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Trademark Appeal Case

周知商標の類似性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900077(T2009−900077/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5191287号商標の指定商品中、第9類「録画済みDVD,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5191287号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成20年6月6日に登録出願、第9類「録音済みCD,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音声ファイル,録画済みDVD,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」を指定商品として、同年11月26日に登録査定、同年12月19日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、結論同旨の決定を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第315号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、申立人が、商品「録画済みDVD,録画済みビデオテープ」について使用し、本件商標の登録出願前より取引者、需要者の間に広く認識されている「golden Candy」の欧文字を書してなる商標(以下「引用商標1」という。)、別掲(2)のとおりの構成よりなる商標(以下「引用商標2」という。)。及び「ゴールデンキャンディ」の片仮名文字を書してなる商標(以下「引用商標3」という。)(以下、まとめていうときは、単に引用商標という。)と類似する商標であり、かつ、引用商標を使用している商品と同一又は類似する商品に使用するものである。

2 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、申立人がハウスマークとして長年にわたり使用している「FREEVISION CO.,LTD.」を含むものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の商品と誤認されるおそれがある。

3 商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、引用商標と極めて類似するものであり、かつ、申立人のハウスマークを含むものであるから、不正の目的をもって使用するものである。

4 商標法第4条第1項第7号について

商標権者が、申立人の商標に類似する商標の登録を試みた行為は、公の秩序、善良の風俗を害するものである。

5 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反してされたものである。

第3 取消理由通知(要旨)

1 商標法第4条第1項第10号について

(1)引用商標の周知著名性

申立人の提出に係る証拠「甲第2号証ないし甲第313号証」によれば、以下の事実が認められる。

ア 甲第2号証は、申立人の履歴事項全部証明書で、会社成立の年月日は昭和61年7月23日(中野区弥生町一丁目27番6号)、平成16年10月5日に「中野区弥生町五丁目8番7号」へ移転、目的の欄の「3.」に「録画済ビデオテープ,ビデオディスクおよびレーザーディスクの企画・制作および販売」と記載されている。

イ 甲第3号証は、平成20年12月19日付けの日本ビデオ倫理協会の発行した証明書であるところ、以下の内容が記述され、右下部に日本ビデオ倫理協会理事長の押印がなされている。

日本ビデオ倫理協会は、東京都中野区弥生町五丁目8番7号(旧住所 東京都中野区弥生町一丁目27番6号)申立人及び申立人の商標「golden Candy」について以下の事項について証明する。

(ア)申立人は、昭和61年8月21日より平成20年6月末日の間当協会の加盟メーカーであった。

(イ)申立人は、入会以後継続して...制作・販売活動を行っていた。

(ウ)当協会は、昭和63年1月以降、申立人制作の「golden Candy」レーベルの作品を受領し審査していた。

(エ)当協会は、「『golden Candy』は申立人にかかる周知の商標である」と理解している。

ウ 甲第4号証は、平成20年12月19日付けの日本映像倫理審査機構の証明書で、以下の内容が記述され、右下部に日本映像倫理審査機構の代表理事の押印がなされている。

日本映像倫理審査機構は、東京都中野区弥生町五丁目8番7号(旧住所 中野区弥生町一丁目27番6号)申立人及び申立人の商標「golden Candy」について以下の事項について証明する。

(ア)申立人は、平成20年7月1日当審査機構に入会し現在も会員である。

(イ)申立人に関しては、入会後の平成20年10月3日付検査済証発行分より作品の審査を開始した。

(ウ)当審査機構は、入会以後現在に至るまで申立人制作の「golden Candy」レーベルの作品を受領し審査している。

(エ)当審査機構は、「『golden Candy』は申立人にかかる周知の商標である」と理解している。

エ 甲第5号証ないし甲第17号証は、アダルトビデオ情報雑誌の広告部分の写しであるところ、甲第5号証ないし甲第8号証は1991年12月号、1999年11月号、2000年6月号、2001年4月号の「ビデオTHEワールド」(株式会コアマガジン 発行)、甲第9号証ないし甲第11号証は1991年4月号、1993年3月号、2005年2月号の「AVCLUB」(株式会社悠文社 発行)、甲第12号証ないし甲第17号証は2005年8月号、2006年2月号、同年8月号、2007年2月号、同年8月号及び2008年12月号の「月刊 アダルトオールマイティー/Adult ALMIGHTY」(株式会社ケンメディア 発行)であって、録画済みビデオの特定の場面の写真と共に「ゴールデンキャンディ」、「golden Candy」の表示及び「(株)フリービジョン」の表示があり、甲第17号証の2枚目には上部中央に別掲(2)のとおりの構成よりなる「golden/Candy」、「SINCE1986」の表示、下部の余白の部分に「株式会社フリービジョン/中野区弥生町5−8−7」の表示がなされている。

オ 甲第18号証は、甲第5号証ないし甲第17号証に関する申立人宛の株式会社ギャガ・クロスメディア・マーケティング外発行の雑誌広告掲載料請求伝票、領収伝票、納品書の写しである。

