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Trademark Appeal Case

色名商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900400(T2009−900400/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5252035号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5252035号商標(以下、「本件商標」という。)は、「クリスタルピンク」の片仮名文字を標準文字で書してなり、平成20年4月15日に登録出願、第3類「香水,薬用化粧水,薬用クリーム」を指定商品として、同21年4月2日に登録査定、同年7月31日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由について

(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について

(ア)「クリスタルピンク」の語は、「澄んだ感じの明るい黄みのピンク」の色調を表す語である(甲第1号証)。

(イ)本類の商品においては、アイシャドウ、口紅、リップグロス、バスソルト等のように化粧品自体が様々な色調を有することは、周知の事実であるが、本件商標の指定商品である「香水」、「薬用化粧水」等においては、化粧品自体ばかりではなく、化粧品を収納した容器自体が着色されていることを特長とする商品も普通に流通しているものである(甲第2号証ないし甲第6号証参照)。

(ウ)したがって、本類の商品においては、「クリスタルピンク」のような色調を表す語は、「化粧品自体がクリスタルピンクの色彩を有する商品」あるいは「クリスタルピンクの容器に収納された商品」を直感させるに過ぎず、いずれにしても「クリスタルピンク色の商品」を直感するものであることは明白なところであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について

本件商標を「クリスタルピンク色の商品」以外の指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「クリスタルピンク色の商品」であるかのように直感させ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(3)むすび

以上の理由により、本件商標は、登録の要件を具備しないものとして、その登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について

異議申立人が甲各号証及び平成20年7月18日に刊行物等提出書により提出された資料によれば、以下の事実が認められる。

甲第4号証は、化粧品などに関して「クリスタルピンク」の文字の使用が掲載されているインターネットウェブサイトのプリントアウトであるが、各サイトへの情報掲載日又はその情報の最新更新日などが不明であるばかりでなく、プリントアウトされたのは本件商標の識別性の判断基準日である登録査定がなされた平成21年4月2日より後の2009(平成21)年9月11日又は14日であることが認められ、本件商標の識別性の有無を判断する資料とするには適切でない(ただし、後に述べる刊行物等提出書の記載部分と重複する部分を除く。)。

また、甲第5号証は、PATOLlSによる商標出願審査情報のプリントアウトであるが、その情報は本件商標の審査経緯情報であることが認められ、これを本件商標の識別性の有無などを判断する資料とするには適切でない。

甲第6号証は、商品を収納する容器などが着色されていること示すインターネットウェブサイトのプリントアウトであるが、「クリスタルピンク」の文字が現実に容器の色を表すものとして具体的な使用例が掲載されているサイトは認められない。

甲第1号証は、昭和54年9月4日社団法人日本流行色協会発行の「JAFCA創立25周年記念出版 JAFCA BASIC COLOR CODE(JBCC)」であり、126頁には、「色名解説」の見出しのうち「l−yPK」(light yellowish pink)(色票No.28)の項目に、「Crystal Pink クリスタル・ピンク C/A 60・AW 澄んだ感じの明るい黄みのピンク 7.5R8.5/5」などと記載されていること、甲第2号証及び甲第3号証は、株式会社ファンケル作成情報誌「エスポワール」の2007年1月号及び2008年1月号であり、アイメーク用カラーについて「スウィートカラー」及び「エレガンスカラー」のハイライトとして「色番14 クリスタルピンク」が記載されていることの各事実が認められる。

また、登録異議申立人が平成20年7月18日に審査手続において提出した刊行物等提出書添付のインターネットウェブサイトの2008(平成20)年6月19日にプリントアウトした資料1によれば、「クリスタルピンク」の文字が、「エスティローダー口紅クリスタルピンク−モバオク」の項に「エスティローダーの口紅です/お色は303番クリスタルピンクです」(以上、1枚目に記載)、「キスミーヒロインメイク リップグロス01 クリスタルピンク【ケンコーコム】」の項に「キスミーヒロインメイク リップグロス01 クリスタルピンク」(以上、2枚目に記載)、「Yahoo!BEAUTY−ジューシージュレ−ランコム−コスメ」の項に「メーカー ランコム」・「ブランド名 ランコム」・「カテゴリ 口紅・リップグロス」・「限定3色・・・爽やかにグレープフルーツが香るクリスタルピンク」(以上、3枚目に記載)、「Yahoo!BEAUTY−ルージュ ピュアリーステイ−オーブ−コスメ」の項に「メーカー名 花王」・「ブランド名 オーブ」・「カテゴリ 口紅・リップグロス」・「新10色 夏らしい透明感のある色とパールの輝きが、そのまま続く落ちにくい口紅。・・・PK724 クリスタルピンク」(以上、4枚目に記載)、「Yahoo!BEAUTY−ピュア・リップグロス−ナチュラピュリファイ−コスメ」の項に「メーカー名 ナチュラピュリファイ研究所」・「ブランド名 ナチュラピュリファイ」・「カテゴリ 口紅・リップグロス」・「新1色/春の新色が登場。/06クリスタルピンク」(以上、5枚目に記載)、「アイカラー・クリスタルピンク01/1.6g通販.ne.jp」の項に「アイカラー・クリスタルピンク01/1.6g」、「無印良品」(以上、6枚目に記載)及び「クレオWEB SHOP|Kパレット」(7枚目に記載)の項に「ネイルオン44(クリスタルピンク)」、「・・・女度アップのフェミニンカラー」などと記載されていることが認められる。

以上の事実によれば、昭和54年発行の甲第1号証には色名として「クリスタルピンク」が掲載され、この色は「澄んだ感じの明るい黄みのピンク」であると解説されており、株式会社ファンケルの2007年及び2008年の取り扱いに係るアイメーク用カラーについて「クリスタルピンク」の文字が使用され、審査手続において提出された刊行物等提出書添付資料において口紅及びネイルカラーについて「クリスタルピンク」の文字が色名を表すものとして使用されている事実が認められる。

しかしながら、甲第1号証は、JAFCAの創立記念として昭和54年に発行されたもので、定価の表示が無いところから推察すると、会員のみに限定して頒布されたにすぎない可能性が高く、発行後相当期間経過しており、これ以外に「クリスタルピンク」の文字について色名及びその解説について色見本帳、色彩に関する辞典、一般的辞書類又はその他の出版物などに掲載されていることが立証されていないこと及び現実の使用例としてはアイメーク用カラー、口紅、リップグロス又はネイルカラーなど特に色を重要視する化粧品の一部に使用していることが認められるにすぎず、特定された一般的な色彩を看取させるものともいえないものであるから、本件取消請求に係る指定商品について、本件商標の登録査定時に、本件商標は、「澄んだ感じの明るい黄みのピンク」であるとの色名を表すものであるとその取引者・需要者に想起、連想させるとまではいえず、構成全体として特定の意味合いを想起させない一種の造語というのが相当である。

したがって、本件商標は、その指定商品又はその包装用容器に係る色調を表す語、すなわち商品の品質を表す語とはいえないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当しないものである。

(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について

登録異議申立人は、本件商標は「澄んだ感じの明るい黄みのピンク」の色調を表す語であることを前提として前記以外の色調の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある旨主張する。

しかしながら、上述したとおり、本件商標は色調を表す語とはいえないものであるから、登録異議申立人の前記主張は、その前提を欠くものであり、採用の限りでない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しないものである。

(3)結論

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号の規定に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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