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Trademark Appeal Case

慣用標章の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−3339(T2009−3339/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「熊出没注意」の文字を横書きしてなり、第6類「金属製貯金箱」を指定商品として、平成20年2月13日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同21年10月20日付け手続補正書により、第6類「缶詰形態を有する北海道旅行記念用金属製貯金箱」に補正されたものである。

第2 原査定における拒絶の理由(要旨)

原査定は、「本願商標は、北海道札幌市所在の『有限会社クリエイティブコンパス』が『マグカップ,Tシャツ,灰皿』等の土産物品に使用している『熊出没注意』の文字を表示してなるものと同一又は類似であるから、これを本願指定商品に使用するときには、上記会社又はその者と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、「熊出没注意」に関して以下の事実が認められるとして、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えて、平成21年9月17日付けで請求人にその結果を通知した。

1 新聞記事について

(1)「道内独自キャラ奮戦中(ニュースらうんじ)/北海道」の見出しのもと、「〈道内の人気土産品ランキング〉北海道観光土産品協会(札幌市)がキャラクター商品や民芸品、クラフトを対象に調べたところ、1位はキティ製品。6位がドラえもん、道産キャラとしては『熊出没注意』の7位が最高だった。」との記載(2005.2.10 朝日新聞北海道地方版/北海道 32頁)。

(2)「〈経済レーダー ティータイム〉函館らしさ表現*相沢菊雄社長」の見出しのもと、「道南食品は、明治製菓の製品を製造するほか、牙をむいたクマの絵をあしらったチョコレート『熊出没注意』や、イカ墨入り、とうきびの粉末を混ぜたチョコレートなど,地域に根ざした商品を製造。道内の観光地や東京の百貨店の物産展などで出荷している。」との記載(2004.9.3 北海道新聞朝刊地方 31頁)。

(3)「〈こども通信〉函館空港 人気の土産は?*孫などに飛行機グッズ 道内限定ぬいぐるみも」の見出しのもと、「空港内のおみやげ品販売の高砂屋(たかさごや)では、北海道の定番ともいえる『熊出没注意』と書いたシリーズが根強い人気。黄と黒色が特徴で、タオル、キーホルダー、ステッカー、キャラメル、軍手など、約百種類が店頭に並んでいます。ミネラルウォーターやガラナなどの飲料水は外国人に人気で、よく売れるそうです。」との記載(2003.10.11 北海道新聞夕刊地方 18頁)。

(4) 「〈エコノみっくす 新商品〉『熊出没注意』キャラメル」の見出しのもと、「菓子製造の道南食品は、『熊出没注意』ブランドのキャラメルを17日から全道で発売する。・・観光土産店のほか、セブンイレブンやスーパーでも発売する。」との記載(2003.7.12 北海道新聞朝刊全道 9頁)。

(5)「ふるさと新聞 北海道新聞 人気急上昇『熊ビール』」の見出しのもと、「観光土産卸の北海道内最大手、北海道観光物産興社が道内限定で売り出した『熊出没注意』ブランドの観光土産用缶ビールが、発売開始から二十日足らずで約七万二千本を売り上げるヒット商品になっている。サッポロビールの『サッポロ黒ラベル』を使用し、缶には北海道観光物産興社の独自ブランドの『熊出没注意』のコピーとヒグマのイラストが描かれている。・・昨年八月から『熊出没注意』ブランドの焼酎、日本酒、ワインを販売しており、今回のビールはこのシリーズの一つ。年間販売目標は三十万本だが、いまのところ計画の二倍近いスピードで売れる人気ぶりだ。」との記載(2002.7.22 中日新聞朝刊 15頁)。

(6)「〈きのう今日あす 地方版から〉2002.5.10」の見出しのもと、「『ヒグマラベルの酒』人気*函館 函館空港の売店で,ラベルにヒグマを描いた日本酒と焼酎が人気。ともに北の誉酒造(札幌)製で、買い求めるのは台湾や香港などの観光客。熊出没注意の漢字とクマの姿が『分かりやすいようです』と同店。」との記載(2002.5.10 北海道新聞夕刊全道 2頁)。

(7)「熊出没本格焼酎44度*土産品審査で日商会頭賞に*特製容器に清里名産じゃがいも焼酎」の見出しのもと、「【清里】町名産の『じゃがいも焼酎』を特製容器に詰めた『熊出没本格焼酎44度』が、第四十二回全国推奨観光土産品審査会(日本商工会議所=日商=など主催)の食品の部で日商会頭賞に輝いた。・・ステンレス製カップ付きのペットボトルに『熊出没注意』と書かれたラベルを張り、清里町焼酎醸造事業所製造の『北緯44度』と同じ原酒を詰めた。」との記載(2002.3.2 北海道新聞朝刊地方 20頁)。

(8)「北海道観光物産興社『北の逸献』を発売 清酒など13銘柄47種」の見出しのもと、「『北の逸献』シリーズは、今年五月の酒類販売業免許の条件緩和を機に、道内酒造メーカー八社と共同で開発した。人気の高いヒグマのイラストが特徴の『熊出没注意』のキャラクターを採用。・・清酒のほかワイン、しょうちゅうなど十三銘柄四十七種をそろえた。道内約百店の酒類取扱い土産品店で販売する。女性観光客を中心に拡販し、初年度三億円、三年後に十億円の売上高を見込む。」との記載(2001.8.6 日本工業新聞 13頁)。

