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Trademark Appeal Case

BBクリームの普通名称性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900505(T2008−900505/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5172929号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5172929号商標(以下「本件商標」という。)は、肉太の横長四角形中にゴシック体で「BBクリーム」の文字を横書きした構成からなり、平成19年4月27日に登録出願され、第3類「化粧品」を指定商品として平成20年8月29日に審決、同年10月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

3 本件商標の取消理由

登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成21年10月6日付取消理由通知)は、要旨次のとおりである。

登録異議申立人株式会社メディカライズ(以下「申立人」という。)より提出された証拠及び主張によれば、以下のことが認められる。

(1)株式会社富士経済発行の月刊誌「富士経済マーケティングリポート 化粧品トイレタリーシリーズ」通巻220号(平成20年8月15日発行)には、その表紙に「注目されるミネラルファンデーション/BBクリームの市場動向調査」の表題の下に、「◆2008年のベースメイクカテゴリーにおいては新たな商材としてミネラルファンデーションとBBクリームが需要を獲得し、注目を集めている。◆BBクリームは著名メイクアップアーティストがTV番組で紹介したことで認知度が上がり、簡便性が消費者に受け入れられたことで2008年は40億円市場を形成する見込みである。」と記載され、その12ページから13ページにかけて、「BBクリームとは」として、「市場沿革」の項に「ア BBクリームは元々はブレミッシュ・バーム(Blemish Balm)と呼ばれるドイツ製の医療向けの化粧料で、美容整形やピーリングの施術後の肌に使用される、スキンケア効果(特に傷ついた肌の沈静を訴求)に肌のカバー効果を付加したアイテムであった。」、「イ 韓国では美容整形やピーリングが盛んに行われきた背景があり、1980年代初め頃にドイツからブレミッシュ・バームクリームが伝わり・・・」、「ウ 1990年代に入ると同クリームはエステサロンでも使用されるようになり、女優やタレントの間に口コミで広まった。・・・」、「エ その後も同クリームは高価格帯での展開が行われていたが、2006年にハンスキン社が『BBクリーム』の名称で・・・低価格のアイテムを発売した。・・・」、「オ 日本では・・・2005年から2006年にかけて・・・韓国化粧品メーカーの日本上陸が相次いだが、いずれのメーカーも・・・ヒット商品に恵まれず、小規模の展開となった。」、「カ 2007年半ば頃から韓国のBBクリームブームが口コミで伝わり、同年後半にはサイネット、ミシャ ジャパンなど数社がBBクリームを日本で発売したほか、国内メーカーではメビウスソリューションズが自社開発のBBクリームを発売した。・・・」、「キ しかし2008年1月にTV番組『おネエMANS』で著名メイクアップアーティストのIKKOがBBクリームを紹介したことで認知度が急速に高まり、大きなブームとなった。同年4月以降韓国製BBクリームの日本上陸が相次いでおり、バラエティショップやテレビ通販などのルートを中心に需要を獲得している。」等の説明がされ、「製品特性」の項には、「BBクリームは美容液とメイクアップベース、ファンデーションの機能を持つマルチクリームであることから、従来のベースメイクと比較するとベースメイクを簡単に、ステップの数を省略して済ませられる・・・」等の説明がされている(甲第3号証の1)。

(2)インターネットのウェブサイト「Konest」には、「BBクリーム特集」の表題の下に、商品の写真と共に「BBクリームという言葉を耳にしたことがありますか?・・・『BB』は、Blemish Balmの略称。ブレミッシュ(欠点・傷)を補うバームということです。元々、ピーリングなどの皮膚科手術などをして刺激を受けた肌を鎮静し、保護するための目的で作られたクリームのことで、・・・・低価格のBBクリームが発売され、あっという間に大衆化した化粧品です。」と記載されているほか、商品の容器には目立つ位置に「BB Cream」の文字が表示されている。また、上記ウェブサイトの最終ページには「最終更新日:07.05.21」と表示されている(甲第3号証の2)。

(3)インターネットのウェブサイト「村上龍Japan Mail Media」には、「第211回『BBクリーム』 配信日:2007−06−29」の見出しで、「・・・BBクリームとは、ブレミッシュバルム(Blemish Balm)の略で、皮膚科でピーリング手術を受けた後の赤ら顔に栄養を供給し再生を補うために作られたものである。」等と記載されている(甲第3号証の3)。

(4)光文社発行の週刊誌「女性自身」(平成19年8月7日号)には、その160及び161ページに見開きの「韓国で空前の大ヒット!!『芸能人クリーム』初上陸 BBクリーム」との表題の下に、商品が写真と共に紹介されており、「いま韓国で爆発的に売れているクリームがある。それがこのBBクリーム。『BB』はBlemish Balmの略。Blemish(欠点・傷)を補うバームという意味。・・・有名な韓国の芸能人がこぞって使っていることから『芸能人クリーム』とまで言われている。」等の記述がされている(甲第3号証の4)。同様の記事は、同誌の8月21・28日合併号(平成19年8月28日発行)、1月22日号(平成20年1月22日発行)、2月12日号(同年2月12日発行)、3月11日号(同年3月11日発行)及び6月3日号(同年6月3日発行)にも掲載された(甲第3号証の5、12、14、16及び31)。

