結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−301556(T2008−301556/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第366077号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「ATHLETE」の欧文字を横書きし、その下に「アスリート」の片仮名文字を縦書きしてなる構成よりなり、昭和21年7月13日に登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和21年9月25日に設定登録、その後、5回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
そして、指定商品については、平成19年3月22日に指定商品の書換登録がなされ、第6類「アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台」、第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」、第9類「ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第19類「飛び込み台(金属製のものを除く。)」、第20類「スリーピングバッグ,揺りかご,幼児用歩行器」、第21類「コッフェル」及び第28類「おもちゃ(おもちゃ花火・折り紙・きびがら・千代紙を除く),人形,運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)」となったものである。
請求人は、本件商標の全指定商品についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べている。
請求人が調査したところ、本件商標は、日本国内でその指定商品である「第6類 アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台,第8類 水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル,第9類 ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,第19類 飛び込み台(金属製のものを除く。),第20類 スリーピングバッグ,揺りかご,幼児用歩行器,第21類 コッフェル,第28類 おもちゃ(おもちゃ花火・折り紙・きびがら・千代紙を除く),人形,運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)」について、商標権者によって継続して3年以上使用された事実がない。
また、本件商標の登録原簿には、専用使用権又は通常使用権の設定の記録はなく、他に商標権者の許諾を得て使用している者も見出せなかった。
したがって本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人は、平成21年3月24日付け答弁書に添付してカタログ(乙第2号証)、発注伝票(乙第3号証)を提出するとともに、本件商標が指定商品中「運動用具」に含まれる「バーベルセット」及び「ウエート用ベルト」等について、日本国内において本件審判の予告登録日から遡って3年の間に商標権者によって使用されていた旨を主張している。
(2)不使用による商標登録の取消しを免れるためには、審判請求登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかが指定商品又は指定役務について登録商標の使用をしていることが要求される。このことについて各乙号証を検討する。
乙第2号証は、商標権者が2005(平成17)年12月に発行したカタログであり、その発行時期が最後のページ右下に記載されていることから、審判請求前3年以内の日本国内において頒布されたものであることは容易に推測される。しかしながら、この12月発行というのが12月26日以前、つまり審判請求前3年以前の発行ということも推測可能である。また、2006年用のカタログではあってもそれはあくまでもカタログのことであり、本件商標を付した商品が実際に販売されたという客観的な事実がない。
さらに、ここに見られるバーベルセット等の商品は確かに本件商標における指定商品「運動用具」に含まれるものであるが、事実ここに掲載された写真に示されたものは「Athlete」の文字を斜めに表示したものが付されている。それらは皆、本件商標のようにアルファベットの「ATHLETE」の横書きとカタカナの「アスリート」の縦書きを表記しただけのものではなく、全体がほぼ同じフォントで頭文字が大文字の「Athlete」の活字を斜体で表示し、しかも「A」の文字は筆記体のように一筆で描き、そのため「A」の横棒が字の最下部に配置された構成に見えるため、乙第2号証は登録商標の使用を証明する資料とはならない。
この乙第2号証に見られる被請求人の商標は、本件商標とはその構成上、表記を変換しただけの商標とは言えない上に、同一の観念を生ずるとは言えず、社会通念上同一と見られる商標の使用には該当しない。