(9)「本紙が選んだ二〇〇二年重大ニュース」の見出しのもと、「その中で『北海道限定ドラえもん』発売や『熊出没注意ビール』大人気、さらに『ピリカキティ』登場・・など商品面での明るい話題も多かった。〔順〕11〔ポイント〕18〔掲載号〕8月〔重大ニュース〕『熊出没ビール』が大ヒット、初回ロットが10日で完売。」との記載(2002.12.5 北海道観光銘産新聞)。

(10)「北海道観光銘産新聞社審議委員会選定 二〇〇三年北海道観光みやげ品番付表」の見出しのもと、「〔関脇〕熊出没注意グッズ 今年発売20年目に突入するロングセラー商品。道内では数少ない男性向けお土産として定着。」との記載(2003.1.5 北海道観光銘産新聞)。

(11)「今年上半期みやげ小売市況」の見出しのもと、「今年上期で好調だった商品は何ですか。・・・〔商品名(非食品)〕熊出没注意グッズ〔メーカー名〕コンパス〔占有率(%)〕2.9」との記載(2005.8.5 北海道観光銘産新聞)。

(12)「コンパス 熊出没バス缶大ヒット 年間一万五千缶販売へ」の見出しのもと、「北海道を代表するキャラクターとして知られる『熊出没注意』のキャラクターが全面にデザインされたクッキー入り『バス缶』が今年七月発売以来、僅か二ヶ月で初回ロット六千缶を完売する大ヒットとなっている。同商品は、このキャラクターを管理運営するデザイン会社の(有)クリエイティブコンパスが道内の菓子メーカーとタイアップして商品化・・」との記載(2005.9.5 北海道観光銘産新聞)。

(13)「地域別人気土産品ベスト5」の見出しのもと、「民工芸・クラフト・キャラクター製品ベスト5 新千歳空港 1位熊出没注意(ノースアイランド)」との記載(2005.10.1 読売新聞)。

(14)「(小売店への質問)今シーズン売行き好調だった商品は何ですか。」の見出しのもと、「〔(非食品分野)商品名〕ハローキティ北海道限定版(あすなろ舎)〔占有率(%)〕9.8%、〔商品名〕熊出没注意シリーズ(コンパス)〔占有率(%)〕4.1%」と記載され、非食品分野において「熊出没注意シリーズ」が2位となっている(2006.1.5 北海道観光銘産新聞)。

(15)「トップブランド根強く『白恋』&『キティ』『まりもっこり』急台頭」の見出しのもと、「〔貴店で売れ行き好調なキャラクター商品は何ですか。〕『ハローキティ』21.3%、 『まりもっこり』18.8%、『熊出没注意』8.8%」と記載され、「熊出没注意」が3位となっている(2006.8.5 北海道観光銘産新聞)。

(16)「低空飛行は」の見出しのもと、「〔(小売店への質問)今シーズン売れ行き好調だった商品は何ですか。〕〔(非食品分野)商品名〕まりもっこり(キョーワ)〔占有率(%)〕12.6%、〔商品名〕熊出没注意(クリエイティブコンパス)〔占有率(%)〕3.8%」と記載され、「熊出没注意」が5位になっている(2007.1.5 北海道観光銘産新聞)。

(17)「熊出没シリーズにバター飴 庄司製菓」の見出しのもと、「北海道を代表するキャラクター『熊出没注意』がバター飴になって新登場し、話題を集めている。これは、飴菓子製造の老舗メーカーとして知られる(有)庄司製菓(旭川市)が『熊出没注意』のデザイナー事務所(有)クリエイティブ・コンパス(札幌市)の北見精悟社長とライセンス契約を結んで商品化したもので・・・」との記載(2007.7.5 北海道観光銘産新聞)。

(18)「熊出没がししゅう帽子に コンパス」の見出しのもと、「『熊出没注意』で知られる(有)クリエイティブ・コンパスはこのほど、同シリーズのオール刺繍仕上げの高級感を持った帽子を新発売した。この帽子は、人気ブランドに定着して久しい『熊出没注意』グッズのひとつで、すべて刺繍仕上げで手編み感が特徴。」との記載(2007.8.5 北海道観光銘産新聞)。

(19)「熊出乾麺が全国の話題に」の見出しのもと、「北海道の代表的な味覚のひとつ『ラーメン』と、これまた北海道の代表的な動物『熊』がドッキングした『熊出没注意・北海道ラーメン』『白熊塩ラーメン』(製造元・藤原製麺(株))・・世界中のインスタントラーメンを揃えた博物館的専門店『アキバ・ヌードル・さくら』の売行きナンバーワンが北海道を代表するキャラクター『熊出没注意』シリーズのラーメン二種類という情報がテレビなどのマスコミで相次いで取り上げられ、それを話題にしたインターネットブログでこのラーメン情報が飛び交うなど、ヤングを中心に全国的な話題となっている。このラーメンを企画した『熊出没注意』ブランド企画会社(有)クリエイティブ・コンパスでは、・・思わぬ反響に戸惑い気味だ。」との記載(2007.10.5 北海道観光銘産新聞)。

