Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900339(T2009−900339/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5233914号商標(以下「本件商標」という。)は、「NURSE WORKER」の欧文字と「ナースワーカー」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成20年9月29日に登録出願され、第25類「履物」を指定商品として、平成21年5月29日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4452676号商標(以下「引用商標」という。)は、「NURSEWALKER」の欧文字と「ナースウォーカー」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成12年4月13日に登録出願され、第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成13年2月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び第2号証を提出している。
(1)称呼について
本件商標は、上段に英文字「NURSE WORKER」を、下段に片仮名文字「ナースワーカー」を2段に横書きしてなり、これにより「ナースワーカー」の称呼を生じる。
他方、引用商標は、上段に英文字「NURSEWALKER」を、下段に片仮名文字「ナースウォーカー」を2段に横書きしてなり、これにより「ナースウォーカー」の称呼を生ずる。
「ナースワーカー」と「ナースウォーカー」の称呼の比較において、両称呼は共に7音からなり、中間位置4文字目の「ワ」と「ウォ」の差異を有しているとはいえ、該音は7音構成という比較的冗長な称呼の中間に存するもので、この差異が称呼全体に及ぼす影響は僅かであるといわなければならない。
(2)外観について
本件商標と引用商標とは、共に英文字11文字からなる冗長なものであり、その中間の7文字目と8文字目に位置するわずか2文字「OR」と「AL」が異なるだけであり、片仮名文字についても共に7文字からなる中間の4文字目「ワ」と「ウォ」が異なるだけであるため、一般の取引者・需要者は外観において上記の差異に気付かない場合も少なくない。
よって全体を離隔的に考察しても極めて近似したものとなり、相紛れるおそれがある類似のものといわなければならない。
(3)観念について
本件商標からは「働く看護師」「看護労働者」など、引用商標からは「歩く看護師」「看護歩行者」などの観念が生じ、このことより、両者は「看護師」の観念においては共通し、また看護師の勤務中の動作を表す「働く」「歩く」の観念も共通することから、観念についても相紛れるおそれがある類似のものといわなければならない。
(4)まとめ
本件商標と引用商標の指定商品は前記したとおりであるから、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類以のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「NURSE WORKER」及び「ナースワーカー」の文字よりなるところ、一般に欧文字と片仮名文字を併記した構成の商標において、その片仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、片仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成中の片仮名文字に相応して「ナースワーカー」の称呼のみを生ずるものと認められる。
そして、その各構成前半の「NURSE」及び「ナース」の文字部分が、「看護師、看護婦」を意味する英語・外来語として、また、同後半の「WORKER」及び「ワーカー」の文字部分が、「働く人、労働者」等を意味する英語・外来語として、いずれも我が国で親しまれているものであるから、その構成文字全体より、例えば「働く看護師」程の観念を生ずるものとみるのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「NURSEWALKER」及び「ナースウォーカー」の文字よりなるところ、本件商標と同様、片仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定したものと無理なく理解されるものであるから、該片仮名文字に相応して「ナースウオーカー」の称呼のみを生ずるものと認められる。
また、「NURSEWALKER」及び「ナースウォーカー」の各文字は、ほぼ隙間なく同書、同大に一連に表されたものであるから、外観上、一体的に認識、把握されるものである。
そうすると、引用商標は、その構成から直ちに特定の意味合いを看取させない一種の造語と認められるから、特定の観念は生じないものというべきである。
なお、「WALKER」の片仮名表記として、原語の発音に似せて「ウォーカー」と記載されることがあるとしても、一般の日本人にとって「WA」の音を正確に発音することは難しいため、むしろ、自然な発音は「ウオ」であるというべきであり、「WALKER」の称呼についても「ウオーカー」になるものと判断するのが相当である。
そして、このことは、例えば「imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典(集英社発行)」に、「ウオーカー【walker】歩行者.健康づくりのために歩く人」と記載されていることからも是認できるものである。
(3)称呼について
そこで、本件商標から生ずる「ナースワーカー」の称呼と引用商標から生ずる「ナースウオーカー」の称呼とを比較するに、両称呼は、4音目以降の「ワー」の音と「ウオー」の音に顕著な差異を有しているだけでなく、上記の差異に加えて、両者は全体の称呼が7音と8音からなる音構成において、「ナースワーカー」の称呼が、全体に抑揚なく称呼されるのに対し、「ナースウオーカー」の称呼が、中間部の2音「ウオ(uo)」の部分で二重母音となり、あたかも1音「オ」のように強く発音されるものであるから、これらの差異が両称呼の全体に及ぼす影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するも、十分に聴別し得るものと認められる。
(4)外観について
本件商標の構成中、上段の欧文字部分が「NURSE」と「WORKER」の間に、一文字分の間隔(スペース)があることから、よく知られた英語の「NURSE」と「WORKER」の2語からなるものと認識されるのに対して、引用商標「NURSEWALKER」は、間隔をあけることなく連続して一連に書されているものである。
そして、中間部分とはいえ、明らかに字形の異なる「OR」と「AL」の文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。
また、下段の片仮名文字についても、本件商標の第4文字が「ワ」であるのに対し、引用商標が「ウォ」と相違しており、取引者・需要者は前記の相違により十分区別し得るものである。
(5)観念について
本件商標から生ずる「働く看護師」程の観念を有するのに対して、引用商標は、一種の造語と認められるものであるから、観念上、比較すべもないものである。
してみると、本件商標は、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標と類似する商標とはいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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