Trademark Appeal Case
著名商標の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900229(T2009−900229/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5219090号商標(以下「本件商標」という。)は、「サイト・イット!」の文字と「Site−it!」の文字とを二段に横書きしてなり、平成20年7月25日に登録出願、第16類「接着性を有する付箋,低粘着剤付き付箋,粘着剤付き付箋,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器,荷札,紙類,文房具類,学用品(文房具に当たるものに限る。),印刷物」を指定商品として、同21年2月6日に登録査定、同年4月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人スリーエム カンパニー(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、下記のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標を総称して「引用各商標」という。)。
(ア)登録第2081504号商標
商標の構成 「POST−IT」
登録出願日 昭和54年10月15日
登録設定日 昭和63年9月30日
指定商品 第16類「文房具類,紙類」(平成20年10月8日書 換登録)
(イ)登録第3338554号商標
商標の構成 別掲(1)のとおり
登録出願日 平成7年5月25日
登録設定日 平成9年8月8日
指定商品 第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィ ルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき ,型紙,紙製テーブルクロス,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり ,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫 用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文 房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名 印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版 複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封か ん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ,タイプライター,チェ ックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキン グ用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその附 属品」
(ウ)登録第4505271号商標
商標の構成 別掲(2)のとおり
登録出願日 平成12年11月13日
登録設定日 平成13年9月7日
指定商品 第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィ ルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき ,型紙,紙製タオル,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン, 紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド, 紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真 立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤 ,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボ ン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式 ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ ,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細 断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機, 観賞魚用水槽及びその附属品」
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標のローマ字部分と引用各商標とは、後半部分がハイフンと英語の代名詞である「it」からなる点で共通しており、前半部分も共にローマ字4文字からなり、称呼における音も共に3音からなるというように共通点が多いものである。
そして、引用各商標は、「接着性を有する付箋、低粘着剤付き付箋、粘着剤付き付箋」の商標として当該商品の代名詞となる程極めて著名なものであることから、需要者は、この「POST−IT」が先入観念として強く働き、これに引きずられて、本件商標を引用各商標であると誤認混同することは必定である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用各商標は、本件商標の出願前より、「接着性を有する付箋、低粘着剤付き付箋、粘着剤付き付箋」の商標として著名なものであったから(甲第5号証)、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号にも違反して登録されたものである。
(4)よって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用各商標とは、前記あるいは別掲のとおりの構成からなるところ、それぞれの構成文字全体より、本件商標は「サイトイット」、引用各商標は、「ポストイット」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標から生ずる「サイトイット」の称呼と引用各商標から生ずる「ポストイット」の称呼とを比較するに、両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音を含む前半部分において、音構成及び音質において明らかな差異を有する「サイト」と「ポスト」の音の差異を有するうえ、「Site(サイト)」の語は「敷地、用地、ウェブサイト」等を意味する英語として、また、「POST(Post)」の語は「郵便箱、ポスト」等を意味する英語として、いずれも広く知られていることとも相俟って、これらの音の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、称呼上十分に区別し得るものである。
また、本件商標と引用各商標の外観を比較してみても、その欧文字部分は、後半部分において、ハイフンと「it(IT)」とを共通にするにしても、前半部分の構成において、「Site」と「POST(Post)」という字形の明らかに異なる文字の差異を有していることから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。
さらに、両商標の観念についてみても、いずれも、全体として親しまれた意味合いを有する成語とは認められないものであるから、観念については比較すべくもないが、上記したとおり、「Site(サイト)」の語も「POST(Post)」の語も日常一般において広く知られ親しまれていることから、何等かの意味合いを暗示させるとしても、「Site(サイト)」と「POST(Post)」の明らかな意味合いの差異をもってすれば、互いに相紛れるおそれはないものというべきである。
そうとすると、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
上記のとおり、本件商標と引用各商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
そうとすれば、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
また、引用各商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「接着性を有する付箋、低粘着剤付き付箋、粘着剤付き付箋」を表示する商標として、この種商品における取引者・需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、本件商標と引用各商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、他に混同を生ずるとみるべき格別の事情も見出し得ないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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