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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2009−890081(T2009−890081/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5017320号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示したとおりの構成よりなり、平成18年7月4日に登録出願、同年12月7日に登録査定、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤,消臭芳香剤,その他の香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」のほか第5類、第10類、第29類、第30類、第32類、第35類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、平成19年1月12日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標は、第3類の指定商品中「せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤,消臭芳香剤,その他の香料類」についての登録を無効とする、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第17号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 請求の理由

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、請求人が引用する登録第487383号商標(以下「引用商標1」という。)は、「リアル」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和30年8月26日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和31年9月4日に設定登録、その後、昭和52年2月14日、昭和61年11月13日、平成9年2月27日及び平成18年7月4日の4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成19年2月21日に指定商品の書換登録があった結果、第3類「コールドパーマネントウェーブ乳液,香水類,フケ取り香水,香料類(薫料・香精・天然じゃ香・芳香油を除く。),吸香,におい袋,人造じゃ香,香油,髪膏,おしろい,化粧下」とするものである。

同じく、登録第4277802号商標(以下「引用商標2」という。)は、「REAL」の欧文字と「リアル」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成10年2月5日に登録出願、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,薫料,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成11年5月28日に設定登録、その後、平成21年5月26日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

同じく、登録第4277803号商標(以下「引用商標3」という。)は、「REAL」の欧文字を横書きしてなり、平成10年2月5日に登録出願、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,薫料,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成11年5月28日に設定登録、その後、平成21年5月26日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

以下、これらを一括して「引用各商標」という。

そして、本件商標は、赤地に白抜き欧文字にて、上段に「ReaL」、下段に「Labo」の文字を配した二段構成よりなるものであるが、「Labo」の部分は、「LABORATORY(研究室)」を表すにすぎないものであり、本件商標の自他商品識別力を有する部分は、「ReaL(審決注:「リアル」とあるのは誤記と判断した。)」の部分にある。

一方、引用商標1は、片仮名文字「リアル」を横書きしてなるものであり、引用商標2は、欧文字「REAL」と片仮名文字「リアル」を二段横書きしてなり、引用商標3は、欧文字「REAL」を横書きしてなるものであるから、いずれも「りある」と称呼され、片仮名文字「リアル」、欧文字「REAL」をその要部とするものであって、「せっけん類,化粧品,香料類,歯磨き」等を指定商品とするものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤,消臭・芳香剤その他の香料類」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、無効とされるべきである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

請求人は、昭和20年12月に創業し、以来60有余年の間、染毛剤及び頭髪用化粧品の研究開発、製造、販売を行ってきたものである(甲第5号証)。

そして、請求人は、生産販売に係る商品の紹介用印刷物として、「REAL PRESS」なる印刷物を1996年9月より発行しており(甲第6号証の1ないし9)、2007年8月には、第23号が発行されるに至っている。

また、社団法人日本毛髪科学協会発行の雑誌「皮膚と美容」平成15年3月30日発行の第35巻1号(甲第7号証)及び平成20年9月30日発行第40巻3号(甲第8号証)、講談社発行の雑誌「VoCE」平成14年7月1日発行第5巻7号(甲第9号証)、新美容出版株式会社発行の雑誌「SHINBIYO marcel」2002年12月号(甲第10号証)、2005年3月号(甲第11号証)、株式会社女性モード社発行雑誌「ヘアーモード」02−03年11月号特別付録(甲第12号証)2006−2007年11月号特別付録(甲第13号証)、株式会社ベルシステム24発行の雑誌「Urb」2004年3月1日発行の第8巻第5号(甲第14号証)、株式会社ビービー・コム発行の雑誌「BBCom」2006年4月20日発行の第10巻第5号通巻113号(甲第15号証)、株式会社髪書房発行の雑誌「Monthly BOB」2006年8月1日発行の通巻39号(甲第16号証)、株式会社女性モード社発行の雑誌「月刊美容界」2009年4月1日発行の第559号(甲第17号証)等に、請求人の広告及び記事が掲載されている。

このように、我が国の美容業界において、請求人会社は、著名な存在であり、本件商標使用の商品は、あたかも請求人の業務に係る商品であるかのごとく、混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号にも違反して、登録されたものである。

2 弁駁の理由

(1)請求人は、本件商標と引用各商標が外観上異なるものであることは認めるとしても、称呼上は類似するものであることを主張する。

(2)本件商標は「ReaL」と「Labo」の文字が二段に分離して構成されているものである。

したがって、本件商標からは「リアル」の称呼と「ラボ」の称呼それぞれが発生するものであることは、論を俟たないところである。

被請求人は、本件商標は「ReaL」と「Labo」の文字を二段に配してなるが、全体として一個の図形としても認識できるものであり、「ReaL」と「Labo」の一体性は極めて強いものであるから、これらの文字からは「リアルラボ」の称呼のみが生ずるものであると云う。

