Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2009−900401(T2009−900401/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5252549号商標(以下「本件商標」という。)は、「ツヤサラストレート」の片仮名文字と「つやさらすとれーと」の長音記号を含む平仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成20年12月1日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、同21年7月7日に登録査定、同年同月31日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由について
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本件商標における「ツヤサラストレート(つやさらすとれーと)の語は、「ツヤを与える」の「ツヤ(つや)」、「サラサラな状態にする」の「サラ(さら)」及び「ストレートにする」の「ストレート(すとれーと)」の語を結合したものであることから、本件商標の指定商品を取扱う理美容業界においては、「ツヤがあってサラサラなストレートのヘアスタイルのこと」を表すものとして使用され、認識されているものであるが、本件商標の指定商品中、例えば、ヘアワックス、ヘアクリーム等の頭髪用化粧品に使用した場合、「ツヤサラストレート」の語は、「ツヤがあってサラサラなストレートヘアに仕上げる商品」の品質、効能、用途を意味する語であることを直感し、認識されるものである(甲第1号証)。
したがって、本件商標は、これをその指定商品に使用するときは「ツヤがあってサラサラなストレートヘアに仕上げる商品」を直感させ、単に商品の品質、効能、用途を表す標章にすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について
本件商標は、これをその指定商品中の「ツヤがあってサラサラなストレートヘアに仕上げる商品」以外の商品に使用するときは、あたかもその商品が「ツヤがあってサラサラなストレートヘアに仕上げる商品」であるかのように直感させ、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)むすび
以上の理由により、本件商標は、登録の要件を具備しないものとして、その登録は取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
甲第1号証及び平成21年3月12日に刊行物等提出書により提出された資料によれば、以下の事実が認められる。
甲第1号証は、化粧品又は美容院におけるヘアスタイルに関して「ツヤサラストレート」の文字の使用が掲載されているインターネットウェブサイトが印刷されたものであるところ、そのうちの1枚目、4枚目、6枚目ないし16枚目の印刷されたページには、各サイトへの情報掲載日又はその情報の最新更新日などが不明であるばりでなく、全16枚のうち12枚(2枚目ないし4枚目、8枚目ないし16枚目)は、印刷された日付が本件商標の識別性の判断基準日である登録査定がなされた平成21年7月7日より後の2009(平成21)年9月17日以降の日付であることが認められ、本件商標の識別性の有無を判断する資料とするには適切でないものである。
そして、1枚目ないし3枚目には、メーカー名が「べーネコスメティクス」のブランド名「プリンセスレイ」について、商品名として「ツヤサラストレートワックス」、在庫状況について「現在在庫切れです。この商品の再入荷予定は立っておりません。」、製品の特徴として「毛先までまとまり感のあるツヤサラストレートヘアに仕上げるウォーターベースのスタイリングワックスです。」、商品の説明として「『プリンセスレイツヤサラワックス』は、毛先までまとまり感のあるツヤサラストレートヘアに仕上げるウォーターベースのスタイリングワックスです。・・・」と商品紹介され、2008年9月27日付け最新クチコミには「・・・意外と使用感が良かったことを最近思い出し、ネットで探してまた購入しました。・・・限定商品なので、在庫がなくなったら買えなくなる・・・」と記載されている。
5枚目は、「ヘアースタジオ J−ONE」のウェブサイトであり、女性髪型モデル写真の右に「ツヤサラストレート/クセ毛の方におすすめです!ツヤサラとゆイメージでエアー縮毛矯正を施術しました。」、同写真下には「スタイル名:ツヤサラストレート」と記載されている。6枚目は、「パーマのヘアスタイルカタログ」と題するウェブサイトであり、女性髪型モデル写真の上には「ツヤサラストレート」と記載されている。7枚目は、「ispotヘアカタログ」と題するウェブサイトであり、女性髪型モデル写真の右にはコメントとして「G−UP縮毛矯正でツヤサラストレート。まっすぐになりすぎないので、シャンプー後の手入れも楽々です。」と記載されている。そして、前記5枚目ないし7枚目のウェブサイトは、印刷の日付が不明な部分があるが、その内容は、刊行物等提出書における2009年2月13日の日付で印刷されている3枚目ないし5枚目の資料と同一と認められるものである。
以上の事実によれば、本件商標の登録査定がされた平成21年7月7日前における「ツヤサラストレート/つやさらすとれーと」の文字の使用状況については、頭髪用化粧品としての使用例である2008年以前に限定商品として「べーネコスメティクス」が販売した商品名「ツヤサラストレートワックス」の例が実質的に1件認められるにすぎず、また、美容院におけるヘアスタイルの名称として使用されている例が数件認められるにすぎないものである。
そうすると、本件商標は、その登録査定がされた当時、「頭髪用化粧品」を扱う業界において、「ツヤサラストレート/つやさらすとれーと」の文字が特定の意味合いをもって使用され、広く知られていたとは認められないものであるから、これらの文字をその指定商品中、例えば、ヘアワックス、ヘアクリームなどの頭髪用化粧品に使用した場合、一部の者に「ツヤがあってサラサラなストレートヘア」という程の意味合いを暗示させることがあるとしても、大多数の取引者、需要者が「ツヤがあってサラサラなストレートヘアに仕上げる商品」を想起し、連想するとまでは認めることができないものである。
してみれば、本件商標は、単に商品の品質、効能、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しないものである。
(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について
登録異議申立人は、本件商標は、「ツヤがあってサラサラなストレートヘアに仕上げる商品」の品質を意味する語であることを前提として、前記以外の品質を有する商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある旨主張する。
しかしながら、前記(1)のとおり、本件商標は商品の品質を表す語とはいえないものであるから、これをその指定商品のいずれに使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しないものである。
(3)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号のいずれにも違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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