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Trademark Appeal Case

外国地名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−6823(T2009−6823/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「SAUSALITO」の文字を標準文字で表してなり、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」を指定商品として平成20年3月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『米国カリフォルニア州西部の都市でゴールデンゲートブリッジの北端にあたりサンフランシスコ湾を臨むことなどから、観光保養地として良く知られているソーサリト(サウサリートとも)市』を指称する『SAUSALITO』の文字を、標準文字で表してなるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の産地、販売地を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「SAUSALITO」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字及びその片仮名表記である「サウサリート(又はソーサリト)」の文字が、アメリカ合州国の地名を表す文字として、我が国において一般に使用されている事実は、原審において提示した証拠に加えて、次の記事からも裏付けられるものである。

(1)「ソーサリト Sausalito」の項に、「アメリカ西部,カリフォルニア州西部の都市。(中略)アルコール蒸留や家具・陶器の製造業がある。」との記載(「コンサイス外国地名事典〈第3版〉」株式会社三省堂発行)。

(2)「[大橋にかける](5)海を越え、続く交流(連載)=香川」の見出しのもと、「カップにはゴールデンゲートブリッジ(金門橋)の絵と、『SAUSALITO(サウサリート市)』の文字がプリントされている。送り主は高校生だった4年余り前、嶋田さん方にホームステイした同市出身の大学生ハリソン・チャップマンさん(21)だ。坂出市とカリフォルニア州・サウサリート市は、大橋開通直前の1988年2月に姉妹都市を結んで以来、短期留学生を相互派遣している。」との記載(2008.01.07 読売新聞大阪朝刊 22頁)。

(3)「<ひと>積極的な接客に務める/日本食海外普及 功労表彰を受けた/当銘由盛(とうめよしもり)さん」の見出しのもと、「『客を満足させるのは、料理だけではない。また来たいと思わせる接客が私の仕事だ』。米国サンフランシスコの対岸にあるサウサリートの海岸通り。寿司がメーンの日本料理店『すし蘭』を20年以上にわたって営む。」との記載(2009.07.02 琉球新報朝刊 22頁)。

(4)「交流会:留学生ら書道体験 米の16人、坂出商高で /香川」の見出しのもと、「坂出市青葉町の県立坂出商業高校(川田和広校長、489人)で、姉妹都市、米・サウサリート市からの短期留学生ら16人を招いた交流会があった。留学生は生徒と一緒に書道などを体験した。」との記載(2009.08.07 毎日新聞地方版/香川 26頁)。

(5)「坂道と霧のサンフランシスコへの旅」と称するウェブサイトにおいて、「サウサリート(Sausalito)」の項に、「このページでは、サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡ったところにあるサウサリートの見所、歩き方などを紹介。」との記載(http://yhoni.hp.infoseek.co.jp/SanFrancisco/SanFranciscoW21-1.html)。

(6)「株式会社地球の歩き方T&E」のウェブサイトにおいて、「サウサリート(カリフォルニア)」の項に、「サウサリート(カリフォルニア)オプショナルツアー予約『地球の歩き方 サウサリート(カリフォルニア)オプショナルツアー予約』へようこそ。サウサリート(カリフォルニア)の現地発着ツアー、オプショナルツアーが検索・予約ができます。」との記載(http://op.arukikata.com/a/a/105/c/US/city/JMC/)。

(7)「株式会社JTBパブリッシング」のウェブサイトにおいて、「サンフランシスコ(カリフォルニア)」の項に、「サウサリートSAUSALITO サンフランシスコのダウンタウンの対岸、地中海の雰囲気が漂う美しい町で、芸術家や音楽家が多く住む高級住宅地として知られている。メインストリートにはかわいい店やおしゃれなレストランが並ぶ。」との記載(http://www.rurubu.com/overseas/detail.asp?ID=J0000105)。

