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Trademark Appeal Case

誇示表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−2909(T2009−2909/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「御用茶」の文字を標準文字で表してなり、第30類「茶,茶を加味してなる菓子及びパン,茶を加味してなる水あめ,茶を加味してなるアイスクリームのもと,茶を加味してなるシャーベットのもと,茶を加味してなる穀物の加工品,茶を加味してなる即席菓子のもと,茶を主原料とする錠剤状・カプセル状・顆粒状・液体又は粉末状の加工食品」を指定商品として、平成20年4月11日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

1 本願商標は、その構成中「御用」が「宮中または政府の用事」の意味を有しており、これに商品名「茶」と結合し、全体として「御用達のお茶」の意味合いを看取させ「茶の品質が高いことを表示する誇示表示」と認識されるもので、かつ、現在も該誇示表示として使用されているから、これを本願指定商品に使用しても、これに接する需要者は上記意味合いのお茶又はそれを使用した商品であると認識するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

2 原査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2162889号商標(以下、「引用商標」という。)は、「五養茶」の文字をゴシック体で横書きしてなり、昭和61年11月20日に登録出願され、第29類「茶」を指定商品として、平成1年8月31日に設定登録されたものである。その後、引用商標は、商標登録の取消し審判において商標登録を取り消すべき旨の審決がなされ、同21年11月13日にその商標権の登録の抹消がなされたものである。

第3 当審において平成21年9月28日付けで通知した拒絶の理由の要旨

1 この商標登録出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、「御用茶」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の前半部の「御用」の文字部分は、(1)宮中のまたは政府の用事。(岩波書店 広辞苑 第6版)、(2)朝廷・幕府などの用事・用命。公用・公務であること。(三省堂 大辞林 第三版)、(3)宮中・政府などの公の用務・用命(小学館 大辞泉 第一版)を意味する語として一般に知られているものである。

また、「御用」の文字を含む語として、「御用達」の語があり、これは、(1)宮中・官庁に物品を納入すること。(大辞林)、(2)宮中・官庁などへ用品を納めること(大辞泉)を意味する語として一般に知られているものである。

そして、本願商標中の「茶」の文字部分は指定商品の普通名称又は原材料を表示するものである。

そうすると、本願商標は、上述のような「御用」と「茶」の文字を結合してなり、「御用達」の語もあることも相まって、「宮中・官庁に納入するお茶」の意味を容易に認識させるものである。

2 このことは、本願商標を構成する「御用」の文字について、インターネットのホームページに次のとおり記載されている事実からも裏付けられる。

(1)「丸の内食糧株式会社」のホームページにおいて、「宮内庁御用 丸の内食糧株式会社」の見出しの下、「宮内庁をはじめ、・・・販売先は東京首都圏のみならず関東一円にひろがっています。」との記載がある。

(2)「伝統工芸 和の匠」と称するウェブページにおいて、「宮内庁御用銀器・・・>純銀製 ループタイ『ふくろう』」のサブタイトル、さらに、商品詳細情報の項に、「工房では、宮内庁に納めて迎賓館で使われる銀食器や、・・・」との記載がある。

(3)「【楽天】」と称するウェブページにおいて、「”宮内庁御用”小牧かまぼこ・提携商品」との記事がある。

(4)「【楽天】」と称するウェブページにおいて、「【宮内庁御用】有名な『銀の鴨』高級鴨肉使用!」との記載がある。

(5)「リバ・シーファクトリー」と称するウェブページにおいて、「一度は食べたい!宮内庁御用の味!・・・」との記載がある。

(6)「老舗を訪ねて」と称するウェブページにおいて、「宮内庁御用 箸勝本店」との記載がある。

(7)「シェルシェウェディング」と称するウェブページにおいて、「ここがこだわり!」のサブタイトルの下、「宮内庁御用職人が、お二人の記念のためにお作りする・・・。」との記載がある。

3 してみれば、本願商標は、その指定商品中「宮中・宮内庁等の官庁に納入する茶,宮中・宮内庁等の官庁に納入する茶(又はそれと同等の品質の茶)を加味してなる菓子及びパン・水あめ・アイスクリームのもと・シャーベットのもと・穀物の加工品・即席菓子のもと,宮中・宮内庁等の官庁に納入する茶(又はそれと同等の品質の茶)を主原料とする錠剤状・カプセル状・顆粒状・液体又は粉末状の加工食品」について使用するときは、これに接する取引者、需要者が「御用茶」の文字を、その商品がかかる品質の商品であることをあらわしたものと認識するにすぎないものと判断するのが相当であり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

第4 拒絶の理由に対する請求人の意見

上記第3の「拒絶理由通知」に対して、請求人は意見書を提出し、要旨以下のように述べている。

1 インターネットで「”御用茶”」を検索したところ、そのほとんどが、幕府へ献上したお茶のことを「御用茶」と称したものであり、「宮中・官庁に納入するお茶」の使用例は、発見できなかった(甲第3号証)。

2 拒絶理由中に示した「宮中または政府の用事。」は、広辞苑(第六版)によれば、第2番目の意味であり、「御用」の第1番目の意味は、「用事・入用などの尊敬語。」であり、本願商標「御用茶」から、取引者・需要者が「宮中・官庁に納入するお茶」と直感できない。

3 拒絶理由で示された例の何れも、御用の前に「宮内庁」の文字が位置する「宮内庁御用」のみであり、本願商標のような御用の前に宮内庁等何も付かないものは、商品の内容を「宮中・官庁に納入する商品」と直感できない。

4 前審の審査官と当審の審判官の間で、本願商標から生じる内容にブレが生じたことは、本願商標「御用茶」は、未だ特定の観念を生じ得ない一種の造語であることの証左である。

5 御用に関して、「御用」ないし「御用」と同様な「献上」を含む商標が登録されていることから、本願商標「御用茶」は、未だ特定の観念を生じ得ない一種の造語である。

第5 当審の判断

本願商標は、「御用茶」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標について通知した上記第3の拒絶の理由は妥当なものと認められる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。

ところで、請求人は、上記第4のとおり主張している。

しかしながら、本願商標が、全体として「宮中・官庁に納入するお茶」又は「宮中・官庁に納入するお茶を加味してなる商品」という商品の品質を表したものと認識されるにとどまるものであることは前記のとおりである。

また、商標法第3条第1項第3号は、「指定商品の品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識される表示態様の商標につき、そのことのゆえに商標登録を受けることができないとしたものであって、同号を適用する時点において、当該表示態様が、商品の品質、用途を表すものとして現実に使用されていることは必ずしも必要でないものと解すべきである。」(平成13年12月26日 東京高等裁判所 平成13年(行ケ)207号)と判示されているところであるから、本願商標は、商品の品質表示としての使用例がないからといって、これを登録して良いことにはならない。

さらに、請求人が上げた過去の登録例については、商標の構成等において事案を異にするものであり、ある商標が識別力を有するか否かの判断は、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから、本願の判断に影響を与えるものとは認められない。

したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。

なお、原査定の引用商標は、上記第2 2のとおり、その商標権の登録の抹消がなされているものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由については解消した。

よって、結論のとおり審決する。

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