と「フェリシモ」とを一連に称呼した場合には、称呼上最も影響を与える語頭を含め第3音までを共通にし、相違する音もよく似た音であり、かつ語尾に位置することから、語尾の相違音は、違った音としては聴取されにくく、全体として語感語調が極めて近似し、互いに相紛らわしいものである。
b.外観について
本件商標と引用商標1ないし4との外観を対比すると、本件商標の欧文字部分が異なるが、片仮名文字部分は「フェリシオ」と「フェリシモ」である程度似ているといえるものである。
c.観念について
本件商標及び引用商標1ないし4は、ともに全体として英語や日本語の辞書等に掲載された言葉ではない。そのため、両商標ともに特定の観念を生じない造語といえるものである。
したがって、両商標は、観念において比べることはできない。
d.まとめ
前記したように、本件商標と引用商標1ないし4は、称呼において非常に類似しており、外観も片仮名文字部分もある程度似ており、他に異なる点があるとしても、称呼の類似性を凌駕するものではなく、全体として相紛らわしく類似するものである。また、本件商標には、引用商標1ないし4に係る指定商品と同一又は類似する商品が含まれている。
以上から、本件商標は、引用商標1ないし4との関係において、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
イ 本件商標と引用商標5ないし9との対比
引用商標5ないし9は、その構成を考慮すると、引用商標1ないし4と同様、「フェリシモ」の称呼が生じる造語である。そのため、本件商標と引用商標1ないし4との対比における称呼及び観念の主張は、引用商標5ないし9にも当てはまる。
したがって、本件商標と引用商標5ないし9とは、称呼において非常に類似しており、他に異なる点があるとしても、称呼の類似性を凌駕するものではなく、全体として相紛らわしく類似するものである。
また、本件商標には、引用商標5ないし9に係る指定商品・役務と同一又は類似する指定商品が含まれている。
以上から、本件商標は、引用商標5ないし9との関係においても、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 異議申立人について
申立人の株式会社フェリシモ(以下「申立人会社」という。)は、1965(昭和40)年に株式会社ハイセンスとして設立され、1989(平成元)年に現在の社名となり、今日まで、カタログやインターネットを介した衣料品、食料品等多くの商品の通信販売等の事業を行っている会社である(甲第20号証ないし第22号証)。また、申立人会社は、日本だけでなく、ニューヨーク、香港、北京等において、現地法人等を設立し、ワールドワイドな事業を展開している(甲第20号証)。
イ 商標「FELISSIMO」「フェリシモ」について
引用各商標は、申立人会社により食料品(チョコレート等を含む)、被服、履物等の商品・役務に永年使用されてきた商標であり、本件商標の出願時(平成20年4月23日)及び査定時(平成20年10月6日)において、申立人会社に係る商品・役務を表示するものとして、日本において広く知られていたものである。
すなわち、申立人会社は、約80万人の会員を有し、この会員に向けて、引用各商標を使用して食料品等の商品を販売する際に用いるカタログが配布される。そのため、当該カタログは、年に複数回、1回につき数十万部も配布される。さらに、申立人会社は、当該カタログ自体を多くのコンビニエンスストアや書店でも販売している(カタログの書店販売自体は、1987年から行っている。甲第20号証)。
ウ 引用各商標は、英語等の辞書に記載のない造語であり、創造標章である。また、引用各商標は、申立人会社のいわゆるハウスマークを表すものである。
エ 以上のとおり、引用各商標は、仮に食料品関係の商品・役務において周知・著名でないとしても、被服、履物等のファッション関連商品で周知・著名であることから、本件商標が、ファッション関連商品と密接に関係している指定商品(食料品)に使用された場合には、引用各商標に係る商品・役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審が通知した取消理由
当審において、登録異議申立に基づき、平成21年8月31日付けで商標権者に対して通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。
(1)本件商標と引用各商標との類否判断
本件商標は、前記1のとおり、「Felicio」及び「フェリシオ」の文字よりなるところ、その構成各文字に相応して「フェリシオ」の称呼が生じるものである。
他方、引用商標1ないし4は、前記2のとおり、「フェリシモ」の片仮名文字よりなるものであるから、これより「フェリシモ」の称呼が生じること明らかである。
また、引用商標5ないし9についても、「FELISSIMO」の欧文字よりなるものであるから、同様に「フェリシモ」の自然な称呼が生じるというのが相当である。
そこで、本件商標から生ずる「フェリシオ」の称呼と、引用各商標から生ずる「フェリシモ」の称呼とを比較するに、両者は、共に4音の同音数からなり、称呼における識別上重要な役割を果たす語頭の音「フェ」を含む3音を共通にするものであって、異なるところは末尾における「オ」と「モ」の音が相違するのみである。
