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Trademark Appeal Case

「Enterprise Search」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2009−900230(T2009−900230/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5221271号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」についての商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件登録第5221271号商標(以下「本件商標」という。)は、「Enterprise Search」の欧文字を横書きしてなり、平成20年10月6日に登録出願、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,プロジェクター及びその部品,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品又は指定役務として、同21年4月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件商標は、「企業内検索」を意味する「Enterprise Search」の文字からなり、企業内のサイトやデータを検索するためのシステムやソフトウェア製品を示すにすぎないから、本件登録異議申立てに係る指定商品及び指定役務中、これに照応するものについては、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に該当し、それ以外の指定商品及び指定役務については同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、平成21年11月26日付けで通知した取消理由は以下のとおりである。

(1)本件商標は、登録異議申立人の提出に係る証拠及び職権による調査によれば、以下の事実が認められる。

ア 甲第3号証は、BIGLOBE百科事典の「エンタープライズサーチ」に関するウェブページのプリントアウトであり、「エンタープライズサーチ」の項には、「エンタープライズサーチ(enterprise search)は企業組織内の書類、人事、経営情報等を検索できるようにするためのシステム、またはコンセプトである。」、同じく「概略」の項には、「企業が蓄積しているサーバのデータを巡回、その後どのファイルがどこにあるかなどの整理を行って記録し、そこから一つ一つを検索できるようにしたシステム。検索エンジンと同じく様々なデータを検索できるようになるため、利用する人のファイル効率化を図る一助となっている。システムの完成後、企業内でどの社員がどのファイルにアクセルしてよいのか、という規制が必要になったことから、アクセス制限の技術も進化してきている。システムは2000年ごろから徐々に登場、2005年に製品の利用が増加し、その翌年にはアメリカのオラクルが製品を発売した。」と記載されている。

イ 甲第5号証は、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の「エンタープライズサーチ」に関するウェブページのプリントアウトであり、上記(1)に記載の意味を有する語として記載されている。

ウ 甲第7号証は、「エンタープライズサーチ」のセミナー情報を示すウェブページのプリントアウトで、セミナーが2008年12月5日に福岡、同年12月10日に大阪、同年12月12日に東京で開催されることが記載されている。

エ 甲第8号証は、「エンタープライズサーチ 技術と導入」(2008年9月26日発行)の紹介記事のウェブページのプリントアウトで、「内容」の項には、「企業内に散在する資料・書類をGoogleやYahoo!を使ってWebページを探すように自在に検索する技術、エンタープライズサーチの基本、システムの導入と構築、運用と保守、導入の実例まで幅広く解説します。インターネットのサーチエンジンの便利さを企業や組織にも取り入れようとお考えの方、サーチエンジンの中身や技術を学びたい方にオススメです。」と記載されている。

オ 甲第9号証(2枚目、3枚目及び6枚目)は、「主なエンタプライズ・サーチ製品」のプリントアウトであり、「製品名(開発/販売)」項には、「ConceptBace V(ジャストシステム)」、「GoogleMini(米グーグル/三井情報,ネットマークスなど)」、「OracleSecure/EnterpriseSearch/10g Release1(米オラクル/日本オラクル)」、「QuickSolutionPotal5(住友電工情報システム)」、「動作環境、ライセンス体系、価格」、「導入の容易さを全面に押し出す製品の代表格はハードウエアと一体提供するアプライアンス型の製品」と記載されている。

カ 甲第14号証ないし甲第16号証、甲第18号証及び甲第19号証は、「企業内検索」を意味する語としてネット上で一般的に使用されている例である。

(ア)「エンタープライズサーチで創造する企業の活力とは?」の項には、「このような課題を解決するエンタープライズサーチに今、注目が集まっている。・・・エンタープライズサーチに関心を抱く企業が増えつつある。・・・エンタープライズサーチを導入する場合、見極めなければならないポイントが大きく2つあると進藤氏は指摘する。」(甲第14号証)と記載されている。

(イ)「エンタープライズサーチで加速するNotes情報活用」(2008年08月07日)の項には、「エンタープライズサーチとのコラボレーションで、情報資産再活用への可能性が見えてきた。・・・エンタープライズサーチ製品は数多く存在するが、その選択には注意が必要だ。」(甲第15号証)と記載されている。

(ウ)「マイクロソフトとファスト、共同でエンタープライズサーチ事業を展開」(2008/11/12)の項には、「マイクロソフトとファストサーチ&トランスファ(ファスト)は、SharePointServerを組み合わせた、エンタープライズサーチ事業を共同で展開すると発表した。」(甲第16号証)と記載されている。

(エ)「エンタープライズ・サーチ普及となるMicrosoftのFAST買収」(2008年2月29日)の項には、「この動きは今後のエンタープライズ・サーチの技術動向、市場展開に大きなインパクトを与えるものとして重要な意味を持つといえる。」(甲第18号証)と記載されている。

(オ)「エンタープライズサーチが必須となる理由【後編】(1/2)」の項には、「2006年来、がぜん注目を集めるようになったエンタープライズサーチ。」(甲第19号証)と記載されている。

キ 「情報大爆発の時代/未来への扉を開く検索技術」(2007.01.04付け日刊工業新聞)の見出しのもと、「グーグルやヤフーが得意とするキーワード検索と違う領域で勝負する企業もある。ノルウェーのファストサーチ&トランスファは企業向け検索に特化した『エンタープライズサーチ』で強みを持つ。企業内に散在するシステムやデータを検索で連係。『企業内検索では企業戦略を検索結果に反映させる仕組みが必要』(徳末哲一日本法人社長)という。一般消費者向けを対象にしているグーグルとの違いを強く打ち出し、世界で3500社以上の導入実績をもとに日本市場の深耕を目指す。」と記載されている。

ク 公開特許公報(特開2009−140328、【公開日】平成21年6月25日、【発明の名称】業務文書処理システム、【出願日】平成19年12月7日)の【解決手段】の項には、「文書中の表および書式を文字列にエンコードした結果を用いて検索用インデックスを予め構築しておくことを特徴とする。これにより、エンタープライズサーチ分野で利用されている高速な文字列検索手法を活用して、表の各セルの位置関係を指定した検索を行うことができる。」と記載されている。

(2)上記アないしクの認定事実によれば、本件商標は、「企業組織内の書類、人事、経営情報等を検索できるようにするためのシステム」を指称するものとして、普通一般に使用されている「エンタープライズサーチ」に通じる「Enterprise Search」の文字よりなるものであるから、これをその指定商品及び指定役務中「企業内にあるサイトやデータを検索するための上記意味合いに照応するシステムやソフトウェア用の電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品、機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」について使用するときは、商品の用途、機能、品質又は役務の内容、質を表すにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応するシステムやソフトウェア用の商品及び役務以外の商品及び役務について使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

(3)したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、上記商品及び役務については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

商標権者は、上記3の取消理由の通知に対して、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本件商標についてした上記3の取消理由は、妥当であって、その理由に示すとおり、その指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、結論掲記の商品及び役務について、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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