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Trademark Appeal Case

山岳図形商標の外観類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900367(T2009−900367/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5241728号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5241728号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成20年6月2日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同21年6月26日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、下記のほか、後記の10件である。以下、これらを併せて、単に引用商標ということがある。

登録第3151509号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示す構成からなり、平成4年9月26日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同8年5月31日に設定登録されたものである。

(2)理由の要点

本件商標は、その出願時及び登録査定時において生命保険、投資、不動産事業などを中核とする米国最大級の金融機関として著名なプルデンシャル・ファイナンシャルのシンボルマーク「ジブラルタ・ロック」と共通点が多いものであり、本件指定役務も同事業と関連性が非常に強いものである。

また、ジブラルタ・ロック及びこれを表した引用商標は日本国においてもプルデンシャル・ファイナンシャルのグループ会社および子会社が同事業に広く使用されているから、本件商標を使用した役務に接する取引者及び需要者は、恰も申立人またはその関連会社の取り扱う業務に係る役務であるかの如く誤って認識する可能性が極めて高い。

したがって、本件商標は、プルデンシャル・ファイナンシャルの業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある商標であり、商標法第4条第1項第15号該当し、その登録を取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)申立人提出の証拠によれば、引用商標1をはじめとして、別掲(2)に示す標章を構成中に有する引用商標が、申立人及び同人のグループ会社および子会社に係る役務について使用されており、別掲(2)に示す商標は、申立人らの役務を表示するものとして、その需要者の間に広く認識されるに至っているものと認められる。

また、引用商標が使用される役務と本件商標の指定役務とは、同一又は類似の役務を含み、また関連性の程度が高いと認められるものである。

(2)本件商標は、別掲(1)のとおりの図形からなるものである。そして、本件商標を構成する図形は、山岳をモチーフとしたと思われるものではあるけれども、図案化された山岳の図形の一として看取されものであり、これから特定の観念や特定の称呼を生じさせることはないというのが相当である。

一方、引用商標は、別掲(2)に示す商標、あるいは、これに文字とを結合した商標である。

そこで、本件商標と引用商標の構成図形とを比較すると、前者は、下部で不揃いの四足(右端の一は細い線で内へ小さくはね上がっている。)をもった不定形の黒塗り三角形状の図と、その頂点から右へ太さの一定しない線を描き、全体の外縁が略三角形状になった、右側から日射があるようにした山岳風の図形である。

これに対して、後者は、中央に、大きな黒塗り部分とそれから派生したような3つの線、及び、それと離れた右側に縦の黒塗りの3つの線を描き、さらに、頂点から右横斜め下に線を配して、右側から日射があるようにした山岳風の図形とし、その山岳の右の線の終点から反時計回りに山岳の左の線へ向け円周の一部を描き、これらの下部に黒塗りの弧を配したもので、全体の外縁が円状の図形である。

しかして、両者は、日射による陰影のある山岳風図形を構成要素として含む共通点があるとしても、前者は陰影が右側に限られているのに対し、後者はいくつかの部分に分かれていること、山岳の形状及び陰影の形状が異なること、下部の黒塗りの弧の有無、全体の形状が略三角形状と円状で異なること、で相違するものである。

してみると、上記の相違点は共通点を凌駕するものであって、両者は、全体として明らかに異なった印象を看者に与えるものというのが相当であるから、本件商標と引用商標とは、対比した場合に限らず、時と所を異にしてみた場合にも、外観上相紛れるおそれはないというべきである。

また、特定の観念及び称呼を生じない本件商標は、引用商標と観念及び称呼の異同について比較することができないものであるから、本件商標と引用商標とは、観念及び称呼上で相紛れるおそれがあるということはできない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても互いに類似するものということはできず、他に、これらを更に関連付けてみるべき理由もみいだせないから、結局、別異の出所を表わす商標といわざるを得ないものである。

(3)以上によれば、上記(1)で述べた引用商標の周知性の程度や使用される役務相互の関連性等を併せ勘案しても、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起するとは言い難いから、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く誤信し、その出所について混同するおそれはないと判断されるものである。

(4)したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

後記

(ア)登録第3196839号商標は、別掲(2)に示す構成からなり、平成4年9月26日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同8年9月30日に設定登録されたものである。

(イ)登録第3151511号商標は、「Prudential Asia」の文字の右に別掲(2)に示す標章を配した構成からなり、平成4年9月26日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同8年5月31日に設定登録されたものである。

(ウ)登録第3312753号商標は、下線を付した「Prudential Securities」の文字の右に別掲(2)に示す標章を配した構成からなり、平成4年9月30日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同9年5月23日に設定登録されたものである。

(エ)登録第3312754号商標は、「Prudential Securities(JAPAN)LIMITED」の文字の右に別掲(2)に示す標章を配した構成からなり、平成4年9月30日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同9年5月23日に設定登録されたものである。

(オ)登録第3312756号商標は、下線を付した「プルデンシャル証券」の文字の右に別掲(2)に示す標章を配した構成からなり、平成4年9月30日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同9年5月23日に設定登録されたものである。

(カ)登録第4610569号商標は、別掲(2)に示す標章の右に「Gibraltar」及び「ジブラルタ生命」の文字を上下二段に配してなり、平成13年4月24日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同14年10月4日に設定登録されたものである。

(キ)登録第4637458号商標は、「Prudential」及び「Financial」の文字の間に別掲(2)に示す標章を配してなり、平成12年11月20日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同15年1月17日に設定登録されたものである。

(ク)登録第4807043号商標は、「Pricoa」及び「Financial」の文字の間に別掲(2)に示す標章を配してなり、平成15年11月17日に登録出願、第35類及び第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同16年10月1日に設定登録されたものである。

(ケ)登録第4908946号商標は、「Dryden」及び「Financial」の文字の間に別掲(2)に示す標章を配してなり、平成15年5月14日に登録出願、第35類及び第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同17年11月18日に設定登録されたものである。

(コ)登録第5086654号商標は、別掲(2)に示す標章の右に「Pramerica」の文字を配してなり、平成19年3月7日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同19年10月26日に設定登録されたものである。

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