Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−13560(T2009−13560/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年4月2日に登録出願され、指定役務については、原審における平成21年3月4日及び当審における同年7月29日付け手続補正書により、最終的に、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,洋服・コート・セーター類・ワイシャッ類・寝巻き類・下着・水泳着・水泳帽及び和服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,なべ類・コーヒー沸かし(電気式のものを除く。)・鉄瓶・やかん及び食器類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。
2 引用商標
引用商標は、以下の(1)ないし(5)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)商標登録第4173413号商標(以下「引用商標1」という。)は、「DSN」の欧文字を横書きしてなるものであり、平成9年2月12日に登録出願され、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成10年7月31日に設定登録され、その後、平成20年8月12日に、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)商標登録第4405885号商標(以下「引用商標2」という。)は、「DSN」と標準文字で表してなり、平成11年10月4日に登録出願され、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成12年8月4日に設定登録されたものである。
(3)商標登録第4455829号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成12年3月7日に登録出願され、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成13年2月23日に設定登録されたものである。
(4)商標登録第4455830号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成12年3月7日に登録出願され、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成13年2月23日に設定登録されたものである。
(5)商標登録第5224419号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成19年6月22日に登録出願され、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として平成21年4月17日に設定登録されたものである。(以下、引用商標3ないし5をまとめていうときは、「引用商標」という。)
3 当審における審尋(要旨)
当審において、平成21年9月8日付け審尋をもって、本願商標は、本願に係る同年1月23日付け拒絶理由通知に引用した引用商標とは、依然として同一又は類似の商標であって、引用商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するという先の拒絶の理由は解消していない旨をあらためて通知し、相当の期間を指定して請求人に意見又は反論の機会を与えたものである。
4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
本願商標は、その構成中、円弧状の舟形図形により、「dsn」の文字ばかりでなく、「TV」の文字部分も印象深く一体的なものである。該文字は、請求人の業務である「テレビショップ」、「ネットショップ」においては「テレビ放映の」、「テレビでお馴染み」の意味合いを有するものであり、単なる付記的な記号ではなく、「dsn」の文字と一体的なものである。
そうすると、本願商標からは、一連の「ディーエスエヌテレビ」又は「ディーエスエヌティーヴィ」の称呼が生じるものである。
これに対して、引用商標は、いずれも中央の菱形の中に欧文字「S」を白抜きで書して菱形の左右の角上部に該菱形と一体に図形化した「D」と「N」を表した図形的な商標であり、文字としては「S」の文字を顕著に表したものであり、該「S」の文字に照応して「エス」の称呼を生じるものである。
また、引用商標からは「ディーエスエヌ」の称呼を生じることを否定するものではないが、本願商標から生じる「ディーエスエヌテレビ」又は「ディーエスエヌティーヴィ」の称呼とは非類似である。
したがって、以上の称呼と外観及び観念を総合的に判断すれば、本願商標と引用商標とは非類似の商標である。
5 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1及び2との類否について
本願商標の指定役務は、前記1のとおり補正された結果、引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似の役務はすべて削除されたと認められるものである。
その結果、本願商標の指定役務は、引用商標1及び2の指定商品と類似しない役務になったと認められるものである。
(2)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、別掲1のとおり、「dsn」の欧文字をひときわ大きく表し、その右側の2つの黒色正方形に「TV」の白抜き文字を、そして、前記「d」の文字の下部から前記「V」の文字の下部にかけて、下向きの弓状の図形を接するように配し、さらに、前記「s」の文字の上部から構成中の右端にかけて「Daily Shopping Network」の欧文字を小さく横書きにしてなるところ、その構成中、顕著に表された「dsn」の文字部分が、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る要部となり得るものであるから、「dsn」の文字部分を捉えて、該文字部分から生じる「ディーエスエヌ」の称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成中「dsn」の文字より、「ディーエスエヌ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、中央に、菱形図形に白抜きで「S」の欧文字を一部内接するように書し、該図形の左側に接するように、「D」の欧文字を、右側に接するように「N」の欧文字をそれぞれ書した構成よりなり、全体として「DSN」の文字を横書きしてなるものとみるのが相当である。
そうとすると、引用商標からは、「ディーエスエヌ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
したがって、上記で認定したとおり、本願商標と引用商標とは、「ディーエスエヌ」の称呼を共通にする互いに類似する商標といわなければならない。
(3)請求人の主張
ア 請求人は、「本願商標は、構成中『TV』の文字も印象深く、また、出願人の業務である『テレビショップ』、『ネットショップ』においては『テレビ放映の』、『テレビでお馴染み』の意味合いを有するものであり、単なる付記的な記号ではなく『dsn』文字と一体的なものである。そうすると、本願商標の『dsn TV』の部分から『dsn』を単に分離して、『ディーエスエヌ』の称呼が生じることはなく、一連の『ディーエスエヌテレビ』又は『ディーエスエヌティーヴィ』の称呼が生じる。」旨述べている。
しかしながら、本願商標は、別掲1のとおり、外観上、「dsn」の文字が全体に占める割合が殊更大きいこと、また、それぞれの文字部分の書体、大きさ及び構成が著しく異なるものであることから、視覚上分断されるものであり、かつ、その構成文字全体をもって、特定の意味合いを認識させる語とは認められず、必ずしも一体不可分にのみ認識されなければならない特段の事情は見出せない。
したがって、上段の「Daily Shopping Network」の文字部分と下段の「dsn」及び「TV」の文字部分とが分断されて、それぞれの文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得る要部となり得るものである。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の場において、本願商標に接する取引者、需要者は、「dsn」の文字部分のみを捉えて、該文字部分から生じる「ディーエスエヌ」の称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
また、本願商標の構成中「TV」の文字は、「テレビジョン」の略語として一般的に使用されており、本願指定役務との関係においては、「テレビジョン放送による通信販売」が一般に広く行われているものであるから、該「TV」の文字に接した取引者、需要者は、該文字部分は、例えば、「テレビジョン放送を利用した通信販売による商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」程の意を表すものであり、役務の質・提供の方法を表すものと把握、認識するにとどまるというのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
イ なお、請求人は、「引用商標は、いずれも中央の菱形の中に欧文字『S』を白抜きで書して、菱形の左右の角上部に該菱形と一体に図形化した『D』と『N』を表した図形的な商標であり、文字部分としては『S』を顕著に表したものであるから、この構成に相応して『エス』の称呼を生ずる。また、引用商標を注意深く観察すると、『DSN』の文字を感得することができ『ディーエスエヌ』の称呼を生じることを否定するものではない。しかしながら、前記したとおり本願商標は一連の『ディーエスエヌテレビ』又は『ディーエスエヌティーヴィ』の称呼が生じるものであるから、引用商標から生じる『ディーエスエヌ』の称呼とは相違するものである。」旨述べている。
しかしながら、引用商標は、別掲2及び3のとおりの構成よりなるところ、各文字に、ややレタリングが施されているものの、この程度の図案化は、通常行われている手法であり、容易にローマ文字を表したものとして理解し得るものであるから、その文字部分は「DSN」の文字を横書きしてなるものと認められ、これより、「ディーエスエヌ」と称呼し得るものとみるのが相当である。
したがって、請求人の主張は採用できない。
ウ その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(4)結論
以上からすると、本願商標と引用商標とは、外観において相紛れるものではなく、観念において比較することができないことを考慮しても、「ディーエスエヌ」の称呼を共通にする互いに類似する商標である。
そして、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似する役務を含むものと認められる。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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