結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2009−900129(T2009−900129/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5193471号商標(以下「本件商標」という。)は、「アクアノート」の片仮名文字と「AQUANOTE」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成20年3月25日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年10月17日に登録査定され、平成21年1月9日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、「清涼感、透明感にあふれた香りを有する商品」を直感させ、単に商品の香調、品質を表す標章に過ぎずないから商標法第3条第1項第3号の規定に該当し、「清涼感、透明感にあふれた香りを有する商品」以外の商品に使用するときは、あたかもその商品が「清涼感、透明感にあふれた香りを有する商品」であるかのごとく直感させ,その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号の規定に該当する。
また、「アクアノート(AQUANOTE)」の語が、本件商標の指定商品を取り扱う業界において広く使われているので、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、同法第3条第1項第6号の規定に該当する。
以上の理由により、本件商標は、登録要件を具備しないものとしてその登録は取り消されるべきである。
商標権者に対して、平成21年10月6日付け取消理由通知書で通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)申立人の提出に係る甲第1号証ないし甲第3号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 甲第1号証の「新化粧品学」(1993年(平成5年)1月12日、株式会社南山堂発行)の「4−5 調合香料」及び「4−6 調香」の項に、「グリーンノート」、「ウッディノート」、「アニマルノート」、「シトラスノート」、フルーティーノート」、「フローラルノート」などのように、「○○○ノート」の語が香りのタイプを表現する語として多数記載があること。
また、同書籍の「表4−3.化粧品の賦香率」(なお、「化粧品に香りをつけることを賦香という」との記載が119頁にある。)の「製品名」及び「賦香率」の欄に、「石けん 1.0〜1.5」、「歯磨 0.7〜1.2」、「入浴剤 0.2〜3.0」、「洗剤 0.1〜0.3」、「チック、ポマード 0.5〜3.0」、「ヘアトニック 0.5〜1.0」、「ヘアリキッド 0.3〜1.0」、「シャンプー、リンス 0.2〜0.6」などの記載があること。
イ 甲第2号証の「化粧品事典」(平成15年12月15日、丸善株式会社発行)の「調合香料」の項に「調合香料の香りのタイプ 化粧品やトイレタリーに賦香されている香りの種類のこと。香調ともいう。調合香料の香りのタイプは、香りを構成する素材の香りのことで、通常“ノート(note)”と表現される(表2)。(⇒香りのタイプ)」との記載があること。
また、同じ項の「表2 調合香料の香りのタイプ」には、「香料の香り」の欄に「グリーンノート」、その「副分類」の欄に「マリングリーンノート(オゾンノート、アクアノート)」、その「香りの説明」の欄に「海辺の香りや透き通った水のイメージのみずみずしさ、清涼感、清潔感にあふれた香り」との記載がそれぞれあること。
ウ 甲第3号証は、本件商標の登録査定の日後である2009年(平成21年)3月12日及び同13日にプリントアウトされたウェブページであり、それには次の記載があること。
(ア)「(香水ワークス)香水・フレグランスのQ&A、FAQ、よくある質問」の「香水やフレグランス一般の用語集」に、「アクアノート」の項があり、その説明として「香りの表現法の一つ。アクア(水)のイメージ。・・1990年代世界的にアクア系香水の流行を招く・・」との記載。
(イ)「香水(フレグランス)用語辞典|デートや恋愛をスマートにナビ スマービ」の「オゾンノート」の項に、「90年代に登場した香りの新潮流で、水や空気のような自然界にある素材のイメージを香りに表現したノートの事。アクアティックノートやアクアノートなどがあり、ジャック・キャヴァリエ作『ロードゥイッセイ』が有名。」との記載。
(ウ)「Chambure de Tresor−香水アドバイザー菊池朋子のウェブサイト−」の「男性のための香水講座」の「5.香水のジャンルにはどんなものがあるの?」の項に、「クリーン・アクアノート 透明感のある香り。爽やかでアウトドアにも向いている。」との記載。また、「6.TPO」の項に、「学生 アクアノート、シトラスノート、・・・」との記載。
(エ)「ミス エレガンス−アクアコロンC−Yahoo!BEAUTY」の「製品情報を見る」の項に、「製品名 アクアコロンC」、「発売日 2002年6月18日」の記載及びその商品説明として、「クールなミントとみずみずしいアクアノートがつくりだす爽やかでスタイリッシュな香り。」との記載。
(オ)「ジバンシイ−ヴェリィ イレジスティブル ジバンシイ ソレイユ オーデトワレ−Yahoo!BEAUTY」の「製品情報を見る」の項に、「製品名 ヴェリィ イレジスティブル ジバンシイ ソレイユ オーデトワレ」、「発売日 2007年4月6日」の記載及びその商品説明として、「トップのアクアノート、ライチ、ローズシャーベットから、ミドルのプルメリアの花へと続き、・・」との記載。
(カ)「オゾンマリンの香水 香水 フレグランス」の「オゾンマリンの香水」の項に「オゾンとは、アクアノート、マリンノートとも言われています。1990年代はじめ頃から登場した新しい香調。オゾンマリンは水や空気のようなライトさ、そして透明感がある香りで人気である。」との記載。また、「更新履歴」欄に、最新の記録として「香水の系統 この記事のカテゴリーは「香水」です。2007年09月08日に更新しました。」との記載。
(キ)「花王 リーゼ 過去のプロモーションご紹介 2007年 春」には、頭髪化粧品の説明として「香りは、オアシスのうるおいを感じるアクアノート。」との記載。
(ク)その他のウェブページにおいても、「アクアノート」の語が、香水、ボディローション、クリーム等の化粧品、薫料等の香りについて、「地中海の潮風を感じさせる」、「奔放で透明な水を湛える泉を感じさせる」、「みずみずしい」などの文言とともに記載されている。
(2)前記(1)で認定した事実によれば、「アクアノート」の語は、香りのタイプ(「みずみずしい透明感のある香り」などと表現される。)を表すものとして、1990年代前半ころより使用され、本件商標の登録査定時である平成20年10月17日においても、香水やローションをはじめとする化粧品について普通に使用されていたことが認められる。また、「アクアノート」の語は、化粧品にとどまらず、香りを商品の特徴とする香料類はいうまでもなく、賦香率からみれば、せっけん類、歯磨きについても香りのタイプを表すものとして、本件商標の登録査定前から使用されていたものと推認することができる。
そして、本件商標は、「アクアノート」の文字とその英語表記である「AQUANOTE」の文字よりなるものである。
そうとすると、本件商標は、これをその指定商品中「アクアノート(「みずみずしい透明感のある香り」などと表現される)の香りを有するせっけん類・香料類・化粧品・歯磨き」について使用するときは、これに接する取引者・需要者は本件商標の構成文字をアクアノートの香りを有する商品であるという商品の品質表示と理解するにすぎないものと判断するのが相当であって、それ以外の「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
(3)以上のとおりであるから、本件商標は、その指定商品中、「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
商標権者は、上記3の取消理由に対して、指定した期間を経過しても何ら意見を述べていない。
本件商標について通知した上記3の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
また、その余の指定商品については、当該商品について「アクアノート(AQUANOTE)」の語が広く使われている事実は見出せず、本件商標が需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認めるに足る事情も見出せないし、他に登録を取り消すべき理由もないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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