(5)有限会社エイチ・シー・ビー発行の雑誌「HOT CHILI PAPER(ホット・チリ・ペーパー)」2007NOV.Vol.43(平成19年11月15日発行)には、「秘伝にして発禁!はるな愛のビューティー・コリアン・レポート」「第5回 BBクリーム旋風上陸なるか?!」の表題の下に、商品の紹介がされており、「『BBクリーム』って何?という方が日本では多いかと思います。Blemish(欠点・傷)Balm(バーム・軟膏)の略称で、ピーリングやフォトフェイシャルなどの施術を受けた後の肌は刺激に弱く、それを保護し炎症を鎮め、見た目にもカバーできることを目的として作られたものだそう。・・・」等と記述されている(甲第3号証の7)。

(6)サムスン経済研究所発行の雑誌「CEO Information(第634号)」(2007年12月17日発行)には、「2007年の韓国の10大ヒット商品」として第9位に「BB(Blemish Balm)クリーム:肌の欠点を補うための機能性化粧品」が掲げられ、「BBクリームは、当初、皮膚科(エステ)でピーリングなどの治療を受けた後、敏感になった肌を落ち着かせ、再生を助けるために開発された製品である。しかし、肌の欠点を補ううえ、紫外線の遮断、美白効果が得られるなど多様な機能が追加され、スキンケアに関心の高い多様な年齢層の女性から人気を集め、インターネットショッピングやTVショッピングなどによる販売が急増している。」との説明がされている(甲第3号証の8)。

(7)2008年1月15日放映の日本テレビ系列のTV番組「おネエMANS」において、「ソウル魔法のコスメ店」「美容のカリスマIKKO おススメのお店へ」として、メインレポーターのIKKOによって「BBクリーム」なる商品の紹介がされ、商品の写真と共に、「BBってどういう意味なの?」との問いに対し「最初のBはブレミッシュ、つまり、欠点や傷という意味で、二つ目のBはバーム、補うという意味。つまり、欠点を補うクリームのことなんです。」、「日本からもネットで買えるようになり、徐々に広がり始めているBB(ビービー)クリーム。」、「美容のカリスマIKKOさんがBB(ビービー)クリームを使って、簡単に素肌美人になる方法をどこよりも早く教えてくれます。」等の説明がされ、使用方法の実演も行われた(甲第3号証の10及び11)。

(8)インターネットのウェブサイト「commerce+mobile」には、登録日:2008年1月21日月曜日として、上記TV番組でBBクリームについて放映されたことなどが紹介されているほか、ウェブサイト「OhmyNews」には、「韓国で話題のBBクリーム、日本女性を魅了」との表題の下に、「山崎裕子(2008−01−28 16:30)」として、「ある番組で美容研究家でもある有名人が、とある化粧品をベタ褒め。それを機に、この化粧品は検索ランキングや流行ランキングのトップにグンッと躍り出てしまいました。その化粧品とは2007年春ころから、韓国で発売された『BBクリーム』という商品です。BBとはBlemish Balmの略。つまり、傷や欠落(ブレミッシュ)を補うバームのことで、もともとは美容整形外科や皮膚科で使用されていた処方医薬品でした。」等と記述されている(甲第3号証の9及び13)。

(9)主婦と生活社発行の週刊誌「週刊女性」(2008年3月25日号)には、「韓国の有名芸能人に大人気!多機能化粧品『BBクリーム』」の表題の下に、商品が写真と共に紹介され、「・・・いま韓国で爆発的に売れている『BBクリーム』。韓国の有名芸能人がこぞって使っていることから『芸能人クリーム』とまでいわれている大注目のクリームです。・・・皮膚科のドクターが開発したBBクリームは、角質をやわらかくして皮膚をキレイにしながら、ファンデーション機能をもたせているため、薄つきですっぴんのような肌に仕上がります。・・・・」等の記述がされている(甲第3号証の15)。

(10)小学館発行の週刊誌「女性セブン」(平成20年3月27日号)には、その158及び159ページに見開きの「ウワサの『BBクリーム』でセンオル(すっぴん)美人に挑戦」、「IKKOもぞっこん!韓流女優たち愛用で”1秒に3本”の大ヒット!」との表題の下に、商品の写真や使用方法と共に、「そもそも『BBクリーム』の”BB”はブレミッシュ・バーム(Blemish Balm:欠点や傷を補うバーム)の略称で、もともとは、美容外科でピーリングやレーザー治療などを行った後の肌を保護する目的で開発されたもの。皮膚の再生を促しながらもカバー力もある、つまり、美容液と化粧下地とファンデーションがひとつになったクリームだ。」等の記述がされている(甲第3号証の17)。同誌平成20年4月24日号には、「韓国で空前の大ヒット!!芸能人クリーム『機能つきファンデーションBBクリーム』初上陸」との表題の下に、当該商品が写真と共に紹介されている(甲第3号証の25)。また、同誌平成20年6月19日号にも「IKKO(46)が認めたオールインコスメは・・・メイクをしながら肌の若返りを図るオールインファンデーション。パーフェクトBBクリーム・・・」として紹介されている(甲第3号証の32)。