そして、被請求人は、東京高裁平成1年(行ケ)第60号平成元年12月21日判決を挙げている。

該判決は、「FUJI」と「ELECTRIC」の文字を二段構成した商標が不可分一体として把握されるものである、と判決したものである。

しかしながら、該判決においても、別々に称呼される構成部分が二段に分離して表された場合には、二つの構成部分がそれぞれ独立して把握されるものであると認めている。

ただ、該判決の対象となった商標は、その上段文字、下段文字のデザイン化した態様をも共通しているから、二つの構成部分は、結合した一体感あるものとして視覚に訴えるものであり、外観上不可分一体として把握されるものである、として判決されたものである。

なお、判決に係る商標は、いわゆる商号商標と考えられるところから、一連に称呼されるものと認められた可能性があるものと思料されるものである。

該判決商標に比して、本件商標は特に際立ってデザイン化された文字にて構成されているものではなく、普通の活字体により、上段に「ReaL」、下段に「Labo」の文字を配置するものであるから、「リアル」と「ラボ」の両方の称呼が別々に生ずるものであることは明らかである。

現に、特許庁のホームページにおける登録情報の称呼欄においても、本件商標の称呼は、「リアルラボ」と「リアル」、「ラボ」の三つが記載されており、「リアル」単独でも称呼されることを認めているものである(甲第1号証)。

したがって、本件商標は、引用各商標と同一の称呼を生ずるものであり、この点において引用各商標と類似たるを免れないものである。

(3)また、本件商標の「Labo」の部分は、「LABOLATORY(研究室)」を表すにすぎないものであるとの請求人の主張に対し、被請求人は「本件商標の第35類、第41類、第42類の役務標記の一部で『ラボ(研究室)』で研究開発された・・・」という表現があるが、本件商標の無効が争われている第3類「せっけん類、歯磨き、化粧品、芳香剤、消臭芳香剤、その他の香料類」については、このような記述はない、と主張する。

しかしながら、或る商標の商標部分についての主張は、その商標全体に関して及ぶものであり、指定商品、指定役務毎に判断されるものでは無い。すなわち、「ラボ(研究室)で研究開発された・・・」という表現は、本件商標全体に及ぶものである。

よって、本件商標の「Labo」の部分は、自他商品識別力が弱く、識別力を有する部分は「ReaL」にあるものと思料されるものである。

(4)また、請求人は、本件商標は、全体で「実際研究所」というような一個のまとまった観念を有することから、単なる「リアル」「REAL/リアル」「REAL」なる引用各商標とは異なる観念を有する、と主張する。

しかしながら、本件商標は「ReaL」と「Labo」の二つに分離判断されるものであり、この二語が合わさって一個の観念が生ずるものでは無く、被請求人の主張は認められないものである。

(5)被請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号にも該当するとの請求人の無効理由に対し、請求人製品の購買層及び需要者層はヘアサロン(美容室、プロの美容師)であるから被請求人の商品とは混同を生じることは無いと主張する。

しかしながら、甲第6号証ないし甲第17号証に示すとおり、引用商標、請求人会社は美容業界において、また美容室関係者だけでなく、サロンに訪れる一般の来店客等の間でも広く知られており、本件商標は請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものであることは明白である。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第289号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)外観について

本件商標は、欧文字「ReaL」及び「Labo」をえんじ色の横長長方形の内部に白抜きで二段に配し、その長方形の下部に同色の線を一本配した構成である。これに対し、引用商標1は、片仮名文字「リアル」を横書きしてなるものであり、引用商標2は、欧文字「REAL」と片仮名文字「リアル」を二段に書してなるものであり、引用商標3は、欧文字「REAL」を横書きしてなるものであるから、本件商標は、えんじの色彩付きの長方形図形である点で、引用各商標とは、著しく異なり、両者は、外観上極めて容易かつ明確に区別できる非類似の商標である。

(2)称呼について

本件商標中の「ReaL」「Labo」の文字は、えんじ色の長方形中に白抜きで統一された字体により表示され、上段においては、末尾が大文字にされ、その「L」が下段語頭の大文字「L」と呼応するようにデザインされている。このように、本件商標は、その外形がえんじ色の長方形であって、全体として統一感のある1個の商標として認識できるよう構成されている。

換言すれば、本件商標は、欧文字「ReaL」及び「Labo」を二段に配してなるが、上記のとおりえんじ色の長方形の内部に白抜きでバランスよく配されているものであり、一個の図形としても認識できるものであり、「ReaL」と「Labo」の一体性は、極めて強いものであるから、これらの文字から、「リアルラボ」の称呼が生じることが明らかである。