2 雑誌について

(1)「北海道 るるぶ ’98〜’99」には、「『熊出没注意』 NorthIsland イエローが目印の熊出没注意グッズならびに、ノースアイランドの各種北海道グッズは、全道各地のおみやげ物店にてお買い求めください。」と掲載されている(1998年5月1日初版発行 発行所JTB)。

「北海道 るるぶ ’00〜’01」(2000年5月1日初版発行 発行所JTB)にも同様な広告が掲載されている。

(2)「北海道 るるぶ ’01〜’02」には、「『熊出没注意』 NORTH ISLAND NORTH ISLAND PRODUCTION’S SHOP おみやげの店 こぶしや(札幌市)、道産クラフトショップ水芭蕉(小樽市)、ネイチャーショップ木いちご(札幌市)、納沙布岬請望苑(根室市)、NorthBeat(虻田郡)、知床五湖レストハウス(斜里郡)、ルスツタワーヘリンボーン(虻田郡)、(株)昭和新山熊牧場(有珠郡)、(有)貴泉堂(登別市)、(有)かまだ商事(稚内市)、工房アウル(阿寒郡)、グリーンハウスいがらし(登別市)」と掲載されている(2001年5月1日初版発行 発行所JTB)。

(3)「じゃらん ウエルカムトゥ北海道 2002年版 春・夏編」には、「北海道で遭いましょう。熊出没注意inHokkaido NORTH ISLAND PRODUCTION’S SHOP」の広告が掲載されている(平成14年4月29日発行 株式会社リクルート北海道じゃらん)。

「じゃらん ウエルカムトゥ北海道 2003年・2004年 秋・冬編」(平成15年9月22日発行 株式会社リクルート北海道じゃらん)にも同様の広告が掲載されている。

(4)「北海道まっぷる ’05−’06」の表紙部分に「2大ブランド激突!ご当地キティVS熊出没注意グッズ」、225頁に、「『熊出没注意』熊出没キャップ付きオイル缶バンク・・・1418円」と掲載されている(2005年4月1日発行 発行所昭文社)。

(5)「札幌小樽・富良野まっぷる ’05−’06」の表紙部分に、「新千歳空港で買うおみやげベスト10 あなたはドッチ派?ご当地キティor熊出没注意グッズ」、117頁に「『熊出没注意』熊出没キャップ付きオイル缶バンク・・・1418円」と掲載されている(2005年6月1日発行発行所昭文社)。

(6)「北海道 ’06〜’07 るるぶ」には、「熊出没注意 すっかりおなじみの人気商品。手に入りづらい数量限定品や、2006年のニューモデルなど新製品もゾグゾク入荷。おみやげの店こぶしや(札幌市)」と掲載されている(2006年3月1日初版発行 発行所JTBパブリッシング)。

(7)「じゃらん ウエルカムトゥ北海道 2006年版」には、「熊出没注意 北海道で遭いましょう。 NorthIsland[A]クッキーバス[B]板チョコレート[C]とうきびショコラ・くるみショコラ[D]キャラメル[E]ピュアバタークッキー[F]インスタントラーメン[G]ビッグチューイングガム[H]ミネラルウォーター [BCD]道南食品株式会社、[F]藤原製麺株式会社、[H]株式会社北酒連、[E]昭和製菓株式会社、[G]有限会社フルーディア、[A]有限会社クリエイティブコンパス」と掲載されている(平成18年4月15日発行 株式会社リクルート北海道じゃらん)。

(8)「北海道ベストプラン まっぷる2007」の139頁には、「熊出没注意 ブラックとイエローをイメージカラーにし、リアルな顔が特徴だ。■問い合わせ先:クリエイティブコンパス■主な販売場所:道内主要みやげ店や道内主要空港など」、ほかに「熊出没注意 CookiesBus」と掲載されている(2007年3月1日発行 発行所昭文社)。

「2007安くて良い宿400軒 北海道まっぷる」(2007年3月1日発行 発行所昭文社)にも「熊出没注意 CookiesBus」の前記と同様の広告が掲載されている。

(9)「HERE!PLUS 北海道 自覧遊 2004年版」には、「熊出没注意」の文字が表示された菓子等の広告が掲載されている(2003年11月発行 東販出版)。

3 インターネット情報について

(1)「セブン・イレブン・ジャパン 北海道フェア 北海道の行列のできるラーメン店の味が手軽に楽しめる!しかも、お土産に人気の『熊出没注意』シリーズもゲットできるんですよ。・・・『熊出没注意 北海道ラーメン醤油味 157円』」との記載(株式会社セブン−イレブン・ジャパンのウェブページ(http://www.sej.co.jp/products/hokkaido0710_05.html ))。

(2)「@niftyニュース アキバ系に『熊出没』!?“ご当地即席ラーメン”81種が集結 2009年5月19日(火)18時17分配信 東京ウォーカー」の見出しのもと、「なんと今回お台場に、全国の即席ラーメンが一堂に会したコーナーが登場した。・・・今や東京はもちろん日本を代表する名店となった『せたが屋』(東京・世田谷)の即席ラーメンや、ネーミングがインパクト大の『北海道熊出没注意ラーメン醤油』(北海道)など、有名店の味からユニークな一品まで、様々な即席ラーメンがそろうこのコーナー。・・・気になるのは今の一番人気。一体どんな即席ラーメンなの?『どれも甲乙付けがたいですが、“熊出没注意〜”や“アキバ発 変身ラーメン”“北海道昭和40年みそラーメン”などはかなり人気ですね』」との記載(ニフティ株式会社が運営する@niftyニュースのウェブページ(http://news.nifty.com/cs/item/detail/tw-20090519-6202/1.htm))。

