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Trademark Appeal Case

農薬登録と不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−300774(T2009−300774/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4961956号商標(以下「本件商標」という。)は、「リベロ」及び「LIBERO」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成17年11月9日に登録出願され、第5類「薬剤,歯科用材料,人工受精用精液,はえ取り紙」を指定商品として平成18年6月16日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。

本件商標は、商標権者又は使用権者の何れによっても、指定商品について少なくとも過去3年以上使用された事実は存しない。

よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第6号証(枝番を含む。)を提出している。

(1)本件商標は、農業用薬剤の名称として使用予定がある。

すなわち、平成21年2月18日付にて、農薬取締法第2条第2項の規定に基づき、「メトコナゾール水和剤」の農薬登録について「リベロフロアブル」という名称で、本件商標権者の子会社である北興産業株式会社(北興化学工業が100%株主)を申請人として、農林水産大臣に農薬登録申請書を提出して、農薬登録申請中である(乙第1号証の1)。

さらに、本件が農薬登録申請中であることの証明を農林水産省より受けている(乙第1号証の2)。

(2)上記農薬登録申請については、同時に農薬登録を受けようとしている製剤(ワークアップフロアブル)のデータ並びに既に農薬の原体として使用されているメトコナゾール原体のデータを利用して行うため、「本製剤のデータの利用を認めている登録農薬一覧」(乙第2号証)及び「本原体のデータの利用を認めている登録農薬一覧」(乙第3号証)を提出する。

また、平成21年2月3日付で試験成績等利用についての同意書を株式会社クレハから得ているので、抜粋して乙第4号証として提出する。

上記農薬登録申請については、平成21年12月頃に認可がおり、農薬登録を受ける見込みで、農薬登録を受け次第、平成22年度から販売を行う予定である。

(3)農薬は、農林水産大臣による農薬登録をうけた後に初めて公表されると同時に販売できるものであるから、本件商標については、その指定商品について、明確な使用意思があり、使用をしていない正当な理由があるといえる。

なお、上記農薬の使用名称である「リベロフロアブル」のうち、「フロアブル」は水和剤の一種で農薬の一剤型を示すものである(株式会社朝倉書店1993年12月10日発行「新農薬学概論」第164頁(乙第5号証)、日本農薬学会、農薬製剤・施用法研究会編、社団法人日本植物防疫協会平成9年10月30日発行「農薬製剤ガイド」第35頁(乙第6号証))。

よって、識別力を有する部分は、「リベロ」にあり、これは本件商標と社会通念上同一の商標である。

(4)したがって、本件審判の請求は成り立たない。

4 請求人の弁駁

請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。

5 当審の判断

(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、(ア)被請求人の子会社と認められる北興産業株式会社は、農林水産大臣に対し、平成21年2月18日付けで、農薬取締法第2条第2項の規定に基づき、農薬「メトコナゾール水和剤」につき「リベロフロアブル」の名称による農薬登録申請を行っていること(乙第1号証の1)、(イ)平成21年9月1日付けで、農林水産省消費・安全局農産安全管理課長より、農薬名「リベロフロアブル」につき現在農薬登録申請中である旨の証明書が発行されていること(乙第1号証の2)、(ウ)上記農薬の使用名称である「リベロフロアブル」のうち、「フロアブル」は、水和剤の一種で農薬の一剤型を示すものであること(乙第5及び第6号証)が認められる。

そして、上記「リベロフロアブル」の自他商品識別のための要部は「リベロ」の文字部分というべきであり、かつ、上記「リベロ」の文字は、本件商標と社会通念上同一といえるものである。

(2)以上によれば、被請求人は、本件商標がその指定商品について本件審判の請求の登録(平成21年7月29日)前3年以内に使用されていることを証明していないものの、本件審判の請求の登録前より、本件商標をその指定商品中「農薬」について使用する明確な意思をもって、その準備をしていたものというべきである。

ところで、農薬は、「農林水産大臣の登録を受けなければ、これを製造し若しくは加工し、又は輸入してはならない。」とされている(農薬取締法第2条第1項)。

そうすると、被請求人は、農林水産大臣の登録を受けるまでは本件商標の使用をすることができないのであり、その使用をしていないことについて、商標法第50条第2項ただし書にいう「正当な理由」があるものというべきである。

(3)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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