これに対し、引用各商標は、「リアル」「REAL」の文字よりなるから、「リアル」の称呼が生じることが明らかである。

なお、東京高裁平成1年(行ケ)第60号平成元年12月21日判決は、「『FUJI』と『ELECTRIC』の文字を二段構成した商標が不可分一体として把握されるものである」旨、判示している。

本件商標は、えんじ色の長方形を基調としており、上記判決の対象となった商標に比して、より一体性が強いものであるから、この判例に照らしても、本件商標からは、「リアル」単独の称呼は生じない。

しかして、「リアルラボ」と「リアル」とは、構成音数が5音と3音と明確に相違し、前者は、後者にない「ラボ」の音を有する点で大きく異なるから、両称呼はきわめて容易かつ明確に区別できる。

したがって、本件商標と引用各商標が称呼上混同を生じるおそれは全くない。

(3)観念について

本件商標は、あえて分析するのであれば、「ReaL」と「Labo」の2つの単語を含むと解することができ、「ReaL」(リアル)は、「実際に存在するさま。現実的。実在的。真に迫ったさま。写実的。」、「Labo」(ラボ)は、「ラボラトリーの略」(研究所)というような意味を有する(広辞苑第五版)。

したがって、本件商標全体としては、例えば「実際研究所」というような観念が生じる。

他方、引用各商標を構成する「リアル」「REAL」は、上記のとおり「実際に存在するさま。現実的。実在的。真に迫ったさま。写実的。」という既存の英語の形容詞そのものである。

つまり、本件商標は、全体として「実際研究所」のような研究所の名前を想起させ、固有名詞的に理解されるのに対し、引用各商標は、上記の意味を有する単語そのものであるから、両者が観念上の混同を生じるおそれは全くない。

(4)「ラボ」についての請求人の主張について

請求人は、「(本件商標中)『Labo』の部分は、被請求人が自ら『ラボ(研究室)で研究開発された・・・』と述べているとおり『LABORATORY(研究室)』を表すにすぎないものであり、本件商標の自他商品識別力を有する部分は、『リアル』の部分にあるものと思料される。」と主張している。

しかしながら、本件商標は、「リアルラボ」全体で一体不可分の商標であり、「リアル」のみを要部として認識すべき理由はない。

確かに、本件商標の第35類、第41類、第42類の役務表記の一部で「ラボ(研究室)で研究開発された・・・」という表現があるが、本件商標の無効が争われている第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤,消臭芳香剤,その他の香料類」については、このような記述はない。

したがって、本件無効審判の対象指定商品との関係において、第35類、第41類、第42類の役務表記において一部使用された「ラボ(研究室)で研究開発された・・・」という表現を考慮すべき余地はない。

さらに、本件商標の構成に照らしても、消費者がこのうち下段の「Labo」にのみに注目することはあり得ず、本件商標は、その全体的な構成から「本物の研究所(リアルラボ)」で開発された信頼性の高い確かな製品をイメージさせる暗示的商標として、全体的に理解されるとみるのが自然である。

すなわち、前記のとおり、本件商標「ReaL/Labo」は、全体として固有名詞的に理解される1個の造語であるから、むしろ、その意味からも(リアルラボという)一定の出所を直接表示するものといえ、本件商標から「Labo」のみが除外して認識されるとすべき理由はない。

すなわち、本件商標中「Labo」の文字が「LABORATORY(研究室)」を意味するとしても、「Labo(ラボ)」は、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤,消臭芳香剤,その他の香料類」との関係において、何らそれらの品質表示とは認識されない。

このことは、例えば、指定商品「化粧品,香料類」について、「ラボ」の文字のみからなる商標が現に登録されている(登録第5187787号、乙第3号証)ことからも明らかである。

(5)本件商標の構成と「Labo(ラボ)」の関係

上述のとおり、本件商標は、同一の書体、同一の大きさの文字「ReaL/Labo」をデザイン的に統一された態様で一体的に長方形内部に配した構成であること、本件商標から生じる「リアルラボ」の称呼は、わずか5音であり、よどみなく一気に称呼し得ること、「ReaL/Labo(リアルラボ)」全体で「実際研究所」というような1個のまとまった観念を有することから、これに接する消費者は、そのまま「ReaL/Labo(リアルラボ)」という名前の商品と認識すると考えるのが自然である。換言すれば、本件商標は、被請求人による造語であって、その全体で一体不可分の商標と認識されると解するのが合理的かつ自然である。

以上のとおり、本件無効審判の請求対象の商品との関係において「Labo」の文字が識別力を欠くという前提に立つ請求人の主張は理由がなく、したがって、本件商標において「ReaL(リアル)」のみが自他商品識別力を有する部分であるとする請求人の主張は、失当である。

