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Trademark Appeal Case

記述的商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−2594(T2008−2594/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ANTIOXIDANT SUPERPOWER」の欧文字を標準文字により表してなり、2005年6月8日にアメリカ合衆国においてした商標出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、第1類、第5類、第29類ないし第32類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成17年12月8日に登録出願されたものである。

その後、指定商品については、原審における平成18年10月16日及び同19年6月29日付けの手続補正書により、最終的に、別掲(1)に記載のとおりの商品に補正をされたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ANTIOXIDANT SUPERPOWER』の文字を書してなるところ、その構成中『ANTIOXIDANT』の文字は『抗酸化剤、老化防止剤』の意味を有しているものであって、『SUPERPOWER』の文字は、『強力な力』程の意味合いを想起させるため、全体としても『抗酸化剤・老化防止剤のすぐれた力(効力)』程の意味合いを想起させるものであり、また、ザクロ抽出物に含まれているエグラ酸には抗酸化作用、美容などに効果があるものであるから、これを本願指定商品中例えば第1類『ザクロ抽出物その他の植物抽出物を原材料としてなる、医薬品及び医薬調整品の添加物として用いられる化学品,ザクロ抽出物その他の植物抽出物を原材料としてなる、化粧品及びスキンケア用品の添加物として用いられる化学品,その他の植物抽出物を原材料としてなる化学品,化学品』、第5類『抗酸化剤を含有する食餌療法用食品添加物及びザクロ抽出物及び植物抽出物から抽出又はザクロ抽出物及び植物抽出物を含む食餌療法用食品添加物,ビタミン及びミネラルを添加した食餌療法用飲料,ザクロ抽出物及び植物抽出物から抽出又はザクロ抽出物及び植物抽出物を含むガン治療及び感染症又はウィルス性疾病用の医薬品及び医薬用調整剤,薬剤』等に使用するときは、単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲(2)に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成21年3月23日付けで証拠調べの結果を通知した。

第4 職権証拠調べに対する請求人の意見の要点

本願商標は、「ANTIOXIDANT」及び「SUPERPOWER」の欧文字を標準文字で書してなるところ、その構成全体をして一体不可分の造語であり、その特異な組み合わせに自他商品の識別力がある。また、請求人以外によるそのような組み合わせでの使用は皆無である。

よって、本願商標は自他商品の識別力があるために商標登録を受けることができるものであると確信する。

第5 当審の判断

1 本願商標は、前記第1のとおり、「ANTIOXIDANT SUPERPOWER」の欧文字を標準文字により表してなるところ、「ANTIOXIDANT」及びその読みである「アンチオキシダント」の語は、前記第3に係る証拠調べ中1によれば、化学及び医学用語として「酸化防止剤」及び「抗酸化剤」を意味するものであり、さらに、前記第3に係る証拠調べ中2によれば、人体の抗酸化を助け、免疫力を強める働きを持つ「抗酸化物質」等を指称する語として、いわゆる健康食品等の業界においても一般的に使用されていることが認められる。

また、「SUPERPOWER」及びその読みである「スーパーパワー」の語は、前記第3に係る証拠調べ中3によれば、辞典等において「異常(強大)な力」等を意味するものであり、さらに、前記第3に係る証拠調べ中4によれば、本願の指定商品である薬剤や食品の業界において、その商品の品質・効能等が「強大な力」、「異常な力」等の意味合いを有する語として一般的に使用されていることが認められる。

そうとすれば、「ANTIOXIDANT」と「SUPERPOWER」の欧文字を普通に用いられる方法により表したにすぎない本願商標は、その指定商品との関係よりは「強力な力(効能)を有する酸化防止剤」、「強力な力(効能)を有する抗酸化物質」、あるいは「酸化防止(抗酸化)作用のある強力な力(効能)」を有する商品であることの意味合いを容易に認識させるものであると認められる。

また、本願の指定商品との関係において、ザクロ等の果実や植物より抽出してなるエキス等には、多くの抗酸化作用を含む成分が有するために薬品、化学品及び食品添加物等に使用されていることが前記第3に係る証拠調べ中2(2)、(4)、(6)ないし(9)の事実により確認される。

してみれば、本願商標をその指定商品中、第1類「ザクロ抽出物その他の植物抽出物を原材料としてなる、医薬品及び医薬調整品の添加物として用いられる化学品,ザクロ抽出物その他の植物抽出物を原材料としてなる、化粧品及びスキンケア用品の添加物として用いられる化学品,その他の植物抽出物を原材料としてなる化学品,化学品」、第5類「抗酸化剤を含有する食餌療法用食品添加物及びザクロ抽出物及び植物抽出物から抽出又はザクロ抽出物及び植物抽出物を含む食餌療法用食品添加物,ビタミン及びミネラルを添加した食餌療法用飲料,ザクロ抽出物及び植物抽出物から抽出又はザクロ抽出物及び植物抽出物を含むガン治療及び感染症又はウィルス性疾病用の医薬品及び医薬用調整剤,薬剤」等に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、該商品が「強力な力(効能)を有する酸化防止剤」及び「強力な力(効能)を有する抗酸化物質」であるとの意味合いを認識させるものであり、あるいは「酸化防止(抗酸化)作用のある強力な力(効能)」を有する商品であるとの認識をさせるものであるため、単に商品の品質又は効能を表示したものと認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認識し得ないものであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。