しかして、相違する音にしても、母音「o」を共通にするものであって、かつ、両音の位置は比較的聴取し難い語尾にあって、この位置における通鼻音である「モ」の子音(m)自体が、必ずしも帯有する母音「o」を超えて強く発音され響くものでもないから、これら両音の差異が全体に及ぼす影響はわずかなものというべきである。
したがって、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調語感が近似し、彼此相紛らわしいものといわなければならない。
また、外観については、本件商標の片仮名文字部分と、引用商標1ないし4とは、語頭から「フェ」「リ」「シ」の3文字を同じくし、わずかに語尾において「オ」と「モ」の差異を有するに過ぎないから、外観上も近似した商標であるといわざるを得ない。
(2)まとめ
そうすると、本件商標と引用各商標とは、観念においては、それぞれ造語と認められることから比較できないとしても、称呼については、類似する商標というべきであり、また、外観についても、本件商標と引用商標1ないし4とは、外観上も類似する商標というべきであって、かつ、本件商標の指定商品は、引用各商標に係る指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
5 商標権者の意見
前記4の取消理由に対し、商標権者は、要旨以下のように意見を述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし第16号証を提出している。
(1)申立人は、種々の理由を述べ、理屈上、実際上、審査基準上全てにおいて、両商標の称呼は全体において相紛らわしく類似すると主張している。
しかし、申立人の主張は、両商標を画一的に対比観察し、類似すると述べているにすぎず、事実において両商標は決して類似するものではない。
(2)申立人は、インターネット上の国内でも有名な検索サイトヘ、「フェリシオ」と人力し検索した場合、「もしかして:フェリシモ」や「フェリシモではありませんか?」という表示が検索結果の一部に出される、この事実を両商標がよく似たものであることの例として挙げている。
しかし、各検索サイトには、検索サービスとして、入力したキーワードと1語以上違うネット上で書き込み数の多いキーワードを自動的に案内するシステムが組み込まれており、画面表示するにすぎない。
申立人は、ファッション服飾、生活雑貨、食品等のネット通信販売を事業としており、ネット上での「フェリシモ」のキーワードの書き込み数は他のキーワードに比べて圧倒的に多い。
よって、「フェリシオ」を検索した場合、システム上、上述のような案内が表示されるのは当然であって、これを商標上の類似および需要者、取引者間で誤認を生じさせることの証拠とすることはできない。
(3)「オ」と「モ」の音韻の違い
ア 申立人が述べる商標審査基準上の類似の理由について、商標審査基準〔改訂版第9版〕の九、第4条第1項第11号の7.(I)によれば、本件商標と引用各商標とは類似の判断となる。しかし、これは飽くまでも原則的なものである。また、同審査基準では例外的な場合として、前記7.(I)の〔注7〕に(イ)から(ハ)を挙げているが、これも飽くまで例示であって、全体の音感が相違し、相紛れるおそれがないときは、例外として称呼上非類似とされ、本件商標と引用各商標とは、この例外部分に相当し、非類似である。
(4)「フェリシオ」及び「フェリシモ」の音調
両商標の語頭音である「フェ」は、拗語といい、ほとんどの場合、次の1語と一体化し発音される。この場合、「フェリ」と発音されることになる。よって、本来、両商標の音調は、「フェリ」−「シオ」または「フェリ」−「シモ」という流れで発音されるのだが、中間音である「リ」と「シ」は、ともに同じ母音(「i」)であるため、両商標は「フェリシ」までの3語をスムーズに発音することができる。ところで、母音の「i」は、狭母音と言われ、下顎をほんの少し開けて声を発するため、母音の中でも一番低い音である。つまり、「フェリシオ」の場合、「フェリシ」まで低い音のままスムーズな音調で流れ、語尾である「オ」で口唇を半広に開いて、明瞭に発音することになるから、必然的に音調は語尾の「オ」を強調することになる。
逆に、「フェリシモ」の場合、語尾の「モ」の音韻は「鼻子音」であるため、前の3字と同じ音調で発声されるので、単語全体の音調にほとんど強弱は生じない。このように、両商標の音調を比較しても明確な差異がある。
したがって、本件商標と引用各商標の称呼は、共に4音の同音数であり、その差異は、共に母音「o」を共通とする語尾音である「オ」と「モ」の1音にすぎないとはいえ、「オ」と「モ」の音韻は十分に聞き分けることができるものであり、4音という音数も長いと言えるものではなく、よって、その語尾の違いは決して無視できるものではない。
(5)並存登録例にみる非類似の理由
上述した称呼上の非類似とする理由については、以下の並存登録をみても明らかである。
「CLASSIMO\クラッシモ」(登録番号第4538705号)と「CLASSIO\クラッシオ」(登録番号第4766593号)、
「APRIMO\アプリモ」(登録番号第4595284号)と「APRIO\アプリオ」(登録番号第4987997号)。