(6)先例

ある語からなる商標と、その語尾に「ラボ(Labo)」を有する結合商標が、現に多数併存登録されている。

●「Stylelabo」(登録第5256973号)と「STYLE」(登録第2343696号)

●「Love Labo」(登録第5225546号)と「LOVE」(登録第2219231号)

●「SWEETLABO\スイートラボ」(登録第5051549号)と「SWEET\スウィート」(登録第4651748号)

●「スマイルラボ」(登録第5178646号)と「スマイル」(登録第4828136号)

●「シスターラボ」(登録第5006586号)と「シスター\SISTER」(登録第1646001号)

●「Cell labo\セルラボ」(登録第4842472号)と「CELL」(登録第4518633号)

●「TOWNLABO\タウンラボ」(登録第4430837号)と「TOWN\タウン」(登録第4061091号)

●「リラックスラボ」(登録第4772014号)と「RELAX\リラックス」(登録第4243141号)

●「シャトルラボ\SHUTTLE LABO」(登録第2040073号)と「シャトル\SHUTTLE」(登録第4839503号)

上記登録例は、いずれも末尾の「ラボ(Labo)」の文字を除いた部分が共通しているにもかかわらず登録されているものであり、いずれも「○○ラボ(Labo)」全体で一体不可分に認識されるから「○○」とは、非類似と判断されたものと解される。特に上記各結合商標は、外観上デザイン的に一体化されている本件商標よりも2語性が強いとみられるが、なお、各両商標は、非類似とされているのである。

また、次の例に示すように、「リアル」を語頭に有する商標も引用各商標と併存して多数登録されている。

●「リアルズーム\REAL ZOOM」(登録第5201884号)

●「リアルナチュラル」(登録第5148372号)

●「リアルディープ\REAL DEEP」(登録第5128635号)

●「リアルウェイ\REAL WAY」(登録第5105525号)

●「REAL STYLE」(登録第4761598号)

●「リアルリッチ\REALRICH」(登録第4761418号)

●「リアルワンダー REAL WONDER」(登録第4760751号)

●「リアルフィット\REALFIT」(登録第4760562号)

●「リアルリセット\REALRESET」(登録第4735515号)

●「リアルグロッシー」(登録第4706536号)

上記登録例は、いずれも「リアル」と他の単語の組合せからなるが、引用各商標と併存して登録されているものであり、いずれも全体で一体不可分のものとして引用各商標とは、区別可能と判断されたものと解される。特に、「リアルナチュラル」「REAL STYLE」における「ナチュラル」「STYLE」は、本件商標中の「Labo(審決注:「ラボ」とあるのは誤記と判断した。)」などよりはるかに識別性が弱いと解されるにもかかわらず、一体性が認められているのである。

このように、「リアル○○」が「リアル」と多数併存登録されている現実からも、さらに、そもそも「ReaL(リアル)」の語が形容詞であるという性質からも、「ReaL(リアル)」の語自体は、他の語と結合し易い造語要素と解され、その結合の結果である上記商標や本件商標は、一体性が強固であって、各構成要素に還元して認識されるようなことはないと解するのが合理的である。

以上のとおり、本件も上記登録例と全く同様であって、本件商標は、全体で一体不可分の出願人による造語商標であり、引用各商標とは、十分に区別できる。

(7)本件商標は、引用各商標とは非類似の商標であって、商標法第4条第1項第11号には該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)引用各商標の使用態様

ア 請求人の商品

請求人のウェブサイトによれば、「リアル」「REAL」の文字からなる商標が、頭髪用化粧品、具体的には、ヘアカラー用剤、パーマ用剤、スタイリング用剤、ヘアケア用剤(以下「請求人製品」という)に使用されている(乙第4号証)。

イ 主たる需要者

請求人製品の主な購買層及び需要者層は、ヘアサロン(美容室、プロの美容師)である。このことは、例えば、請求人の提出に係る次の甲号証の記述からも明白である。

甲第5号証1頁裏:「サロンを繁盛させることが結果としてリアル化学の売上にもつながるわけですから、・・・」「開発部の仕事は美容師さんや自社スタッフにヒヤリングして、・・・」

甲第6号証の1:「サロン探訪」「パーマ、ヘアカラー技術の完成度を高める・・・」

甲第6号証の2:「サロンで実際に行っている工夫点をきいてみました。」(4頁)、「サロン価格」(6頁)

甲第6号証の3:「人気サロンのヘアデザイナー達が・・・」「人気サロンのカラーリストが・・・」

甲第6号証の4:「サロンでしかできないウィービング、・・・」(5頁)

