結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300510(T2009−300510/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3174407号商標(以下「本件商標」という。)は、「ベラム」及び「Vellum」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成5年9月16日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同8年7月31日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、第9類の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」については、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、第9類の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について、その登録を取消されるべきものである。
(2)弁駁
ア 被請求人の使用について
(ア)乙第2号証は平成18年5月21日、乙第3号証は平成19年11月28日のホームページ上の表示であるというが、ホームページ上の日付は書き換え、差し替えが容易であるため、それらの日付から直ちに、その日に表示されたものと認めることはできない。この理由は平成18年(行ケ)第10358号の判示と同旨である。
(イ)前記判示は次のとおりである。「一般的に、コンピューターの画面上に表されている作成日やアドレス、ファイル名(甲10においては・・・の部分)等は、これを書き換えたり、あるいは画面(コンテンツ)自体を差し替えることが容易であり、例えば、ウェブサイトにデータをアップロードした日時、すなわちデータの更新日時は、個々のコンピュータに連動しているため、これを操作することで容易に真実と異なる日時を表示させることができる。したがって甲10の表示内容をもって、直ちに原告トップページにおいて平成17年5月20日以降本件吹出し切替画像が閲覧可能な状態にあったと認めることはできない。」
したがって、乙第2号証、乙第3号証をもって、本件審判請求の登録前3年以内に使用したと認めることはできない。
(ウ)乙第2号証、乙第3号証に表示の標章は「VELLUM」ではなく「ASHLAR・VELLUM」である。「ASHLAR・VELLUM」は単なる「ASHLAR」でも「VELLUM」でもなく、あくまでも「ASHLAR・VELLUM」全体で一つの商標である。
(エ)「ASHLAR・VELLUM」は13文字であるため、6文字の「VELLUM」とは外観が異なり、「アシュラベラム」と7音称呼であるため3音称呼の「ベラム」とは称呼も異なり、特定の観念が無いため「VELLUM」とは観念においても異なる。このため標章「ASHLAR・VELLUM」は本件商標と同一でも、社会通念上同一と認められる商標でもない。したがって「ASHLAR・VELLUM」なる標章を使用しても本件商標を使用したことにはならない。標章「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」についても「ASHLAR・VELLUM」の場合と同様に本件商標と同一でも、社会通念上同一と認められる商標でもない。
(オ)「アシュラベラム/ASHLARVELLUM」は請求人の登録商標(登録第4904754号)である。被請求人が標章「ASHLAR・VELLUM」を指定商品に使用しているとすれば、それは請求人の前記登録商標の商標権の侵害である。
(カ)乙第2号証、乙第3号証では「ASHLAR・VELLUM」がいかなる商品に、どのような態様で使用されているのかも不明である。少なくとも、本件商標に係る指定商品についての使用とは認められない。
(キ)被請求人は、自らのホームページで、日本からアクセスでき、かつ被請求人が開発した「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」なるソフトウェアないしプログラム(以下「『ASHLAR−VELLUM GRAPHITE』ソフトウェア」という。)を日本国内で販売しているコムネット株式会社(以下「コムネット」という。)のホームページとリンクできる状態で「ASHLAR・VELLUM」を使用しているという。しかし、日本からアクセスできるとしても、被請求人自体は日本国内で前記ソフトウェアの製造、販売等の業務を営んでおらず、日本国内に事業の実態がないため、前記状況であったとしてもそれは日本国内での業務に係る商品についての使用ではない。
(ク)乙第2号証、乙第3号証に表示の「Creative Intuition Powered by VELLUM」は、指定商品の内容説明またはキャッチフレーズ中に「VELLUM」の文字が含まれているだけであり、それは指定商品についての本件商標の使用ではない。
イ コムネットによる使用について
