結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−301063(T2008−301063/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3122326号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」を指定役務として、同8年2月29日に特例商標として設定登録され、その後、同18年1月31日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。そして、本件審判の請求の登録日は、平成20年9月5日である。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、第42類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」の指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 乙第7号証ないし乙第12号証について
乙第7号証ないし乙第12号証は、本件審判請求前3年以内の使用を証明する証拠に当たらず、商標登録の取消しを免れるには無意味な証拠である。
イ 乙第14号証について
乙第14号証は、日付の記載がなく、本件審判請求前3年以内の使用を証明する証拠としては不十分で、商標登録の取消しを免れる証拠には当たらない。
ウ 乙第16号証ないし乙第20号証について
乙第16号証ないし乙第20号証は、本件審判請求前3年以内の使用を証明する証拠に当たらず、商標登録の取消しを免れるには無意味な証拠である。
エ 乙第1号証ないし乙第6号証について
乙第1号証ないし乙第6号証は、外国人からの単なるレターであり、取引書類(契約書、請求書、領収書、納品書、売上伝票、仕訳帳等)には、該当しないと考えられる。
しかも、使用許諾を受けた者が作成したものではなく、外国人が使用許諾を受けた者と思われる者に送付したものにすぎず、使用許諾を受けた者の使用を証明する書類には該当しない。
使用許諾を受けた者は、自ら作成した取引書類に商標を付して相手側に送付するものだからである。
また、乙第1号証ないし乙第6号証には、商標文字部分がつぶれて判読できず、本件商標の要部が存在するのか確認できない。
被請求人は、弁護士・弁理士浜田治雄に使用許諾していると主張しているが、乙第1号証ないし乙第6号証は、浜田治雄が使用をしていることを証明してはいない。
オ 乙第14号証及び乙第21号証ないし乙第28号証について
乙第14号証及び乙第21号証ないし乙第28号証は、求人募集の書面であり、広告、価格表若しくは取引書類を内容とする情報を開示してはいない(商標法第2条第3項第8号)。
カ 使用許諾を証明する書類の欠如、
被請求人は、弁護士・弁理士浜田治雄に使用許諾していると主張しているが、何らそれを証明する書面を提出していないので、被請求人が浜田治雄に使用許諾していることは不明である。
キ よって、被請求人は、不使用取消しを免れるに十分な立証をしておらず、本件商標は、第42類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第28号証及び参考資料1を提出した。
(1)被請求人は、特許・実用新案・意匠・商標登録、著作権登録、種苗登録など知的財産に関する翻訳、調査、管理、講演、その他知的財産に関わる業務につき、昭和46年2月16日に設立されて以来、世界中を対象に幅広く行っているものであるところ、被請求人と協力関係にある東京都港区南青山3丁目4番12号知恵の館に所在する浜田国際法律事務所(以前は、浜田国際特許商標事務所)の所長を務める弁護士・弁理士浜田治雄に対し、本件商標について通常使用権を許諾している。そして、弁護士・弁理士浜田治雄は、英文名称を「UNIVERSAL PATENT BUREAU」と称している浜田国際法律事務所のシンボルマークとして本件商標を、第42類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」について、本件審判請求前3年以内に使用している。
(2)具体的に使用の事実を次のとおり証拠によって裏付ける。
乙第1号証ないし乙第6号証は、浜田国際法律事務所の英文名称である「UNIVERSAL PATENT BUREAU」が記載されたレターヘッドを使用して日本国特許庁に対する特許出願等の工業所有権に関する手続の代理をしている事件に関し、外国代理人事務所と通信した際の書簡の写しである。すなわち、
乙第1号証は、対応する米国特許と同じように日本国特許出願の特許請求の範囲を補正して良いか確認を求める2008年5月7日付けの書簡に記された外国代理人事務所の回答メッセージである。
乙第2号証は、日本国特許庁に特許出願したことを報告する2007年10月31日付けの書簡である。
乙第3号証は、日本国特許庁に商標登録出願したことを報告する2007年5月11日付けの書簡である。
乙第4号証は、日本国特許庁から特許証が発行されたことを報告する2007年8月2日付けの書簡に記された外国代理人事務所の受領確認のメッセージである。