乙第3号証は、乙第2号証にも掲載された「28EB37040」の商品の販売を示す発注伝票であり、記入年月日が「2007/02/05」とあることから、審判請求前3年以内の使用を立証するものであると認められる。
しかしながら、発注先の三星工業株式会社、送品先の長崎スポーツセンターとも、本件商標の商標権者、専用使用権者、または通常使用権者のいずれかに該当することは証明されていない。しかも、同伝票の担当者欄に「【ミズノ】」の文字は見えるが、送信元として審判被請求人の正式名称も見られない上に、登録商標そのものに関する記載もない。
さらに、ここに見られる上記品番は、乙第2号証においては「バーベルセット」の欄に記載があるのに対し、乙第3号証において「ラバープレートセット40K」として記載されている。被請求人は、「正しい表記はラバーバーベルセット40K」と主張しているが、これがバーベルセットであったことが事実であるかどうかは証明されていない。つまり、発注伝票に登録商標が明確に記載されていないだけではなく、それが「運動用具」に該当するバーベル類なのか、どういう商品か不明瞭なラバープレートなのかは明確にされていない。
以上、検討した結果、答弁書に添付された各乙号証は審判請求登録前3年以内の商標権者、専用使用権者、通常使用権者による登録商標の使用を証明するものとは認められない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。
(1)被請求人(商標権者)は、商標権取消し審判の予告登録日である平成21(2009)年1月6日(審決注:答弁書記載の「平成20(2008)年12月26日」は誤記と認められる。以下同じ。)から遡って3年の間に、日本国内において、本件商標「ATHLETE/アスリート」を運動用具に継続して使用している。以下、本件商標を継続して使用している事実を立証する。
(2)まず、被請求人は、被請求人会社が2005(平成17)年12月に発行した「2006/PERSONAL FITNESS/SPORTS RECREATION」カタログの抜粋写しを乙第2号証として提出する。
このカタログの裏表紙の最下部には、「2005年12月発行 ミズノ株式会社」と記載されている。したがって、本カタログは、2005年12月に発行されたことがわかる。
一般に、このようなカタログは、1年毎に作成されるものである。すなわち、2005(平成17)年12月に発行されたこのカタログは、少なくとも2006(平成18)年1月から12月の商談時(販売)に使用されたものである。したがって、商標権取消し審判の予告登録日から遡って3年の間である少なくとも平成18(2006)年1月から12月の間は使用されていたものである。
次に、前記カタログの第25〜28頁では、ラバーバーベルセット、ラバープレート、バーベルセットC型、バーベルセットD型、バーベルセットE型、ダンベルセットB型、ダンベルセットC型、ラバープレートダンベルセット、ウエイトラック・ウエイトハンガー・セットダンベル用ラックの写真、ウエート用ベルトに商標「Athlete」が使用されていることが分かる。
この商標「Athlete」の使用は、本件商標「ATHLETE/アスリート」の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて、同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標である。
したがって、本件商標は商標権取消し審判の予告登録日前3年以内の平成18(2006)年から継続してその指定商品である「運動用具」に使用されてきたものである。
(3)乙第3号証に示す伝票は、被請求人会社が発注を受けて、本商標を付したラバーバーベルセットを送品したことを示す「発注伝票」の写しである。乙第3号証には、長崎市愛宕4−501所在の長崎スポーツセンター宛に、2007(平成19)年2月5日 品番28EB3740「ラバープレートセット40K」が1セット送品されていることがわかる。
品番28EB3740「ラバープレートセット40K」(正しい表記は「ラバーバーベルセット40K」)は、乙第2号証に示すカタログ第25頁の最上段の表の3行目に記載されている商品であり、その商品の写真は同頁の一番上に載っている。
このように、本件商標を付した運動用具は、カタログに記載されているだけでなく、実際に販売されたことも明らかである。
(4)結論
以上のように、本件商標は、商標権取消し審判の予告登録日である平成21(2009)年1月6日から遡って3年以内に、被請求人が、その指定商品中の運動用具に継続使用していたものである。
したがって、本件審判請求の理由は成り立たない。
(1)乙第2号証は、商標権者(被請求人)が発行した「2006 PERSONAL FITNESS SPORTS RECREATION」をタイトルとする商品カタログの抜粋写しであるところ、次のような記載、掲載がある。
ア 該カタログの裏表紙の右下には、「2005年12月発行」との記載がある。
イ 該カタログの第25頁には、「ラバーバーベルセット(φ28mm)(シャフト付き)」と「ラバープレート」及び「ラバーバーベルセット(φ50mm)(シャフト付き)」と「ラバープレート」のそれぞれの項目上方に、「Athlete」の欧文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が付された黒色のバーベル用鉄盤の写真が掲載されている。