(3)「コミュニティ・ストア 北海道フェア 7月21日〜8月3日」の見出しのもと、「北海道にこだわった商品や限定商品など、いろいろ取り揃えています。・・〔飲料〕小原 熊出没注意(500ml)168円 〔食品〕藤原製麺 北海道熊出没注意ラーメン醤油180円 北海道観光の土産品キャラクターである『熊出没』シリーズのラーメン。藤原製麺 北海道熊出没注意ラーメン味噌180円 藤原製麺 北海道熊出没注意ラーメン塩180円 〔菓子〕道南食品 熊出没注意トウキビキャラメル(18粒)126円 北海道をイメージした熊出没注意デザイン箱に焼きトウキビ味のキャラメルが入っています。道南食品 熊出没注意イチゴミルクキャラメル(18粒)126円」との記載(国分グローサーズチェーン株式会社の運営するコミュニティ・ストアのウェブページ(http://www.c-store.co.jp/news/0721_hokkaido.html))。

(4)「今が旬北海道フェア 8/22土〜24月」のチラシ中「北海道ラーメン 迫力満点パッケージ!(藤原製麺)熊出没注意ラーメン 醤油・塩・味噌 (各1袋)158円」の記載(株式会社イチコのデジタルチラシ(http://www.ichiko-joetsu.com/new/chirashi/200908/090822.pdf))。

(5)「WebShop NORTHISLAND 熊出没注意」(有限会社クリエイティブコンパスのウェブショップページ(http://compass.iy.shopserve.jp/))。

4 刊行物等提出書(平成20年5月30日付け提出)中の商品カタログについて

(1)「CATALOG SOUVENIR OF HOKKAIDO HOKKAIDO KANKOBUSSANKOSHA CO;LTD」及び「1986 PRICE LIST SOUVENIR OF HOKKAIDO HOKKAIDO KANKOBUSSANKOSHA CO;LTD」と題するカタログ(写し)には、「熊出没注意」の文字を表示した標識、ステッカー、ナップサック、トレーナーなどの写真及び値段が掲載されている(刊行物70)。

(2)「CATALOG SOUVENIR OF HOKKAIDO 別冊 HOKKAIDO KANKOBUSSANKOSHA CO;LTD」及び「1988 PRICE LIST SOUVENIR OF HOKKAIDOHOKKAIDO KANKOBUSSANKOSHA CO;LTD 」と題するカタログ(写し)には、「熊出没注意」の文字を表示したのれん、標識、キーホルダー、ステッカー、灰皿などの写真及び値段が掲載されている(刊行物71)。

(3)「2004 NORTH ISLAND FULL ITEM CATALOG」と題するカタログ(写し)の20頁には、「熊出没注意」の文字を表示した商品の写真と「No.3355熊出没キャップ付きオイル缶バンク 税込み1418円」との記載がある(刊行物3)。

(4)「NORTH ISLAND ITEM CATALOG 2005.12」と題するカタログ(写し)の9頁には、「熊出没注意」の文字を表示した商品の写真と「型番3355熊出没キャップ付きオイル缶バンク 税込み1418円」との記載がある(刊行物4)。

(5)「2006 NORTH ISLAND FULL ITEM CATALOG」と題するカタログ(写し)の22頁には、「熊出没注意」の文字を表示した商品の写真と「No.3355熊出没キャップ付きオイル缶バンク 税込み1418円」との記載がある(刊行物5)。

第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)

請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対し、「本願商標は商標法第4条第1項第15号には該当しない」として、要旨次のように主張し、書証4ないし18及び参考資料を提出した。

1 引用標章の周知著名性について

証拠調べ通知書において引用された商品の販売数量、販売金額が各商品の該当する各業界の総販売高、総需要量に対する当該各商品の占める割合や、カタログの発行地域、部数が不明であるから、これらの商品が記載されていることをもって、有限会社クリエイティブコンパス(以下「コンパス社」という。)が使用している「熊出没注意」の文字(以下「引用標章」という。)が需要者の間に広く知られた標章であるとは認めがたい。

また、該カタログに「熊出没キャップ付きオイル缶バンク」の記載があるが、その販売量、販売高が不明であるから、引用標章がこの商品に使用されていることをもって、「金属製貯金箱」における周知著名性を獲得しているとは認めがたい。

さらに、引用標章は、いつ頃から周知著名となったか、その時期も明らかにされていない。

2 出所の混同のおそれについて

コンパス社とライセンシーとの間の契約履行関係について審理が行われた形跡がなく、また、コンパス社が有している登録商標に専用使用権及び通常使用権の設定がないから、引用標章を使用した商品が、コンパス社若しくはコンパス社とライセンス契約をした者によって、使用されているとは認めがたい。

したがって、引用標章は、コンパス社若しくはコンパス社とライセンス契約をした者による使用でないから、本願商標をその指定商品に使用しても、コンパス社若しくはコンパス社の関連の商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがない。

3 本願商標の登録の必要性について

本願商標の指定商品の外観は、請求人が1996(平成8年)年5月から「熊出没注意」の文字を付した「熊肉大和煮」、「熊肉入り缶詰カレー」などの販売を長年継続してきた商品形態であって、テレビ番組でも紹介されているものであるから、かかる商品形態の模倣盗用を防ぐためにも本願商標は、請求人の商標権として保護を受けるべき法益がある。

