結論テキスト
審判費用は,請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300132(T2009−300132/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4805260号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成12年9月29日に登録出願,第25類「被服」を指定商品として,同16年9月24日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
請求人は,「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
請求人が調査した結果,本件商標は,商標権者により少なくとも過去3年以内に日本国内でその指定商品に使用されていないことが判明した。
したがって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人は,本件商標を使用していると証拠を提出しているが,「得意先A社」「出荷元支店B支社」「現在C営業部」など全て架空の事実であり信頼できない。また,販売数や品番を列挙しても上記の説明を根拠としている以上信用できない。
ア 乙第2号証(靴下商品の写真)
このような印刷物は,業者に頼むと簡単に制作でき,それによって日本で販売されたとはいえない。そして,商品パッケージの納品業者の証明がなく,また,証拠の撮影日と撮影者の記載もない。
イ 乙第3号証(商品納品リスト)
この書類は,被請求人の社内の伝票を使って数字を並べたにすぎず,「出荷日」「出荷先」の受領を証明するものがなく証拠にならない。
(2)本件商標は,1963年に米国人故ハーベー・ボール氏により,創作・著作されたもので,その米国での大流行を真似て日本では昭和45年頃(ニコニコ・マーク)などの名称で大ブームがあった。その時から日本人にとっては小学生からお年寄りまで知らない人がいない程有名になっていた。被請求人は,その流行に便乗して,社員が創作したと主張して原型商標(登録第23539085号)を登録しただけで,本件商標は本来登録されるべきでなかった(甲第1号証)。
(3)請求人は,別紙の著作権を所有している(甲第2号証)。
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
(1)被請求人(商標権者)であるグンゼ株式会社は,本件商標を付した靴下を現在に至るまで継続して製造,販売している。靴下は,本件審判の請求に係る指定商品「被服」に含まれる商品である。
(2)乙第2号証は,被請求人が1998年4月から現在まで製造,販売している子供用靴下の表面及び裏面の写真である。このパッケージ表面の左上に本件商標,被請求人の企業ロゴ「GUNZE」,品番「LE383」が表示され,パッケージの裏面下方には品番「LE383」,「グンゼ株式会社」が表示されている。乙第5号証は,乙第2号証の包装物裏面の規格番号の部分を拡大したものであり,これには「M1096」が表示されている。
(3)乙第3号証ないし乙第4号証は,平成20(2008)年9月度に被請求人が,得意先A社の各店舗に対して,当該商標を記した上記商品を出荷した納品リストの写しである。当該納品リストには,出荷元の「B支社」,納品日「20080903」〜「20081001」,品番「LE383」,納品先A社の各店舗名が記載されている。これにより当該商標が表示された商品が出荷されていることがわかる。出荷数からはこの期間に14.0デカ(140枚)販売されたことがわかる。
(4)乙第6号証は,本件商標が付された製品(品番「LE383」)が,靴下製造を営むA社から被請求人に納められことを証明する伝票(納品書兼請求書)であり,乙第7号証は,当該A社に包装物製造者B社から本件商品に使用する包装物「M1096」が納品されたことを証明する納品書である(5)以上のとおり,被請求人が本件審判請求に係る指定商品「被服」について本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に使用している事実があることから,本件審判の請求は成り立たない。
乙第2号証ないし乙第4号証の取引に関して,同号証以外に当該取引を証する書面(例えば,乙第2号証(パッケージ)に関し,当該パッケージの要証期間内の使用を証する書面(注文書の写し,受領書の写しなど)又は,乙第4号証(販社納品書検索)の取引に関して,同号証以外に当該取引を証する書面(注文書の写し,受領書の写しなど))を提出されたい。
(1)乙第2号証及び乙第5号証は,商品の包装用袋の表・裏面である。その表面には,図形部分に色彩が施されているが本件商標とほぼ同一の標章(以下「使用商標」という。)の表示及び「GUNZE/LE0383/ピッタリフィット」「120/身長110〜130」の記載がある。また,裏面には,「ピッタリフィット/サポートタイツ/40デニール/(44デシテックス)」,「LE0383/ナイロン・ポリウレタン/製造 グンゼ株式会社」及び「M1096」などの記載がある。これらは,その全体形状及び表・裏面に記載された文字などからして,明らかに「子供用タイツ」の包装用袋と認められる。
