Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900263(T2009−900263/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5232458号商標(以下「本件商標」という。)は、「トドクック」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成20年10月6日に登録出願、第29類「食用油脂,乳製品,冷凍野菜,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,動植物から抽出したエキスを主成分とする錠剤状・カプセル状・液状・顆粒状・粉末状の加工食品,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ」及び第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,コーヒー豆,穀物の加工品,穀物(豆類を除く。)を主原料とする錠剤状・カプセル状・液状・顆粒状・粉末状の加工食品,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」を指定商品として、平成21年5月1日に登録査定、同年5月22日に設定登録されたものである。
2 本件登録異議申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
(ア)登録第5041694号商標は、オレンジ色で彩色された「トドック」の片仮名文字を横書きしてなり、平成18年8月14日に登録出願、第39類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成19年4月20日に設定登録されたものである。
(イ)登録第5161480号商標は、「トドック」の片仮名文字と「todok」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成20年1月8日に登録出願、第16類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年8月22日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第5161481号商標は、「トドック」の片仮名文字と「todock」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成20年1月8日に登録出願、第16類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年8月22日に設定登録されたものである。
これらをまとめて「引用商標」という。
(2)本件商標と引用商標の類似について
本件商標からは「トドクック」の称呼が生じ、引用商標からは「トドック」の称呼が生じるところ、両者を比較するに、第3音にて「ク」の音の有無において相違する。しかしながら、該相違音はさほど明確に強く響く音ではなく、また、前者の相違する「ク」の音の前に位置する「ド」は強く響いて発音される音であるため、「ク」の音はこれに吸収され、明瞭に聴取するのは困難であると思料する。そうすると、該相違音「ク」が両商標の称呼全体に及ぼす影響は小さく、両称呼は紛れるおそれがある類似の商標である。
そして、本件商標と引用商標が外観上も観念上も類似することは明らかである。
したがって、本件商標は引用商標に類似するものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
生活協同組合コープさっぽろ(以下「コープさっぽろ」という。)は、北海道全域を活動エリアとし、組合員数は1,304,696名(2008年3月20日時点)であり、事業規模全国第2位の生活協同組合である。コープさっぽろは、2006年10月30日から、コープ宅配サービス「トドック」及び「eトドック」を開始し、該サービスについて、2007年1月よりTVコマーシャルを行うなどし、積極的に宣伝広告活動を行い、2009年3月には、北海道内において約25万世帯が該サービスの会員となっている。
引用商標は、該サービスに使用する商標であって、北海道内の需要者に広く知られた商標となっているばかりでなく、インターネットを介して混同のおきるおそれがある地域的範囲は大きく広がっている。
引用商標は、コープさっぽろの業務に係る役務を表示する商標として著名であるところ、引用商標に類似する本件商標が、その指定商品又は指定役務に使用された場合、取引者・需要者をして、その商品又は役務がコープさっぽろの提供にかかわるものであるかのごとく、あるいは、同人と何等かの経済的・組織的関連があるかのごとく認識され、出所混同を生ずるおそれがあることから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)本件商標と「トドック」の商標の類似性について
まず、本件商標と、コープサッポロが取扱い商品の宅配サービスに使用する「トドック」の商標との類似性について検討する。
本件商標は、「トドクック」の文字よりなるところ、これよりは「トドクック」の称呼が生じ、格別の観念を生じないものである。
他方、「トドック」の商標は、「トドック」の文字よりなるものであるか
ら、「トドック」の称呼を生じ、格別の観念を生じないものである。
そこで、本件商標と「トドック」の商標とを比較するに、まず、外観については、両商標は、「ト」、「ド」、「ッ」、「ク」の4文字を共通にし、3文字目において「ク」の文字の有無の差を有するが、全体が、4文字及び5文字というそれほど多くはない文字数であるから、外観上、区別できる差異を有するものといえる。
次に、称呼においては、前者が「トドクック」であるのに対し、後者は「トドック」であり、これらは前者の第3音における「ク」の音の有無において構成音上の差違を有するものである。
しかして、該差異音「ク」は、促音を伴っていることから、強く発音され、かつ、本件商標の「トドクック」の称呼全体が「トド」と「クック」の2音節風に発音されるのに対し、「トドック」の商標から生じる「トドック」の称呼は平滑に発音されるものである。
そうすると、5音と4音の比較的短い両称呼において、第3音における「ク」の音の有無の差違が称呼全体に及ぼす影響は極めて大きく、両者をそれぞれ一連に称呼した場合、その語感、語調が異なるものとなり充分聴別し得るものである。
そして、両商標は、いずれも観念を生じないものであるから、観念上比較することができない。
(2)「トドック」の商標の著名性及び混同を生ずるおそれについて
登録異議申立人の提出に係る証拠によれば、「コープさっぽろ」は、「トドック」の商標を食料品や家庭用品など取扱商品の宅配システムを表す名称として、2006(平成18)年10月30日以降にその業務に係る役務を表示するために使用し、北海道内の当該生活協同組合員を中心に相当程度周知になっていると認められるものの、本件商標と「トドック」の商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても判然と識別できる別異の商標とすべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品又は指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が「コープさっぽろ」の当該宅配システム「トドック」を連想、想起するものとするのは困難であり、その商品又は役務が「コープさっぽろ」又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるとはいえないものである。
(3)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということができない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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