被請求人は、通常使用権者であるコムネットが本件商標を指定商品について使用していると主張し、その証拠として乙第1号証、乙第4号証ないし乙第18号証を提出した。しかし、以下の理由よりコムネットは、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品について使用したと認めることはできない。
(ア)乙第1号証について
被請求人は、被請求人と随時再販売業者契約を提携している日本企業のコムネットが、被請求人が開発した「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアを日本国内で販売するに当たって、通常使用権者として、本件商標を使用してきたと主張し、コムネットが通常使用権者である証拠として英文契約書(乙第1号証)を提出した。しかし、その翻訳文が提出されていないため、請求人は乙第1号証に基づく被請求人の主張を理解することができないし、コムネットを通常使用権者と認めることはできない。仮に、コムネットが通常使用権者であったとしても、コムネットが使用しているのは本件商標ではなく、本件商標と同一でも、社会通念上同一と認めることもできない「ASHLAR・VELLUM」であるため、本件商標の使用ではない。
(イ)乙第4号証について
a 乙第4号証には指定商品についての本件商標の使用形態が一切表示されていないので、コムネットが、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、登録商標(社会通念上同一も含む。)を、指定商品について使用していたと認めることはできない。
b 乙第4号証では被請求人が2003年2月11日以前又は以後に取得した商標を使用してきたというが、被請求人は日本国内で、本件商標以外の商標は登録していない。
(ウ)乙第5号証ないし乙第18号証について
コムネットは乙第5号証において、コムネットが「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」のCD−ROMのレーベル、前記商品の取扱説明書、包装、パンフレット、コムネットのホームページに、「ASHLAR・VELLUM」の標章を使用してきたと主張し、その証拠として乙第6号証ないし乙第18号証を提出した。しかし、以下の理由より、これら乙各号証では、コムネットが、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、登録商標(社会通念上同一も含む。)を、指定商品について使用していたと認めることはできない。
a 乙第6号証に表示の標章は「ASHLAR・VELLUM」である。それが本件商標と異なることは前記のとおりである。また乙第6号証ではその標章を使用したとする商品も、商品への使用形態も不明である。乙第5号証では乙第6号証のレーベルは平成21年5月20日以前に製造され保管していたと主張するが、その陳述内容を立証できる証拠がない。
b 乙第7号証の1及び2に表示の標章は「ASHLAR−VELLUM」である。それが本件商標と異なることは前記のとおりである。
c 乙第8号証に表示の標章は「ASHLAR・VELLUM」である。それが本件商標と異なることは前記のとおりである。乙第8号証ではその標章を使用したとする商品も、商品への使用形態も不明である。乙第5号証の陳述書では乙第8号証の「取扱説明書」は平成19年6月12日ころ製造されたものをコムネットが保管していたというが、被請求人自身も「平成19年6月12日ころ製造」とあいまいな表現をしている。また、その製造年月日の証拠として乙第9号証の1ないし3を提示したが、それらは乙第8号証との関係が不明である。よって、乙第5号証の陳述内容を立証できる証拠がない。
d 乙第10号証に表示の標章も「ASHLAR・VELLUM」である。それが本件商標と異なることは前記のとおりである。乙第10号証ではその標章の商品への使用形態が不明である。乙第5号証の陳述書では乙第10号証の「包装」は平成20年1月25日ごろ製造されたものをコムネットが保管していたというが、被請求人自身も「平成20年1月25日ごろ製造」とあいまいな表現をしている。また、その製造年月日の証拠として乙第11号証及び乙第12号証を提示したが、それらは乙第10号証との関係が不明である。よって、乙第5号証の陳述内容を立証できる証拠がない。
e 乙第13号証に表示の標章も「ASHLAR・VELLUM」である。それが本件商標と異なることは前記のとおりである。乙第13号証ではその標章の商品への使用形態が不明である。乙第5号証の陳述書では乙第13号証の「パンフレット」は平成18年9月24日ころ製造されたものをコムネットが保管していたというが、被請求人自身も「平成18年9月24日ごろ製造」とあいまいな表現をしている。また、その製造年月日の証拠として乙第14号証を提示したが、それは乙第13号証との関係が不明である。また、乙第5号証では「乙第13号証のパンフレットは乙第14号証の納品書に列挙された製品9種類のうち、上記4種のいずれかに含まれます。」と、あいまいな陳述をしている。よって、乙第5号証の陳述内容を立証できる証拠がない。