4 登録第4121102号標章に係る商標権侵害行為差止等請求事件(平成15年(ワ)第2254号)に関する信義則違反について

コンパス社が平成15年(ワ)第2254号事件において、請求人の商標権の有効性確認と侵害行為の停止を約する裁判上の和解をしたにもかかわらず、同社の働きかけによって証拠調べが行われたとすれば、同社の行為は、和解に反し、信義則違反にあたる。

第5 当審の判断

1 商標法第4条第1項第15号について

商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、「当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品又は指定役務と他人の業務に係る商品又は役務との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品又は役務の取引者・需要者の共通性とその他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品又は指定役務の取引者・需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきである。」(平成10年(行ヒ)第85号、最高裁判所平成12年7月11日判決)。

これを本件についてみると、次のとおりである。

2 本願商標と引用標章の類似性の程度

本願商標と引用標章は、ともに「熊出没注意」の文字を横書きして表されるものであるから、その外観において、書体を異にするとしてもつづり字を同じくするものであり、「クマシュツボツチュウイ」の称呼及び「熊の出没に注意」ほどの観念を同じくすること明らかである。

よって、本願商標と引用標章は、同一又は類似するものである。

3 引用標章の周知著名性

(1)前記第3の証拠調べ及び請求人の提出した書証等によれば、以下の事実が認められる(なお、この項以下において、括弧内の数字は、前記第3の証拠調べの項番を表す)。

ア コンパス社は、木製品、金属、皮革、布製品等のデザイン、製作及び管理等を業とし、「熊出没注意」の文字と口をあけた熊などをデザインした観光土産品を企画、販売している会社であり、引用標章のほかに「NORTHISLAND」又は「NorthIsland」の各標章も使用している(書証4、3(5)等)。

コンパス社が上記各標章を使用していることは、2005年(平成17年)10月1日発行の読売新聞に「1位熊出没注意(ノースアイランド)」(1(13))、「北海道 るるぶ ’98〜’99(1998年(平成10年)5月1日初版発行 発行所JTB)」に「『熊出没注意』 NorthIsland イエローが目印の熊出没注意グッズならびに、ノースアイランドの各種北海道グッズは、全道各地のおみやげ物店にてお買い求めください。」(2(1))、「じゃらん ウエルカムトゥ北海道 2002年版 春・夏編」(2002年(平成14年)4月29日発行 株式会社リクルート北海道じゃらん)」に「熊出没注意in Hokkaido NORTH ISLAND PRODUCTION’S SHOP」(2(3))、「2006 NORTH ISLAND FULL ITEM CATALOG」と題するカタログ(4(5))ほか、2006年(平成18年)1月5日発行、2007年(平成19年)1月5日発行及び同年8月5日発行の北海道観光銘産新聞に掲載されたコンパス社の広告並びに「北海道 るるぶ ’98〜’99(1998年(平成10年)5月1日初版発行 発行所JTB)」に掲載されたコンパス社の広告に、引用標章及び「NORTHISLAND」の文字とともに「クリエイティブコンパス」ないし「有限会社クリエイティブコンパス」の名称が併記されていることなどからも裏付けられる。

イ 引用標章を付した商品カタログは、1986年(昭和61年)及び1988年(昭和63年)に発行(4(1)及び4(2))されていること、及び2003年(平成15年)1月5日発行の北海道観光銘産新聞に「熊出没注意グッズ 今年発売20年目に突入」(1(10))、2005年(平成17年)8月5日発行の北海道観光銘産新聞に「〔商品名(非食品)〕熊出没注意グッズ〔メーカー名〕コンパス」(1(11))、2006年(平成18年)1月5日発行の北海道観光銘産新聞に「[商品名]熊出没注意シリーズ(コンパス)」(1(14))、2007年(平成19年)1月5日発行の北海道観光銘産新聞に「〔商品名〕熊出没注意(クリエイティブコンパス)」(1(16))との各記載があるほか、2006年(平成18年)8月5日発行の北海道観光銘産新聞に「熊出没注意」(1(15))との記載がされ、同紙面中には、「商品名(非食品)」の欄に「熊出没注意」、「メーカー名」の欄に「コンパス」の各記載も併せてあることから、引用標章は、コンパス社によって、遅くとも1986年以降、現在に至るまで使用されていると優に推認することができる。

ウ コンパス社は、少なくとも2004年から2007年までの間に本願商標の指定商品である「缶詰形態を有する北海道旅行記念用金属製貯金箱」と同種の商品と認められるオイル缶バンク(貯金箱)のほか、帽子、ステッカー、ナップサック、トレーナー、灰皿などの商品にも引用標章を付して販売していたことが認められる(1(18)、2(4)、2(5)、4(1)ないし4(5))。

なお、コンパス社が引用標章を付したオイル缶バンクを販売したことは、「北海道まっぷる ’05−’06(2005年(平成17年)4月1日発行 発行所昭文社)」の225頁及び「札幌小樽・富良野まっぷる ’05−’06(同年6月1日発行 発行所昭文社)」の117頁に、「問い合わせ先 クリエイティブコンパス」との記載とともに、引用標章が付された「オイル缶バンク」(2(4)及び2(5))が掲載されていることからも裏付けられる。