甲第6号証の6:「美容業界のヘアケア事情と・・・」「美容業界では、ケラチンが・・・」(3頁裏)

甲第6号証の7:「サロンにいらしたお客様が・・・」(2頁裏)

甲第7号証:「医薬部外品 美容室専用」(広告頁右下隅)

甲第8号証:「〈染毛料〉美容室専用」(広告頁)

甲第12号証:「パーマこそ、美容師の力量が問われる!」(表紙)、「サロンの施術時間とコストダウンをかなえる、理想的なパーマ液が誕生しました。リアル化学(株)より発売された『リアルpptドゥ ウェーブ』がその商品。」(52頁)

甲第16号証:「今日のお客の明日のスタイル、見えますか」(表紙)。「パーマ客の約半数が・・・」(2枚目)

甲第17号証:「美容界」(表紙・タイトル)、「・・・美容サロンにおけるエコヘの興味を・・・」(14頁)

つまり、仮に引用各商標がある程度知られているとしても、その範囲は、請求人の甲号証に示すとおり、ヘアサロン業界という極めて特殊な業界に限られている。

ウ 業界シェア

請求人製品のヘアサロン業界における市場占有率(シェア)は、乙第5号証「2004年サロン用化粧品の市場分析調査」のとおり、当業界においてさえ、大きなシェアを占めているとは認められない。乙第5号証における用途別(業務用)メーカー別シェア分析(第11頁)によれば、業務用化粧品のメーカー別シェアにおける請求人製品の割合は、2000年度、2001年度は、1%、2002年度、2003年度は、更に低く0.9%にすぎず、分野別(頭髪化粧品)のメーカー別シェアにおいても、請求人製品の割合は、2000年度、2001年度は、1.6%、2002年度、2003年度は1.4%にすぎない。

つまり、請求人製品は、業務用美容業界においても、「著名」という程に知られているとは到底いえない状態であり、「我が国の美容業界において、請求人会社は、著名な存在」であるとの請求人の主張は、根拠を欠くものである。

また、請求人が提出した甲号証からは、請求人製品の販路が美容業界であることやその特徴、使用方法等を理解することはできるが、引用各商標が著名であることを示す資料は、見当たらない。

(2)本件商標の使用態様

ア 被請求人の商品

本件商標は、アンチエイジングのための化粧品に現在使用されている。

具体的には、

(a)くすみ・ザラつき用化粧水(製品名:「ホワイトナノブライトニングローション」)、

(b)たるみ用美容液(製品名:「ナノプロテインジェル」)、

(c)保湿クリーム(製品名:「ウルトラモイスチャライジングクリーム」)、

(d)年齢線(シワ)用美容液(製品名:「ミクロヒアルロン酸シェル」)、

(e)メイク落とし(製品名:「デュアルコンパチブルリキッドクレンジング」)、

(f)洗顔料(製品名:「プラスチャージドトーニングウォッシュ」)、

(g)フェイスマスク(製品名:「ディープグローイングマスク」)、

(h)くちびる用美容液「製品名:リップグラマラスエッセンス」)が現在販売されている製品のラインナップである(以下「リアルラボ製品」という。)(乙第286号証の1ないし4)。

発売時期は、上記(a)ないし(d)が2006年10月1日(乙第286号証の1)、(e)及び(f)が2008年3月10日(乙第286号証の2)、(g)が2008年10月1日(乙第286号証の3)、(h)が2008年11月であり、現在も継続して販売されている。

イ 主たる需要者

リアルラボ製品は、インターネット、電話、FAXといった通信販売によって、販売されており(乙第287号証)、アンチエイジングのための化粧品であることから、主な購買層及び需要者層は、50代を中心とした40代から60代の女性(一般消費者)である。また、通信販売サイトの会員数は、現在177,291人であって、リアルラボ製品発売開始以降、順調に会員数を増やしている(乙第288号証)。

ウ 宣伝・広告

被請求人は、リアルラボ製品の宣伝広告をその販売開始以来積極的に行っている(乙第6号証ないし乙第285号証)。リアルラボ会員に対しては、情報誌(リアルラボレター)の送付(乙第6号証ないし乙第21号証)、季節ごとの商品キャンペーンのお知らせ(例えば、乙第58号証等)を積極的に行い、継続的な商品購入を促進している。また、被請求人は、リアルラボ製品販売開始以降、継続して新聞に折込チラシを入れたり(乙第96号証ないし乙第204号証)、雑誌、新聞に広告を掲載している(乙第205号証ないし乙第285号証)。

具体的な宣伝広告内容は、例えば、以下のとおりである。

a 雑誌(乙第205号証ないし乙第241号証)

