結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2009−890095(T2009−890095/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
登録第5213131号商標(以下「本件商標」という。)は、「iStudy」の欧文字を標準文字で表してなり、平成20年5月26日に登録出願、第42類「インターネットによるコンピュータプログラムの提供,インターネットによる移動体電話機用のコンピュータプログラムの提供」を指定役務として、平成21年2月3日に登録査定、同年3月13日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第4433171号商標(以下「引用商標1」という。)は、「アイスタディ」の片仮名文字と、「iStudy」の欧文字とを上下二段に横書きした構成からなり、平成11年11月1日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」、第16類「印刷物」及び第41類「資格取得講座における教授,資格試験に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、平成12年11月17日に設定登録されたものである。
(2)登録第4648384号商標(以下「引用商標2」という。)は、「@iStudy」の記号と欧文字を横書きした構成からなり、平成14年4月10日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」、第16類「印刷物」及び第41類「資格取得講座における教授,資格試験に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、平成15年2月28日に設定登録されたものである。
以下、これらを併せて「引用商標」という。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。
(1)無効の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。
ア 本件商標と引用商標の類否について
引用商標1は、前記2(1)のとおりの構成よりなり、その構成中の片仮名部分より「アイスタディ」と称呼されるものである。
次に、引用商標2は、前記2(2)のとおりの構成よりなり、その構成文字全体から「アットアイスタディ」のように称呼される場合の外、「@」を記号として認識し「アイスタディ」のみで称呼される場合もあり得るものである。
他方、本件商標は、前記1のとおりの構成よりなり、その文字に相応して「アイスタディ」の称呼が生じるものである。
よって、両商標から生ずる称呼は同一であるから、引用商標と本件商標は類似する。
イ 本願商標の指定役務と引用商標の指定商品の類似について
本件商標の指定役務は、第42類「インターネットによるコンピュータプログラムの提供、インターネットによる移動体電話機用のコンピュータプログラムの提供」とするものであり、いずれも特許庁作成の「類似商品・役務審査基準」に掲載されている第42類「電子計算機用プログラムの提供」の一態様である。
他方、引用商標1は、出願当時採用されていた国際分類第7版により、第9類「電子応用機械器具及びその部品」ほか、を指定商品とするものであって、この版の「類似商品・役務審査基準」では「電子応用機械器具及びその部品」には「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープ」を含んでいることは明らかである。
そうすると、記憶媒体に記憶された「電子計算機用プログラム」は、本件商標の指定役務と、商品の製造・販売者と役務の提供者、商品の販売場所と役務の提供場所、需要者の範囲、並びに商品と役務の用途・内容が共通である場合が多いため、互いに類似する関係にあるということができるから、本件商標の指定役務は、引用商標1の指定商品に含まれる「電子計算機用プログラム」に類似するものである。
引用商標2は、出願当時採用されていた国際分類第8版により、第9類「電子応用機械器具及びその部品」他を指定商品とするものであって、その版の「類似商品・役務審査基準」には、「電子応用機械器具及びその部品」には「電子計算機用プログラム」が含まれていることが明記されており、またその備考には、第9類の「電子計算機用プログラム」と第42類の「電子計算機用プログラムの提供」は類似する旨が記載されている。
したがって、本件商標の指定役務と引用商標2の指定商品は類似するものである。
なお、これと同様に認定された商標登録異議事件がある(異議2003−90565:甲第4号証、異議2005−90533:甲第5号証、異議2005−90537:甲第6号証、異議2006−90096:甲第7号証)。
よって、本件商標と引用商標とは、称呼を共通にする類似の商標であり、その指定役務と指定商品も類似する。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出している。
(1)無効理由について
以下のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないことは明白であり、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とされるべきものではない。
ア 外観上の比較
本件商標と引用商標とは、前記1及び2の構成よりみて、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。
イ 観念上の比較
本件商標と引用商標は、その構成前記1及び2のとおりであって、いずれも構成全体をもって特定の語義を有しない造語よりなるものであるから、観念上比較することができないものである。
ウ 称呼上の比較
本件商標は、構成前記1のとおりであって、その構成文字に相応して、「イスタディ」、「アイスタディ」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標1からは、「アイスタデイ」と称呼されるものである旨請求人も自認するとおり、「アイスタディ」の自然な称呼のみを生ずるものである。
また、引用商標2は、構成前記2のとおりであって、その構成文字等に相応して、「アイスタディ」、「エイアイスタディ」、「アットアイスタディ」、「アットマークアイスタディ」、「イスタディ」、「アットイスタディ」及び「アットマークイスタディ」の称呼を生ずるものである。
エ 備考類似について
特許庁ホームページに掲載されている「備考類似・役務一覧表」によれば、「第9類 電子計算機用プログラム」と「第42類 電子計算機用プログラムの提供」は、「備考類似」の関係にあることは明らかである。
