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Trademark Appeal Case

「優雅なブルガリアンローズ」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900149(T2009−900149/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5201523号商標の指定商品中、第3類「ブルガリアンローズの香りを有する洗濯用柔軟剤,ブルガリアンローズの香りを有する洗濯用漂白剤,ブルガリアンローズの香りを有するせっけん類,ブルガリアンローズの香りを有する歯磨き,ブルガリアンローズの香りを有する化粧品,ブルガリアンローズの香りを有する芳香剤(身体用のものを除く。),ブルガリアンローズの香りを有するその他の香料類」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5201523号商標(以下「本件商標」という。)は、「優雅なブルガリアンローズ」の文字を標準文字で表してなり、平成20年6月12日に登録出願、第3類「ブルガリアンローズの香りを有する洗濯用柔軟剤,ブルガリアンローズの香りを有する洗濯用漂白剤,ブルガリアンローズの香りを有するせっけん類,ブルガリアンローズの香りを有する歯磨き,ブルガリアンローズの香りを有する化粧品,ブルガリアンローズの香りを有する芳香剤(身体用のものを除く。),ブルガリアンローズの香りを有するその他の香料類」及び第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同21年1月30日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「本件商標は、第3類の商品について取り消されるべきものである。」と申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。

1 本件商標を構成する「優雅な」の語は、「優雅な芳香」、「優雅な香り」のように、上品な香りを有する本件指定商品の香調、品質を表す語として普通に使用され、認識されているものである。

2 また、本件商標を構成する「ブルガリアンローズ」の語は、「ブルガリア産のバラ」を表わす語であるとともに、最高級の種類のバラを表す語であることから、指定商品の香調、原材料、品質を表す語として使用され、認識されていることは、指定商品が「ブルガリアンローズの香りを有する化粧品」等のように限定されていることからも明白である。

3 そして、「ブルガリアンローズ」を原材料としたローション、美容液、香水等の商品が、優雅な香りを有するものであることから、「優稚なブルガリアンローズの香りを有する商品」を表す語として普通に使用されているものである。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用するときは、「優雅なブルガリアンローズの香りを有する商品」を直感させ、商品の品質を表すに過ぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

第3 本件商標に対する取消理由(要旨)

1 本件商標は、前記第1のとおり、「優雅なブルガリアンローズ」の文字よりなるところ、構成中の「優雅」の語が「やさしくみやびなこと、上品で美しいこと」の意味を有する語として日常一般においても知られているといえるものである(広辞苑 第五版)。

2 申立人の提出に係る甲第2号証ないし甲第4号証によれば、化粧品等を扱う業界においても、構成中の「優雅な」の語は、例えば、甲第2号証の一枚目の中央部「商品情報」の項に「発売日:2000/8/21」、商品説明「...エキゾチックで優雅な芳香インドアロマでリラックスした気分...」、また、二枚目の「製品情報を見る」の項に「発売日 2002年5月1日」、「...貴重なローズのエッセンシャルオイルの優雅な香りで、...」等のように本件商標の登録査定前より上品な香りを有することを誇称する場合に普通に用いられているものといえるものである。さらに、「ブルガリアンローズ」の語は、本件商標の指定商品中の「化粧品、芳香剤」との関係よりすると、高級品として知られている「ブルガリア産のバラ」の意味を有する語(甲第3号証)といえるものである。

そして、「優雅なブルガリアンローズ」自体も、例えば「...優雅なブルガリアンローズの香りで心身ともリラックスしていただけます。...」、「...うっとりするような優雅なブルガリアンローズの香りの働きでお肌もしっとり...」(甲第4号証)のように、実際に商品を誇称する語として用いられていると認められるものである。

してみれば、本件商標は、全体として特定の意味合いを表す成語ではないとしても、容易に「優雅なブルガリアンローズの香りを有する商品」の如き記述的な意味合いを理解・認識させるものであるから、上記のような商品取引の実情のもとにあっては、これを本件商標の指定商品中、第3類「ブルガリアンローズの香りを有する洗濯用柔軟剤,ブルガリアンローズの香りを有する洗濯用漂白剤,ブルガリアンローズの香りを有するせっけん類,ブルガリアンローズの香りを有する歯磨き,ブルガリアンローズの香りを有する化粧品,ブルガリアンローズの香りを有する芳香剤(身体用のものを除く。),ブルガリアンローズの香りを有するその他の香料類」について使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。