f 乙第15号証の1及び2、乙第16号証に表示の標章も「ASHLAR・VELLUM」である。それが本件商標と異なることは前記のとおりである。被請求人は、乙第15号証の1は平成18年5月25日、乙第15号証の2は平成20年1月14日のところに保存されていたものを印刷したもの、乙第16号証は平成21年5月28日付コムネットのホームページ上の表示を印字したものであり、その日付は乙第17号証及び乙第18号証の日付から明らかであるというが、いずれの日付についてもその信憑性を裏付ける証拠がない。ホームページ上の日付は書き換え、差し替えが容易であるため、それら日付から直ちに、その日に表示されたもと認めることはできないことは前記のとおりである。
ウ 小括
したがって、被請求人、コムネットのいずれも、本件商標をその指定商品について使用したことはない。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第18号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用事実
本件商標については、商標権者である被請求人及び日本における通常使用権者であるコムネットは、それぞれ、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、電子応用機械器具及びその部品について、本件商標を使用してきた。
ア 本件商標の具体的な使用事実
(ア)被請求人による使用
被請求人は、コムネットと、平成15年2月11日、随時再販売業者契約(乙第1号証)を締結した後、コムネットに対し、被請求人が開発した「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアを販売し、コムネットは、上記契約締結以降現在まで、日本国内で当該ソフトウェアを再販売している。
被請求人は、このように、コムネットにより日本国内で販売されている上記ソフトウェアについて、自社のホームページで、日本からアクセスでき、かつコムネットのホームページとリンクできる状態で、「ASHLAR・VELLUM」、「Creative Intuition Powered by VELLUM」との表示をしている(乙第2号証、乙第3号証)。 乙第2号証及び乙第3号証は、「The Internet Archive」という会社が、その業務の一環として、同社のウェブサイト上に記録及び保存している被請求人のホームページ上の表示を印字したものであり、被請求人のホームページ上の表示については、平成18年5月21日と平成19年11月28日の間の表示も記録及び保存されている。
(イ)コムネットによる使用
コムネットは、被請求人と、平成15年2月11日、コムネットが被請求人が権利を有する商標を適時使用できる旨規定された随時再販売業者契約を締結しており(乙第1号証の5.1)、被請求人が本件商標に係る商標権を取得した後には、被請求人の使用許諾の下、本件商標の通常使用権者として(乙第4号証)、被請求人が開発した「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアについて、平成18年5月から現在まで継続的に、少なくとも、以下のとおり、本件商標の使用をしている(乙第5号証)。
a CD−ROMのレーベル(乙第6号証)
「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアのCD−ROMのレーベル(製造時期は平成21年5月以前、乙第7号証の1及び2)に、「Vellum・・・は米国Ashlar社の登録商標です。」との記載と併せて、「ASHLAR・VELLUM」との表示。
b 取扱説明書(乙第8号証)
「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアと一体の取扱説明書(製造及び販売時期は平成19年6月12日ころ、乙第9号証の1ないし3)に、「Vellum・・・は米国Ashlar社の登録商標です。」との記載と併せて、「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアについて「ASHLAR・VELLUM」との表示。
c 包装(乙第10号証)
「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアの包装(製造時期は平成20年1月25日ころ、乙第11号証)に、「VELLUM・・・は米国Ashlar社の登録商標です。」との記載と併せて、「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアについて「ASHLAR・VELLUM」との表示。
なお、コムネットは、外注先に対して、平成18年12月18日ころにも、包装(スリーブパッケージ)の製造の注文をしている(乙第12号証)。
d パンフレット(乙第13号証)