しかしながら、本件商標に係る指定役務「電子計算機用プログラムの提供」の需要者は一般企業や役所などの法人であり、その提供業者は通信事業者やアプリケーションサービスプロバイダであるのが一般的である。
他方、引用商標に係る指定商品「電子計算機用プログラム」を購入する者は、一般消費者であり、その販売業者は家電販売店や百貨店等であり、通常の流通経路により販売されるのが一般的である。
そうとすると、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とを比較するに、購入者や需要者は同一であるとはいい難く、また、この役務を提供する提供者とこの商品の販売を行う販売業者も同一であるとはいい難いものであり、さらに、この役務より提供される役務の内容は、この商品により販売等される商品の内容も相違するものであるから、役務及び商品の出所の誤認・混同を生じるとするような取引の実情はないというべきである。
オ 小括
したがって、本件商標と引用商標とは、判決(最高裁昭和39年(行ツ)第110号:乙第4号証、平成7年(行ケ)第52号:乙第5号証)の趣旨に照らし、外観、称呼及び観念のうちその一において、一部類似することを完全に否定し得ないとしても、外観及び観念の二点において著しく相違すること、その他取引の実情によって、両商標の場合にあっては、商品(役務)の出所に誤認・混同を生ずるおそれはほとんどないというのを相当とする。
(1)商標の類似について
ア 本件商標は、前記1のとおり、小文字のアルファベット文字「i」と英語「Study」を同書、等間隔に「iStudy」と表してなる、それに相応して「アイスタディ」の称呼を生じ、構成全体としては特定の語義を有しない造語ということができる。
イ 引用商標1は、前記2(1)のとおり、その構成を二段書きのやや小さめの「アイスタディ」の片仮名と「iStudy」の欧文字からなるところ、一般に片仮名と欧文字とを併記した構成の登録商標にあっては、片仮名が欧文字の読みを表記したものが少なくないから、引用商標1は、一連に「アイスタディ」の称呼を生じるものであり、かつ、欧文字部分にあっては、本件商標と同一の綴り構成からなるから、前記と同様にその欧文字綴りによる外観、及び該片仮名と欧文字に相応して生じる「アイスタディ」の称呼をもって商取引に資されるものということができる。
また、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「@iStudy」の記号と欧文字からなるところ、構成中の「@」は、メールアドレスに用いるアットマーク記号として一般に広く知られ使用されているものであり、記号と欧文字とは視覚上分離して看取されるばかりでなく、全体として特定の意味合いを有するとも言い難いことからすれば、「iStudy」の欧文字部分が自他商品の識別機能を有する部分といえるから、その構成全体に相応して「アットアイスタディ」、「アットマークアイスタディ」等の称呼を生じるほか、単に「iStudy」の文字部分に相応して「アイスタディ」の称呼をも生じるものといわなければならない。
してみると、本件商標と引用商標は、「アイスタディ」の称呼を共通にする称呼上類似するものといわなければならない。
次に、本件商標と引用商標は、前記のとおりその全体の構成において相異するものの、それぞれの構成中自他商品の識別機能を有する「iStudy」の文字部分において、綴りを同じくするものであるから、外観上近似するものである。
さらに、本件商標と引用商標は、共に特定の語義を有しない造語といえるものであるから、両者は観念上比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念上比較出来ないものであっても、「アイスタディ」の称呼を共通にするものであり、また外観上近似するものであるから、互いに相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
(2)指定役務び指定商品の類似について
本件商標の指定役務は、前記1のとおり、第42類「インターネットによるコンピュータプログラムの提供,インターネットによる移動体電話機用のコンピュータプログラムの提供」である。
他方、引用商標の指定商品中の第9類「電子応用機械器具及びその部品」には、「電子計算機用プログラム」が包含されているとみて差し支えないものである。
そこで、本件商標の指定役務の「インターネットによるコンピュータプログラムの提供,インターネットによる移動体電話機用のコンピュータプログラムの提供」と引用商標の指定商品の「電子計算機用プログラム」の類否について判断する。
近年、「電子計算機用プログラム」は、記録媒体に記録された電子計算機用プログラムとして店頭にて、あるいはダウンロードにより流通されているのみならず、インターネット等の通信回線を通じ電子計算機用プログラムを使用させる役務(電子計算機用プログラムの提供)として提供されている実情がみられる。
そうとすると、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品は、役務の提供者と商品の製造・販売者、用途、及び需要者を共通にするものであって、密接な関係があるから、本件商標と引用商標を、指定役務又は指定商品に使用したときには、これに接する取引者・需要者が同一の営業主の製造・販売又は提供に係る役務又は商品と誤認・混同されるおそれがあるとみるのが相当である。
なお、被請求人は、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とは、その購入者や需要者、役務の提供者と商品の販売業者が同一であるとはいい難いものであり、さらに、この役務より提供される役務の内容は、この商品により販売等される商品の内容も相違するものであるから、役務及び商品の出所の誤認・混同を生じるとするような取引の実情はないというべきである旨主張するが、主張するのみであって、上記の判断を覆すに足りる証左も見出せないから、かかる主張は採用できない。
(3)まとめ
前述(1)及び(2)を総合すれば、本件商標は、引用商標と類似の商標であって、本件商標の指定役務「インターネットによるコンピュータプログラムの提供,インターネットによる移動体電話機用のコンピュータプログラムの提供」と引用商標の指定商品「電子計算機用プログラム」は、互いに類似するものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわなければならないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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