そして,「子供用タイツ」は,本件審判の取消請求に係る「被服」の範疇に含まれるものであり,また,使用商標は,本件商標と社会通念上同一と認められるものである。
(2)乙第3号証及び乙第4号証は,ヘッダー部分に「販社納品書検索」及び「GUNZE」の記載のある一覧である。その一覧の上部に「元支店(○○支社)」,「月度:200809」,一覧部分の「納品日」の欄に「20080903」から「20081001」までの年月日と認められる記載,品番の欄に「LE0383」の記載,出荷数の欄に「0.2」又は「0.4」の記載,処理日の欄に「20080901」から「20080929」までの年月日と認められる記載,得意先コードの欄に「420100315」,「420100512」などの数字の記載があり,支社名,社名,店名及び出荷金額などの欄はマスキングされている。これらの記載及び請求人の主張によれば,この一覧は,被請求人の支社が取引先店舗に商品を出荷した納品リストであり,これにより,被請求人の支社がマスキングされた社名・店名の店舗に対し,2008年9月3日から同年10月1日までの間に,品番を「LE0383」とする商品を合計で14.0デカ(140枚)納品したことが推認される。
(3)乙第6号証は,納品書兼請求書である。これには,宛先として被請求人名,年月日欄に「08/12/26」,ニッターコード欄に「B32」,品番欄に「LE0383」,数量の合計欄に「30(x)」,金額の合計欄に「¥33900」の記載があり,ニッター名は,一部マスキングされている。これらの記載及び請求人の主張によれば,2008年12月26日にマスキングされたニッターから,品番を「LE0383」とする商品が,30デカ(300枚)被請求人に納品されたことが推認される。
そして,「LE0383」は,乙第2号証ないし乙第5号証に記載された品番と一致する。
(4)乙第7号証は,納品書である。これには,年月日欄に「平成20年5月20日」,品名欄に「M1096ラブアース」,数量欄に「100x」,金額欄に「17000」の記載があり,宛先,発行者名は一部マスキングされ,発行者名の上部に「転写マーク・東レ・トレファン袋・ポリ袋・シーリング・高級印刷」の記載及び住所欄に「兵庫県加古川市」の記載がある。これらの記載及び請求人の主張によれば,2008年5月20日に,マスキングされた包装物製造者から,品名を「M1096ラブアース」とする商品が,100デカ(1000枚)マスキングされた名称の株式会社に納品されたことが推認される。
そして,「M1096」は,乙第2号証及び乙第5号証の「子供用タイツ」の包装用袋の裏面に記載された包装物品番と一致する。
また,上記の(2)ないし(4)において認定した商品の納品日は,いずれも本件審判の請求の登録日(平成21年2月10日)前3年以内の年月日である。
(1)請求人は,「被請求人の主張する『得意先A社』『出荷元支店B支社』『現在C営業部』などは全て架空の事実であり信用できずこれらを根拠とする販売数や品番なども信頼できない」旨主張する。
しかし,上記のとおり,乙第2号証及び乙第5号証の包装用袋は,その表・裏面に記載された文字から,明らかに「子供用タイツ」の包装用袋と認められ,また,該乙第2号証及び乙第5号証に表示された品番と乙第3号証ないし乙第7号証に表示された品番とが一致すること,その他,乙第3号証ないし乙第7号証における「処理日」「得意先コード」及び「ニッターコード」などの各欄における記載並びに「ニッター名」及び「転写マーク・東レ...」などの記載を総合すると,「社名」「店名」などの取引者を特定する欄がマスキングされているとしても,上記の乙第2号証ないし乙第7号証の各証拠は,本件商標の使用を立証するに足るものと判断するのが相当であるから,この点に関する被請求人の主張は採用することはできない。
(2)請求人は,「本件商標は1963年に故ハーベー・ボール氏により創作・著作されたものであるから本来登録されるべきでなかった」旨及び「被請求人による本件商標の使用の事実があれば請求人は被請求人に対し著作権侵害により法的責任を追及する」旨主張する。
しかし,かかる請求人の主張は,商標法第50条における商標登録の取消し審判と関係のないことであるから,この点に関する請求人の主張も採用することはできない。
以上のとおり,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,請求に係る指定商品「被服」の範疇に含まれる「子供用タイツ」について,被請求人(商標権者)によって使用されていたものと判断するのが相当であるから,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものではない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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