(11)その他、光文社発行の月刊誌「Mart(マート)」2007年12月号、同誌2008年6月号、同誌2008年8月号、集英社発行の雑誌「non−no(ノンノ)」平成20年3月20日号、同誌平成20年4月20日号、学習研究社発行の書籍「韓国ソウル街あそび/お散歩地図」(2008年7月31日発行)、集英社発行の月刊誌「MAQUIA(マキア)」2008年4月号、世界文化社発行の月刊誌「MISS(ミス)」2008年4月号、主婦の友社発行の雑誌「mina(ミーナ)」2008年4月20日号、講談社発行の月刊誌「ViVi(ヴィヴィ)」2008年5月号、文藝春秋社発行の書籍「IKKOのキレイを磨くin韓国」(2008年5月30日発行)、光文社発行の月刊誌「JJ(ジェイジェイ)」2008年6月号、光文社発行の月刊誌「CLASSY(クラッシィ)」2008年6月号、角川春樹事務所発行の月刊誌「美人百花」2008年7月号、光文社発行の月刊誌「STORY(ストーリィ)」2008年7月号、学習研究社発行の月刊誌「おはよう奥さん」2008年7月号、小学館発行の月刊誌「CanCam(キャンキャン)」2008年7月号、角川春樹事務所発行の月刊誌「Popteen(ポップティーン)」2008年7月号、宝島社発行の月刊誌「steady(ステディ)」2008年7月号、セブン&アイ出版発行の月刊誌「Saita(咲いた)」2008年8月号、講談社発行の月刊誌「VoCE(ヴォーチェ)」2008年8月号などの雑誌、書籍において「BBクリーム」として商品の紹介ないしは広告宣伝が行われている(甲第3号証の18ないし24、26ないし30、同号証の33ないし41)。

(12)本件商標に係る登録審決時以降のものではあるが、日経BP社発行の月刊誌「日経トレンディ」2008年12月号には、「08年ヒット商品ベスト30」として第7位に「BBクリーム」が掲げられ、「韓国発コスメが突如として大ブームに IKKOの一声が女性たちの消費を動かす」の見出しの下に、商品の写真と共に「BBクリームとは、ファンデーション、化粧下地、保湿クリームなど複数の機能を併せ持つ化粧クリーム。06年に韓国で大ブームになり、昨年、数社が日本に上陸。一部店舗やネット通販で販売していたが、認知度は低かった。ところが、08年1月、テレビ番組『おネエMANS』で美容家のIKKOが紹介したとたん、需要が激増。1、2月に前年単月の100倍を売り上げたメーカーもあり、・・・1社で半年に100万本以上を売る大ヒットとなった。」等の記述がされている(甲第4号証の1)。

また、「BBクリーム」の語を使用した同種の商品が、本件商標権者以外の者によって、本件商標の登録出願前に我が国において販売されており、現在では、例えばMISSHA、サイネット、有限会社タッチ、株式会社メディカライズ、株式会社MRCコスメティック、株式会社レインボージャパン、株式会社ナチュレ、三和通商、株式会社タイムアンドスペース、ケイアイオー株式会社、株式会社クラウディア等の多数の者によって取り扱われている(甲第5及び第6号証)。

上記の認定事実によれば、「BBクリーム」の語は、化粧品業界においては、本件商標に係る登録審決時には既に、Blemish(欠点、傷)を補うBalm(バーム、軟膏)の略称である「BB」の文字と「クリーム」の文字を結合したものであって、「ファンデーション、メイクアップベース、スキンケア等の機能を併せ持つ多機能化粧クリーム」程の意味合いの語として広く知られ、かつ、普通に使用されていたものというべきである。そして、「ファンデーション、メイクアップベース、スキンケア等の機能を併せ持つ多機能化粧クリーム」は、本件商標の指定商品の範疇に属する商品といえるものである。

そうすると、ありふれた四角形中に何ら特徴のない態様で「BBクリーム」の文字を書してなるにすぎない本件商標は、これをその指定商品中の「ファンデーション、メイクアップベース、スキンケア等の機能を併せ持つ多機能化粧クリーム」について使用しても、単に商品の品質、効能等を表示したものとして認識し理解されるに止まり、自他商品の識別標識標識として機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。また、本件商標を上記商品以外の指定商品に使用するときは、該商品が恰も「ファンデーション、メイクアップベース、スキンケア等の機能を併せ持つ多機能化粧クリーム」であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

4 商標権者の意見

商標権者は、上記3の取消理由の通知に対して何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本件商標についてした上記3の取消理由は妥当であって、その登録は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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