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Trademark Appeal Case

複合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900352(T2008−900352/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5140840号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5140840号商標(以下「本件商標」という。)は、「WHAT’S IN YOUR MARTINI?」の文字を横書きしてなり、平成19年7月31日に登録出願、第32類「アルコール分を含まない飲料」及び第33類「ウォッカ,アルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として、同20年4月25日に登録査定、同年6月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のアないしウ(以下、これらを一括して「引用各商標」という。)のとおりである。

ア 登録第154553号商標は、「MARTINI」の文字を横書きしてなり、大正11年11月22日に登録出願、第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年7月19日に設定登録され、その後、6回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、平成17年9月14日、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続している。

イ 登録第603000号商標は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、昭和35年5月24日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同37年12月25日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、平成16年10月13日、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続している。

ウ 登録第4253592号商標は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、平成9年5月28日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年3月19日に設定登録されたものである。なお、当該商標権は、その商標登録原簿の記載によれば、平成21年3月19日存続期間満了により消滅している。

(2)理由の要点

ア 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、引用各商標とは、要部の称呼及び観念が共通する類似の商標であり、その第33類の指定商品も引用各商標に係る指定商品に類似するものである。

イ 商標法第4条第1項第15号該当性について

本件商標中の「MARTINI」の欧文字は、本件商標の出願時及び登録査定時には、申立人の業務に係る商品であることを指称する著名性を獲得していたため、本件商標を使用した商品に接する取引者・需要者は、本件商標の「MARTINI」に着目し、ここから申立人の著名商標である「MARTINI」を想起・連想し、あたかも申立人若しくはその関連会社の取扱いの業務に係る商品であるかの如く誤って認識する可能性が極めて高い。したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある商標である。

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、前記1のとおり、「WHAT’S IN YOUR MARTINI?」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、同じ書体、同じ大きさをもって外観上一体的に表してなるものであり、観念上も、その第33類の指定商品との関係においては、全体として「あなたのマティーニには何が入っていますか?」程の意味合いを有する平易な英語の疑問文として理解されるとみるのが自然である。また、本件商標の構成全体から生ずる「ワッツインユアマティーニ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものであり、他に構成中の「MARTINI」の文字部分のみを分離抽出して取引に資するものとみるべき格別の理由は見いだせない。

この点について、申立人は、「MARTINI」が本件商標の要部の一つを構成していると主張するが、我が国においては、「マティーニ」(matini)は「ジンをベースとしベルモットなどを加えたカクテル。」(広辞苑第6版)の意味を有する語として広く知られていること、本件商標は、上記のとおり、「MARTINI」に何が入っているかを尋ねる疑問文と容易に理解されることをも踏まえると、本件商標は、その構成中の「MARTINI」の文字が「マティーニ」と称されるカクテルを表したものとして理解されるとみるのが相当であるから、「あなたのマティーニには何が入っていますか?」程の意味合いで一連一体のものとして把握されるとみるのが自然であり、殊更「MARTINI」の文字部分のみが印象され記憶されて取引に資されるものとは認め難いものである。したがって、申立人の上記主張は採用できない。

そうすると、本件商標は、その構成全体をもって取引に資されるものとみるのが自然であるから、本件商標から「MARTINI」の文字部分も独立して認識され、「マルティーニ」の称呼及び「マルティーニ社製のベルモット」等の観念をも生ずることを前提に、本件商標と引用各商標とは、要部の外観、称呼及び観念が類似するものであるとする申立人の主張は採用できない。

そして、他に本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき理由は見いだせない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人提出の証拠によれば、申立人に係る商品(ベルモット等)に「MARTINI」の文字が使用されていることは認められるが、前記(1)のとおり、本件商標は、全体として「あなたのマティーニには何が入っていますか?」程の意味合いを有する平易な英語の疑問文として看取されるのが自然であり、それを凌駕して、本件商標の構成中に含まれる「MARTINI」の文字によって、さらに、本件商標と引用各商標とが関連あるものとして看取されるとみるべきであるとは認められない。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者、需要者が引用各商標を想起し連想して、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認するとは認め難いから、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあったと判断することはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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