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Trademark Appeal Case

商標「RED」と「REDS」の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−685015(T2008−685015/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第829549号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第829549号商標(以下「本件商標」という。)は,「RED」の欧文字からなり,2006年(平成18年)11月29日に国際商標登録出願(事後指定),第38類「Communications via computer terminals;computer−aided communication and transmission of messages and images;television program broadcasting;television programs,cable television;news agencies.」を指定役務として,平成20年4月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下の2件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5082874号商標は,別掲(1)に示すとおりの構成からなり,平成16年10月28日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載された商品を指定商品として,同19年10月12日に設定登録されたものである。

(2)登録第5116114号商標は,別掲(1)に示すとおりの構成からなり,平成16年10月28日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載された商品を指定商品として,同20年3月7日に設定登録されたものである。

以下,これらを併せていうときには「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

申立人は,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第21号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第15号について

申立人は米国メジャーリーグベースボール(以下「米国MLB」という)の商標権を管理する団体である。引用商標は,米国MLB所属の球団「シンシナティ・レッズ」のロゴマークとして世界的に周知著名である。

本件商標からは,「レッド」の称呼及び「赤」の観念が生じ,引用商標からは,「レッズ」の称呼及びシンシナティ・レッズのチームカラーである「赤」の観念をも生じるから,両者は称呼及び観念において類似する。

したがって,本件商標がその指定役務に使用された場合,これが申立人,あるいは,シンシナティ・レッズと何らかの関係があるものと誤認されるおそれがあるから,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人は異動端末用放送サービス「モバHO」に関連して,引用商標を使用している。

したがって,本件商標は,その指定役務について使用され周知となっている引用商標と類似するから,商標法第4条第1項第10号に該当する。

4 当審の判断

(1)使用商標の著名性について

申立人の提出に係る証拠によれば,申立人は,米国MLBの商標権その他の権利を管理する法人であり,引用商標は,米国MLBに属する「シンシナティ・レッズ」のロゴマーク(別掲(1)以下「使用商標」という)と同一の形状からなるものであり,当該ロゴマークに色彩が施されていないものと認められる。

そして,米国MLBは,近年の日本人選手の活躍や日本での試合の放映などにより日本国内でも広く知られており,また,米国最古のプロ野球チームとして1869年に設立されたシンシナティ・レッズも,米国MLBの一球団として,そのチーム名が知られ,当該チームのユニフォームなどに使用されている使用商標も,本件商標の指定役務に係る取引者又は需要者を含め,我が国において相当程度知られているということができる。

(2)本件商標と使用商標の類否について

本件商標は,前記1のとおり「RED」の文字からなるところ,これは「赤,赤色」などを意味する平易な英語と認められるから,「レッド」の称呼及び「赤」の観念を生ずるものである。

一方,使用商標は,左側中央部が尖った赤色の横長楕円形内に,欧文字「C」をデザイン化したと思しき図形とその中央に配した「REDS」の文字とを白抜きしてなるところ,その構成中の「REDS」の文字は,「赤,赤色」などを意味する平易な英語「RED」の複数形であって,これからは「レッズ」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。

また,前記(1)のとおり,使用商標は,米国MLBの一球団である「シンシナティ・レッズ」のロゴマークとして著名なものであるから,当該「シンシナティ・レッズ」又はこれを略称した「レッズ」の観念を生ずるものといえる。

そこで,本件商標と使用商標を比較すると,まず,本件商標から生ずる「レッド」の称呼と使用商標から生ずる「レッズ」の称呼とは,促音を含めて3音という極めて短い音構成からなるところ,末尾における「ド」と「ズ」音に差異を有するものであるが,両差異音は,共に有声破裂音と母音が結合した音であって,それ自体強く発音される音である上に,促音の後に位置し,より強く明瞭に発音されるものといえるから,その差異が短い構成音からなる両称呼に与える影響は大きく,両称呼をそれぞれ一連に発音するときは,全体の音感・音調が異なり,明確に聴別できるものである。

そして,本件商標と引用商標とは,それぞれの構成に照らし外観上判然と区別し得るものであり,また,観念上も「赤」と米国MLBの一球団である「シンシナティ・レッズ」とで,明らかに異なるものである。

してみれば,本件商標と使用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

前記(2)のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れることのない非類似の商標であり,かつ,その相違の程度は大きく別異のものといえる。

そうすると,たとえ使用商標が本件商標の登録出願時に我が国において相当程度知られていたとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第10号には該当しない。

また,本件商標をその指定役務に使用しても,これに接する需要者が使用商標を連想又は想起し,その役務が申立人又はシンシナティ・レッズあるいはこれらと経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく,その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないから,本件商標は,商標法第4条第1項第15号にも該当しない。

(4)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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