Trademark Appeal Case
辛口ブラックの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−1585(T2009−1585/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「辛口ブラック」の文字を標準文字で表してなり、第29類「カレー・シチュー又はスープのもと」を指定商品として、平成19年11月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『辛口ブラック』の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中『辛口』の文字は、カレー等の辛さを表す語として使用されており、『ブラック』の文字は『黒いさま。黒色。』の意味を有する。そして、黒ごまや黒胡椒を使用する等して、黒色にしたカレーが、『ブラックカレー』と称され取引されている実情にあることから、本願商標『辛口ブラック』の文字を、その指定商品に使用しても、『黒ごまや黒胡椒を使用する等して、黒色にした辛口の商品』ほどの意味合いを認識させるというのが相当である。そうとすれば、本願商標を、その指定商品中、前記に照応する商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「辛口ブラック」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、原審で提示した事実及び請求人提出の資料4ないし資料8からも明らかなように、「辛口」の文字は「辛口の商品」であるとの、また、「ブラック」の文字は「ブラックカレー」であるとの商品の特性(品質)をそれぞれ表示するものとして、一般に採択、使用されているものである。
そうとすれば、「辛口」の語と「ブラック」の語とからなるものと容易に認識される本願商標は、これをその指定商品中「辛口のブラックカレーのもと」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該文字を当該商品が「辛口のブラックカレーのもと」であること、すなわち、商品の品質を表したものと認識するにとどまるものであって、かつ、上記商品以外の商品に使用するときは、当該商品が「辛口のブラックカレーのもと」であるかのごとく、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものといわなければならない。
ところで、請求人は、「片仮名文字『ブラック』の辞書における語義を示し(資料2)、査定理由で述べられているような意味合いが明らかに生じない。拒絶査定において参考情報として挙げられている事例は、本願商標を構成する『辛口』『ブラック』の各々が商品『カレー』との関係で個別に使用されている事例であって、『辛口ブラック』全体として指定商品の品質等を表示していることを証明するものではない。本願商標は、『辛口』の語と『ブラック』の語とを結合した構成から成るもので有り、本来造語として取り扱われるべきものであり、請求人以外が『辛口ブラック』の語を使用している事例がなく(資料9)、請求人に独占使用が認められても公益上不都合はなく、また、一般的にも使用されていない標章は自他商品の識別力を有するものであって、商標としての機能を果たし得るものである。」旨主張している。
さらに、過去の審決例(資料11の1ないし資料11の4)をあげ、「『原審説示の如き意味合いを暗示させる場合が有るが、業界において一般的に使用されている事実がないことをもって』或いは『原審説示の如き意味合いを暗示させることがあるとしても、同書同大同間隔で一体的に表示されている構成にあっては一種の造語として』、識別性を認めており、かかる審決例との関係からも、本願商標は、自他商品識別力が認められ登録されるべきである。」旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、指定商品の品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識される表示態様の商標につき、そのことのゆえに商標登録を受けることができないとしたものであって、同号を適用する時点において、当該表示態様が、商品の品質、用途を表すものとして現実に使用されていることは必ずしも必要でないものと解すべきである。(平成13年12月26日 東京高等裁判所 平成13年(行ケ)207号)
そして、本願商標は商品の特性(品質)を表示するものとして一般に採択、使用されている「辛口」の語と「ブラック」の語を続けて表示したにすぎないものであって、全体として両語が意味する品質をうち消す程の別異の意味を有するものと認め得る事情も見出せない。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品中「辛口のブラックカレーのもと」について使用するときは、これに接する取引者、需要者に商品の特性(品質)を暗示させるにとどまらず、商品の品質を表示したものと認識させるものと判断するのが相当である。
してみれば、請求人の前記主張はいずれも採用できない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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