リアルラボ製品が紹介・広告されている雑誌は、いずれも一般向けの週刊誌、ファッション誌、情報誌である。

乙第206号証:リアルラボ ディープグローイングマスクについての記事<記事内容より一部抜粋>

「『女性セブン』お試し隊が行く!」「本紙読者が『気になっていたアレ』を徹底的に検証。今回はお試し隊・大阪支部の3人が“正味の話”で人気のシートマスクを本音斬りします!」

乙第210号証:リアルラボ製品の発売開始を告知する広告<記事内容より一部抜粋>

「10月1日発売/9月1日より購入受付開始。」「先着10,000名様お試しセットプレゼント!今までとは違う『届く力』を実感してください。」

乙第214号証:リアルラボ製品についての商品紹介記事<記事内容より一部抜粋>

「フラウ世代が肌を任せるならば、やっぱり信頼できるスキンケアを選びたい。『リアルラボ』ならば、きっとあなたの期待にこたえてくれるだろう。」

乙第223号証:リアルラボ製品の読者プレゼント記事<記事内容より一部抜粋>

「製薬会社発想のスキンケアライン/小林製薬『リアルラボ』」「4アイテムが試せるサンプルセットを、今回50名様にプレゼントします。」

乙第233号証:リアルラボ製品についての商品紹介記事<記事内容より一部抜粋>

「製薬会社として90年近い歴史を持つ小林製薬が、技術力と研究成果を結集して誕生させた『リアルラボ』は、“暴走肌”に立ち向かうために開発されたスキンケアシリーズです。」「この秋、本格的なエイジングケアを始めたい人は、製薬会社ならではの実力を試してみませんか。」

乙第236号証:リアルラボ製品についての商品紹介記事<記事内容より一部抜粋>

「そんな堤さんを最近、心底うならせたスキンケアがあった。その名は『リアルラボ』。小林製薬とスキンケア原料分野で最新テクノロジーを持つ、エングルハード・リヨン社(フランス)の共同開発によって誕生した新ブランドだ。」

b 新聞(乙第242号証ないし乙第285号証)

乙第248号証:リアルラボ製品についての商品広告記事<記事内容より一部抜粋>

「小林製薬は、製薬会社の視点で原材料を厳選した通販専用の化粧品『リアルラボ』シリーズ6製品を発売中。」

乙第255号証:リアルラボ製品についての商品紹介記事<記事内容より一部抜粋>

「クローズアップ話題の商品」「小林製薬が、医薬品メーカーの視点で研究開発したスキンケアライン『リアルラボ』」「新時代の機能性スキンケアとしてこれから注目を集めそうだ。」

乙第262号証:リアルラボ製品についての商品広告記事<記事内容より一部抜粋>

「まずは、お試しください。/小林製薬が開発したエイジング・スキンケアシリーズ/『リアルラボ』無料お試しセット/送料無料」

乙第274号証:リアルラボ製品についての商品広告記事<記事内容より一部抜粋>

「今なら読者限定で、『リアルラボ』美肌のトータルケアお試し4点セットを付けて10%オフの5,670円で提供。送料無料。」

以上のとおり、被請求人は、新聞への折込チラシ、雑誌、新聞に、リアルラボ製品の商品紹介・プレゼント企画・使用者の体験談などの記事を掲載することで新規顧客開拓に励み、これらの宣伝広告が、記事に興味をもった消費者による通信販売サイトヘのアクセスを誘引し、商品購買の意欲を高めている。

そして、宣伝広告記事が掲載されている新聞・雑誌は、いずれも一般の書店や駅で購入可能な一般消費者向けのものであって、リアルラボ製品の販売ターゲット及び顧客は、アンチエイジングに興味がある一般消費者であることは、明らかである。

また、これらの広告には、「小林製薬株式会社/リアルラボ事業部」の表示がなされており、「リアルラボ」は、被請求人と結びつけて記憶されるよう配慮されている。

以上のとおり、被請求人の宣伝広告活動により、リアルラボ製品の知名度は順調にあがっており、現にインターネット検索エンジン「Google」で「リアルラボ」を検索すると、ヒット数は、16,100件にもなる(乙第289号証)。

(3)混同の可能性

上述のとおり、被請求人のリアルラボ製品はアンチエイジング化粧品に使用されるものであり、主な顧客は一般消費者である。

これに対し、請求人の製品は、毛髪美容(ヘアサロン)業界の業者を主たる顧客とするものである。

したがって、両製品は、その販売経路、需要者層等を全く異にするものである。

また、請求人製品は、ヘアサロン業界の業者(プロ)を主な顧客としているから、そのような専門業界においては、相当の注意をもって商品の取引にあたるものと考えられる。しかも、上記のとおり、請求人の製品ないし「リアル」の商標は、到底著名ないし周知というような程度に至っているとは、認められない。