カ 甲第19号証は、昭和63年1月5日から平成17年12月24日までの「『Golden Candy』作品リスト」の写しである。

キ 甲第20号証は、平成14年4月4日から平成20年1月25日までの申立人の作成したビデオに関する日本ビデオ倫理協会の審査終了リストの写しである。

ク 甲第21号証ないし甲第300号証は、甲第20号証で審査を受けたビデオのジャケットで、引用商標2が上部中央に、下部左側には引用商標2と共に発売元として申立人の名称と住所が併記されている。

ケ 甲第301号証は、甲第21号証ないし甲第300号証に関する申立人に対する日本ビデオ倫理協会の検査終了証である。

コ 甲第302号証は、甲第21号証ないし甲第300号証に関する申立人の卸売業者に対する請求書である。

サ 甲第303号証は、甲第21号証ないし甲第300号証に関する申立人に対する箱詰め発注先の請求書である。

シ 甲第304号証は、平成20年5月7日から平成20年7月9日到着分「golden Candy」録画済みビデオテープ、録画済みビデオディスクプレゼント応募はがきの写しである。

ス 甲第305号証は、申立人の「golden Candy」ホームページであるところ、これには引用商標1及び引用商標2が表示されており、そして、5頁目には「(株)ブレイブキング及び(株)フリービジョン・ゴールデンキャンディーより発売若しくは発売予定の商品で映像・監修/(株)フリービジョン/ゴールドキャリーレーベル 映像・受信・著作/(株)フリービジョン/ゴールデンキャンディーレーベルと明記されたこれらの商品について、弊社が関係もしくは販売する商品なのか?とのお問い合わせでした。弊社は上記会社に対して、商号及びレーベルを使用する一切の許諾を与えておりません。上記2社及びそこから販売される商品は弊社とは全く無関係ですのでお客様各位におかれましてはご承知置きのほど宜しくお願い申し上げます。」旨記載されている。

セ 甲第306号証は、第305号証のホームページ制作者から申立人に対する請求書(2004年11月から2008年10月分)である。

ソ 甲第307号証は、第306号証のホームページのプロバイダからの申立人に対する使用料の請求書(2006年7月から2008年10月分)である。

タ 甲第308号証は、レンタル業「DMM.com」のDVDレンタルサイトのホームページであり、「2008年4月に申立人の販売休止後もその商品を保有しレンタル商財としてネット上に公開し続けている。...また、このページ画像より申立人製品がgolden Candyレーベルの商品として、少なくとも『貸出開始日』より市場に存在しレンタル商財として流通していることが確認できる。」旨記載されている。

チ 甲第309号証は、申立人の発行の折り込みチラシで、「平成20年4月末日を持ちましてgolden Candyレーベルからの商品の発売を休止しております。...平成21年初頭に販売を再会すべく準備中である」旨記載されている。

ツ 甲第310号証は、第309号証のチラシ印刷等の請求書(日付け、2008年7月15日)である。

テ 甲第311号証は、商標権者のホームページで、2頁目に、「フリービジョン・ゴールデンキャンディー」と「ゴールデンキャンディー」の見出が表示されている。

ト 甲第312号証は、2チャンネルの掲示板で、8頁に「...本物はFREEVISION CO.,LTD.だけど、パチモンは、FREEVISION DIRECTION...CUTになっている。しかもさらに良く見たら制作会社フリービジョンの下に小さくブレイブキングって書いてあった。」等の書き込みがなされている。

ナ 甲第313号証は、商標権者宛の株式会社アイ信からの誤送信発注ファクシミリの写しである。

ニ 以上を総合すると、引用商標は、「録画済みDVD,録画済みビデオテープ」の商品の商標として、また、申立人の社標(コーポレートロゴマーク)として昭和63年から現在に至る迄永年使用され、盛大に宣伝広告された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものというべきである。

(2)本件商標と引用商標との類否について

ア 本件商標は、別掲(1)のとおり、下段の文字の四倍程度大きい「golden Candy」の欧文字を配し、その下に上段の文字の四分の一程度で横幅を同じくした「FREEVISION・GOLDENCANDY CO.,LTD」の欧文字を併記したものである。

そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、外観、視覚上極めて大きく表されている上段の「golden Candy」の欧文字部分に着目し、該部分より、単に「golden Candy」の称呼をもって取引に資する場合も少なくないというべきである。

してみれば、本件商標は、大きく顕著に表示されている「golden Candy」の文字部分に相応して「ゴールデンキャンディ」の称呼をも生じ、特定の観念の生じないものというのが相当である。

イ 引用商標1は、「golden Candy」の欧文字を書してなり、引用商標2は、別掲(2)のとおり「golden」と「Candy」の欧文字を上下に配した構成よりなり、引用商標3は、「ゴールデンキャンディ」の片仮名文字よりなるものである。

ウ そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、引用商標は、その構成文字に相応していずれも「ゴールデンキャンディ」の称呼を生ずること明らかである。

そうすると、本件商標と引用商標とは、「ゴールデンキャンディ」の称呼を同じくし、また、引用商標1及び引用商標2とは「golden」と「Candy」の欧文字部分において外観も同じくするものである。

