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Trademark Appeal Case

「みんなの」の品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−30660(T2008−30660/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「みんなのカラオケ」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第38類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年12月11日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成20年10月1日付け及び当審における同年12月5日付手続補正書により、最終的に、別掲のとおりの指定商品及び指定役務に補正されたものである。

第2 当審における拒絶の理由の要点

当審において、請求人に対し、平成21年8月7日付け拒絶理由通知書をもって、次の旨の拒絶の理由を通知した。

(1)本願商標は、「みんなのカラオケ」の文字を標準文字で書してなるところ、その指定商品との関係においては、例えば「子供からお年寄りまでの全ての人向けのカラオケ機械器具」程の意味合いを、また、その指定役務との関係においては、例えば「子供からお年寄りまでの全ての人向けのカラオケ施設の提供」程の意味合いを容易に理解、認識させるものである。

そして、カラオケ機器やカラオケの提供に係る業界においては、幅広いユーザーを対象として、業務用や家庭用のカラオケ機器が販売されており、また、ビジネス向けやファミリー向けなど、様々な需要者層に対応できるカラオケ施設の他、家庭で気軽にカラオケを楽しめるように、家庭用に通信回線を用いて提供されるカラオケが存在している事実も認められる。

(2)これらの実情を考慮すると、本願商標を指定商品及び指定役務中、例えば、「全ての人のためのカラオケ機械器具及びその部品・附属品、全ての人のためのカラオケ用コンピュータプログラム,全ての人のためのカラオケ機械器具及びカラオケセットトップボックスによる通信を用いたカラオケの提供及びこれに関する情報の提供,全ての人のためのカラオケ施設の提供及びこれに関する情報の提供」等、上記意味合いに照応する商品及び役務に使用しても、これに接する需要者は、単に商品の品質及び役務の質であることを表示したものと認識するにとどまり、自他商品及び自他役務の識別標識としては認識できないものと認められる。

(3)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品及び役務について使用をするときには、商品の品質(役務の質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

第3 当審における拒絶理由に対する意見の要点

(1)本願商標中、「みんなの」の修飾語は、商品の品質表示にも、役務の質の表示にも当らない。商品の品質とは、当該商品Aの普遍的では無い、特徴的、限定的な特定の属性を言うものであり、役務の質とは、当該役務Bの普遍的では無い、特徴的、限定的な特定の属性を言うものである。従って、商品又は役務に共通の普遍的性質は「品質」とは言えない。

(2)このような事情は「みんなのカラオケ」についても同断であり、「みんなの」、即ち、「子供からお年寄りまでの全ての人向けの」の文字は、当該「カラオケ装置」の普遍的性質を表示したものに過ぎないと認められるから、これを「品質の表示」とすることは失当である。

(3)商品「カラオケ装置」には「ホームカラオケ」か「業務用カラオケ」かの区別はあるが、それらの品質について言えば、例えば、通信式かスタンドアローン式か、有料か無料か、歌唱支援装置(例えば,音程修正装置,エコーなど)や歌唱力判定装置などの有無、収録曲の数などが考えられる。然しながら、「みんなのカラオケ」と言う場合、需要者は当該カラオケのコンテンツを窺い知ることを得ず、「子供から老人まで、全ての者が楽しむことが出来る」ということは、言わばカラオケの普遍的な資質であり、特定のカラオケを、他のカラオケから差別化する「品質」とは認められない。

(4)「みんなの」の文字と「商品・役務の名称等」とを結合させて成る商標は、当該商品及び役務のみならず、それらの商品・役務と非類似の商品・役務についても、商標法第3条第1項第3号に該当しないものと認められ、多数登録されていることから、これらの登録を認め、本願商標の登録を拒絶することについては、合理的理由がなく、著しく行政の公平を損なうものである。

(5)したがって、「みんなの」の文字と「商品・役務の名称等」の文字とを結合させて成る商標における「みんなの」の修飾語は、「商品の品質」又は「役務の質」を表示するものとは認められない。

第4 当審の判断

1 本願商標は、前記第1のとおり、「みんなのカラオケ」の文字よりなるところ、当該文字は、「皆の、すべての人の」を意味する「みんなの」の文字と「(歌のないオーケストラの意)歌の伴奏音楽だけを録音し、それに合せて歌うためのテープやディスクやその演奏装置。また、その音楽に合わせて歌うこと。」(広辞苑 第六版)を意味する「カラオケ」の文字を結合したものと容易に認識されるものである。