乙第5号証は、日本国特許庁に特許出願した案件について審査請求の要否を問い合わせる2007年1月30日付けの書簡に記された外国代理人事務所の回答メッセージである。
乙第6号証は、日本国特許庁に特許出願した案件について審査請求の要否を問い合わせる2006年9月28日付け催告状に記された外国代理人事務所の回答メッセージである。
これらの書簡は、浜田国際法律事務所から発信されたのち、受信した外国代理人事務所から受領印等を押されて返信されてきたものも含んでいることから、日本国特許庁に対し実際に特許出願等工業所有権に関する手続の代理を行って、そのことで外国代理人事務所との間で通信が行われたことは間違いのない事実である。また、これらの書簡のレターヘッドには、本件商標が付されていることから本件商標の使用に当たることは明らかである。
なお、当該レターヘッドに付された本件商標の下に「Since1967」という記載が見られるが、これは、「UNIVERSAL PATENT BUREAU」、すなわち、浜田国際法律事務所が、その前身である浜田国際特許商標事務所であった期間も含めて、1967年の創立以来、現在に至るまで事業活動を行っていることを示すものであるが、同時に本件商標と同じ標章が、創立以来シンボルマークとして長年使用されてきたことを示すものでもある。すなわち、本件商標は、本件審判請求前3年より以前にも長年に亘って継続的に使用してきた(乙第7号証ないし乙第12号証)。
(3)また、浜田国際法律事務所は、積極的に営業活動も行っており、その一環として、2007年4月15日発行の経済産業新報(株式会社経済産業新報社)の第8面に特許事務所として広告を出しているが、その広告中にも本件商標が表示されている。
なお、当該広告中では特許出願手続の代理だけでなく、近年力を入れている種苗登録出願の代理も行っていることを明らかにすべく、「浜田国際特許種苗登録事務所」と記載するとともに、「すべての技術と植物の取扱い」をしていることが明記されている(乙第13号証)。
したがって、このことからも本件商標を使用していることは明らかである。
(4)さらに、浜田国際法律事務所は、インターネット上にホームページを持っているが(乙第14号証)、インターネット上のホームページの更新履歴を知ることができるインターネットのサイト「Wayback Machine」において、浜田国際法律事務所のホームページアドレスを入力して検索すると、浜田国際法律事務所のホームページは、次の日付で更新されていることが判かる(乙第15号証)。
2004年7月9日、2004年10月23日、2004年12月16日、2005年2月19日、2005年4月22日、2005年9月21日、2005年11月4日、2006年5月10日、2006年7月3日、2006年10月19日、2006年12月22日、2007年2月14日、2008年1月5日。
そして、それぞれの日付の部分をクリックすると、その日付で更新されたホームページの記録が現れるが、幾度となくされたホームページの更新にもかかわらず、本件商標はホームページ上から削除されることなく、いずれの日付のホームページの記録にも本件商標が付されていることから、少なくとも2004年頃から継続的に浜田国際法律事務所(以前は、浜田国際特許商標事務所)のホームページ上において、本件商標を使用していることは明らかである(乙第16号証ないし乙第28号証)。
なお、どの日付で更新されたホームページの記録であるかは、左下に示されているアドレス表示内に、例えば2004年7月9日を示す「20040709・・・」のような表示部分があることで確認ができる。
(5)以上の証拠を総合的に判断すれば、本件商標は、通常使用権者である弁護士・弁理士浜田治雄によって、第42類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」について、本件審判請求前3年以内に使用していることは明らかである。
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 平成19年4月15日付けの新聞「経済産業新報」(乙第13号証)には、その8面下段に、「浜田国際特許種苗登録事務所」に関する広告が掲載されている。同号証の3枚目は、当該広告欄を拡大コピーしたものと認められるものであるところ、当該広告欄は、枠囲いされた横長長方形内を横線で上下に仕切り、その横線の上側には、「すべての技術と植物の取扱い」、「浜田国際特許種苗登録事務所」及び「弁理士 浜田治雄」の各文字が上下三段に横書きされ、かつ、中央の「浜田国際特許種苗登録事務所」の文字の左側には、地球を模したと思しき円形図形の下に、内側に「Universal」の文字を筆記体で表したリボン状の図形を前記円形図形の最下部に重ねて配した標章(以下「使用標章」という。)が表示され、その下に「Since 1967」との表示がある。また、その横線の下側には、当該事務所の郵便番号、住所(東京都港区南青山3丁目4番12号)、電話番号、Fax番号、メールアドレス、URLの各記載がある。
