Trademark Appeal Case
称呼・外観の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900206(T2009−900206/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5214142号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年6月20日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」を指定商品として、同21年3月13日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人が引用する商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第4142378号商標は、「MONCLER」の欧文字を横書してなり、平成7年12月11日に登録出願され、第18類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同10年5月1日に設定登録されたものであり、その後、同20年4月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)国際登録第978819号商標は、「MONCLER」の欧文字を横書してなり、日本国を指定する国際登録において指定された第3類、第9類、第14類、第16類、第18類、第22類、第24類、第25類及び第28類に属する商品を指定商品として、2007年4月11日にイタリアにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2007年(平成19年)6月25日に国際商標登録出願されたものである。
以下、これらを併せて「引用各商標」という。
2 理由の要旨
本件商標は、その構成中「MONCOEUR」文字部分より「モンクール」と称呼され、引用各商標はその構成から「モンクレール」と称呼される。両者は、「レ」音の有無において相違するにすぎない。そして、「レ」音は中間に位置し、格別強く発音される音ではない。また、引用各商標の称呼は6音と各音が明確に聴取される程短いものとはいえず、「レ」音は一連に称呼した場合に、全体称呼に埋没し殆ど認識されないと共に称呼に影響を与えることができないから、本願商標と引用各商標とは、両者をそれぞれ一連に称呼した場合、語調、語感が相紛らわしい称呼上類似のものとなる。さらに、両商標は、いずれも日本人に馴染みの薄い外国語からなるものであり、「モンクール」を聴取した場合、需要者は「MONCOEUR(モンクール)」なる語を知らないので、当該称呼が「モンクール」であることを正しく照合できない。その結果、これが「モンクール」「モンクレール」なのか混乱し易い。この点で、両商標はなお一層称呼上相紛らわしいものとなる。
また、本件商標と引用各商標とは、需要者の注意を惹く冒頭部分「MONC」を共通にしており、この点で両商標は外観上も相紛らわしい類似の商標となる。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
第3 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり、二つの5枚の葉風の輪郭内に図案化した「M」字状の図を配した図形部分と「MONCOEUR」の文字部分から構成されるところ、その図形部分と文字部分とはそれぞれ独立して自他商品の識別機能を果たし得るものであって、「MONCOEUR」の文字に相応して「モンクール」の称呼を生ずるものである。また、本件商標は、商標全体、図形部分及び文字部分のいずれからも、特定の観念を生じないものである。
一方、引用各商標は、いずれも、特定の観念を生じない造語と認められる「MONCLER」の欧文字からなり、これより「モンクレール」及び「モンクラー」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標から生ずる「モンクール」と引用各商標から生ずる「モンクレール」の称呼を比較すると、両者は前半の「モ」「ン」「ク」、後尾の「ル」の音を共通にし、中間で「レ」の音の有無の差異を有するものである。
そして、前者は「ク」の音が長音を伴って強く発音・聴取され、後者は差異音である「レ」が長音を伴って強く発音・聴取されるものであるから、この差異及び音数の差異が両者の称呼全体に与える影響は大きく、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、全体の語調、語感が異なり明瞭に聴別し得るものである。
また、「モンクール」と「モンクラー」の称呼の比較においても、両者は後半における「クール」と「クラー」の差異によって、明らかに区別し得るものである。
そうとすると、本件商標と引用各商標とは、称呼上相紛れるおそれのないものといわなければならない。
また、本件商標の構成文字と引用各商標の構成文字とを対比した場合でも、両者は、前半の「MONC」の文字を共通にするものの、後半で「OEUR」と「LER」の明らかな差異を有しているから、両者は、全く別異の印象を与えるというのが相当である。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、全体的にみても、欧文字部分においても、外観上相紛れるおそれはないものといわなければならない。
さらに、本件商標と引用各商標とは、観念においては共に特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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