Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900255(T2009−900255/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5222176号商標(以下「本件商標」という。)は、「J.ESTINA」の文字を標準文字により表してなり、平成20年6月11日に登録出願され、第14類「時計,宝飾品,身飾品」を指定商品として同21年4月10日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4354076号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成5年1月25日に登録出願され、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製の靴飾り,貴金属製喫煙用具,宝玉の原石,時計,記念カップ,記念たて」を指定商品として同12年1月21日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは称呼上類似する商標であり、両者の指定商品も類似するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標と引用商標とは称呼上類似する商標であり、引用商標は、遅くとも本件商標の登録出願時において、本件商標の指定商品と同一又は類似の関係にある商品「時計」について周知・著名性を獲得していたものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおり、欧文字「J.ESTINA」を同書同大にまとまりよく一体的に表してなるところ、一般に、欧米人の氏名を表す際には、しばしば、名(ファーストネーム)を簡略化し、それに姓(ファミリーネーム)を続け、「○.○○○」の如く表現することが行われており、その場合には簡略化した名を省略することなく一連に称呼されることが多いものであることからすると、欧米人の氏名を表したものの如く看取される本件商標も、「ジェイエスティナ」の一連の称呼を生ずるとみるのが自然である。
他方、引用商標は、別掲のとおり、欧紋章を表した如き図形と「FESTINA」の文字の組合せからなるところ、顕著に表された文字部分自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえるから、該文字に相応して「フェスティナ」の称呼を生ずるものである。
しかして、上記「ジェイエスティナ」の称呼と「フェスティナ」の称呼とは、構成音数を異にするばかりでなく、称呼の識別上重要な要素を占める語頭部を初めとする「ジェイエ」の音と「フェ」の音との顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感・音調が明らかに異なり、明瞭に区別することができるものである。
そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、両者とも既成の親しまれた観念を有するものとも認められないから、観念上両者を比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「時計」について使用する商標として、本件商標の登録出願時には既に取引者・需要者の間に相当程度知られていたものと認められる。
しかしながら、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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