エ また、コンパス社は、引用標章を付した自らの業務に係る商品を販売するばかりでなく、タイアップ又はライセンス契約によって、他の事業者に対しても、その業務に係る商品に引用標章の使用を許諾するほか、引用標章ないし「NorthIsland」の標章のもとに、他の事業者と共同で宣伝・広告をしていることが、例えば、次のように認められる。

「クッキー入りバス缶」(2005年(平成17年)9月5日発行「北海道観光銘産新聞」(1(12))、「バター飴」(有限会社庄司製菓:2007年(平成19年)7月5日発行「北海道観光銘産新聞」1(17))、「ラーメン(即席中華そばのめん)」(藤原製麺株式会社:同年10月5日発行「北海道観光銘産新聞」1(19)、2006年(平成18年)4月15日発行「じゃらん ウエルカムトゥ北海道」2(7))、「チョコレート、キャラメル」(道南食品株式会社:同2(7))、「バタークッキー」(昭和製菓株式会社:同 2(7))、「ガム」(有限会社フルーディア:同 2(7))、「ミネラルウォーター」(株式会社北酒連:同 2(7))。

また、請求人の提出に係る書証4中、平成15年8月28日付けの「株式会社 北都代理人 弁護士 前田尚一様」宛のヤマトタカハシ株式会社による書面に、「『熊出没注意』商標については、過去から弊社昆布館での北海道観光グッズとして商品販売しており、(有)クリエイティブコンパスからの商品開発要請は特に疑問なく受諾。」と記載されていることからも、コンパス社は、他社との提携を行っていたということができる。

オ 本願商標の登録出願前に、コンパス社に係る引用標章を付した商品が、北海道の土産品として人気を博していたことが、新聞、雑誌等で取り上げられており、例えば、次のような記事等が認められる。

2003年(平成15年)1月5日発行北海道観光銘産新聞には「〔関脇〕熊出没注意グッズ 今年発売20年目に突入するロングセラー商品。」(1(10))、2005年(平成17年)9月5日発行の北海道観光銘産新聞には「北海道を代表するキャラクターとして知られる『熊出没注意』のキャラクターが全面にデザインされたクッキー入り『バス缶』が今年七月発売以来、僅か二ヶ月で初回ロット六千缶を完売する大ヒットとなっている。」(1(12))、同年10月1日発行の読売新聞には「民工芸・クラフト・キャラクター製品ベスト5 新千歳空港 1位熊出没注意(ノースアイランド)」(1(13))、2007年(平成19年)7月5日発行の北海道観光銘産新聞には「北海道を代表するキャラクター『熊出没注意』がバター飴になって新登場し、話題を集めている。」(1(17))、同年8月5日発行の北海道観光銘産新聞には「『熊出没注意』で知られる(有)クリエイティ・ブコンパスは・・・帽子を新発売した。この帽子は、人気ブランドに定着して久しい『熊出没注意』グッズのひとつ」(1(18))、同年10月5日発行の北海道観光銘産新聞には「世界中のインスタントラーメンを揃えた博物館的専門店『アキバ・ヌードル・さくら』の売行きナンバーワンが北海道を代表するキャラクター『熊出没注意』シリーズのラーメン二種類という情報がテレビなどのマスコミで相次いで取り上げられ、・・・ヤングを中心に全国的な話題となっている。」(1(19))、2005年(平成17年)4月1日発行の「北海道まっぷる ’05−’06」(発行所昭文社)には「2大ブランド激突!ご当地キティVS熊出没注意グッズ」(2(4))、2006年(平成18年)3月1日発行の「北海道 ’06〜’07 るるぶ」(発行所JTBパブリッシング)には「熊出没注意 すっかりおなじみの人気商品。」(2(6))、株式会社セブン−イレブン・ジャパンのウェブページには「お土産に人気の『熊出没注意』シリーズ・・・『熊出没注意 北海道ラーメン醤油味・・・』」(3(1))、@niftyニュースのウェブページには「ネーミングがインパクト大の『北海道熊出没注意ラーメン醤油』」(3(2))、コミュニティ・ストアのウェブページには「藤原製麺 北海道熊出没注意ラーメン醤油180円 北海道観光の土産品キャラクターである『熊出没』シリーズのラーメン。」(3(3))。

カ また、北海道観光銘産新聞には、非食品分野において、コンパス社に係る引用標章を付した商品が北海道の土産品として人気を博していることが紹介されている。

(ア)「今年上期で好調だった商品は何ですか。」の見出しの下、「熊出没注意グッズ〔メーカー名〕コンパス〔占有率(%)〕2.9」とされ、7位となっている(2005年(平成17年)8月5日発行 1(11))。

(イ)「(小売店への質問)今シーズン売行き好調だった商品は何ですか。」の見出しの下、「熊出没注意シリーズ(コンパス)〔占有率(%)〕4.1%」と記載され、2位となっている(2006年(平成18年)1月5日発行)1(14))。

(ウ)「貴店で売れ行き好調なキャラクター商品は何ですか。」の見出しの下、「『熊出没注意』8.8%」と記載され、また、同紙面において、「今年上期貴店で売れ行き好調だった商品は何ですか。」の見出しの下、「熊出没注意グッズ〔メーカー名〕コンパス〔占有率(%)〕3.1」と記載され、3位となっている(同年8月5日発行 1(15))。