「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアに係るパンフレット(製造及び頒布時期は平成18年9月20日ころ、乙第14号証)に、「VELLUM・・・は米国Ashlar社の登録商標です。」との記載と併せて、「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアについて、「ASHLAR・VELLUM」との表示、「他のどんなCADソフトウェアも、ASHLAR−VELLUM GRAPHITEより速く、より扱いやすいソフトウェアは存在しないでしょう。ASHLAR−VELLUM GRAPHITEは、他のCADソフトウェアとの互換性を保ちながら・・・」との表示及び「“Vellum”の名前を引き継いでいるのは、ASHLAR−VELLUM GRAPHITEだけです。」との表示。
当該パンフレットは、小売店の店頭に置かれたり、顧客に配布されたりするものである。
e コムネットのホームページ上の表示(乙第15号証の1及び2)
「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアに係るコムネットのホームページ上に、Ashlar社の存在及び名称と併せて、「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアについて、「ASHLAR・VELLUM」との表示、「“VELLUM”の名前を引き継いだ汎用CADソフトウェア」との表示、「“VELLUM”の名前を引き継いだASHLAR−VELLUM GRAPHITE」との表示、「VELLUMの名前を引き継いだ、Ashlar−Vellum Graphite」との表示、「Vellumの名前を引き継いだGraphite」との表示及び「“Vellum”の名前を引き継いでいるのはAshlar−Vellum Graphiteだけです。」との表示。
乙第15号証の1及び2は、「The Internet Archive」という会社が、その業務の一環として、同社のウェブサイト上に記録及び保存しているコムネットのホームページ上の表示を印字したものであり、被請求人のホームページ上の表示については、平成18年5月25日と平成20年1月14日の間の表示も記録及び保存されている。
乙第16号証は、平成21年5月28日付のコムネットのホームページ上の表示を印字したものであるが、当該表示の最終更新日は平成19年5月9日であり(乙第17号証、乙第18号証)、平成19年5月9日から平成21年5月28日に至るまで、同様の表示がなされていたことは明らかである。
(ウ)小括
したがって、被請求人及びコムネットにより、本件商標が使用されてきたことが明らかである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者である被請求人及び日本における通常使用権者により、指定商品である「電子応用機械器具及びその部品」について使用されたことが明らかである。
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 確認書(乙第4号証)には、「2003年2月11日に被請求人とコムネットが随時再販売業者契約を締結し、その日以降、コムネットが本件商標などの商標を適法かつ継続的に使用してきた。」旨の記載があり、その下には、被請求人の著名と日付として「July 1,2009」の記載、コムネットの代表者の署名と日付として「July.9.2009」の記載がある。
イ 陳述書(乙第5号証)には次の記載がある。
(ア)「第1 はじめに」の項に、「コムネットが、被請求人と平成15年2月11日に随時再販売業者契約を締結し、本件商標の通常使用権者として、「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアの販売について、適法かつ継続的に本件商標を使用してきた。」旨の記載。
(イ)「第2 CD−ROMのレーベル」の項に、「『ASHLAR−VELLUM GRAPHITE』のCD−ROMには、『ASHLAR・VELLUM』という表示がされ(乙第6号証)、このCD−ROMのレーベルは平成21年5月中旬以前に市販されたもののレーベルと全く同じものであり、平成19年6月18日ころの外注に関するメールのやりとりが、乙第7号証の1及び2である。」旨の記載。
(ウ)「第6 当社のホームページ」の項に、「『ASHLAR−VELLUM GRAPHITE』に関するホームページで、平成18年5月以降も『ASHLAR・VELLUM』などの表示がなされてきた。乙第15号証の1及び2は、『The Internet Archive』という会社が、そのウェブサイト上に記録及び保存している当社のホームページを印字したものであり、乙第15号証の1は平成18年5月25日のところに、乙第15号証の2は同20年1月14日のところに保存されていたものである。乙第16号証は、平成21年5月28日の当社のホームページを印字したものであって、この表示の最終更新日は平成19年5月9日であり(乙第17号証)、画像イメージの作成時期は平成17年11月15日である(乙第18号証)。」旨の記載。
(エ)文末には、「以上相違ありません。」の記載、「2009年8月10日」の日付の記載があり、コムネット株式会社 代表取締役の署名と押印がある。