そして、その構成中「みんなの」の文字が、「すべての人のために(供される)」程の意味合いで商品及び役務の対象を表示するものとして使用されている実情、また、本願指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、幅広いユーザーを対象としたカラオケ機器が販売され、また、様々な需要者層に対応できるカラオケ施設や通信カラオケ等が存在している実情があるところ、これらの実情は、例えば、以下のインターネットにおけるウェブサイトの情報からも十分に裏付けられるところである。

2 「みんなの」の文字について

(1)「JOBinJAPAN」のウェブサイトにおいて、「みんなの求人情報」の見出しのもと、「掲載されている募集要項の採用条件を満たされている方であれば、どなたでもご利用が可能です。」の記載。(http://www.jobinjapan.jp/%E6%B1%82%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1/)

(2)「みんなのウェブ」のウェブサイトにおいて、「ウェブアクセシビリティの情報提供コーナー:みんなのウェブ」の見出しのもと、「WWWは、高齢者や障害がある人たちにとっても大切な情報源になっています。そのため、年齢的・身体的条件に関わらず、誰にでも使いやすく、伝えたい情報が意図したとおり伝わるウェブページを作ることが重要です。」の記載。(http://barrierfree.nict.go.jp/accessibility/index.html)

(3)「みんなの大学事典」のウェブサイトにおいて、「『みんなの大学事典』は、高校生、先輩、大学関係者、保護者といった多くの異なる視点から大学に関するリアルな情報を集め、発信していきます。」の記載。(http://daigaku.wao.ne.jp/data/daigaku_detail/0055)

(4)「札幌市白石区役所」のウェブサイトにおいて、「みんなの健康情報」の見出しのもと、「母と子の健康|成人・高齢者の健康|若者の健康|結核・エイズ・感染症の予防|難病の方のために|心の健康|健康づくりに関すること|介護予防のために」の記載。(http://www.city.sapporo.jp/shiroishi/kosodate_fukushi/health/mother_child/index.html)

(5)「かんぽ生命」のウェブサイトにおいて、「ラジオ体操・みんなの体操」の見出しのもと、「1999年(平成11年)9月には、新たに『みんなの体操』が制定されました。こちらは国連の『国際高齢者年』にちなんだもので、『ユニバーサルデザイン』という考え方のもと、年齢・性別・障がいの有無を問わず、すべての人々が楽しく安心してできる体操として考案されました。」の記載。(http://www.jp-life.japanpost.jp/health/radio/hlt_rdo_index.html)

3 カラオケ機器やカラオケの提供に係る業界において、幅広いユーザーを対象としたカラオケ機器の販売及びカラオケ施設や通信カラオケの提供等が行われている実情について

(1)「第一興商」のウェブサイトにおいて、「事業のご案内 業務用カラオケ事業」の見出しのもと、「他社の追随を許さない強力な通信カラオケ機器ラインアップ」「業務用カラオケ事業では、業務用カラオケ機器・カラオケソフトの販売及び賃貸、並びに通信カラオケへの音源・映像・企画コンテンツなどの提供を行っています。」の記載。(http://www.dkkaraoke.co.jp/business/karaoke_service/karaoke_service.html)

(2)「U−side TODAY」のウェブサイトにおいて、「歌ってスッキリ! タカラトミーが高機能の自分専用カラオケ機器『ハイカラ』発売」の見出しのもと、「タカラトミーは10月18日、自分の部屋でカラオケを楽しめる、世界最小級のカラオケ機器『Hi−Kara』(写真)を発売する。」の記載。(http://www.u-side.jp/tdy/?p=993)

(3)「MEDIA RAG Corporation」のウェブサイトにおいて、「SDカラオケマイク『DO!KARAOKE』向け楽曲データ配信 『ゆめカラ』全国のファミリーマートで配信サービス開始」の見出しのもと、「SDカラオケマイク『DO!KARAOKE』は2003年3月の発売以来、家庭で手軽にカラオケが楽しめる機器として好評を博しており、ファミリー層を中心としたホームカラオケの需要拡大に貢献しています。」の記載。(http://www.mediarag.jp/release/press/20040310.html)

(4)「cpSTYLE(クーポンスタイル)札幌」のウェブサイトにおいて、「ミュージックハウス 北郷店」の見出しのもと、「北郷2条13丁目、北13条・北郷通りに面している『ファミリーカラオケ ミュージックハウス北郷店』です。/日差しが入る明るい店内で、お子様連れでも安心できるファミリー向けのお店です。」の記載。(http://a-sapporo.com/shops/10079)

