Trademark Appeal Case
鶏図形商標の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900256(T2009−900256/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5217685号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成20年9月1日に登録出願、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同21年2月10日に登録査定、同年3月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、下記のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。なお、これらの商標をまとめていうときは、以下「引用商標」という。
ア 国際登録第758835号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2000年12月12日にPortugalにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第29類「Olive oil, edible oils and fats.」を指定商品として、2001年5月11日に国際登録、我が国においては、平成14年2月22日に設定登録されたものである。
イ 国際登録第864721号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、2005年3月15日にFranceにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第29類「Olive oil, edible oils and fats.」を指定商品として、2005年9月6日に国際登録、我が国においては、平成20年2月8日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標の外観を比較するに、多少の差異点はあるものの、いずれも左向きに直立する鶏を表しなるものであり、需要者、取引者には、左向きに直立する鶏が強く印象づけられるものであるから、本件商標と引用商標とは外観において類似するものであって、両商標を離隔的に観察した場合には、混同を生じる可能性を否定できない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、1860年に創業した申立人の商標であって、ポルトガル最大のオリーブオイルブランドの商標として今日まで使用されているものであり、ポルトガル本国だけでなく、同じポルトガル語圏のブラジルでも有名であり、オリーブオイルのシェアにおいて一位を占めているほどである。また、その商品は、日本においても広く販売されており、容器の外観に表された申立人の特徴ある鶏のマークとともに、取引者、需要者に広く認識されている。
してみれば、本件商標が第29類の指定商品中の「食用油脂」に使用された場合には、その商品の需要者が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)よって、本件商標は、その指定商品中の第29類「食用油脂」について、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲1に示したとおり、青色に表された方形内に、左向きに直立する鶏を極めて図案化して表したものであり、半円状に描かれた胴体及び同じく半円状の上部から下方に垂れ下がるように描かれた大きな尾羽の部分を赤色で表し、鶏冠、肉髭、嘴、目(白目部分)、一本足及び輪郭線部分を白色で表した構成からなるものである。
他方、引用商標1は、別掲2に示したとおり、植物の葉によって縁取られた円状図形の中に左向きに直立した鶏を写実的に表し、その下部に、模様を施した輪郭図形を配し、その中に「GALLO」の欧文字を表した構成からなるものである。
また、引用商標2は、別掲3に示したとおり、円輪郭の中心部に左向きに直立した鶏を写実的に表し、鶏の両側に植物の枝葉をあしらい、その下に「GALLO」の欧文字を配した構成からなるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、上記したとおり、本件商標は、方形内に鶏を表したものであるのに対して、引用商標は、鶏と植物の葉又は枝葉の如き植物模様とから構成され、これに「GALLO」の欧文字を配した構成からなるものであるから、その全体の構成において明らかな差異が認められる。
また、その構成中の鶏の図形部分のみを比較してみても、上記したとおり、本件商標の鶏の図形は、鶏をデフォルメして表現されているのに対して、引用商標の鶏の図形は、写実的に表現されているものであって、この描出方法による差異が看者の印象に与える影響は極めて大きいものというべきである。
そうとすれば、両商標の図形は、ともに鶏を構成要素にしているとしても、その構成態様において十分区別し得る差異を有しており、図形全体から受ける視覚的印象ばかりでなく、鶏の図形部分から受ける視覚的印象においても明らかな差異を有するものであるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察しても、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、少なくとも、本件商標の図形部分から特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念の点については比較すべくもないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人が引用商標の周知・著名性を裏付ける証拠として提出しているものは、申立人のウェブサイトの写し、リードオフジャパン株式会社のウェブサイトの写し、楽天市場のウェブサイトの写し、Yahooショッピングのウェブサイトの写し及びマイコミジャーナル価格情報の写しのみであり、これらの証拠のみをもってしては、引用商標の周知・著名性を判断するに充分なものとはいい難く、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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