(エ)「(小売店への質問)今シーズン売行き好調だった商品は何ですか。」の見出しの下、「熊出没注意(クリエイティブコンパス)〔占有率(%)〕3.8%」と記載され、5位となっている(2007年(平成19年)1月5日発行 1(16))。

(2)以上の認定事実によれば、コンパス社は、遅くとも1986年(昭和61年)以降、主に北海道観光の土産品として、「オイル缶バンク(貯金箱)」、「帽子」、「ステッカー」、「ナップサック」、「トレーナー」、「灰皿」などの非食品分野の商品に引用標章を使用したほか、他社との提携等により、「バター飴」、「即席中華そばのめん」、「チョコレート」、「キャラメル」、「バタークッキー」、「ガム」、「ミネラルウォーター」などの食品分野の商品にも引用標章を使用したものと認められる。

そして、これらの引用標章を使用した商品又は引用標章は、新聞、雑誌において、「北海道を代表するキャラクターとして知られる『熊出没注意』のキャラクターが全面にデザインされたクッキー入り『バス缶』が・・・大ヒット」(1(12))、「北海道を代表するキャラクター『熊出没注意』がバター飴になって新登場し、話題を集めている。」(1(17))、「『熊出没注意』で知られる(有)クリエイティ・ブコンパスは・・・帽子を新発売した。この帽子は、人気ブランドに定着して久しい『熊出没注意』グッズのひとつ」(1(18))、「売行きナンバーワンが北海道を代表するキャラクター『熊出没注意』シリーズのラーメン二種類という情報がテレビなどのマスコミで相次いで取り上げられ、・・・ヤングを中心に全国的な話題となっている。」(1(19))、「2大ブランド激突!ご当地キティVS熊出没注意グッズ」(2(4))、「熊出没注意 すっかりおなじみの人気商品。」(2(6))、「北海道観光の土産品キャラクターである『熊出没』シリーズのラーメン。」(3(3))などと紹介され、北海道観光土産品の非食品分野において、2005年(平成17年)上期は7位、2005年通期では2位、2006年(平成18年)上期は3位、2006年通期では5位となっており、とりわけ、非食品分野における、土産品全体に占める占有率も高いことが認められる。

そうすると、引用標章は、コンパス社又は同人と何らかの事業提携をする者の業務に係る菓子、即席中華そばのめんのほか、ステッカー、トレーナー、灰皿ほか本願商標の指定商品を含む非食品分野の商品を中心とする北海道の土産品に使用する商標として、本願商標の登録出願時には、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたということができるものであり、また、その状況は現在に至るまでも引き続き同様と見て差し支えないものである。

4 引用標章の独創性の程度

「熊出没注意」の語は、国語辞典等には一連の成語としての掲載はされていないが、熊の出没に注意を促す看板等の標語として使用されていることから、標章としての独創性は必ずしも強いとはいえない。

しかし、かかる語からなる引用標章は、前記のとおり、本願商標の登録出願時ないし現在においても、コンパス社あるいは同人と提携をする者によって使用される商標として、需要者の間に広く認識されているというべきものであるから、たとえ、「熊出没注意」の語が標語として使用されているとしても、そのことをもって、直ちに引用標章の周知著名性までが否定されるものではない。

5 商品の関連性及び取引者・需要者の共通性について

本願商標の指定商品は、「缶詰形態を有する北海道旅行記念用金属製貯金箱」とするところ、「北海道旅行記念用」とされていることからすると、主に北海道における土産物店で取り扱われるものというのが相当である。

一方、引用標章も、前記3のとおり、北海道における土産物店で取り扱われる商品に使用されるものであり、かかる商品の中には、貯金箱も含まれているものである。

そうすると、本願商標の指定商品と引用標章を使用する商品とは、その商品の販売場所を同じくし、土産用という点において目的を同じくし、さらに、貯金箱については、商品そのものの用途をも同じくするものであるから、両者の関連性は極めて高いというべきである。

また、本願商標の指定商品と引用標章を使用する商品は、北海道を観光する者向けの土産品といい得ることから、その需要者も共通にするものである。

そして、その需要者は、主として北海道の土産物を購入しようとする一般消費者であって、商品を購入するに際して払われる注意はさほど綿密なものとはいえないものである。

6 小活

以上の3ないし4を総合してみれば、本願商標「熊出没注意」を請求人がその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者が周知著名となっている引用標章を連想又は想起し、その商品が、あたかもコンパス社又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

7 請求人の意見について

(1)請求人は、証拠調べの各証拠をもって、引用標章が、周知著名であるとは認められない、また、引用標章の周知著名となった時期が明らかでない旨主張する。

しかし、引用標章は、前記3(2)のとおり、遅くとも1986年(昭和61年)から、土産品に使用され、また、新聞、雑誌によって引用標章を付した商品が人気を博していると認められるものであるから、本願商標の登録出願時である2008年(平成20年)には、需要者の間に広く認識されていたということができ、その状況は現在に至るまでも引き続き同様と見て差し支えないものである。

したがって、たとえ、コンパス社又は同人と提携をする者の取扱いに係る商品の販売数量、カタログの発行部数等が明らかではないとしても、かかる認定を左右するものではないから、請求人の上記主張は採用することができない。