(5)「北海道新聞」のウェブサイトにおいて、「愛犬OK、歌わない人は割引... カラオケ サービス多様化」の 見出しのもと、「道内カラオケ店のサービスが多様化している。愛犬と同伴できたり、道産食材の料理を提供するところもある。利用者減に歯止めがかからない中、どこもてこ入れに懸命だ。」の記載。(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/203186.html)

(6)「GAME Watch」のウェブサイトにおいて、「『ドリームキャスト・カラオケ』D−DIRECTにて業務用歌本の予約用歌本の予約受付を開始」の見出しのもと、「『ドリームキャスト・カラオケ』は、DC本体のネットワーク機能を利用して、家庭で通信カラオケが楽しめるシステム。セットには、本体、専用ソフト『セガカラ for ドリームキャスト』、マイク1本、楽曲検索用『早見表』、接続ケーブルが付属。」の記載。(http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010531/segakara.htm)

(7)「ファイル・ウェブ」のウェブサイトにおいて、「パイオニア、ブロードバンド向け3DCG・オンデマンドカラオケサービス開始」の見出しのもと、「●パイオニア(株)は7月17日より、ブロードバンドインターネット向けの有料サービスとして、家庭内のパソコンで、歌とダンスをオンデマンドで楽しめる新形態のカラオケエンタテインメント "もーしょんパラダイス"のサービスを始める。 "もーしょんパラダイス"は、パイオニアの業務用通信カラオケ『Super BeMAX’S』の『フリカラ』機能で培ったモーションキャプチャー技術を活用し、3Dポリゴンのキャラクターが踊るCG映像と、カラオケ楽曲・音声を融合させたエンタテインメントである。」の記載。(http://www.phileweb.com/news/d-av/200106/19/2498.html)

(8)「グルメウォーカー」のウェブサイトにおいて、「●カラオケボックス 飲食メニューが充実し、大人向け カラオケ グローブ 新栄」の見出しのもと、「マスコミ御用達 音楽好きのための大人のカラオケボックス グローブ新栄 カラオケボックスは若者が多く、入りにくいとお想いの大人が気軽に行けるお店がココ。重低音の効いた洋楽中心のBGMが流れ、ギター等のレンタル楽器が陳列され、一見して他のカラオケボックスと違うことがわかる。ホテル出身のオーナーができる限り大人の方に来ていただけるカラオケボックスを目指し、若者に敷居が高い雰囲気を出そうとしている。・・・サラリーマン・マスコミご用達。」の記載。(http://gourmet.walkerplus.com/151157134002/)

以上よりすれば、本願商標、「みんなのカラオケ」の文字に接する取引者、需要者は、「全ての人のために(供される)カラオケ機械器具、全ての人のために(供される)カラオケの提供」のごとき意味合いを理解、認識することは容易というべきである。

4 してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中「すべての人のために(供される)カラオケ機械器具及びその部品・附属品、すべての人のために(供される)カラオケ用コンピュータプログラム,すべての人のために(供される)カラオケ機械器具及びカラオケセットトップボックスによる通信を用いたカラオケの提供及びこれに関する情報の提供,すべての人のために(供される)カラオケ施設の提供及びこれに関する情報の提供」等、前記文字に照応する商品及び役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、単に商品の品質及び役務の質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当であり、前記以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

5 なお、請求人は、「みんなの」の文字と「商品・役務の名称等」とを結合させて成る商標の過去の登録例を挙げた上で、「『みんなの』の文字は、商品の品質又は役務の質を表示するものとは認められない。」旨主張しているが、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断は、当該商標の指定商品及び指定役務との関係における、その商品及び役務の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、それらの既登録例に拘束される理由はない。

そして、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号列挙のものは、通常、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当でなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所表示機能を認めることができないものと解される。(社団法人発明協会発行 特許庁編「工業所有権法逐条解説(第17版)」参照)

そうすると、「みんなの」の文字については、「全ての人のために(供される)」の意味を表すものとして採択、使用されている実情があり、本願商標に接する取引者、需要者をして、商品の品質及び役務の質を表示したものとして理解するにとどまると判断するのが相当であること、上述のとおりであるから、請求人の該主張は、採用することができない。

6 まとめ

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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