ウ 該カタログの第26頁には、「バーベルセットC型(φ50mm)(シャフト付き)」及び「バーベルセットD型(φ28mm)(シャフト付き)」と「バーベルセットE型(φ28mm)(シャフト付き)」のそれぞれ項目上方に、使用商標が付された赤色のバーベル用鉄盤の写真が掲載されている。
エ 該カタログの第27頁には、「ダンベルセットB型(シャフト付き)」と「ダンベルセットC型(シャフト付き)」の項目上方に、使用商標が付された赤色のダンベル用鉄盤の写真が掲載されており、当該写真の右には「ダンベルプレート 28EP−26000 1kgあたり¥699(本体¥665)」との記載がある。
オ 該カタログの第28頁には、「ウエート用ベルト(28TT−19509)」及び「ウエート用ベルト(28TT−19009)」の両項目それぞれの上方に、使用商標が付された黒色のウエート用ベルトの写真が掲載されている。
(2)乙第3号証は、2007年2月5日付けの「長崎スポーツセンター」宛に商品を送付するための発注伝票の写しであるところ、「担当者」の項目に「阿部美穂子(フク業務【ミズノ】)」、「希望納期」の項目に「2007/02/08」、「ミズノ品番」の項目に「28EB37040」、「品名」の項目に「ラバープレートセット40K」、「数量」の項目に「1」、「出荷予定」の項目に「2・6」、「発注先」の項目に「三星工業株式会社」等の記載がある。
(1)被請求人は、バーベル用鉄盤に使用商標を表示してなる、ラバーバーベルセット(φ28mm及びφ50mm)及びラバープレート、バーベルセット(C型、D型及びE型)及びバーベルプレート、ダンベル用鉄盤に使用商標を表示してなるダンベルセット(B型及びC型)及びダンベルプレート、使用商標を表示してなるウエート用ベルトを掲載したカタログ「2006 PERSONAL FITNESS SPORTS RECREATION」を2005年12月に発行したことが認められ、その発行年月及びカタログの「2006」の記載から、2006年1月以降使用したものと優に推認できる。
(2)被請求人は、2007年2月5日に、三星工業株式会社に対して、2007年2月8日を希望納期として長崎スポーツセンターに、品番が「28EB37040」のラバープレートセット40Kを1個送品するように発注したことが認められる
そして、上記ラバープレートセット40Kの品番「28EB37040」は、上記(1)のカタログ中の、ラバーバーベルセット(φ28mm)の40Kgセットの品番に該当するものと認められるから、上記発注商品は該カタログ中の使用商標を表示してなるラバーバーベルセット(φ28mm)の40Kgセットであると認められる。
(3)そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成21(2009)年1月6日)前3年以内に日本国内において請求に係る指定商品中の「ラバーバーベルセット,(ラバーバーベル用)ラバープレート,バーベルセット,ダンベルセット,ダンベルプレート,ウエート用ベルト」について使用商標を使用していたというのが相当である。
(4)請求人は、乙第3号証の発注伝票の担当者欄に「【ミズノ】」の文字が見えるが、送信元として被請求人の正式名称が見られないから、使用の事実の立証にならない旨主張しているが、取引伝票において社名等を略称して表示することは、普通に行われているところであり、「ミズノ」の表示は被請求人の略称を表示したものとして何ら不自然な点はないから、請求人の主張は採用できない。
請求人は、「使用商標は、本件商標のように欧文字の「ATHLETE」の横書きと片仮名文字の「アスリート」の縦書きを表記しただけのものではなく、全体がほぼ同じフォントで頭文字が大文字の「Athlete」の活字を斜体で表示し、しかも「A」の文字は、筆記体のように一筆で描き、そのため「A」の横棒が字の最下部に配置された構成に見えるため、本件商標とはその構成上、表記を変換しただけの商標とはいえない上に、同一の観念を生ずるとは言えず、社会通念上同一と見られる商標の使用には該当しない。」旨主張している。
しかしながら、使用商標は、明らかに「Athlete」の文字をデザインしてなるものと認められるものであり、この程度の図案化は、取引の実際において普通に行われている範囲のものといえるものである。そして、使用商標と本件商標の「ATHLETE」とは、大文字と小文字の違いにすぎず、片仮名文字の「アスリート」は、「ATHLETE」の表音であるから、本件商標と引用商標は、同一の称呼、観念を生ずることは明らかである。
してみれば、使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件商標に係る指定商品中の「ラバーバーベルセット,(ラバーバーベル用)ラバープレート,バーベルセット,ダンベルセット,ダンベルプレート,ウエート用ベルト」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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