3 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第3類の指定商品について、商標法第3条第1項第6号に違反してされたものである。

したがって、本件商標は、登録の要件を具備しないから、その登録を取り消されるべきものである。

第4 商標権者の意見(要旨)

商標権者は、本件商標の登録は維持されるべきものであると申立て、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出している。(審決注:商標権者が提出した証拠には、甲各号証との記載があるが、乙各号証とした。)

1 「優雅」の語が日常一般に知られている語であるとしても、本件商標は、それ自体完結した語であり、「優雅」の語は、「ブルガリアンローズ」にかかる語である。

本件商標には「香り」の語が含まれていないものであるから、上品な「香り」を有することを誇称するとの結論は、到底肯認できない。

甲第2号証は、「優雅な」の後に「芳香」、「香り」の語が後続しているものであり、本件商標とは事情が相違する。

2 「ブルガリアンローズ」というバラの品種はない(乙各号証)。

3 本件商標からはブルガリア産のローズ(バラ)の意味が生じるとみるのが自然である。すなわちブルガリア産のバラの総称である。それぞれのバラには、それぞれの香りがあり、しかもどのような香りの相違があるのか、到底認識することは不可能である。当然なこととして、総称としてバラの香りを特定することもできない。「ブルガリアンローズ」は特定の香りをさすものではなく、当然にして香りの種類を表わす語とはなり得ない。

4 「ブルガリアンローズ」の語が普通に用いられていると認定しているが、甲第3号証及び甲第4号証では、特定の香りを表わすものとして使用されているとも、同一人にての使用か多数の会社により使用されているかの判別もできないし、商品の香りを示すために普通に使用されていることの証拠とはなり得ない。

また、上記証拠は本件商標の出願日及び登録日以降の発行に係る証拠であり、これらの証拠をもって本件商標が本件指定商品を取り扱う業界において、登録査定時に普通に使用されていたとすることはできない。

5 以上のように、本件商標は、特定の香りを想起させるものではなく、また、容易に特定な記述的意味合いを認識させるものでもないから、自他商品の識別標識としての機能を果たすものである。

第5 当審の判断

1 本件商標は、前記第1のとおり「優雅なブルガリアンローズ」の文字を標準文字で表してなるところ、前記第3の取消理由に対して、商標権者は、前記第4のとおり意見を述べているので、以下検討する。

2 商標権者の意見(要旨)

(1)本件商標は完結した語であり、「香り」の語が含まれていないから、上品な香りを有することを誇称することはない。

(2)「ブルガリアンローズ」というバラの品種はない。

(3)それぞれのバラには、それぞれの香りがあり、特定することができないから、香りの種類を表わす語とはなり得ない。

(4)甲第3号証及び甲第4号証は、特定の商品の香りを示すために普通に使用されていると判別できないし、本件商標の出願日及び登録日以降の発行に係る証拠である。

3 商標権者の意見に対して

化粧品等を扱う業界においては、「香り」が商品の品質を誇称する要素の一つであり(甲第2号証)、香料として各種「バラ」が多用され、特にブルガリア産のバラとして、ブルガリアンローズの通称で取引されるバラが高級品とされていることが窺われものである(甲第3号証)。

そして、このことは、「...世界でも特に香り高いバラといわれるブルガリアンローズの天然香料を贅沢に使用し...香りの流行は、時代性やファッションなどと連動しているが、近年は女性らしく上質な花の香りや、みずみずしいフルーツの香りなどが人気を集めている。...ブルガリアで採れたバラの香料成分...を使用し、『幸福感』『優雅さ』『色香』を多彩に表現する上品で深みのある香りを実現した。」との記事(甲第4号証の化学工業日報(2005/10/17))によっても、裏付けることができるものである。

以上のように、仮に「ブルガリアンローズ」というバラの品種名が実在しないとしても、ブルガリア産のバラが「ブルガリアンローズ」として、本件商標の出願日以前から、香料、化粧品等の原材料に使用され、また、それら商品の説明や原料表示に「ブルガリアンローズ」の文字が使用されて商取引されている実情があり、また、香りの内容を特定の意味で厳格に表現し得ないものであるとしても、この種の業界においては、上記のような表現で、商品のイメージを消費者に広告宣伝することが、一般的に行われていることからすれば、商標権者の主張は、いずれも採用することができない。

4 まとめ

したがって、本件商標についてした前記第3の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、その指定商品中、結論掲記の指定商品について、商標法第3条第1項第6号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定によって、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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