また、4音数で、語尾を「オ」とする商標と語尾を母音「o」とする子音を持つ商標との並存登録例として、「シンビオ」(登録番号第4706841号)と「シンビノ」(登録番号第4877211号)、
「ALBIO\アルビオ」(登録番号第1468498号)と「アルビノ\ALBINO」(登録番号第4207827号)、
「ミライオ」(登録番号第5235805号)と「ミライト\MIRAIT」(登録番号第4980768号)、
「SPIRIT」(登録番号第2062387号)と「SPIRIO」(登録番号第2632690号)。(乙第1号証ないし第12号証)
(6)称呼検索にみる非類似の理由
特許電子図書館における「商標検索」中の「称呼検索」を利用して、商標「フェリシオ」を称呼検索した場合(本件商標と同じ類似群コードを指定)、検索結果において、現時点で14件もの商標がヒットするが、「フェリシモ」なる商標は1件もリストに入っていない。
その理由は、同サイト内の「称呼検索利用上の注意」をみると「本称呼検索サービスは、基本的に以下の「15の種別(基準番号)」に合致したものを検索、抽出します。」とあり、さらに(2)検索条件対照表をも参照してみると、当該称呼検索においては、「オ」と「モ」を類似と判断していないのである。これは、あくまで参考の域を超えるものではないが、上述の理由説明を援助するものである。(乙第14号証ないし第16号証)
(7)外観における非類似の理由
本件商標の片仮名文字部分と引用商標1ないし4とは、ともに「フェ」「リ」「シ」の3文字を同じくし、語尾において「オ」と「モ」のみの差異を有するが、全体の文字数が4文字数であることから決して長い文字数とはいえず、語尾であってもこの1語の差異は、むしろ十分に認識ができ、影響力があるといえる。 したがって、両商標において外観類似とまではいえない。
(8)むすび
以上のとおり、本件商標と引用各商標とは、称呼上、両商標の差異は語尾の「オ」と「モ」にすぎないとはいえ、その音韻、商標全体から生じる音調は異質のものであり、称呼上、外観上、需要者および取引者の間での取引上の誤認混同は考え難く、相紛らわしいとまではいえない。
したがって、本件商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきであり、商標法第4条第1項第11号には該当しないものである。
6 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められ、本件商標と引用各商標とは、称呼において互いに相紛らわしく、また、本件商標の片仮名文字部分「フェリシオ」と、引用商標1ないし4の「フェリシモ」とは、共に片仮名5文字からなる構成にあって、末尾の「オ」と「モ」の文字に差異を有するとしても、語頭からの4文字全てが同一文字で構成されているという事実からすれば、需要者がこれを時と処を異にして離隔的に観察した場合、外観においても彼此見誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
そうすると、両商標は、共に特定の観念を有しない造語と認められ、観念については比較できないとしても、称呼及び外観については、類似する商標というべきであって、かつ、本件商標の指定商品は、引用各商標に係る指定商品と同一又は類似するものである。
(2)商標権者の主張
ア ところで、商標権者は、意見書において「審査基準では例外的な場合として、前記7.(I)の〔注7〕に(イ)から(ハ)を挙げているが、これも飽くまで例示であって、全体の音感が相違し、相紛れるおそれがないときは、例外として称呼上非類似とされ、本件商標と引用各商標とは、この例外部分に相当し、非類似である」旨主張している。
しかしながら、前記審査基準の7.(I)の〔注7〕の(イ)には、「語頭音に音質又は音調上著しい差異があるとき」、(ロ)には、「相違する音が語頭音でないがその音質(その母音が近似しないとき)音調(強めアクセントがあるとき)上著しい差異があるとき、(ハ)には、「称呼が小数音であるとき(3音以下)等」と規定されているところ、本件商標の場合、前記のいずれの条件にも当てはまらないことが明らかであり、したがって、本件商標が例外として非類似に該当するものとは認められない。
イ また、商標権者は、「特許電子図書館における『称呼検索』を利用して、商標『フェリシオ』を称呼検索した場合、検索結果において『フェリシモ』なる商標は1件もリストに入っていない。」旨述べている。
しかしながら、該称呼検索システムは、特許庁における称呼検索手段の一つに過ぎないものであるから、該検索システムによる検索の結果、たまたま1件も該当しなかったからといって、両商標の類似性が、これによって否定されるものではないことはいうまでもない。
ウ なお、商標権者が、その主張の根拠として挙げた登録例及び審決例は、いずれも本件商標とは商標の構成態様を異にするばかりでなく、そもそも、商標の類否判断は、比較する両商標について個別具体的に考察し、検討されるべきものであって、他の登録例の存在によって上記判断が左右されるものではないから、この理由をもって先の取消理由の認定を覆すことはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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