イ ドイツの代理人事務所宛てに、日本国特許庁への特許出願に関する手続の代理をしている案件に関してファックスで確認を行った2008年5月7日付の書簡(乙第1号証)には、そのレターヘッドに、使用標章及びその下に「Since 1967」の文字、「UNIVERSAL PATENT BUREAU」、「4−12 MINAMI−AOYAMA 3−CHOME MINATO−KU,TOKYO,JAPAN」等が表示されている。そして、同書簡の右下部には、「Haruo HAMADA」及び「Universal Patent Bureau」の表示とともに署名がされている。また、同書簡には、ドイツの代理人事務所の受領印及び回答メッセージが書き込まれ、ファックスで返信された跡がある。
ウ ドイツの代理人事務所宛てに、日本国特許庁への商標登録出願をした旨を報告する2007年5月11日付けの書簡(乙第3号証)には、そのレターヘッドに、使用標章及びその下に「Since 1967」の文字、「UNIVERSAL PATENT BUREAU」、「4−12 MINAMI−AOYAMA 3−CHOME MINATO−KU,TOKYO,107−0062,JAPAN」等が表示されている。そして、同書簡の右下部には、「Prof.Haruo HAMADA」及び「Universal Patent Bureau」の表示とともに署名がされている。また、同書簡の右下部には、同日付でファックスを送信した旨の印影がある。
エ 上記のほか、ドイツの代理人事務所宛てにした、日本国特許庁に特許出願をした旨を報告する2007年10月31日付けの書簡(乙第2号証)及び日本国特許庁から特許証が発行された旨を報告する2007年8月2日付けの書簡(乙第4号証)にも、それぞれのレターヘッドに、使用標章及びその下に「Since 1967」の文字、「UNIVERSAL PATENT BUREAU」、「4−12 MINAMI−AOYAMA 3−CHOME MINATO−KU,TOKYO,107−0062,JAPAN」等が表示されている。そして、両書簡の右下部には、「Prof.Haruo HAMADA」及び「Universal Patent Bureau」の表示とともに署名がされている。
オ 上記アないしエにおける日付は、いずれも、本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件期間内」という。)の時期に該当するものである。
(2)本件商標は、別掲に示すとおり、地球を模したと思しき円形図形の下に、内側に「Universal」の文字を筆記体で表したリボン状の図形を前記円形図形の最下部に重ねて配した構成からなるものである。
これに対して、前記(1)の使用標章も、同じく、地球を模したと思しき円形図形の下に、内側に「Universal」の文字を筆記体で表したリボン状の図形を前記円形図形の最下部に重ねて配した構成からなるものであるから、使用標章は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。
この点に関して、請求人は、当該使用標章中の「Universal」の文字部分は、つぶれて判読できず、本件商標の要部が存在するのか確認できない旨主張する。確かに、当該使用標章中、乙第1号証及び乙第4号証に係るものは、リボン状の図形内にある「Universal」の文字部分がつぶれて鮮明でないところがあるけれども、それは、ファックスの送受信によって一部がつぶれたものと解されるのであって、被請求人の提出に係る証拠を総合して勘案するならば、当該文字部分は、本件商標と同じ「Universal」の筆記体が表されているものと優に推認することができる。したがって、使用標章は、上記のとおり、本件商標と社会通念上同一の商標と判断するのが相当である。
(3)使用標章は、弁理士浜田治雄によって使用されたと認められるところ、参考資料1によれば、浜田治雄は被請求人の取締役の1人であることが確認されるから、被請求人と浜田治雄の関係、及び浜田治雄に対して使用の許諾をしたという被請求人の主張を併せみれば、口頭によるか黙示的かは定かでないとしても、弁理士浜田治雄は、被請求人によって本件商標について使用を許諾された者(通常使用権者)とみるのが相当というべきである。
そうすると、使用標章は、弁理士である通常使用権者からその取引相手(在外代理人事務所)に送付された書面や通常使用権者の特許事務所についての広告において、弁理士に係る業務、すなわち「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」について自他識別のための標識として使用されたと認められるから、本件商標は、取消し請求に係る指定役務について使用されたと認め得るものである。
(4)以上よりすれば、本件商標は、本件期間内に、通常使用権者によって、取消し請求に係る指定役務について使用をされたと認め得るものであるから、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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