そもそも本件商標と請求人の商標「リアル」とは、商標自体が非類似であるので、このような商標が商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生じるおそれ」に該当するには、取引の実情に照らし、両者の業務が明らかに競争関係にあること(流通経路・需要者層等が一致していること)、及び、請求人の商標に極めて高度な周知性(著名性)があること、が不可欠と考えられる。

しかしながら、上記のとおり、請求人・被請求人の各商品は、実際上まったく競争関係になく、かつ、請求人の商標の認知度はその使用範囲・シェア等からみて低いものであるから、本件商標が請求人の商標との関係で出所について混同を生じさせるおそれは全くない。

すなわち、本件商標を本件無効審判の対象指定商品「せっけん類,歯磨き,化粧品,芳香剤,消臭芳香剤,その他の香料類」に使用した場合に、これに接する需要者すなわち一般消費者が、請求人商標(引用各商標)を想起して、同商品を請求人の業務に係る商品であるかのごとく誤信するというようなことは、絶対にあり得ない。

なお、広告における前記「小林製薬株式会社/リアルラボ事業部」の記載も相まって、被請求人の商品が請求人の商品と現実に混同された事例もない。

(4)以上の事実からみて、本件商標は、商標法第4条第1項第15号には、該当しないことが明らかである。

第4 当審の判断

1 引用各商標の周知著名性について

(1)請求人が提出した証拠について

甲第5号証は、請求人の会社案内であるところ、裏表紙の沿革には「1945年(昭和20年)12月 創業」及び「1975年(昭和50年)10月リアル化学に組織変更」と記載されている。そして、沿革の最後の記載は「2003年(平成15年)10月 青山スタジオ開設」とあるが、同号証の作成年月日が不明である。

甲第6号証は、請求人の生産販売に係る商品の紹介用印刷物「RealPress(リアルプレス)」であるところ、vol.1が、1996年9月頃に「1996 SEPTEMBER 秋号」の題号で発行され(甲第6号証の1)、また、Volume23(vol.23)が、2007年8月に発行されている(甲第6号証の9)。

しかしながら、甲第6号証は、9件にすぎないものであり、仮に、vol.1からvol.23までの全部がそろっていたとしても、その発行回数は、12年間で23回と決して多くはないものである。

また、甲第6号証の発行部数は、明らかではないものである。

さらに、甲第6号証は、「リアルではプロならではのテクニックが求められるヘアカラーリングにお答えできるよう、アシスタントとスタイリストの方を対象にしたプログラムでサロンをサポートしています。(甲第6号証の1)」とあるように、サロン(美容室)にいるプロ向けに発行したものと認められる。

そして、甲第6号証に掲載されている商品は、多くが「美容室専用」又は「業務用」の商品であると認めることができる(甲第6号証の1ないし7)。

なお、甲第6号証の9は、本件商標の出願後に発行されたものである。

甲第7号証及び甲第8号証は、社団法人日本毛髪科学協会が2003年3月と2008年9月に季刊として発行した印刷物「皮膚と美容」であるところ、甲第7号証は、「リアルカラー」が「美容室専用」の文字とともに、商品「酸性酸化染毛剤,過酸化水素水,酸化染毛剤」について広告されているものである。

なお、甲第8号証は、本件商標の出願後に発行されたものである。

甲第9号証は、平成14年7月1日発行の雑誌「VoCE(ヴォーチェ)」であるところ、「草木染め/リアル ボタニカルカラー」が、商品「ヘアカラー剤」について広告されているものである。

甲第10号証及び甲第11号証は、新美容出版株式会社が2002年12月1日と2005年3月1日に発行した雑誌「SHINBIYO marcel」であるところ、この雑誌の発行部数は、明らかではないものであり、また、甲第11号証は、主に請求人会社に関する抜粋記事である。

甲第12号証及び甲第13号証は、雑誌「ヘアモード第2別冊PERM BOOK」であるところ、この雑誌の発行部数は、明らかではないものであり、また、甲第12号証は、請求人商品の使用例に関する記事である。

なお、甲第13号証は、本件商標の出願後に発行されたものである。

甲第15号証は、株式会社ビービー・コムが平成18年4月20日に発行した雑誌「最強のサロン経営専門誌 BBcom(ビービー・コム)」であるところ、この雑誌は、サロン経営のための専門誌として、本件商標の出願前2月半ほど前に発行されたものである。

甲第16号証及び甲第17号証は、雑誌「Monthly BOB ヘアデザイニング研究触発誌」及び「月刊美容界」であるところ、いずれも本件商標の出願後に発行されたものである。

