Trademark Appeal Case
語尾一音の称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900290(T2009−900290/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5233198号商標(以下「本件商標」という。)は、「ETRA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成20年10月7日に登録出願、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として、同21年4月7日に登録査定、同年5月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、以下のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。
(a)登録第1825116号商標は、「ETRO」の欧文字を横書きしてなり、昭和58年11月18日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年12月25日に設定登録、平成8年5月30日及び平成17年11月15日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、その後、平成18年2月22日に指定商品の書換登録により、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」を含む第6類、第14類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(b)登録第3297576号商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成6年9月16日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録、平成19年4月3日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(c)登録第4082910号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成7年12月8日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,防臭用化粧品及びその他の化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同9年11月14日に設定登録、平成19年10月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(d)登録第4200506号商標は、「ETRO」の欧文字を横書きしてなり、平成9年1月24日に登録出願、第8類「手動工具,はさみ類,ほうちょう類,その他の手動利器,くわ,鋤,レーキ(手持ち工具に当たるものに限る。),組ひも機(手持ち工具に当たるものに限る。),靴製造用靴型(手持ち工具に当たるものに限る。),電気かみそり及び電気バリカン,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット,かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,フォーク,アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器,水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル,五徳,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。),十能,パレットナイフ,火消しつぼ,火ば
し」を指定商品として、同10年10月16日に設定登録、平成20年10月7日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(e)国際登録第844764号商標は、別掲(3)のとおりの構成からなり、2004年9月13日にイタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; animal skins, hides; trunks and travelling bags; umbrellas, parasols and walking sticks; whips, harness and saddlery.」を含む第14類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2004年9月28日に国際登録、我が国においては、平成18年6月23日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標からは「エトラ」の称呼を生じ、引用商標からは「エトロ」の称呼を生ずる。この両称呼は、語尾の「ラ」の音と「口」の音のみが相違するだけであり、しかも、聴取し難い語尾に位置しているから、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、相紛らわしいものとなる。
また、本件商標と引用商標とは、わずかに語尾の「A」の文字と「O」の文字とが相違するに過ぎないから、両者は、外観上も相紛らわしいものである。加えて、引用商標は、我が国の需要者・取引者の間で著名なものとなっている。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用商標「ETRO」は、「かばん、バック、財布」に使用され、本件商標の出願時には既に著名なものとなっていたものである。そして、引用商標が使用されてきた商品「かばん、バック、財布」と本件商標の指定商品とが抵触することは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
また、引用商標「ETRO」は、「かばん、バック、財布」のみならず「被服、メガネ」等の多くのファッション関連商品に使用され、本件商標の出願時には既に著名なものとなっていたものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品が申立人ないしは同人と資本的関係のある者の業務に係るものであるかの如く、その出所の混同を生じるは必定である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(4)まとめ
以上のことから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録された違法なものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記した構成からなるものであるから、該構成文字に相応して「エトラ」の称呼を生ずるものと認められる。
一方、引用商標は、上記あるいは別掲のとおりの構成からなるものであるから、いずれも「ETRO(Etro)」の欧文字に相応して「エトロ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標から生ずる「エトラ」の称呼と引用商標から生ずる「エトロ」の称呼とを比較するに、両称呼は、語尾部分において「ラ」と「ロ」の音の差異を有するものであるところ、この両音は、子音を同じくするとはいえ、それぞれの母音である(a)及び(o)の各音は、その発音形態を異にするばかりでなく、両母音も共に明瞭に発音され、聴取される開放母音であるから、この差異は、語尾部分における差異とはいえ、3音という極めて短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標と引用商標の欧文字部分の外観を比較してみても、語尾部分における文字の差異とはいえ、明らかに字形の異なる「A」と「O(o)」の文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両者の外観を見誤ることはないものというべきである。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
上記したとおり、本件商標と引用商標とは、互いに十分に区別し得る非類似の商標と認められるものであるから、他の要件について判断するまでもなく、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標を「カバン、バッグ、被服、メガネ」等の商品について使用して著名になっている旨主張しているが、申立人の提出に係る甲各号証(各種ホームページ)によれば、引用商標が「カバン、バッグ、被服、メガネ」等の商品に使用されて、我が国においても一定程度知られていることは認められるとしても、引用商標に係る商品の販売数量、売上高、広告宣伝の状況等、引用商標の著名性を具体的に裏付ける証拠が何ら提出されていないため、申立人の提出に係る証拠のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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