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Trademark Appeal Case

海外サイト販売と商標使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300536(T2008−300536/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4856714号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4856714号商標(以下「本件商標」という。)は、「MICRO−BUFF」の欧文字を横書きしてなり、平成16年8月6日に登録出願、第3類「スキンローション,スキンクリーム,化粧用オイル,肌のつや出し用化粧品,スクラブ剤を配合してなる化粧品,その他の化粧品」を指定商品として同17年4月15日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張(要点)

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

(1)請求の理由

請求人の調査によれば、本件商標は、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内においていずれの指定商品についても使用した事実が存しないことから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は、被請求人のウェブサイトのプリントアウト(乙第1号証)を提出することにより、第3類「化粧品」について、本件商標の使用の事実を証明しようとしている。

しかしながら、乙第1号証は、2009年3月4日付けで被請求人会社の米国でのウェブサイトを印刷したものであるが、平成20年の何時から、かかるインターネット上で「MICRO−BUFF」ボディクリームの販売を開始したのか明らかにされておらず、商標法2条に定義されているどの使用態様に該当するかも必ずしも明らかでない。

さらに、当該ウェブサイトは、全て英文で表記されており、明らかに、被請求人会社の所在する米国の需要者を対象としたものであって、日本の需要者を対象としたものではない。この点に関し、被請求人は、「特に英語で表示されているウェブサイトは日本からのアクセスも容易であり利用頻度は高い」旨主張しているが、その点を立証する証拠方法、例えば、同社ウェブサイトの日本からのアクセス件数、日本の需要者へ販売された商品の量等を何ら提示していない。

仮に百歩譲って、被請求人会社の上記ウェブサイトに日本の需要者がアクセスし、上記「MICRO−BUFF」ボディクリームを購入していた事実があったとしても、そもそも、商標法2条3項2号にいう「譲渡」が日本国内において行なわれたというためには、譲渡行為が日本国内で行なわれる必要があるというべきであって、日本国外に所在する者が日本国外に所在する商品について、日本国内に所在する者との間で譲渡契約を締結し、当該商品を日本国外から日本国内に発送したとしても、それは日本国内に所在する者による日本国内における譲渡に該当するものとはいえない。この点は、平成17年(行ケ)第10817号審決取消請求事件において、知的財産高等裁判所において判示されているとおりである(甲第1号証)。

よって、被請求人会社の当該ウェブサイトにおいて、日本の需要者が上記「MICRO−BUFF」ボディクリームの購入の申込が可能であり、実際に購入されていたとしても、かかる行為は、商標法2条の「使用」を構成しないと言わざるを得ない。

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標の使用していることを立証したものとはいえない。

3 被請求人の主張(要点)

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。

本件商標は、現在使用中の商標である。被請求人は、アメリカ合衆国カリフォルニア州に住所を有する法人であり、「スキンローション,スキンクリーム,肌のつや出し用化粧品」等の化粧品を製造販売する会社である。

乙第1号証は、被請求人のウェブサイトのプリントアウトであり、平成20年からインターネット上で「MICRO−BUFF」ボディクリーム(肌のつや出し用化粧品)の販売を行っている。販売されている「MICRO−BUFF」ボディクリームには、グリーンティ&ライムリーフ、ラベンダー&カルダモン、マンゴー&マンダリン、ミルク&ハニー、ザクロ&クランベリーの計5種類の香りがあり、それらのいずれにも「MICRO−BUFF」商標が使用されている。これらの商品は、当ウェブ上の各商品の横に設けられた欄に数量を入力するだけで簡単に購入の申し込みが可能である。一般に化粧品類については、このように海外通信販売が広く利用されており、特に英語で表示されているウェブサイトは日本からのアクセスも容易であり利用頻度は高い。

したがって、このようにインターネット上で販売されており、日本からのアクセスが容易である場合、商標法第50条第1項に規定する日本国内における登録商標の使用に該当するといえる。

以上のように、本件商標は、その指定商品ボディクリーム(肌のつや出し用化粧品)について、継続して使用されていることは明らかである。

4 当審の判断

(1)被請求人は、本件商標を「ボディクリーム(肌のつや出し用化粧品)」について使用していたとして、被請求人のウェブサイトをプリントアウトしたものを提出している(乙第1号証)。

そこで、乙第1号証をみるに、プリントアウトされたウェブサイトの上段左側には、青色長方形内に「BIOTONE(右肩にマルアールの記号が付されている)」の文字を大きく表し、その下に、「Professional Massage & Spa Therapy Products」の文字を小さく配した表題が表されており、その表題のもとに、被請求人が主張しているところの「ボディクリーム(肌のつや出し用化粧品)」の5つのチューブの写真が掲載されている。そして、その下に、「Green Tea & Lime Leaf Micro−Buff Creme Body Polish 7 oz tube」、「Lavender & Calendula Micro−Buff Creme Body Polish 7 oz tube」、「Mango & Mandarin Micro−Buff Creme Body Polish 7 oz tube」、「Milk & Honey Micro−Buff Creme Body Polish 7 oz tube」及び「Pomegranate & Cranberry Micro−Buff Creme Body Polish 7 oz tube」なる5つの商品の商品説明等が英文で記載されている。また、商品説明の右側には、「MSRP、QTY、TOTAL」の文字が記載されていることが認められる。そしてさらに、その右側にも具体的な希望小売価格や数量入力欄等が記載されていることが窺われるが、乙第1号証の用紙内には収まっておらず、確認することはできない。

(2)被請求人は、平成20年から、インターネット上で、「MICRO−BUFF」ボディクリーム(肌のつや出し用化粧品)の販売を行っていた旨主張しており、化粧品類については、海外通信販売が広く利用されているところであって、特に英語で表示されているウェブサイトは日本からのアクセスも容易であり、利用頻度は高く、このようにインターネット上で販売されており、日本からのアクセスが容易である場合には、商標法第50条第1項に規定する日本国内における登録商標の使用に該当する旨主張している。

確かに、上記において認定した乙第1号証によれば、「ボディクリーム(肌のつや出し用化粧品)」について、本件商標と社会通念上同一と認められる「Micro−Buff」なる商標が表示されている事実を認めることができる。

しかしながら、上記ウェブページは、2009年(平成21年)3月4日にプリントアウトされたものであって、本件審判の請求の登録(平成20年5月16日)前3年以内に閲覧可能の状態にあったものであることを確認できない。しかも、該ウェブページは、被請求人も認めているように、米国のサーバーに設けられたものであるうえ、その内容もすべて英語で表示されたものであって、日本の需要者を対象としたものとは認められない。そして、該ウェブページは、日本からもアクセス可能であり、日本の検索エンジンによっても検索可能であるが、このことは、インターネットのウェブページである以上当然のことであるから、同事実によっては、該ウェブページによる広告を日本国内による使用に該当するものということはできない。

そして、他に、本件商標を取消請求に係る指定商品について使用をしていたことを認めるに足る証拠は提出されていない。

なお、当審は、被請求人に対し、請求人の提出した「日本国内での使用とは認められない。」旨の弁駁書副本を送付し、期間を指定して答弁の機会を与えたが、被請求人は何ら答弁していない。

(3)まとめ

以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙第1号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品について、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む)の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。

したがって、商標法第50条の規定により、本件商標の登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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