してみれば、本件商標は、引用商標と称呼上類似するものであり、引用商標1及び引用商標2の文字部分とは外観上も類似するものというべきである。

そして、本件商標の指定商品中「録画済みDVD,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」は、引用商標の上記使用商品と同一又は類似の商品といえるものである。

エ したがって、本件商標は、その指定商品中「録画済みDVD,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」については他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似するものであって、その商品又は類似する商品について使用するものというべきであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。

第4 商標権者の意見(要旨)

商標権者は、本件商標の登録は維持されるべきものであると主張し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。

1 商標権者は、2008年2月1日に、第三者(株式会社ソフトウェーブ副社長取締役 宮原友昭氏)立ち会いのもとで、申立人の代表秋廣氏と会談し、「申立人は、(販売活動の一時停止ではなく)会社を畳む。」旨を聞いた。

2 申立人は、2008年1月から3月の期間、安売りを行い、会社廃業の旨を全国のレンタルショップに向け告知をした。

そして、その後、申立人は「GOLDEN CANDY」、「ゴールデンキャンディー」、「フリービジョン」及び「FREEVISION」の標章を使用した商品は発売していない。

3 申立人は、大手流通三社の担当者や取締役に、「会社を畳むので安売りをする。」及び「会社は廃業する。」と話した(乙第3号証)。

4 申立人の代表秋廣氏は、廃業するから私(商標権者)に「類似品」を作ってもかまわないと言った。

5 よって、私(商標権者)どもは弁理士の方に、類似した名前がないか調査を依頼し、申立人の廃業と「類似品を作ってもかまわない」とのことなら問題無いことを確認し、出願をした(乙第1号証)。

6 商標権者は、日本ビデオ倫理協会及び一般社団法人日本映像倫理審査機構にも上記の経緯を話し、了解を頂き審査を受けている(乙第2号証)。

7 本件商標の出願時及び査定時に、申立人の商品は発売されていない。

8 商標権者は無断で「フリービジョン」や「ゴールデンキヤンディー」という名称を使用していない。

9 商標権者は、こういった経緯のもと順序をたてて、会社運営をしている。

したがって、申立人が主張する「GOLDEN CANDY」、「ゴールデンキャンディー」、「フリービジョン」及び「FREEVISION」の周知性は、仮に一時有していたとしても、本件商標の出願時及び査定時においては、周知性を喪失しており、商標法第4条第1項第10号には該当しない。

第5 当審の判断

1 本件商標は、別掲(1)のとおり、「golden Candy」と「FREEVISION・GOLDENCANDY CO.,LTD」の欧文字を併記した構成よりなるところ、前記第3の取消理由に対して、商標権者は、前記第4のとおり意見を述べているので、以下検討する。

2 商標権者の意見(要旨)

請求人は、本件商標の出願前後の2008(平成20)年1月から6月頃に、会社廃業の旨を、大手流通三社の担当者や取締役並びに全国のレンタルショップに告知をし、在庫商品の安売りをした(乙第3号証)から、「GOLDEN CANDY」等の商標は、周知性を喪失していた。

3 商標権者の意見に対して

申立人は、昭和61年8月21日より平成20年6月末日の間日本ビデオ倫理協会へ加盟し、その間「golden Candy」レーベルのビデオ(DVDを含む。以下同じ。)を多数リリースし(甲第21号証ないし甲第300号証、甲第302号証及び甲第303号証)、そのうちの少なくとも、計277本の審査を受け、また、出願直前の2年間においても、約30本程の審査を受けていたものである(甲第19号証ないし甲第20号証及び甲第301号証)。

そして、ビデオ情報誌等には、1991年11月より、「ゴールデンキャンディ」及び「golden Candy」レーベルのビデオの広告を多数掲載し(甲第5号証ないし甲第18号証)、また、ホームページを開設し広告宣伝を行っていたこと(甲第305号証ないし甲第307号証)が認められるものである。

そうとすると、権利者の主張及び申立人ホームページにおける「営業再開のお知らせ」の内容(甲第305号証)からして、本件出願の直前において申立人が業務を休止していたことが窺えるとしても、20数年にわたり宣伝広告を行い多数の商品(ビデオ)を販売してきた実情からすると、請求人及び本件商標は、相当程度に需要者に広く知られていたものであると認められるものであり、たとい、本件商標の出願日の直前(約3ヶ月程前)に商品の安売りをし(乙第3号証)、商品の発売を休止したとしても、出願時及びその約5ヶ月後の査定時に需要者への周知性が喪失していたとは考え難いものである。

このことは、「2ちゃんねるの掲示板」への書き込み(甲第312号証)においても、需要者への周知性の継続の実情を窺い知ることができる。

以上のとおり、権利者が主張する「GOLDEN CANDY」等の周知性が、本件商標の出願時及び査定時においては、喪失していたとの意見は、採用することができないものであり、また、他に、周知性を喪失していたと認めるに足る証拠もない。

4 まとめ

したがって、本件商標についてした前記第3の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、その指定商品中、結論掲記の指定商品について、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定によって、取り消すべきものである。

しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、前記法条に該当するものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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