(8)「カリフォルニア・ウエディング・ストーリー」のウェブサイトにおいて、「SAUSALITO PRESBYTERIAN CHURCH サウサリート プレスビテリアン教会」の項に、「『サウサリート・プレスビテリアン教会』は、100年以上の歴史を持つ由緒ある教会で、サンフランシスコに近いお洒落な町にあるという立地条件などから高い人気を誇ります。」との記載(http://www.caweddingstories.com/other_locations/sausalito.html)。

(9)「坂出市」のウェブサイトにおいて、「姉妹都市サウサリート市」の項に、「サウサリート市への行き方 サウサリートはサンフランシスコ市内から北部へ約8kmのところにあります。」との記載、「みどころ紹介」及び「イベント案内」の記載(http://www.city.sakaide.lg.jp/cityoffice/kokusai/sausalito2.html)。

(10)「YAHOO!辞書」と称するウェブサイトにおいて、「国語辞書」の項に、「サウサリート【Sausalito】 米国カリフォルニア州、サンフランシスコの一地区。中心部からサンフランシスコ湾を挟んだ北側に位置する。芸術家の町として知られるほか、レストランやギャラリーなどが集まるブリッジウェイ‐ブルバードが観光客に人気がある。」との記載(http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88&dtype=0&dname=0na&stype=0&pagenum=1&index=08357321833300)。

以上の事実よりすれば、『SAUSALITO』の文字は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ゴールデンゲートブリッジ(金門橋)のたもとに存し、サンフランシスコ市内から北部へ約8Kmのところに位置するサウサリート(又はソーサリト)市の欧文字表記と認められる。

そして、「SAUSALITO」は、1988年に香川県坂出市と姉妹都市を結んだことから、同市のホームページにおいて「SAUSALITO」への交通手段、みどころ、イベントなどが詳細に紹介されると共に、新聞記事においても、坂出市と姉妹都市である旨記載され、アメリカ合衆国の地名として広く知られているといえる上に、旅行会社のウェブサイトにおいては、古い歴史を持つ由緒ある教会や美しい町並みが人気を博し、旅行プランやオプショナルツアーが組まれるなど、観光地としても有名であることが認められる。

そうとすれば、本願商標「SAUSALITO」の文字は、アメリカ合衆国カリフォルニア州の地名である「サウサリート(又はソーサリト)市」を認識させ、我が国において一般に広く知られていると判断するのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者に、SAUSALITO(サウサリート(又はソーサリト)市)で生産又は販売された商品、すなわち、商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と理解させるに止まり、自他商品を識別する機能を果し得ないというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

なお、請求人は、米国カリフォルニア州の地名「SAUSALITO」がわが国一般に認識されているとはいえず、ましてや本願の指定商品との関係において商品の生産地、販売地として著名とはいえないから、本願商標は取引者、需要者をして商品の産地、販売地として理解されず、充分に自他商品の識別力を有する旨、主張する。

しかしながら、本願商標「SAUSALITO」の文字が、アメリカ合衆国の地名である「サウサリート(又はソーサリト)市」を認識させ、我が国において一般に広く知られていることは、前記のとおりである。

さらに、「商標法第3条第1項第3号にいう『商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標』に該当するというためには、必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によって、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもつて足りる。」(最高裁昭和60(行ツ)第68号 昭和61年1月23日判決言渡)旨判示されていることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その指定商品である茶、コーヒー、ココア及び菓子等が、アメリカ合衆国の「SAUSALITO」なる地において生産され又は販売されているものであろうと一般に認識するものと判断するのが相当である。

そうとすれば、本願商標は商品の産地、販売地として理解されず、充分に自他商品の識別力を有するとの請求人の主張を採用することはできない。

加えて、このように商品の産地又は販売地を表示する標章は、取引において必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないといわなければならない。

また、請求人は、既登録例を挙げて、本願商標もそれと同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、過去の審査例等の判断に拘束されることなく、個別具体的に判断されるべきものであることからすれば、その登録例の存在によって、本願商標が直ちに自他商品を識別する機能を果し得るとは認められず、前記判断は何ら左右されないというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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