ウ CD−ROMのレーベル(乙第6号証)には、上部に別掲のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)及び「GRAPHITE」の表示があり、その下に「Computer−aided drafting the way it should be.」の表示、中央左に「http://www.comnet−network.co.jp」、下中央に「COMNET」の表示がある。さらに、その下には、小さく「VELLUM・ASHLAR−VELLUMは、米国Ashlar社の登録商標です。」との表示がある。
エ メールの写し(乙第7号証の1及び2)によれば、コムネットの担当者は、2007年6月11日に「Ashlar−Vellum Graphite」のCDレーベル200部の印刷をオリエント測器コンピュータ株式会社に依頼し、翌日、当該依頼先から、納期は同月18日である旨の回答を得たことが認められる。
オ 取扱説明書(乙第8号証)には、使用商標が表示され、「GRAPHITE」「Getting Started」の表示、「コムネット株式会社」の表示が認められる。
なお、最終頁の下段には、小さく、「VELLUM」「ASHLAR−VELLUM」が米国Ashlar社の登録商標である旨の表示がある。
カ メールの写し(乙第9号証の1ないし3)によれば、コムネットの担当者は、2007年5月23日に株式会社オーエムにマニュアル製本の見積依頼をし、依頼先から同月25日に見積りを受領し、同年6月7日に翌日納品する旨の連絡を受けたことが認められる。
しかしながら、これと前記オの取扱説明書との関係は確認できない。
キ 包装箱(乙第10号証)には、使用商標及び「GRAPHITE」の表示があり、また、「ASHLAR−VELLUM GRAPHITEは、他のCADソフトウエアとの互換性を保ちながら、独自のアシスタント機能で、より速く、より正確な図面作成が可能なCADソフトウエア。アイデア・スケッチからテクニカルイラスト、機械設計や建築分野までの2D・3D図面をダイナミックかつ、精密に描画することが出来ます。」との説明文が記載がされている。さらに、「推奨システム」として「WindowsNT/2000/XP」などが、「パッケージ内容」として「ソフトウエアCD−ROM・Getting Started」などが記載され、「標準価格:68,250円(税込)」「販売元 コムネット株式会社」の記載がある。
ク 請求書(乙第11号証)によれば、城東紙器株式会社が、伝票日付「2008/01/25」として、品番・品名「コムネットスリーブパッケージ NO.7」、数量「400」について、今回御請求額「138,600」をコムネットに請求したことが認められる。
しかしながら、これと前記キの包装箱との関係は確認できない。
ケ 「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」ソフトウェアのパンフレット(乙第13号証)には、使用商標及び「GRAPHITE」の表示があり、「他のどんなCADソフトウェアも、ASHLAR−VELLUM GRAPHITEより速く、より扱いやすいソフトウェアは存在しないでしょう。ASHLAR−VELLUM GRAPHITEは、他のCADソフトウェアとの互換性を保ちながら、独自のアシスタント機能で、より速く、より正確な図面作成が可能なCADソウトウェア。」及び「“Vellum”の名前を引き継いでいるのは、ASHLAR−VELLUM GRAPHITEだけです。」の記載がある。また、「販売元 コムネット株式会社」の記載もある。
コ コムネットのホームページ(乙第15証の2)には、中央左に、上から「Graphite TOPICS.」「主な特徴」「価格・動作環境」「ダウンロード」などの欄があり、「価格・動作環境」の欄に「製品名・価格:」「Ashlar−Vellum Graphite」「標準価格:68,250円(税込) 65,000円(税抜)」の記載がある。
そして、中央やや上には、「VELLUMの名前を引き継いだ、Ashlar−Vellum Graphite」の記載があり、その右下に「他のどんなCADソフトウェアも、Ashlar−Vellum Graphiteより速く、より扱いやすいソフトウェアは存在しないでしょう。Ashlar−Vellum Graphiteは、海外で絶大な人気を誇るCADソフトウェア。他のCADソフトウェアとの互換性を保ちながら、独自のアシスタント機能で、より速く、より正確な図面作成が可能。・・・“Vellum”の名前を引き継いでいるのは、Ashlar−Vellum Graphiteだけです。」などの説明が5頁にわたって記載されている。
サ コムネットのホームページ(乙第16号証)には、右上に「09/05/28 14:07」の表示、左上部に使用商標及び「GRAPHITE」の表示、その下に「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」「標準価格:68,250円(税込) 65,000円(税抜)」の表示があり、右側にはパッケージが掲載されている。