(2)請求人は、コンパス社が有する登録商標に専用使用権及び通常使用権の設定がなく、同社がライセンシーとの間にライセンス契約を行った形跡があると認識できない旨主張する。

しかし、商標登録原簿に専用使用権又は通常使用権の設定がないことをもって、直ちに、登録商標の使用に関する契約がないということができないばかりでなく、前記第3の証拠調べによれば、「同商品は、このキャラクターを管理運営するデザイン会社の(有)クリエイティブコンパスが道内の菓子メーカーとタイアップして商品化」(1(12))、「(有)庄司製菓(旭川市)が『熊出没注意』のデザイナー事務所(有)クリエイティブ・コンパス(札幌市)の北見精悟社長とライセンス契約を結んで商品化」(1(17))、「『熊出没注意・北海道ラーメン』『白熊塩ラーメン』(製造元・藤原製麺(株))・・・このラーメンを企画した『熊出没注意』ブランド企画会社(有)クリエイティブ・コンパス)(1(19))などの記載が認められ、また、「じゃらん ウエルカムトゥ北海道 2006年版」(2006年(平成18年)4月15日 株式会社リクルート北海道じゃらん発行)の48頁には、大きく書された「熊出没注意」の文字の下、手書き風の「NorthIsland」、「PRODUCT INSTITUTE COMPASS」及び「http://www.north−island.co.jp」の各文字が記載されているところ、該「NorthIsland」の文字は、コンパス社の使用に係る標章と認められ、引用標章を表示した商品写真の下に、「有限会社クリエイティブコンパス」ほか「道南食品株式会社」、「藤原製麺株式会社」、「株式会社北酒連」、「昭和製菓株式会社」、「有限会社フルーディア」と記載されていることからも、コンパス社は、他の事業者と、引用標章についての契約をしていると優に推認することができる。

また、請求人の提出に係る書証6には、「(有)クリエイティブコンパスが商標を取得し、他の食品会社等とタイアップ又は、ライセンス契約をしたものです。」と述べており、請求人もコンパス社が他社とライセンス契約等をしていることを自認している。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

(3)請求人は、本願商標は、自己の販売に係る商品形態の模倣を防ぐため、請求人の商標権として保護を受けるべきである旨主張する。

確かに、請求人の提出に係る書証及び参考資料並びに請求人の主張によれば、請求人に係る「熊出没注意」の文字を付した「熊肉大和煮」が1996年(平成8年)には、販売され(参考資料)、該文字を付した「熊肉大和煮」及び「熊肉入り缶詰カレー」が、2000年(平成12年)5月18日ないし2009年(平成21年)9月13日の間にテレビで紹介され(書証7ないし12)、「熊肉入り缶詰カレー」が同2006年(平成18年)4月1日ないし2008(平成20年)年4月1日の間に雑誌で紹介され(書証13ないし16)ていることが認められる。

しかし、商標法は、商標登録によって、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図ること等を目的とするものであり、指定商品の商品形態を保護するものではないこと明らかである。

そして、請求人の取扱いに係る「熊出没注意」の文字を使用した商品がテレビ放映等よって需要者に知られ、かつ、本願商標の指定商品が熊肉入り缶詰カレーと同じパッケージデザインを意図するものであるとしても、本願商標の指定商品は、食品とは異なる「缶詰形態を有する北海道旅行記念用金属製貯金箱」であり、引用標章は、前記3(2)のとおり、とりわけ非食品分野での北海道の土産品において、需要者の間に広く認識されているというべきものであるから、請求人が熊肉入り缶詰カレーに「熊出没注意」の登録商標を使用していることをもって、本願商標をその指定商品に使用した場合、商品の出所の混同を生ずるおそれがあるとの認定判断が左右されるものではない。

よって、かかる請求人の主張は理由がない。

(4)請求人は、コンパス社が信義則違反に当たることを行っている旨主張する。

しかし、コンパス社は、原審における平成20年5月30日付け差出しの刊行物提出書を提出しているものであるが、これをもって、本願商標について商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについての当審における審理が、コンパス社の働きかけに基づいて行われたとの主張は、何ら根拠がなく、請求人の憶測にすぎないものであり、また、「第18回弁論準備手続調書(和解)」(書証5)には、請求人所有の「熊出没注意」の文字からなる商標登録第4121102号について、コンパス社等の侵害を認め、和解金等を支払う旨が記載されているほか、「5 被告ら(審決注:コンパス社等)は、・・・別紙登録商標目録記載の商標権の存続期間中においては、当該商標権の商標原簿に記載された指定商品(審決注:第29類 食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく、但し、乳製品,食用油脂を除く、但し、お茶漬けのり,ふりかけ,干しのり,焼きのりを除く)について、別紙商標目録記載の標章を使用しないことを確約する。」、「7 原告(審決注:請求人)及び被告らは、原告と被告らとの間には、この和解条項に定めるもののほかに何らの債権債務がないことを相互に確認する。」と記載されていることが認められるところ、かかる刊行物提出書の提出が上記和解条項に反するものともいえず、かつ、コンパス社及び同人と契約等を有する者による前記認定に係る商品についての引用標章の使用が商標登録第4121102号の指定商品の範ちゅうに含まれるものとはいえない。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

8 むすび

以上のとおり、本願商標をその指定商品に使用するときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ないから、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定の理由は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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