(2)まとめ

甲第6号証ないし甲第8号証、甲第10号証ないし甲第13号証及び甲第15号証ないし甲第17号証は、いずれも美容師又は美容室経営者向けに発行されたものであり、美容関連の専門家を対象とするものであって、引用各商標の使用も単独のものは、ほとんど認められない上、その書籍等の発行部数も不明である。

また、甲第5号証は、作成年月日が不明であり、甲第6号証の9、甲第8号証、甲第13号証、甲第16号証及び甲第17号証は、いずれも本件商標の出願後に発行されたものである。

以上のとおり、請求人が提出した証拠を総合勘案しても、請求人会社の著名性を認めるに足る客観的な証拠もなく、同時に引用各商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知著名な商標ということができないものである。

2 被請求人が提出した証拠について

被請求人が提出した証拠(乙第6号証ないし乙第289号証)によれば、被請求人は、2006年11月頃から「スキンケア用基礎化粧品」に、本件商標を使用していることが認められる。

そして、被請求人は、例えば、「リアルラボ ご愛用者の声」(乙第7号証ないし乙第10号証)、「リアルラボ宣言 リアルラボは、世界の先端技術・・・」(乙第21号証)、「リアルラボ 1周年特別セット」(乙第39号証)、「リアルラボのウルトラトリプル保湿」(乙第44号証)、「『リアルラボ』は、まったく新しい基礎化粧品のシリーズです。」(乙第101号証、乙第102号証、乙第105号証ないし乙第149号証、乙第152号証ないし乙第160号証、乙第163号証ないし乙第178号証、乙第183号証、乙第185号証ないし乙第192号証及び乙第194号証ないし乙第196号証)、「『リアルラボ』のトータルスキンケア・・・」(乙第201号証ないし乙第204号証)、「スキンケアシリーズ『リアルラボ』の新製品」(乙第247号証)のように、その多くは、本件商標と同時に「リアルラボ」の文字が使用されており、本件商標は、一貫して「リアルラボ」と呼称し、広告宣伝されていることが認められる。

3 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲に示したとおり、赤く塗りつぶした横長長方形内に「ReaL」及び「Labo」の欧文字を上下二段に横書きで白抜きし、その長方形の下部に同色の線を一本配した構成よりなるものであるところ、「ReaL」及び「Labo」の文字は、それぞれ同じ書体、同じ間隔で横長長方形内にまとまりよく構成されており、また、いずれが主従、軽重の関係になく、冗長であるとかその他これらを分離して看取しなければならない理由は、認められないところである。

また、本件商標は、他人の周知著名商標を一部に有するものでもない。

そして、本件商標中の「ReaL」の文字が「本当の。真実。」を意味する英語「real」であるとしても、「実験室」を意味する英語の「laboratory」の短縮形は、「lab」である(小学館ランダムハウス英和大辞典)ことから、本件商標中の「Labo」の文字は、特定の意味を有しない語と判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、特定の観念を生じない一連の造語よりなるものというべきである。

また、本件商標は、外観においても、観念においても一体のものとして認識されるものであり、また、前記のとおり「リアルラボ」の称呼をもって取引されているものであるから、「リアルラボ」の称呼のみを生ずるものというべきである。

他方、引用商標1は、「リアル」の片仮名文字よりなるものであり、引用商標2は、「REAL」の欧文字と「リアル」の片仮名文字よりなるものであり、また、引用商標3は、「REAL」の欧文字よりなるものであるから、引用各商標は、「リアル」の称呼のみを生じ、「本当の。真実。」の観念を生ずるものというべきである。

そこで、本件商標と引用各商標とを比較すると、本件商標が「リアルラボ」の称呼のみを生じるのに対し、引用各商標は「リアル」の称呼のみを生じるから、後半の「ラボ」の音の有無に明確な差異が認められ、これらを一連に称呼した場合であっても、十分に聴別し得るものである。

そして、観念においては、本件商標からは、格別の観念を生じないから、比較することができないものである。

さらに、本件商標と引用各商標とは、それぞれ前記のとおりの構成からなり、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標といわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

4 商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用各商標とを比較すると、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。

また、本件商標は、前記のとおり「リアルラボ」の称呼のみを生じるのに対し、引用各商標は「リアル」の称呼のみを生じ、その音数及び構成音を異にするものであるから、全体として互いに紛れることなく、容易に聴別し得るものである。

さらに、観念においては、本件商標からは、格別の観念を生じないから、比較することができないものである。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、別異の商標といわざるを得ない。

さらに、引用各商標は、前記のとおり、周知著名商標とは認められないものであるから、本件商標を請求に係る商品について使用しても、請求人又は請求人と経済的・組織的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。

3 結び

以上のとおり、本件商標は、請求に係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号の規定に違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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