そして、中央左の「Graphite TOPICS.」などの各欄の構成や、中央やや上の「VELLUMの名前を引き継いだ、Ashlar−Vellum Graphite」の記載及びその右下の「他のどんなCADソフトウェアも、Ashlar−Vellum Graphiteより速く、より扱いやすいソフトウェアは存在しないでしょう。」などの説明は、乙第15号証の2と同じ説明が記載されている。
シ 更新履歴(乙第17号証)には、中央に「更新日時:2007年5月9日、16:46:44」の記載があり、画像イメージの更新履歴(乙第18号証)には、中央に「更新日時 2005年11月15日、17:11:00」の記載がある。
(2)上記(1)イ、ウ及びエの事実からすれば、乙第6号証の「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」のCD−ROMのレーベルが、本件審判の請求の登録前(登録日は平成21年5月20日)3年以内である2007年(平成19年)6月に印刷され、コムネットに納品されたものと推認できる。
そして、上記キ及びケないしサの事実からすれば、「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」なるCD−ROMの内容は、CADソフトウェアであることが認められる。
また、上記(1)イ及びコないしシの事実及び職権調査により「(The Internet Archive」という団体が米国に存在し、電子資料の保存していることが確認できたこと(「The Internet Archive(http://www.archive.org/index.php)」「ウィキペディアのインターネットアーカイブの項(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%96)」「ITmediaNEWSの記事(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/22/news020.html)」など)を併せみれば、コムネットは、本件審判の請求の登録前3年以内である平成20年1月14日から、同登録後の2009年(平成21年)5月28日まで、継続的に乙第16号証のホームページで、「ASHLAR−VELLUM GRAPHITE」なるCADソフトウェアについて、広告していたと推認して差し支えないものと認められる。
(3)上記(1)ア及びイの事実からすれば、コムネットは、被請求人により本件商標についての使用を許諾された者(通常使用権者)であると認められる。
(4)本件商標は、「ベラム」及び「Vellum」の文字を上下二段に横書きしてなるものであり、当該片仮名文字は欧文字の表音とみるのが自然で
ある。
これに対して、使用商標は、「ASHLAR」と「VELLUM」との間に「・」が置かれ、両者が視覚上分離して看取されるものであって、全体として一つの意味合いを生じるなど、全体が常に一体不可分のものとして認識されるものとは認められないものであり、特に、「VELLUM」の文字が「ASHLAR」の文字に比して太字で顕著に表されているものであるから、「VELLUM」の文字部分が看者に強く印象に残り、記憶されるものというのが相当である。
してみれば、「VELLUM」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たしているといわなければならない。
なお、CD−ROMのレーベルやその包装箱において使用商標が表示されるとともに、「VELLUM」が被請求人の登録商標である旨の記載も認められる。
そうとすれば、「VELLUM」の文字は、本件商標の欧文字と同一の文字綴りであるうえ、当該文字から生じる「ベラム」の称呼も本件商標の称呼と共通にするものである。そして、本件商標の構成中の「ベラム」の片仮名文字を欠くとしても、「VELLUM」の文字と本件商標とは、共に特定の観念を生じないものであって、観念において変動を伴わないものといえる。
したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一のものと判断するのが相当である。
(5)使用商標の使用に係る商品は、「CADソフトウェア(を記憶させたCD−ROM)」であり、本件審判の請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品と認められるものである。
(6)上記(2)ないし(5)によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が取消請求に係る指定商品中の「CADソフトウェア(を記憶させたCD−ROM)」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定によって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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