2 なお、請求人は、請求の理由において「本願商標は全体として指定商品の品質、効能等を具体的、直接的に表示するものではなく、さらに、『ANTIOXIDANT』及び『SUPERPOWER』の語を組み合わせている例は他になく、一般に使用されていない特異な組み合わせであるために自他商品識別標識として機能する」旨を主張し、さらに、当審における平成21年3月23日付けの職権証拠調べに対する同年6月23日付け提出の意見書において「『ANTIOXIDANT』及び『SUPERPOWER』の語は、仮に一部の者が、各々の語の有する意味から本願商標について『強力な力(効能)を有する酸化防止剤』、『強力な力(効能)』といった程の意味を理解するとしても、これをもって特定の商品の品質等を直接的かつ具体的に表示したものとはいえず、効能等を漠然と暗示させるにとどまり、その構成全体を以て一体不可分の造語であり、また、両文字の組み合わせでの使用例はなく、その特異な組み合わせに自他商品の識別力がある」旨、主張している。

しかしながら、前記認定のとおり、本願商標を構成する「ANTIOXIDANT」及びその読みである「アンチオキシダント」並びに「SUPERPOWER」及びその読みである「スーパーパワー」の語は、それぞれ本願の指定商品との関係において品質、効能等を表示する語であると認めることができ、さらに、その指定商品を取り扱う業界においては品質、効能等を表示する語として一般的に使用されていることが認められるため、両語を普通に用いられる方法により一連にして表してなるにすぎない本願商標よりは、両語が持つそれぞれの意味合いを参酌し、その指定商品との関係より「強力な力(効能)を有する酸化防止剤」、「強力な力(効能)を有する抗酸化物質」、あるいは「酸化防止(抗酸化)作用のある強力な力(効能)」を有する商品であることの意味合いを取引者、需要者をして容易に認識させるにすぎないものであると認められる。

そして、「ANTIOXIDANT」及び「SUPERPOWER」の語を一連にして表すことによっても、両語が持つそれぞれの意味合いを超え全体として新たな別異の意味合いを生じ得るものとはいい難く、何ら新たな観念が生ずるものとは認められないため、その構成全体をして一体不可分とする理由を見出すこともできない。

次に、商標法第3条第1項第3号の適用に際して、出願に係る商標がその指定商品等の品質等を表示するものとして現実に一般的に使用されている事実の要否について考察するに、同号の趣旨は「これら本号列挙のものを不登録とするのは、これらは通常、商品又は役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから何人も使用をする必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものだから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、多くの場合にすでに一般的に使用がされあるいは将来必ず一般的に使用がされるものであるから、これらのものに自他商品又は自他役務の識別力を認めることはできないという理由による。」(社団法人発明協会発行 特許庁編「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説(第17版) 1171頁」参照)とされ、これよりは必ずしも現実の使用が必要とされているわけではなく、そのことは例えば「同号は、指定商品の品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識される表示態様の商標につき、そのことのゆえに商標登録を受けることができないとしたものであって、同号を適用する時点において、当該表示態様が、商品の品質、用途を表すものとして現実に使用されていることは必ずしも必要でないものと解すべきである。」(東京高等裁判所 平成13年12月26日言渡 平成13年(行ケ)第207号)並びに「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(東京高等裁判所 平成12年9月4日言渡 平成12年(行ケ)第76号)との判示がなされており、これと同旨の判示をした判例はこの他にも存するところである。

そうとすると、たとえ、「ANTIOXIDANT SUPERPOWER」の語が、請求人以外による使用が見当たらないとしても、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、その指定商品の取引者、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され用いられているかによって判断されなければならないところ、本願商標は、前記認定のとおりの意味合いを取引者、需要者をして容易に認識させるにすぎないものであり、かつ、その構成態様を理由として何ら新たな観念を生ずるものとは認められないため、本願商標が自他商品を識別する機能を果たし得るとは言い難いものである。

また、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定商品との関係における、その商品の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるところ、請求人が挙げた商標登録例は、本願商標とはその構成態様を異にするものであり、その指定商品も同一のものとは言い難いものであるから、その存在によって前記判断は左右されないというべきである。

そうとすれば、請求人の前記いずれの主張も採用することはできない。

3 以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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